JPH0421797Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はガラス工業に係り、特にガラス製品の
成形機にゴブを送入する装置に関する。

〔従来技術と問題点〕

ガラス成形機、特にIS型成形機、即ちガラス製
品を成形する成形部が独立している成形機におい
て、複数の成形部に多数のゴブを送入供給する場
合に、従来は成形部毎に独立した導路及び配送系
統が用いられた。最近は移動式ゴブ分配器が用い
られ、このゴブ分配器は上記導路下側から下方外
側に上記成形部まで延びる滑降路であつた。米国
の再発行特許第28073号（1974年７月９日付、特
許権者はU.P.トルドー、本願出願人に同じ）に
図示されている複式ゴブ分配装置においては、１
対のゴブ分配器が１対のゴブ吐出孔を有するゴブ
供給装置の下側にあり、このゴブ分配器の吐出側
端部が複数組のゴブ溝と整列し、このゴブ溝が上
記各成形部まで延びる。上記成形機は、操作が正
常であり、且つ、ガラス成形用の型の補修交換或
いは不合格品発生時の成形機調整のために上記成
形部の一部を停止する必要がなければ、作動上問
題はない。しかしながら、成形部の作動を停止す
る必要が生じた場合には、ゴブが上記滑降路即ち
ゴブ分配器に入る前に、そのゴブを上記ゴブ溝に
入れないように他に導くか、或いは上記各成形部
に入る前に何等かの方法で捕捉する必要がある。
その場合には、成形機全体及び全成形部の作動を
停止し、全てのゴブを、通常、工場の地下にある
再生ガラス屑置場に送らねばならない。

移動式ゴブ分配器の上端部にゴブが供給された
時に、そのゴブを排出する装置は1971年７月20日
付米国特許第3594146号に示されており、この装
置は、ゴブ吐出孔の下側に垂直な導路を有し、こ
の導路は、この導路を貫通するゴブ通路からゴブ
を振動により放出し得るように、加振自在に装着
される。上記装置は何れかの成形部に対する上記
分配器からのゴブの送入を行なわないように、プ
ログラム制御により作動することができる。更に
上記特許は全成形機に送入する全てのゴブを、上
記導路の下端から上記分配器の上端までの範囲に
コレツトシユート即ち不良ゴブ排出路を移動させ
ることにより捕捉する装置をも開示している。こ
の装置では、上記導路自体がゴブの移動経路を、
ゴブが直接上記位置にあるコレツトシユートに落
ちるように変え得ないために、上記導路が傷み易
く、且つ、無用の摩耗を生じさせる欠点がある。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、上記従来装置の欠点を除去し
上記導路自体がゴブをコレツトシユートの中に直
接落とし込み得る装置を提供することを目的とす
る。

〔考案の概要〕

上記目的は、ゴブ供給装置がゴブを吐出する時
にこのゴブを受け得る位置に移動式分配器があ
り、この分配器が上記ゴブを何組かのゴブ溝に分
配し、このゴブ溝が上記分配器の移動範囲から成
形部及びコレツトシユートまで延び、上記分配器
に駆動装置が結合され、この駆動装置が上記分配
器を、あらかじめ設定された順序で、上記何組か
のゴブ溝に整列させると共に、何れか１つの成形
部に送入すべきゴブを排出せよとの排出指令を受
けた時に、その成形部にゴブを送入するゴブ溝を
上記コレツトシユートの位置まで移動させる構造
にした複数の成形部に同時に複数のゴブを分配す
る装置によつて達成することができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図によつて説明する。

