JPH04215899A - 廃水および汚泥の処理方法 - Google Patents

廃水および汚泥の処理方法

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JPH04215899A
JPH04215899A JP2209450A JP20945090A JPH04215899A JP H04215899 A JPH04215899 A JP H04215899A JP 2209450 A JP2209450 A JP 2209450A JP 20945090 A JP20945090 A JP 20945090A JP H04215899 A JPH04215899 A JP H04215899A
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wastewater
sludge
treatment
oxygen
treating
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Yoshiaki Harada
原田 吉明
Yutaka Tsukuda
佃 豊
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、廃水および汚泥の処理方法に関し、より詳し
くは、厨芥類(生ごみ、プラスチック類、紙類などを含
む)の破砕物を含む廃水および廃水に由来する汚泥を同
時に処理する方法に関する。
従来技術とその問題点 近時生活水準、特に食生活水準の向上とともに、他の家
庭ごみとともに、厨芥類の量の増加が著るしくなってい
る。現在厨芥類は、いわゆる生ゴミとして、他の家庭ご
みとともに回収され、埋立て乃至焼却処分されている。
しかるに、厨芥類は、水分含有量が極めて高いという特
徴を有しているので、その処理には種々の問題を呈して
いる。例えば、家庭、集合住宅、ビルなどでの保管に際
して環境汚染問題を引き起こしたり、搬出が煩雑であっ
たり、埋立て地での腐敗により悪臭源となったり、蝿な
どの衛生害虫の発生源となったり、或いは焼却が困難で
あったりする。また、厨芥類は、その高い水分含有量の
ために、焼却により回収されるエネルギーの増大を阻む
一因ともなっている。
生ゴミを分別収集して、コンポスト化する試みもなされ
ているが、季節的な質的変動(例えば、夏期における含
水量の極めて高いスイカ皮の集中的廃棄)、分別収集に
対する一般市民の関心の低さ、堆肥としての市場性の不
安定などの問題点があり、広く普及するには至っていな
い。
したがって、厨芥類を効果的に処理することは、保管、
収集、輸送、焼却などの多くの点で、ごみ処理技術上の
重要課題の一つとなっている。
厨芥類の処理方法としては、欧米で行われているように
、ディスポーザーにより破砕して、排水とともに下水道
に排出し、下水とともに処理する方法も存在する。しか
しながら、わが国では、既存廃水処理設備に対する負荷
の増大、水質保全などの観点から、この様な処理方法は
、むしろ抑制されている。
一方では、すでに現在においても、下水処理場などから
多量に発生する汚泥の処理も重大な問題となっており、
厨芥類の処理と下水処理及び汚泥処理とを経済的に行な
う技術の確立が切望されている。
問題点を解決するための手段 本発明者は、厨芥類などの処理に関する上記の如き問題
点に鑑みて鋭意研究を進めた結果、ディスポーザーによ
り破砕泥状化された厨芥類を排水とともに下水道または
廃水処埋設備に連絡された6専用排水管に排出した後、
下水処理場における処理または廃水処埋設備における処
理に先立って上記混合物中の固形物と液状成分とを分離
し、固形物と液状成分とを別個に処理する場合には、廃
水処埋設備に対する負荷の増大、水質の悪化などの事態
を回避しつつ、厨芥類によりもたらされるごみ処理にお
ける種々の問題点をも軽減し得ることを見出した。
特に、上記のようにして分離された固形物と下水処理場
などからの汚泥とを合わせて嫌気メタン醗酵処理法と湿
式酸化処理法との組合わせにより処理する場合には、経
済性にも侵れた結果が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の廃水および汚泥の処理方法
を提供するものである: ■廃水および汚泥の処理方法であって、(1)厨芥類を
粉砕泥状化し、生活廃水および/または産業廃水と混合
して下水道または廃水処埋設備に連絡された専用排水管
に排出する工程、(2)下水処理場における処理または
廃水処埋設備における処理に先立って上記混合物中の固
形物と液状成分とを分離する工程、 (3)上記(2)で分離された液状成分を活性汚泥処理
する工程、 (4)上記(2)で分離された固形物と下水処理場また
は廃水処埋設備において発生するか或いは回収される固
形物とを下水または廃水に混合する工程、 (5)上記(4)で得られた混合物を嫌気メタン発酵処
理する工程、 (6)上記(5)で得られた処理液を酸素の存在下にp
H約1〜11.5、温度100〜370℃で湿式酸化分
解する工程、および (7)上記(6)で得られた処理液を貴金属および卑金
属の少なくとも一種を活性成分とするハニカム状担持触
媒の存在下且つ処理液中のアンモニア、有機性物資およ
び無機性物質を分解するに必要な理論酸素量の1〜1.
