JPH04214820A - 焼付硬化性に優れる自動車用鋼板の製造方法 - Google Patents
焼付硬化性に優れる自動車用鋼板の製造方法Info
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- JPH04214820A JPH04214820A JP41051590A JP41051590A JPH04214820A JP H04214820 A JPH04214820 A JP H04214820A JP 41051590 A JP41051590 A JP 41051590A JP 41051590 A JP41051590 A JP 41051590A JP H04214820 A JPH04214820 A JP H04214820A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本鋼板は自動車の軽量化を目的と
する焼付硬化性に優れる自動車用鋼板の製造方法に関す
るものである。
する焼付硬化性に優れる自動車用鋼板の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車は軽量であることが重要である。
このため、強度の高い鋼板を用い、その分板厚を薄くし
て軽量化が図られてきた。近年、塗装焼付工程での歪時
効により、鋼板の降伏強度が向上することを利用して、
塗装焼付工程で硬化する鋼板、すなわち焼付硬化性を有
する鋼板が製造されてきた。これは、プレス加工の際に
は軟質でプレス成形がし易く、その後の塗装焼付工程で
硬質となり使用に必要な強度に到達するからである。
一方、高い焼付硬化性を鋼板に付与しようとすると、曲
げやプレス成形といった加工で、ストレッチャーストレ
インとよばれる表面凹凸を生じ易くなり、外観品質を低
下させる。このストレッチャーストレインの発生の程度
と鋼板を引張試験した際の降伏点伸びは良く対応する。 すなわち、鋼板にとって、降伏点伸びが小さく、焼付硬
化量の大きいことが重要である。この点に関して、鉄と
鋼,68巻第9号1169項に有る如く、焼付硬化量と
降伏点伸びを高度に制御する技術が開示されているが、
降伏点伸びをある一定レベルにおさえると焼付硬化量は
約6kgf/mm2以下となってしまう。本発明はこの
点に関し、降伏点伸びが小さく焼付硬化量が非常に大き
い鋼板の発明を開示するものである。また、特公昭55
‐2462号証、特公昭55‐12167号証にはMo
,Crを添加して降伏強度が低く、引張強度が高く、歪
時効処理による回復が著しい低降伏比鋼張力鋼板とその
製造方法が開示されている。本発明は、従来レベルを超
える歪時効硬化特性を備えた、非常に高い焼付硬化性を
有する鋼板であり、同号証の低降伏強度,高引張強度を
目的とする鋼板およびその製造方法とは発明が全く異な
るレベルのものである。
て軽量化が図られてきた。近年、塗装焼付工程での歪時
効により、鋼板の降伏強度が向上することを利用して、
塗装焼付工程で硬化する鋼板、すなわち焼付硬化性を有
する鋼板が製造されてきた。これは、プレス加工の際に
は軟質でプレス成形がし易く、その後の塗装焼付工程で
硬質となり使用に必要な強度に到達するからである。
一方、高い焼付硬化性を鋼板に付与しようとすると、曲
げやプレス成形といった加工で、ストレッチャーストレ
インとよばれる表面凹凸を生じ易くなり、外観品質を低
下させる。このストレッチャーストレインの発生の程度
と鋼板を引張試験した際の降伏点伸びは良く対応する。 すなわち、鋼板にとって、降伏点伸びが小さく、焼付硬
化量の大きいことが重要である。この点に関して、鉄と
鋼,68巻第9号1169項に有る如く、焼付硬化量と
降伏点伸びを高度に制御する技術が開示されているが、
降伏点伸びをある一定レベルにおさえると焼付硬化量は
約6kgf/mm2以下となってしまう。本発明はこの
点に関し、降伏点伸びが小さく焼付硬化量が非常に大き
い鋼板の発明を開示するものである。また、特公昭55
‐2462号証、特公昭55‐12167号証にはMo
,Crを添加して降伏強度が低く、引張強度が高く、歪
時効処理による回復が著しい低降伏比鋼張力鋼板とその
製造方法が開示されている。本発明は、従来レベルを超
