JPH0422554Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案は時間設定手段で設定される調理時間が
調理モードに応じて変化する誘導加熱調理器に関
する。

ロ 従来の技術 誘導加熱調理器は加熱コイルに高周波電流を流
し、この加熱コイルから発生する高周波交番磁界
により、加熱コイルに近接配置された調理具を誘
導加熱するものである。ところで、こうした誘導
加熱調理器においては各種調理モードを制御する
手段以外にレバー操作により加熱調理時間を設定
する時間設定手段が設けられているものがある。

ハ 考案が解決しようとする問題点 このような調理器において、例えば、メン類を
加熱するには比較的高出力の調理モードで短時間
（１〜15分）の加熱時間が必要で、シチユー等の
煮込み調理は比較的低出力の調理モードで長時間
（30〜120分）の時間設定が必要である。このため
時間設定レバーでの１目盛分の時間を小さくする
と、最大設定時間が短かくなり一方最大設定時間
を長くすると１目盛分の時間が長くなり、細かい
時間設定が出来ないと云う問題があつた。

ニ 問題点を解決するための手段 本考案はこのような点に鑑みて為されたもので
あつて調理モードを切り換える切換手段に連動し
て、時間設定手段での操作量に応じて設定される
調理時間範囲を変化させている。

ホ 作用 上記切り換え手段により、時間設定手段で設定
される調理時間範囲を変化させているので、細か
い時間設定や長時間に亘る時間設定が行なえる。

ヘ 実施例 第１図は本考案誘導加熱調理器の回路ブロツク
図、第２図は本考案誘導加熱調理器の操作部を示
す斜視図である。これ等の図において、１は交流
電源、２はこの交流電源１を全波整流する全波整
流回路、３はフイルタコンデンサ、４は誘導加熱
コイル、５はこの加熱コイル４と共振回路を形成
する共振コンデンサ、６はスイツチングトランジ
スタ等のスイツチング素子、７はこのスイツチン
グ素子６に逆並列に接続されたダンパーダイオー
ド、８は交流入力電流を検出するカレントトラン
ス、９は天板１０を介して加熱コイル４に近接配
置される調理具の温度を検出するサーミスタであ
る。１１は上記フイルタコンデンサ３〜ダンパー
ダイオード７で構成されるインバータの発振状態
を検出しながらスイツチング素子６をON、OFF
し各種調理モードに基づいた制御を行う制御回路
である。調理モードとしては、具体的に、加熱入
力を制御する加熱モード、調理具の加熱温度を制
御する天ぷらモード、低温（80℃）での保温を行
う保温モードがあり、上記制御回路１１にはこれ
らモードを切り換える切換スイツチ１２が付設さ
れていて、加熱モードのとき制御レバー１３の操
作により180〜1300wの入力制御が為され、天ぷ
らモードのとき加熱入力が1300wに設定温度が制
御レバー１３の操作により160〜200℃に変えられ
る。１４は調理時間を例えば15段階に設定する時
間設定レバーを示し、設定レベルに応じたコード
を出力するエンコーダ等から成る。またこの時間
設定レバー１４には切状態が設けられ、この切状
態のとき時間制御が解除され、時間設定状態のと
き時間制御がされるよう上記制御回路１１へ信号
を与えている。１５は上記時間設定レバー１４よ
りのコードに応じた時間を出力するコード／時間
変換器であつて上記切換スイツチ１２に連動する
連動スイツチ１６が設けられており加熱モードの
ときと天ぷらモード、保温モードのとき変換率を
変えている。こうしたコード／時間の変換は設定
レバー１４での１５段階の設定に対応して第３図
に示す如く、天ぷらモード、保温モードのときイ
のように短い時間範囲（１〜15分）で細かく設定
されるように割り合てられ、加熱モードのときロ
のように長い時間範囲（５〜120分）で設定され
るよう割り合てられるようにすると良い。１７は
２進カウンタ、１８，１９は10進カウンタを示
し、上記コード／時間変換器１５からの時間信号
により夫々設定時間の内、百分単位、十分単位、
一分単位を記憶保持する。２０は上記コード／時
間変換器１５により時間設定レバー１４からのコ
ードを変換して上記カウンタ１７，１８，１９へ
時間信号を送つた後に動作される発振器であつ
て、この発振出力が分周回路２１を介して上記カ
ウンタ１７，１８，１９へ与えられ、これらをカ
ウントダウンする。２２，２３，２４は夫々カウ
ンタ１７，１８，１９に結ばれ、その内容を表示
する表示器であつて螢光表示管等から成る。２５
は上記各カウンタ１７，１８，１９が零になつて
いるとき出力される信号の論理積を採るANDゲ
ートであつて、その出力は制御回路１１へ与えら
れて調理動作を停止させる。