5倍量の酸素の存在下にpH約1〜11.5、温度10
0〜370℃で湿式酸化分解する工程 を備えたことを特徴とする廃水および汚泥の処理方法。
■廃水および汚泥の処理方法であって、(1)厨芥類を
粉砕泥状化し、生活廃水および/または産業廃水と混合
して下水道または廃水処埋設備に連絡された専用排水管
に排出する工程、(2)下水処理場または廃水処埋設備
における処理に先立って上記混合物中の固形物と液状成
分とを分離する工程、 (3)上記(2)で分離された液状成分を活性汚泥処理
する工程、 (4)上記(2)で分離された固形物と下水処理場また
は廃水処埋設備において発生するか或いは回収される固
形物とを下水または廃水に混合する工程、 (5)上記(4)で得られた混合物を嫌気メタン発酵処
理する工程、 (6)上記(5)で得られた混合物を酸素の存在下にp
H約1〜11.5、温度100〜370℃で湿式酸化分
解する工程、 (7)上記(6)で得られた処理液を貴金属および卑金
属の少なくとも一種を活性成分とするハニカム状担持触
媒の存在下且つ処理液中のアンモニア、有機性物資およ
び無機性物質を分解するに必要な理論酸素量の1〜1.
5倍量の酸素の存在下にpH約1〜11.5、温度10
0〜370℃で湿式酸化分解する工程、 (8)上記(7)で得られた処理液を常圧又は加圧下に
活性汚泥処理する工程、および (9)上記(5)および/または(8)からの余剰汚泥
を前記(6)に返送する工程 を備えたことを特徴とする廃水および汚泥の処理方法。
以下においては、上記■および■項に示す発明をそれぞ
れ本願第一方法および本願第二方法といい、添付図面を
参照しつつ、それぞれを詳細に説明する。
I、本願第一方法 第1図に示すように、本願第一方法においては、まず、
家庭、飲食店などで発生する厨芥類(1)をディスポー
ザー(3)により粉砕泥状化(粉砕物として、5mm以
下、より好ましくは1mm以下)した後、し尿、浄化槽
汚泥水などを含む生活廃水(5)および/または産業廃
水(7)と併せて、専用排水管(9)により固形分(以
下SSという)分離機(11)に送る。ここで分離され
た液状成分は、活性汚泥槽(13)に送られ、常法に従
って、活性汚泥処理される。但し、液状成分からは、S
Sが予め分離されているので、活性汚泥槽(13)の容
量は、従来のものに比して、小さくすることができる。
SS分離機(11)で形成された固形分(15)と活性
汚泥槽(13)からの余剰汚泥(17)とは、汚泥濃縮
機(19)に送られ、濃縮される。
第1図に示す方法は、下水道未整備地域または下水処理
場以外の廃水処理設備(例えば、工場に付属する廃水処
理設備など)での実施に好適である。
第2図に示す方法では、厨芥類(1)をディスポーザー
(3)により破砕した後、し尿、浄化槽汚泥水などを含
む生活廃水(5)および/または産業廃水(7)と併せ
て、下水道(21)に流す。
初沈槽(23)において混合液から粗大な固型物、砂な
どを沈降などにより分離した後、SS分離機(11)に
おいて廃水中のSSを回収する。SSを含まない液状成
分は、活性汚泥槽(13)に送り、常法にしたがって、
活性汚泥処理する。この場合にも、液状成分からは、S
Sが分離されているので、活性汚泥槽(13)の容量は
、従来のものに比して、小さくすることができる。次い
で、液状成分を終沈槽(25)に送り、沈降分離を行な
う。
SS(27)、SS(15)、活性汚泥槽(13)から
の余剰汚泥(29)および終沈槽(25)からのSS(
31)は、汚泥濃縮機(19)に集められ、濃縮される
第2図に示す方法は、下水道整備地域における実施に好
適である。
第1図または第2図に示す処理工程において得られた濃