える歪時効硬化特性を備えた、非常に高い焼付硬化性を
有する鋼板であり、同号証の低降伏強度,高引張強度を
目的とする鋼板およびその製造方法とは発明が全く異な
るレベルのものである。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は従来のレベ
ルより、より高い焼付硬化性に優れる自動車用鋼板の製
造方法を提供するものである。
ルより、より高い焼付硬化性に優れる自動車用鋼板の製
造方法を提供するものである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、重量比で、
C:0.002%以上0.2%以下 Si:0.001%以上,2.0%以下Mn:0.00
1%以上,5.0%以下P:0.001%以上,0.5
%以下 酸可溶性Al:0.001%以上,0.1%以下N:0
.0002%以上,0.005%以下MoおよびCrを
一種以上で0.1%以上,2.0%以下 を含み、残部Feと不可避的不純物よりなる鋼を、 冷
間圧延後連続焼鈍において、700℃以上950℃以下
に加熱し、引き続き700℃〜400℃の温度域を平均
冷却速度200℃/sec超3000℃/sec以下で
冷却し、0.2%以上2.0%以下の調質圧延を施すこ
とを特徴とする、焼付硬化性に優れる自動車用鋼板を製
造する方法に関する。
C:0.002%以上0.2%以下 Si:0.001%以上,2.0%以下Mn:0.00
1%以上,5.0%以下P:0.001%以上,0.5
%以下 酸可溶性Al:0.001%以上,0.1%以下N:0
.0002%以上,0.005%以下MoおよびCrを
一種以上で0.1%以上,2.0%以下 を含み、残部Feと不可避的不純物よりなる鋼を、 冷
間圧延後連続焼鈍において、700℃以上950℃以下
に加熱し、引き続き700℃〜400℃の温度域を平均
冷却速度200℃/sec超3000℃/sec以下で
冷却し、0.2%以上2.0%以下の調質圧延を施すこ
とを特徴とする、焼付硬化性に優れる自動車用鋼板を製
造する方法に関する。
【0005】
【作用】即ち、本発明は、Si,Mn,Pを適度に添加
して鋼板の強度を調整し、MoあるいはCrを一種以上
添加した、焼付硬化量8kgf/mm2以上で、100
℃で1時間の熱処理で降伏点伸びが小さい鋼板の製造方
法に関するものである。以下に本発明を具体的に説明す
る。Si,Mn,Pは鋼の強度を調整することを主な目
的として添加する。その下限は、現状の溶製技術の下限
として、それぞれ、0.001%とする。上限は、強度
を必要以上に高めても、それを用いる用途がないので、
添加コストとの関係から、その上限をそれぞれ2.0%
,5.0%,0.5%とする。Cは焼付硬化性を高める
のに必要であり、添加する。その下限をC:0.002
%とする。多いほど焼付硬化量が増大するが、0.2%
を超えると効果が変わらない。NもCと同様の効果を有
するが、Cより降伏点伸びを発生させ易く、その上限を
0.005%とする。一方、Nは不純物として含まれる
ので、その下限を0.0002%以上とする。Alは溶
鋼を脱酸するために添加する。しかし、脱酸に必要な量
を超えて大幅に添加する必要はない。そのため、酸可溶
性Alとして、0.001%以上0.1%以下とする。 Mo,Crは焼付硬化性を高め、降伏点伸びを許容レベ
ルにするために添加する。これらの特性はMo,Crの
量が多いほど好ましいものとなり、その下限をMo:0
.1%,Cr:0.1%とする。また、MoとCrを同
時添加すると単独添加に比べて軟質になるので、 軟質
な鋼板を製造する場合には同時添加がよい。両者2.0
%を超えて添加してもその効果はあまりかわらないが、
添加コストが嵩むので、Cr,Moの添加量の上限を2
.0%とする。
して鋼板の強度を調整し、MoあるいはCrを一種以上
添加した、焼付硬化量8kgf/mm2以上で、100
℃で1時間の熱処理で降伏点伸びが小さい鋼板の製造方
法に関するものである。以下に本発明を具体的に説明す
る。Si,Mn,Pは鋼の強度を調整することを主な目
的として添加する。その下限は、現状の溶製技術の下限
として、それぞれ、0.001%とする。上限は、強度
