JPH0422751Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は各種の建築物の内部で火災が発生し
た場合に室内の天井から煙感知器によつて防煙幕
を降下し、煙が他の部屋に浸入するのを防止する
ための防煙幕と同時に回動作用する防煙幕の案内
軌条装置に関する。

従来、火災が発生すると猛毒のある煙が天井に
昇り、天井を伝わつて他の部屋に移動し、人体に
悪影響を与え、死に追いやる場合が非常に多いも
のである。

そこで、室内の柱部分又は天井を利用したりし
て、煙の移動を防止するに必要な長さの防煙幕が
必要で在ると共に、その防煙幕を案内する両側の
案内軌条も当然に必要となるものである。

そして、この案内軌条は、予め柱部分又は壁面
部分に防煙幕を案内昇降せしめる軌条を固定した
り、内部に埋め込んで取り付けたりするのが普通
である。然し、この場合は案内軌条が外部から露
出状態となるため大変に外観が見苦しい欠点と、
装設作業が面倒で高価となる等の欠点が多々あつ
た。

この考案はこの様な従来の欠点を改良せしめた
ものであつて、その主たる目的とする所は、常時
は防煙幕の捲込収納と共に、案内軌条も回動して
収納し、火災時のみに防煙幕の降下と共に、可動
して軌条位置に移動して案内軌条の役目を果たす
ようにしたものである。

そして、その主たる構成とする所は、防煙幕が
下降すると同時に、両側又は片面の可動案内軌条
が軌条位置に可動し、防煙幕の上昇によつて、座
体に設けた押上片を以て可動案内軌条を回転して
収納ケース内に防煙幕と共に隠納するものであ
る。従つて、この考案によると、不用の時には外
部から露見されず、大変に体裁の良い効果と、柱
部分や壁部分に軌条を固定しないで済むため、面
積が広く使用できる等の効果がある。

次に、この考案の実施例を図面について説明す
ると、捲取胴１は、中心の捲取軸２に固定され、
収納ケース１８内にて軸架されている。防煙幕３
は、断熱、耐火性に優れた布等の適宜の構成材料
で構成され、その上部は捲取胴１に取着されると
共に、下部は相対する挾持板１０，１０に挾持さ
れると共に、該挾持板１０，１０の下端を座体４
に固定せしめてある。前記座体４の両端で該挾持
板１０，１０の平坦に押上片８，８を固着せしめ
る。この押上片８，８には内方に向かつた傾斜面
９と垂直面とを設けた三角形状に形成してある。
可動案内軌条５は、収納ケース１８の両端にボル
ト、ナツト等よりなる回動軸７，７によつて端部
に穿設された取付孔１２，１２を以て回転自在に
軸止されている。

また、相対する該可動案内軌条５，５には、該
押上片８，８の傾斜面９，９によつて遊転するベ
アリング等の誘導輪６，６を一方の内面に固定軸
１４によつて軸止せしめてある。また、可動案内
軌条５，５には、防煙幕３の両端が昇降案内され
る上方の一部分には、相対する案内片１１，１１
を取り付けて誘導溝１３を形成し、該案内片１
１，１１の入口に該誘導輪６を装設せしめてあ
る。更に、天井１９の内部には原動機２０の軸に
駆動歯輪１５を固定すると共に、捲取軸２の端部
に従動歯輪１７を固定する。この駆動歯輪１５と
従動歯輪１７との間に伝動チエーン１６を装設せ
しめてある。

この考案は上記の如き構成を有するものであつ
て、今この使用法を説明すると、構造物内で火災
が発生した場合には、第１図の状態より火災時の
煙感知器等の作動により連動する原動機２０を介
した駆動歯輪１５及び従動歯輪１７を伝動チエー
ン１６で作動し、捲取軸２を回転する。