縮汚泥(水分含量90%以上)は、第3図に示すように
、嫌気メタン発酵槽(159)に送られて嫌気メタン発
酵処理された後、廃水・汚泥貯槽(101)に送られる
。嫌気性メタン発酵の条件は、特に限定されないが、通
常温度35〜60℃程度、消化日数0.5〜30日程度
、汚泥濃度0.5〜5%程度である。嫌気メタン発酵槽
(159)で生成する余剰汚泥は、例えば、ライン(1
05)上で廃水と混合されて、第1の反応ゾーン(12
1)に返送され、濃縮汚泥とともに処理される。次いで
、濃縮汚泥は、ポンプ(103)によりライン(105
)を経て圧送され、圧縮機(107)により昇圧されて
ライン(109)から圧送される酸素含有ガスと混合さ
れた後、ライン(111)、熱交換器(113)を経て
ライン(115)に至る。
濃縮汚泥は、熱交換器(113)における熱交換により
所定温度以上となっている場合には、ライン(117)
及び(119)を経て第1の反応ゾーン(121)に送
給され、所定温度に達していない場合には、ライン(1
23)、加熱炉(125)、ライン(127)、及びラ
イン(119)を経て第1の反応ゾーン(121)に送
給される。濃縮汚泥には、必要に応じて、そのpHを1
〜11.5程度、より好ましくは、3〜9程度とするた
めに、通常水溶液の形態で、アルカリ物質または酸性物
質が、pH調整物質貯槽(129)からライン(131
)、ポンプ(133)、ライン(135)及びライン(
137)を経て添加される。また、ライン(131)か
ら分岐するライン(132)を経てpH調整物質を廃水
・汚泥貯槽(101)に送り、予め濃縮汚泥のpH調整
を行なっても良い。第1の反応ゾーン(121)内では
、触媒を使用することなく、酸素含有ガスの存在下に濃
縮汚泥の液相酸化が行なわれる。使用する酸素含有ガス
としては、空気、酸素富化ガス、酸素、さらにはシアン
化水素、硫化水素、アンモニア、硫黄酸化物、有機硫黄
化合物、窒素酸化物、炭化水素などの1種または2種以
上を含有する酸素含有廃ガスなどがあげられる。これ等
ガスの供給量は、濃縮汚泥中のSS、有機物成分(CO
D成分)、アンモニアなどを窒素、炭酸ガス、水などに
酸化分解するに必要な理論酸素量の1〜1.5倍量、よ
り好ましくは1.05〜1.2倍量の酸素が供給される
様にするのが良い。
酸素含有廃ガスを酸素源とする場合には、ガス中の有害
成分も同時に処理し得るという利点が得られる。酸素含
有廃ガスを使用する場合に酸素の絶対量が不足であれば
、空気、酸素富化空気又は酸素により不足量を補うのが
良い。
なお、酸素含有ガスは、第1の反応ゾーンとしての本湿
式酸化工程に供給される濃縮汚泥に対して全量供給する
必要はなく、本湿式酸化工程と第2の反応ゾーンとして
の次工程とに分散して供給しても良い。例えば、第1の
反応ゾーンとしての本湿式酸化工程においては、通常S
Sの10〜90%程度が分解乃至可溶化され、COD成
分の10〜60%程度及びアンモニアの0〜15%程度
が分解されるので、理論酸素量の0.4〜0.8倍量に
相当する酸素含有ガスを供給し、残余を第2の反応ゾー
ンとしての次工程で供給しても良い。第1の反応ゾーン
としての本湿式酸化工程における反応時の温度は、通常
100〜370℃、より好ましくは200〜300℃程
度である。
反応時の温度が高い程、供給ガス中の酸素分率・分圧が
高い程、また操作圧力が高い程、SSの可溶化をも含め
た被処理成分の分解率が高くなり、反応器内での濃縮汚
泥滞留時間が短縮され且つ次工程での反応条件が緩和さ
れるが、反面において設備費が大となるので、濃縮汚泥
の種類、次工程における反応条件との兼ね合い、要求さ
れる処理の程度、全体としての運転費及び設備費等を総