を必要以上に高めても、それを用いる用途がないので、
添加コストとの関係から、その上限をそれぞれ2.0%
,5.0%,0.5%とする。Cは焼付硬化性を高める
のに必要であり、添加する。その下限をC:0.002
%とする。多いほど焼付硬化量が増大するが、0.2%
を超えると効果が変わらない。NもCと同様の効果を有
するが、Cより降伏点伸びを発生させ易く、その上限を
0.005%とする。一方、Nは不純物として含まれる
ので、その下限を0.0002%以上とする。Alは溶
鋼を脱酸するために添加する。しかし、脱酸に必要な量
を超えて大幅に添加する必要はない。そのため、酸可溶
性Alとして、0.001%以上0.1%以下とする。 Mo,Crは焼付硬化性を高め、降伏点伸びを許容レベ
ルにするために添加する。これらの特性はMo,Crの
量が多いほど好ましいものとなり、その下限をMo:0
.1%,Cr:0.1%とする。また、MoとCrを同
時添加すると単独添加に比べて軟質になるので、 軟質
な鋼板を製造する場合には同時添加がよい。両者2.0
%を超えて添加してもその効果はあまりかわらないが、
添加コストが嵩むので、Cr,Moの添加量の上限を2
.0%とする。
【0006】焼付硬化量または焼付硬化性とは、2%の
引張歪を加えたときの引張荷重と、除荷し170℃で2
0分熱処理した後引張った際の降伏荷重(上降伏点)の
差を2%引張する前の試験片平行部の断面積で割った値
とする。引張試験片はJIS5号試験片で引張速度は1
0mm/minとする。100℃で1時間熱処理した後
、引張試験を行い、その降伏点伸びを規定するのは、鋼
板が製造されてから使用されるまで日数があり、その間
に降伏点伸びが増大する。そのため、ある程度時間が経
過してから引張試験を行い降伏点伸びを調べることが重
要である。しかしながら、それには日数がかかるので、
温度を常温以上にした加速熱処理をするのが一般的であ
り、それが100℃で1時間の熱処理であることが多い
。このため、本明細書でも100℃で1時間の熱処理後
の降伏点伸びを規定した。 かかる熱処理をしたのちの
引張試験での降伏点伸びが0.5%以上であると、多く
の場合自動車を成形した際にストレッチャーストレイン
が認識できるようになることが経験的にわかっているの
で、0.5%にする必要がある。焼付硬化性は従来の技
術では100℃1時間の熱処理後の降伏点伸びを0.5
%以下とすると約6kgf/mm2の焼付硬化量が限度
であったのが本発明では焼付硬化量の下限が8kgf/
mm2と極めて高い鋼板が得ることができる。焼付硬化
量,降伏点伸びを測定する引張試験片はJIS5号,引
張速度は10mm/minとする。評点間50mmで伸
び計を用いて伸びを計測する。
引張歪を加えたときの引張荷重と、除荷し170℃で2
0分熱処理した後引張った際の降伏荷重(上降伏点)の
差を2%引張する前の試験片平行部の断面積で割った値
とする。引張試験片はJIS5号試験片で引張速度は1
0mm/minとする。100℃で1時間熱処理した後
、引張試験を行い、その降伏点伸びを規定するのは、鋼
板が製造されてから使用されるまで日数があり、その間
に降伏点伸びが増大する。そのため、ある程度時間が経
過してから引張試験を行い降伏点伸びを調べることが重
要である。しかしながら、それには日数がかかるので、
温度を常温以上にした加速熱処理をするのが一般的であ
り、それが100℃で1時間の熱処理であることが多い
。このため、本明細書でも100℃で1時間の熱処理後
の降伏点伸びを規定した。 かかる熱処理をしたのちの
引張試験での降伏点伸びが0.5%以上であると、多く
の場合自動車を成形した際にストレッチャーストレイン
が認識できるようになることが経験的にわかっているの
で、0.5%にする必要がある。焼付硬化性は従来の技
術では100℃1時間の熱処理後の降伏点伸びを0.5
%以下とすると約6kgf/mm2の焼付硬化量が限度
であったのが本発明では焼付硬化量の下限が8kgf/
mm2と極めて高い鋼板が得ることができる。焼付硬化
量,降伏点伸びを測定する引張試験片はJIS5号,引
張速度は10mm/minとする。評点間50mmで伸
び計を用いて伸びを計測する。
【0007】鋼板の製造方法は冷間圧延後の連続焼鈍に