このような誘導加熱調理器において調理時間制
御を行なわない場合は時間設定レバー１４を切状
態にしておく。こうすることにより、時間制御な
した通常の加熱モード、天ぷらモード、保温モー
ドの加熱調理が行える。

一方、メン類を高加熱入力で短時間で茹でる場
合は切換スイツチ１２を天ぷらモードにして時間
設定レバー１９を例えば第６段目に設定する。こ
のときコード／時間変換器１５は第３図イのモー
ドに設定されているため、10進カウンタ１９だけ
がその内容を“６”にし、表示器２５で、“６”
の表示が為される。同時にANDゲート２５から
の出力は“Ｌ”になつて、制御回路１１は1300w
で天ぷらモード（温度制御モード）でインバータ
を動作させる。このとき実際は調理具の温度は正
常状態では100℃以上にならないため1300wでの
連続運転になる。また、これからわずかに遅れて
コード／時間変換器１５から発振器２０へ信号が
与えられ発振器２０は動作し、分周回路２１を介
して10進カウンタ１９へカウントダウン信号を与
える。これにより10進カウンタ１９はカウントダ
ウンを行いカウント値が零になると“Ｈ”レベル
信号をANDゲード２５へ送る。このためANDゲ
ート２５への全入力は“Ｈ”になり、上記制御回
路１１へ“Ｈ”信号を与え、制御回路１１はイン
バータの動作を停止させる。

他方シチユー等の煮ものを行うときは切換スイ
ツチ１２を加熱モードにし制御レバー１３を調整
して例えば200wに設定する。この状態で時間設
定レバー１４を例えば８段目に設定するとコー
ド／時間変換器１５は第３図ロのような変換状態
になるため10進カウンタ１８へ“５”が記憶さ
れ、他のカウンタ１７，１９は零のままになる。
これにより上述と同様にカウンタ１７，１８，１
９のカウントダウンが為され、カウンタ１７，１
８，１９内容が零になつたとき運転が停止され
る。

ト 考案の効果 以上述べた如く本考案誘導加熱調理器は調理モ
ードを切り換える切換手段に連動して時間設定手
段での操作量に応じて設定される調理時間範囲を
変化させているので、細かい時間設定や長時間に
亘る時間設定が一つの時間設定手段で行なえると
ともに、その操作も極めて簡単で操作性に富んだ
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案誘導加熱調理器の回路ブロツク
図、第２図は本考案誘導加熱調理器の操作部を示
す斜視図、第３図は本考案に用いられる時間設定
レバーとその各設定レベルに対応して設定される
時間を示した対応図である。 １……交流電源、２……全波整流回路、４……
加熱コイル、５……共振コンデンサ、６……スイ
ツチング素子、８……カレントトランス、９……
サーミスタ、１１……制御回路、１２……切換ス
イツチ、１３……制御レバー、１４……時間設定
レバー、１５……コード／時間変換器、１６……
連動スイツチ、１７，１８，１９……カウンタ、
２０……発振器、２２，２３，２４……表示器、
２５……ANDゲート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱コイルに高周波電流を流しこの加熱コイル
   から発生する高周波交番磁界により加熱コイルに
   近接配置された調理具を誘導加熱する誘導加熱調
   理器において、各種調理モードに基づいた制御を
   行う制御回路と、この制御回路が制御する調理モ
   ードを切り換える切換手段と、操作量に応じた調
   理時間を設定する時間設定手段と、この時間設定
   手段で設定された調理時間を計時する計時手段
   と、を設け上記切換手段での調理モードの切り換
   えに連動して上記時間設定手段での操作量に応じ
   て設定される調理時間範囲を変化させることを特
   徴とした誘導加熱調理器。