合的に考慮して定めれば良い。反応時の圧力は、所定の
反応温度において濃縮汚泥が液相を保つ最低限の圧力以
上であれば良い。反応時間は、反応器の大きさ、濃縮汚
泥の水質、温度、圧力等により変り得るが、通常15〜
120分程度であり、好ましくは30〜60分程度であ
る。
次いで、本願第一方法では、第1の反応ゾーン(121
)からの処理水は、ハニカム状担体上に触媒有効成分を
担持させた触媒体を充填する第2の反応ゾーン(139
)に送られ、ここで再度液相酸化に供される。ハニカム
状担体の構造としては、開口部が六角形、円形などの任
意の形状のものでよい。単位容積当りの面積、開口率な
ども特に限定されるものではないが、通常単位容積辺り
の面積200〜800m2/m3程度、開口率40〜8
0%程度のものを使用する。ハニカム構造体の材質とし
ては、チタニア、ジルコニアなどが例示される。触媒有
効成分としては、貴金属および卑金属の少なくとも一種
が使用される。貴金属系触媒活性成分としては、ルテニ
ウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム
、白金、金などが例示される。卑金属系触媒活性成分と
しては、鉄、銅、コバルト、マンガン、ニツケル、マグ
ネシウム、タングステンなどが挙げられる。また、必要
に応じて、これらの触媒活性成分には、テルル、ランタ
ン、セリウム、セレンなどの助触媒成分を併用すること
により、触媒活性成分の活性増大、触媒体の耐熱性、耐
久性、機械的強度の向上などを図ることができる。触媒
有効成分および助触媒成分は、常法に従って、チタニア
、ジルコニアなどのハニカム状担体に担持させた状態で
使用する。触媒活性成分の担持量は、通常担体重量の0
.05〜25%程度、好ましくは0.5〜3%程度であ
る。また、助触媒成分の使用量は、触媒活性成分に対し
、0.01〜30%程度である。反応塔容積は、固定床
の場合には、液の空間速度が0.5〜101/hr(空
塔基準)、より好ましくは1〜41/hr(空塔基準)
となる様にするのが良い。
第2の反応ゾーン(139)における反応時の温度及び
圧力条件は、第1の反応ゾーン(121)におけるそれ
らと同様でよい。
第1の反応ゾーン(121)からの処理水には、圧縮機
(107)からの酸素含有ガスをライン(141)を経
て供給しても良く、またpH調整物質貯槽(129)か
らのpH調整物質をライン(131)、ポンプ(133
)、ライン(135)及びライン(143)を経て第2
の反応ゾーン(139)下部に添加しても良い。尚、ア
ルカリ物質は、第1の反応ゾーン(121)及び第2の
反応ゾーン(139)の適宜の位置(図示せず)に供給
しても良い。
第2の反応ゾーン(139)において液相酸化された高
温の処理水は、ライン(145)を経て熱交換器(11
3)に入り、ここで未処理の濃縮汚泥に熱エネルギーを
与えた後、ライン(147)を経て冷却器(149)に
入り、冷却される。また、必要ならば、高温の処理水を
廃水・汚泥貯槽(101)に導き(図示せず)、熱交換
によって濃縮汚泥の予熱を行なってもよい。この予熱に
より、濃縮汚泥の粘度が大巾に低下するので、その処理
が容易となる。ライン(147)からの冷却水の温度が
50℃前後となっている場合には、冷却器(149)を
使用する必要はない。冷却器(149)を出た処理水は
、ライン(151)を経て気液分離器(153)におい
てライン(155)からの気体とライン(157)から
の液体とに分離される。第2の反応ゾーン(139)で
得られた処理水中に不燃性灰分が含まれている場合には
ライン(157)上に分離膜、重力沈降分離槽など(図
示せず)を設け、灰分の除去を行なっても良い。
ライン(157)からの液体は、その清浄度の度合いに