第１図はIS型ガラス成形機全体を概念的に示す
立面図であり、このガラス成形機においては、鉢
型の溶融ガラス供給装置１０は下側に１対の吐出
孔を有し、この吐出孔から溶融ガラスが１対の導
路１１の中に入る。この導路１１は上記溶融ガラ
ス供給装置１０の底部の吐出孔と同軸であり、ゴ
ブ１２は２個１組になり、上記導路から対をなす
分配器１３に、第１図に示す如く、１個ずつ入
る。上記各分配器１３は夫々垂直なシヤフトに装
着され、米国再発行特許第28073号の如く、通常、
前側の分配器がくびきの如き二又の部材に取りつ
けられ、この二又の部材が上記シヤフトに担持さ
れる。上記シヤフト１４は第５図及び第６図に明
示の如く、支持体兼用のハウジング１６のベアリ
ング１５に回転自在に装着される。前記シヤフト
１４にスパーギア１７が固着され、このスパーギ
ア１７は１対のセクターギア１８とかみ合い、こ
のセクターギア１８はアーム１９の延長された端
部に担持される。このアーム１９は、垂直なシヤ
フト２０に固定され、このシヤフト２０は、上記
ハウジング１６の内部に於いて回転自在の如くベ
アリング２１によつて支持される。上記ハウジン
グの上にギアボツクス２２が装着され、このギア
ボツクス２２から出力シヤフト２０が延びる。上
記ギアボツクス２２はサーボモータ２３によつて
駆動される。このサーボモータ２３は電気的に制
御装置２４に接続され、この制御装置２４に選択
スイツチ２５及び電源スイツチ２６が設けられ
る。上記選択スイツチ２５は６個の選択位置を有
し、この各選択位置は上記ガラス成形機の６個の
ガラス成形部に夫々対応する。この成形部は10個
程度まで増加可能であるが、その場合には上記選
択位置も増加させる。このようにして、上記６個
の成形部の何れか１個に選択的にゴブを供給しな
いようにすることができる。上記選択スイツチに
第７の選択位置を設け、上記ガラス成形機を全面
停止する場合、上記第７の選択位置を利用するこ
とにより、上記ゴブ供給装置から上記全ての成形
部に送るゴブを排出させることもできる。上記サ
ーボモータ２３は、制御装置２４により、再発行
特許第28073号の如く、即ちゴブ吐出順序を指示
通りに容易に変更し得るプログラムに従つて制御
される。従つて上記吐出順序は上記成形機で作る
ガラス製品の種類に応じて変更自在である。しか
しながら上記吐出順序は一端設定されれは変えな
いのが通常である。上記ゴブ分配器即ちスクープ
は、その吐出側端部が上記個々の成形部のパリソ
ン型にゴブを送り込み得る如く一致するまで、上
記サーボモータ２３により同時に動かされる。

〔作用〕

第１図に本考案の一実施例を示す。この実施例
においては、上記ゴブ分配器１３の下端が１対の
ゴブ配送器滑降路即ち配送シユート２７と整列
し、この配送シユート２７の下端は再生ガラス屑
滑降路即ちコレツトシユート２８の上端の中に開
口する。上記コレツトシユートは、通常、不良ゴ
ブ置場の上方に位置し、この置場は、通常工場の
床より下に設けられて水冷される。

第２図の如く、上記配送シユート２７は、上記
ゴブ分配器１３から出るゴブを受ける位置にあ
る。しかしながら、上記配送シユート２７がゴブ
を受けるのは上記成形機から不良ゴブが排出され
る時に限られ、上記サーボモータ２３の正常作動
中は、上記ゴブ分配気１３は成形用仕込材料即ち
ゴブを１対のゴブ溝２９に送る。このゴブ溝２９
の吐出側端部は配送器３０の受入側端部３０と整
列し、この配送器３０の下端は上記成形部内部の
パリソン型３１と垂直に整列する。上記配送器３
０の下端部は上記ゴブを正確に上記パリソン型３
１の内部空間の中央に入れるために細長い導路に
することもできる。上記ゴブは上記パリソン型３
１の中でパリソンになり、このパリソンはその首
を利用して仕上型３２に移され、その後取出装置
３３により上記仕上型から冷却用仕上板３４に移
されて直立に置かれる。このようにして作られた
瓶は上記仕上板３４からベルトコンベア３５に移
され、ベルトコンベア３５によつて成形工場から
搬出される。