おける700℃〜950℃での熱処理とそれに引き続く
冷却過程における超急速冷却、調質圧延以外は特に限定
するものではない。逆に、700〜950℃での熱処理
とそれに引き続く超急冷そして、調質圧延の三点が本発
明には不可欠である。一般的に、自動車にはその表面の
平坦さから冷間圧延を行った板が適用される。本鋼板も
冷間圧延を行って製造する。冷間圧延は常法でよい。そ
して、その後の連続焼鈍においては700℃〜950℃
の熱処理の後の冷却は、少なくとも700℃〜400℃
の間を冷却速度で200℃/sec超,さらに好ましく
は500℃/sec超,最も好ましくは700℃/se
c超で冷却を行うことが重要である。上限は有効な冷却
方法がなく、現状では実施不可能な値としてあえて30
00℃/secと限定した。 高い焼付硬化性と100
℃1時間の熱処理後の小さな降伏点伸びを実現するため
には、熱処理とその後の超急速冷却が必要である。熱処
理温度は高いほど、焼付硬化量が増え、100℃1時間
の熱処理後の降伏点伸びが小さくなる。焼付硬化量8k
gf/mm2以上で100℃1時間の熱処理後の降伏点
伸びを0.5%以下にするためには700℃以上で熱処
理することが必要である。熱処理温度の上限を950℃
としたのは950℃超で熱処理を行うと結晶粒径が大き
くなり、自動車部品にプレス成形した後の鋼の表面に大
きな凹凸を作り外観が劣化するためである。 冷却は
700℃〜400℃の間を200℃/sec超で冷却す
ることが必要である。冷却には焼付硬化量を高める効果
と100℃1時間の熱処理後の降伏点伸びを小さくする
効果がある。本発明者らは、従来技術の範囲内の100
℃/secの冷却速度を超えて、超急速冷却の実験を行
い、200℃/sec超の冷却速度で、極端に100℃
1時間後の降伏点伸びが小さくなり、 自動車用のプレ
ス成形を受ける鋼板として実用に供すことができるよう
になることを見出した。そして、その効果は500℃/
secを超えるとばらつきが非常に小さい小さな降伏点
伸びとなり、700℃/sec超の冷却速度ではほとん
ど降伏点伸びを示さないことを見出した。冷却は700
〜400℃の間は少なくとも行う必要がある。700℃
未満から冷却を行うと100℃1時間の熱処理後の降伏
点伸びが著しく大きくなる。400℃超で超急速冷却を
やめても同様である。
おける700℃〜950℃での熱処理とそれに引き続く
冷却過程における超急速冷却、調質圧延以外は特に限定
するものではない。逆に、700〜950℃での熱処理
とそれに引き続く超急冷そして、調質圧延の三点が本発
明には不可欠である。一般的に、自動車にはその表面の
平坦さから冷間圧延を行った板が適用される。本鋼板も
冷間圧延を行って製造する。冷間圧延は常法でよい。そ
して、その後の連続焼鈍においては700℃〜950℃
の熱処理の後の冷却は、少なくとも700℃〜400℃
の間を冷却速度で200℃/sec超,さらに好ましく
は500℃/sec超,最も好ましくは700℃/se
c超で冷却を行うことが重要である。上限は有効な冷却
方法がなく、現状では実施不可能な値としてあえて30
00℃/secと限定した。 高い焼付硬化性と100
℃1時間の熱処理後の小さな降伏点伸びを実現するため
には、熱処理とその後の超急速冷却が必要である。熱処
理温度は高いほど、焼付硬化量が増え、100℃1時間
の熱処理後の降伏点伸びが小さくなる。焼付硬化量8k
gf/mm2以上で100℃1時間の熱処理後の降伏点
伸びを0.5%以下にするためには700℃以上で熱処
理することが必要である。熱処理温度の上限を950℃
としたのは950℃超で熱処理を行うと結晶粒径が大き
くなり、自動車部品にプレス成形した後の鋼の表面に大
きな凹凸を作り外観が劣化するためである。 冷却は
700℃〜400℃の間を200℃/sec超で冷却す
ることが必要である。冷却には焼付硬化量を高める効果
と100℃1時間の熱処理後の降伏点伸びを小さくする
効果がある。本発明者らは、従来技術の範囲内の100
℃/secの冷却速度を超えて、超急速冷却の実験を行
い、200℃/sec超の冷却速度で、極端に100℃
1時間後の降伏点伸びが小さくなり、 自動車用のプレ
ス成形を受ける鋼板として実用に供すことができるよう