応じて、中水としてそのまま利用したり、河川などに直
接放流したり、活性汚泥槽(13)に返送して更に処理
したり、或いはその一部を廃水・汚泥貯槽(101)に
返送して更に処理したりする。
II、本願第二方法 本願第二方法における厨芥類の処理は、本願第一方法と
同様にして第1図または第2図に示すフローにしたがっ
て、行なえば良い。
また、本願第二方法における濃縮汚泥の処理も、本願第
一方法とほぼ同様にして行なわれる。但し、本願第二方
法においては、第4図に示すように、ライン(157)
からの暖かい液体成分が、公知の好気性処理槽(163
)に送られ、効率の高い高温条件下に経済的に有利に好
気処理された後、ライン(165)から処理水が取り出
される。好気性処理の条件は、特に限定されないが、通
常温度20〜40℃程度、滞留時間2〜24時間程度、
pHは中性付近である。
好気性処理槽(163)で生成する余剰汚泥は、例えば
、ライン(105)上で廃水と混合されて、第1の反応
ゾーン(121)に返送され、濃縮汚泥とともに処理さ
れる。
また、ライン(155)からの気体を圧力調整した後、
好気性処理槽(163)に供給し、常圧下又は加圧下に
酸素源の少なくとも一部として利用することができる。
また、好気処理槽(163)からの処理液も、中水とし
て利用したり、直接河川に放流したり、活性汚泥槽(1
3)または一部を廃水・汚泥槽(101)に返送するこ
とができる。
発明の効果 本発明によれば、ごみ処理と廃水処理において以下のよ
うな効果が達成される。
(1)厨芥類のディポーザーによる粉砕泥状化により、
生ごみ類の処理を衛生的、経済的且つ効率的に行うこと
が出来る。より具体的には、以下のような成果が得られ
る。
(a)厨房およびその近辺における清潔さが確保される
(b)家事労働及び厨房での作業が軽減される。
(c)ごみ収集時の清潔さの維持及び悪臭の防止が達成
され、収集作業が容易となる。
(d)ごみ収集量及び輸送量が減少する。
(e)ごみ焼却場におけるエネルギー回収量が増加する
(f)生ごみを埋め立てる際に発生する二次公害が軽減
される。
(2)また、粉砕泥状化した厨芥類と廃水中のSSとを
分離回収した後、廃水処理を行なうので、SSを含んだ
状態で廃水処理を行なう従来技術とは異なって、可溶化
されたBOD成分およびCOD成分などを処理すること
になり、ディスポーザーの導入によっても、廃水処埋設
備に対する負荷の増大、水質の悪化などの問題は生じな
い。
例えば、下水処理場での処理に際し、従来好気性処理で
の曝気容量が、建設省基準により、下水通水量に対し6
〜8時間必要とされていたのに対し、厨芥類粉砕泥状物
と廃水中のSSとをさらに生成する余剰汚泥とともに本
発明方法により処理する場合には、処理時間を約1/3
程度に短縮することができる。
(3)また、廃水から分離した厨芥類粉砕物を含む懸濁
物と廃水処理系からの余剰汚泥とを同時処理することに
より、アンモニア、COD成分のみならず、懸濁成分を
も効率よく処理することができる。
即ち、本発明においては、汚泥の脱水工程を必要とする
ことなく、まず嫌気メタン発酵処理を行うことにより、
液中又は濃縮汚泥中の成分のうち、生物学的易分解性物
質が消化処理される。次いで、嫌気メタン発酵処理で処
理されなかった液中又は濃縮汚泥中の成分は、触媒の不
存在下且つ酸素含有ガスの存在下に液相状態で行われる
濃縮汚泥の第一段階酸化により、濃縮汚泥中のSSの可
溶化が進行する。次いで、触媒の存在下且つ酸素含有ガ
スの存在下に行われる第二段階の液相酸化により、アン
モニアなどの含窒素酸化物の分解が行なわれ、またSS
成分を含むCOD成分も反応条件の選定により完全に分