第１図及び第２図に示す実施例において、上記
コレツトシユート２８は上記溶融ガラス供給装置
の下にあり、上記成形部の背後で作動する。

第３図及び第４図に本考案の排出装置の他の実
施例を示す。符号は第１図及び第２図と同一であ
る。この実施例では、コレツトシユート２８は上
記ベルトコンベア３５を挾む反対側にあり、上記
配送シユート２７は第１図のゴブ溝２９より明ら
かに長いゴブ溝２９の端部にある。しかしなが
ら、上記排出装置は、ゴブを排出し、そのゴブを
成形部に送らず、その成形部を作動させない場合
に上記ゴブ分配気１３が上記ゴブ溝２９の上端部
まで移動し、この上端部に一致し、上記不良ゴブ
を上記コレツトシユート２８に送るという機能及
び作動において、第１図の排出装置と基本的に同
一である。装置によつては、上記コレツトシユー
トを上記溶融ガラス供給装置の下以外の位置に設
置する方が便利な場合があり、また他の装置では
上述の説明の如く溶融ガラス供給装置の下方に設
定することもでき、第１図の実施例は後者の場合
に最も容易に使用し得るものである。

上記溶融ガラス供給装置は勿論一定の時間隔で
ゴブを供給し、この成形機の他のほとんど全ての
作動のタイミングは上記ゴブ供給作動のタイミン
グに関連する。従つて、成形部の作動を停止する
必要がある時は、その成形部に供給すべきゴブ
は、上記分配装置により、上記停止する成形部で
はなく上記コレツトシユートに送られる。上記コ
レツトシユートは中央の位置に図示されている
が、この位置は上記排出用ゴブ溝と配送器との整
合用空間を、他のゴブ溝の間よりも広くとること
ができ、その上、通常のゴブ送入順序の下では全
てのゴブ溝に最も近いという長所がある。上記ゴ
ブ分配器は、上記ゴブを排出するために上記中央
位置まで移動させなければならず、また、ゴブ供
給装置のゴブ吐出から次のゴブ吐出までの間にお
ける上記ゴブ分配器の移動所要時間は非常に長い
ものではなく、上記ゴブの吐出間隔の間に上記正
常な作動位置にあるスクープをゴブ排出位置まで
移動させ、その位置に停止させることができる。

〔効果〕

以上、主として６個の成形部を備えたガラス成
形機用の二重型ゴブ供給排出装置について説明し
たが、この装置は現用の生産性の最も高い成形型
４連式10成形部型ガラス成形機にも同様に応用可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はガラス成形機及び本考案に基くゴブ供
給装置の立面図、第２図は第１図のゴブ供給装置
の拡大平面図、第３図は本考案の他の実施例であ
る装置の立面図、第４図は第３図の装置の平面
図、第５図は第４図の装置の分配器駆動装置の、
その側板を除去した立面図、第６図は第５図の線
６−６に沿う断面図である。 １０……溶融ガラス供給装置、１１……導路、
１２……ゴブ、１３……分配器、１４，２０……
シヤフト、１５，２１……ベアリング、１６……
ハウジング、１７……スパーギア、１８……セク
ターギア、１９……アーム、２２……ギアボツク
ス、２３……サーボモータ、２４……制御装置、
２５……選択スイツチ、２６……電源スイツチ、
２７……配送シユート、２８……コレツトシユー
ト、２９……ゴブ溝、３０……配送器、３１……
パリソン型、３２……仕上型、３３……取出装
置、３４……仕上板、３５……ベルトコンベア。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 垂直な共通の通路を自由落下し、この後に予
   め設定された順序で傾斜した通路を上記各独立
   の成形部まで移動する溶融ガラスより成るゴブ
   を選り分ける装置と、上端が上記垂直なゴブ通
   路の中にあり、下端が上記傾斜したゴブ通路に
   予め設定された順に整合する移動自在のゴブ分
   配器と、上記ゴブ分配器の下端からコレツトシ
   ユートまで傾斜して延びるゴブ中央通路と、上
   記ゴブ分配器を移動させる駆動装置と、上記ゴ
   ブ分配器を上記成形部ではなく上記ゴブ中央通
   路に整合させるために上記駆動装置に結合され
   た装置とを組み合わせることにより、上記ゴブ
   分配器から順次吐出されるゴブを成形部に送入
   することなく排出し得ることを特徴とするガラ
   ス成形機ゴブ送入装置。 ２ 上記ゴブ分配器の駆動装置が電気サーボモー
   ターを有することを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載のガラス成形機ゴブ送入
   装置。