そして、下端の座体４と共に降下する防煙幕３
は、煙の移動を防止する長さだけ、第３図の如く
捲取胴１より捲戻しされて垂下する。この時に座
体４の挾持板１０の水平面に支持されている可動
案内軌条５，５の誘導輪６，６は開放されて案内
軌条５，５は回動軸７，７を支点として可動して
防煙幕３の両端縁を案内片１１，１１の間を垂下
して室内を隔離し、煙を内部に収納して退散する
のを防止せしめるものである。次に、この様にし
て下降した防煙幕３を捲取るには、先ず原動機２
０を復帰方向に作動するか、又は他の手動操作等
によつて、上記と反対方向の捲上げ操作によつて
防煙幕３を捲取胴１に捲上げる。この時、座体４
に固定されている該押上片８の傾斜面９が可動案
内軌条５の内部に軸止されている誘導輪６を押圧
回転しながら、案内軌条５を回転軸７を支点とし
て回動せしめ、第１図に示す状態に防煙幕３を捲
込みすると共に、案内軌条５，５を水平方向に収
納するものである。この場合、案内軌条５，５は
座体４に支持されて自重によつて降下することが
ないように格納されるものである。

以上の通り、この考案によれば、防煙幕が垂下
される緊急の際には、防煙幕の降下と同時に可動
案内軌条も自然に可動垂下して軌条位置に移動し
て確実に防煙幕を誘導案内する効果と、防煙幕と
可動案内軌条とが同時に軽快に作動操作するの
で、両者の接合部は完全に閉ざされ煙等の侵入移
動をよく遮断できる効果がある。また、可動案内
軌条は、固定式でないので外部から露見されず、
非常に体裁が良好であると共に、装設場所のない
広い室内でも充分に利用できるという効果があ
る。そして、防煙幕の座体に設けた押上片によつ
て、防煙幕の捲上げの時において確実に可動案内
軌条を順次無理なく回動収納するという便利で優
れた効果がある。

更に、この考案によれば、柱部分及び壁部分に
案内軌条を固着した従来のものと比較すると、天
井面に収納ケースを構成するだけで自由な場所及
び大小の区分した防煙幕が容易に装設できると共
に、設置面積を広く取らないという従来にない優
れた効果がある。そして、座体の両端には、挾持
板の内方に向かう傾斜面と垂直面とを設けた三角
形状の押上片を固着せしめたので、誘導輪の回転
を著しく円滑に作動せしめ停止等の事故を確実に
防止し、非常の役目を充分に果たす効果がある。
また可動案内軌条の上方一部分に設けた案内片の
入口に誘導輪を架設せしめてあるので、防煙幕が
上昇した途中で押上片が誘導輪に接合し該可動案
内軌条の可動を著しく軽快にするという優れた作
動的な効果がある。更に、相対する案内片によつ
て設けた誘導溝によつて防煙幕の円滑な昇降と脱
離を防止する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の常時不用時の収納状態の一
部欠除した正面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線の縦
断側面図、第３図は非常時の防煙幕が効果した状
態の一部欠除した正面図、第４図は座体部分の断
面図、第５図は押上片を装着した状態の側面図、
第６図は案内軌条の正面図、第７図は同じく斜面
図である。符号１は捲取胴、２は捲取軸、３は防
煙幕、４は座体、５は可動案内軌条、６は誘導
輪、７は回動軸、８は押上片、９は傾斜面、１１
は案内片、１８は収納ケースである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 捲取胴に防煙幕を捲着して可動案内軌条を昇降
   自在とする防煙幕の案内軌条装置において、防煙
   幕３は断熱性、耐火性の布等より構成され、該防
   煙幕３の上部は捲取胴１に取着されると共に、下
   部は相対する挾持板１０，１０で座体４に固定
   し、前記座体４の両端には、挾持板１０，１０の
   内方に向かう傾斜面９と垂直面とを設けた三角形
   状の押上片８，８を固着し、該可動案内軌条５は
   収納ケース１８の両端にボルト、ナツト等よりな
   る回動軸７，７によつて回転自在に軸止され、相
   対する該可動案内軌条５，５には、該押上片８，
   ８の傾斜面９，９によつて遊転するベアリング等
   の誘導輪６，６を一方の内面に固定軸１４によつ
   て軸止し、且つ、可動案内軌条５，５には、防煙
   幕３の両端が昇降案内される上方の一部分に相対
   する案内片１１，１１を設けて誘導溝１３を形成
   し、該誘導案内片１１，１１の入口に該誘導輪６
   を装設した事を特徴とする防煙幕の案内軌条装
   置。