解されるか又は一部分解されるとともに、高分子物質の
大部分が触媒の作用により、酢酸などの低級脂肪族カル
ボン酸に変換される。そして、上記の如く液相酸化分解
処理された被処理液中の低分子量の生物学的に易分解性
の生成物は、好気性処理により、極めて効率よく分解さ
れる。
従って、ディスポーザーの導入により、廃水中の汚濁成
分量が一時的に増大しても、廃水処理設備自体の負荷を
増大させることなく、廃水を効果的に処理することがで
きる。
実施例 以下に参考例および実施例を示し、本発明の特徴とする
ところをより一層明らかにする。
参考例1 厨芥類の発生量とその組成の把握とを目的として、50
世帯の厨芥類を2日分収集し、分析を行なった。分析に
際しては、全厨芥を四分法により調整し、組成分析用の
試料とディスポーザー処理用の試料とに分けた後、分析
を行なった。
ディスポーザー処理用の試料は、厨芥類1kgを継続的
に投入破砕し、これに水道水を加えて、液量を10■と
した。次いで、液の濃度から厨芥100g当りの負荷量
を求めた。その結果を第1表に示す。なお、粉砕泥状物
の粒径分布は、0.15mm未満=47%、0.15〜
1mm=40%、1〜5mm=残余であった。
また、分析の結果から、1日一人当たりの厨芥発生量は
、平均約240gであると推定され、これに基いて、1
日一人当たりの負荷量を求めた。
結果を第2表に示す。
なお、以下の各表において、“T−N”とあるのは、全
窒素量を意味する。
上記の結果に基いて、1日25万人当たりの負荷量を求
めた。結果を第3表に示す。
なお、ディポーザー使用による1日25万人当たりの下
水増加量は、約4%、即ち、約5000m3(19■/
人・日)と推定される。
さらに、上記第1〜3表の平均値を用いて、既存の終末
下水処理場(処理人口25万人:下水処理量12500
0m3/日)におけるディスポーザーの使用前後におけ
る各成分の濃度および負荷の状況について試算した結果
を第4表に示す。
注:SSは、生物処理槽での生成汚泥を含む。
第4表に示す結果から、ディスポーザーの使用により、
BODおよびCODMnで約30〜35%程度、SSで
約38%程度、全窒素成分で約15%程度の負荷の増大
が予測される。
実施例1 第2図に示すフローに従って、初沈槽(23)および終
沈槽(25)から回収した懸濁物ならびに活性処理槽(
13)からの余剰汚泥の混合物1部に対し、厨芥類をデ
ィポーザーで破砕した泥状物0.38部(いずれも乾燥
重量)を加えた混合物を下水と併せ、下水汚泥濃縮液と
して、下記の処理に供した。
該下水汚泥濃縮液の組成および性状は、以下の通りであ
る。
次いで、第5表に示す組成の下水汚泥濃縮液を第3図に
示すフローにしたがって、嫌気メタン発酵槽(159)
に送入した。嫌気メタン発酵槽は、流動床形式のもので
あり、粒径300μmの多孔質セラミック粒子に菌体を
付着させ、循環ポンプにより流動床を形成させた。滞留
時間は、10時間(35℃)とした。
嫌気性消化後の消化液の水質は、第6表に示す通りであ
る。
次いで、上記嫌気メタン発酵槽からの処理水を空間速度
1.01/Hr(空塔基準)及び質量速度7.96t/
m2Hrで第3図に示す装置の第1の反応ゾーン(12
1)の下部に供給した。一方、空間速度227l/Hr
(空塔基準、標準状態換算)で空気を第1の反応ゾーン
(121)の下部に供給した。この状態で温度250℃
、圧力90kg/cm2・Gの条件下に廃水の無触媒液
相酸化処理を行なった。
本工程で得られた処理水の組成を第7表に示す。
第6表と第7表との対比から明らかな如く、無触媒液相
酸化によるCODMn、CODCr、TOD及びTOC
の分解率は、それぞれ85.0%、67.2%、63.
5%および64.0%である。
また、含窒素化合物がアンモニアに転化されたことによ
り、アンモニア濃度は、約4倍となっている。
次いで、開口形状が正方形(一辺の長さ3.5mm)で
あり、セルピッチ4.5mm、開口率59.3%のチタ
ニウムハニカム担体に担体重量の2%のルテニウムを担
持させたハニカム触媒体を前工程での空搭容積量の3/
4倍量(触媒槽での反応時間として45分)となるよう
に充填した第2の反応ゾーン(139)に上記無触媒湿
式酸化工程からの処理水及び空気を供給し、液相酸化を
行なった。反応温度は270℃とし、圧力は、上記無触
媒湿式酸化工程と同様とした。
本工程で得られた処理水の組成を第8表に示す。
第6表と第8表との対比から明らかな如く、CODCr
およびTODの廃水1■当りの分解量は、それぞれ15
900mgおよび22200mgである。
これら成分の分解による反応熱とアンモニア成分の分解
による反応熱とにより、反応は、外部からの熱供給なし
に行なうことができた。即ち、第3図に示すフローにお
いて、加熱炉(125)を使用する必要はなかった。
実施例2〜4 触媒湿式酸化工程における処理水滞留時間を変える以外
は、実施例1と同様にして下水汚泥濃縮液の処理を順次
行なった後、触媒湿式酸化工程からの処理水を熱交換器
(113)及び冷却器(149)により冷却し、さらに
気液分離器(153)に送り、排気ガスと処理水とに分
離した。
触媒湿式酸化工程からの処理水の水質を第9表に示す。
なお、嫌気性消化後の余剰汚泥は、最初の無触媒湿式酸
化工程に返送して、処理した。
実施例5〜8 無触媒湿式酸化工程における空間速度を2.01/hr
とするとともに触媒湿式酸化工程における処理水滞留時
間を変える以外は、実施例1と同様にして下水汚泥濃縮
液の処理を行なった後、触媒湿式酸化工程からの処理水
を熱交換器(113)及び冷却器(149)により冷却
し、さらに気液分離器(153)に送り、排気ガスと処
理水とに分離した。
無触媒湿式酸化工程からの処理水の水質を第10表に示
す。
また、触媒湿式酸化工程からの処理水の水質を第11表
に示す。
実施例9 触媒湿式酸化工程における処理水滞留時間を30分に変
える以外は、実施例1と同様にして下水汚泥濃縮液の処
理を順次行なった後、第4図に示すフローにしたがって
触媒湿式酸化工程からの処理水を10%水酸化ナトリウ
ム溶液によりpH約7.1に調整した後、活性汚泥槽(
163)において好気処理した。好気処理は、温度35
℃、圧力2kg/cm2の条件下に行ない、曝気に必要
な酸素含有気体は、触媒湿式酸化工程からの排ガスを圧
力制御して使用した。
好気処理後の水質を第12表に示す。
実施例10 第4図に示すフローにしたがって本願第二方法により、
実施例1で使用したと同様の組成の下水汚泥濃縮液を処
理した。
(イ)先ず、実施例1と同様にして、嫌気メタン発酵処
理を行なった後、反応温度を260℃とし且つ圧力を9
5kg/cm2とする以外は実施例1と同様にして、嫌
気メタン発酵処理工程からの処理水の無触媒湿式酸化処
理を行なった。
(ロ)次いで、反応温度を280℃とし且つ圧力を95
kg/cm2とする以外は実施例1と同様にして、無触
媒湿式酸化処理工程からの処理水を触媒湿式酸化処理工
程に供した。
(ハ)次いで、触媒湿式酸化処理工程で得られた処理水
を限外濾過膜を用いて濾過し、SSを除去した後、水酸
化ナトリウム水溶液によりpH6.8に調整し、温度約
35℃で好気性処理に供した。
分離されたSSの99%は、不燃性の灰分であったので
、系外に取り出した。
上記工程(イ)、(ロ)および(ハ)終了時のにおける
処理水の水質を第13表に示す。
なお、気液分離器(153)からの排気中には、NH3
、SOxおよびNOxは、検知されなかった。
また、実施例1で処理したと同様の高濃度のSSを含む
下水汚泥濃縮液の処理を4000時間行なった後にも、
各工程での各成分の分解率の低下は認められず、廃水処
理を引続き支障なく行なうことができた。
実施例11〜23 第4図に示すフローにしたがって本願第二方法により、
実施例1で使用したと同様の組成の下水汚泥濃縮液を処
理した。
(イ)先ず、実施例1と同様にして、嫌気メタン発酵処
理を行なった後、嫌気メタン発酵処理工程からの処理水
の無触媒湿式酸化処理を行なった。
ここで得られた処理液は、COD 1620ml/■、
NH3−N 2400mg/■であった。
(ロ)次いで、液空間速度を0.67l/hr(空塔基
準)とするともに触媒活性成分を変更する以外は実施例
1と同様にして、無触媒湿式処理工程からの処理水の触
媒湿式酸化処理を行なった。
(ハ)次いで、触媒湿式酸化処理工程で得られた処理水
を限外濾過膜を用いて濾過し、SSを除去した後、水酸
化ナトリウム水溶液によりpH6.8に調整し、温度約
35℃で好気性処理に供した。分離されたSSの99%
は、不燃性の灰分であったので、系外に取り出した。
上記工程(ロ)および(ハ)終了時における処理水の水
質を第14表に示す。
実施例24および比較例1〜2 前記第4表に示すディスポーザー使用後の下水の水質に
対応するように、下水に厨芥類の破砕物を加えて、処理
試料を調製した。
この様に調製された処理試料からSS成分を分離した後
、温度35℃、滞留時間2時間の条件下に活性汚泥法に
より、好気処理を行なった。
また、SS成分は、嫌気メタン醗酵を行わない以外は実
施例1と同様にして二段階の湿式酸化処理に供して、同
様の結果を得た。
なお、比較のために、SS成分を分離すること無く、直
接温度35℃、滞留時間2時間の条件下に(比較例1)
、或いは直接温度35℃、滞留時間8時間の条件下に(
比較例2)活性汚泥法により好気処理を行なった。
好気処理による結果を第15表に示す。
実施例25 実施例1〜4及び実施例5〜8の触媒湿式酸化工程から
の各処理水を第2図に示す当初の下水処理系の生物処理
槽(13)に返送し、それぞれ好気性汚泥処理(常圧、
温度35℃、滞留時間2時間)を行なった。返送量は、
下水量に対して、0.53%であった。
好気性処理後のそれぞれの水質は、第16表に示す範囲
内にあった。
参考例2 本願実施例の結果を参考として、1日25万人当りの厨
芥類を下水とともに本発明方法により処理した場合のエ
ネルギー収支を算出したところ、第17表に示す結果が
得られた。現状による結果を(I)として示し、本発明
方法による結果を(II)として示し、両者の差を(I
II)として示す。
第17表に示す結果は、ギガカロリー/年で表してある
第17表において、△を付した数値は、処理のために消
費されるエネルギーを表わし、+を付した数値は、処理
により得られる回収エネルギーを表わす。
第17表に示す結果から、本発明方法によれば、全体と
して大幅な省エネルギーが達成されることが明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第6図は、本発明の実施態様を示すフローチ
ャートである。 (1)…厨芥類 (3)…ディスポーザー (5)…生活排水 (7)…産業排水 (9)…専用排水管 (11)…SS分離機 (13)…活性汚泥槽 (15)…SS (17)…余剰汚泥 (19)…汚泥濃縮機 (21)…下水道 (23)…初沈槽 (25)…終沈槽 (27)…SS (29)…余剰汚泥 (31)…SS (101)…廃水・汚泥貯槽、 (103)…ポンプ、 (107)…圧縮機、 (113)…熱交換器、 (121)…第1の反応ゾーン、 (125)…加熱炉、 (129)…pH調整物質貯槽、 (133)…ポンプ、 (139)…第2の反応ゾーン、 (149)…冷却器、 (153)…気液分離器、 (159)…嫌気メタン発酵槽、 (163)…好気処理槽。 (以 上)
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