になることを見出した。そして、その効果は500℃/
secを超えるとばらつきが非常に小さい小さな降伏点
伸びとなり、700℃/sec超の冷却速度ではほとん
ど降伏点伸びを示さないことを見出した。冷却は700
〜400℃の間は少なくとも行う必要がある。700℃
未満から冷却を行うと100℃1時間の熱処理後の降伏
点伸びが著しく大きくなる。400℃超で超急速冷却を
やめても同様である。
【0008】熱間圧延は常法でよいが、巻取り温度は8
00℃以下がよい。800℃以上で巻取ると冷延焼鈍後
の組織が粗大となり、プレス成形後に表面凹凸を作りプ
レス成形用の鋼板としては適さなくなる。さらに、70
0℃〜950℃での熱処理とそれに引き続く超急速冷却
の後、引き続いて200〜600℃の温度域で10秒〜
10分の焼戻処理を、降伏強度と引張強度を調整するた
めに、行ってもよい。また、 700℃〜950℃の熱
処理前,熱処理中,熱処理後,冷却中,冷却後、焼戻中
,焼戻後に亜鉛を主成分とする溶融めっきを行ってもよ
い。上記した熱処理と冷却,溶融鍍金や焼戻処理を行っ
た後に、調質圧延を行う必要がある。発明者らは、70
0〜950℃の熱処理と引き続く超急速冷却を行った材
料に調質圧延を行うと、焼付硬化量が著しく増大するこ
とを見出した。その調質圧延は圧延率0.2%以下では
、 板幅方向に均一に調質圧延が行えない。2.0%を
超える調質圧延を行うと焼付硬化量が低下する。その後
、電気的な亜鉛,クロム鍍金を行ってもよい。また、有
機樹脂を表面に薄く塗ってもよい。防錆油は何れでも良
い。潤滑作用の高い防錆油が好ましい。
00℃以下がよい。800℃以上で巻取ると冷延焼鈍後
の組織が粗大となり、プレス成形後に表面凹凸を作りプ
レス成形用の鋼板としては適さなくなる。さらに、70
0℃〜950℃での熱処理とそれに引き続く超急速冷却
の後、引き続いて200〜600℃の温度域で10秒〜
10分の焼戻処理を、降伏強度と引張強度を調整するた
めに、行ってもよい。また、 700℃〜950℃の熱
処理前,熱処理中,熱処理後,冷却中,冷却後、焼戻中
,焼戻後に亜鉛を主成分とする溶融めっきを行ってもよ
い。上記した熱処理と冷却,溶融鍍金や焼戻処理を行っ
た後に、調質圧延を行う必要がある。発明者らは、70
0〜950℃の熱処理と引き続く超急速冷却を行った材
料に調質圧延を行うと、焼付硬化量が著しく増大するこ
とを見出した。その調質圧延は圧延率0.2%以下では
、 板幅方向に均一に調質圧延が行えない。2.0%を
超える調質圧延を行うと焼付硬化量が低下する。その後
、電気的な亜鉛,クロム鍍金を行ってもよい。また、有
機樹脂を表面に薄く塗ってもよい。防錆油は何れでも良
い。潤滑作用の高い防錆油が好ましい。
【0009】
【実施例】通常の工程に従って溶製された鋼を連続鋳造
によって245mm厚のスラブとした。鋼の化学成分を
表1に示す。残部はFeと極微量元素である。その後1
100℃で1.5hrの均熱処理後、粗圧延、仕上げ圧
延を行い、650℃〜室温の間で巻取り、ホットコイル
となした。その後酸洗を行った後、80%の冷間圧延を
行い、表1に示した焼鈍温度で40秒の連続焼鈍を行い
、表1に示した冷却速度で室温まで冷却し、0.8%の
調質圧延を行って0.7mm厚の鋼板となした。また表
1備考中に示したが、調質圧延を一部行わないで材質試
験に供した。焼鈍に引き続く冷却の方法は、NaClを
重量%で0から20%まで種々濃度を変えた水溶液中に
鋼帯を導き冷却する方法をとった。表1に鋼板の焼付硬
化量と100℃で1時間熱処理を行った後の降伏点伸び
を示した。 試験は、機械加工により圧延長手方向に沿
ってJIS5号試験片を作成し、焼付硬化量は2%引張
ったときの引張荷重と引き続き除荷し170℃で20分
熱処理した後の降伏荷重(上降伏点)の差を2%引張前
の初期断面積で割った値を、降伏点伸びは100℃で1
時間熱処理しその後引張試験を行った際の降伏点伸びを
示した。何れの試験においても、引張の際の引張速度は
10mm/minとした。比較例では降伏点伸びが0.
5%超でプレス成形に不適な鋼板となったり、降伏点伸
びが0.5%以下では焼付硬化量が8kgf/mm2未
満で従来の鋼板と大差がないのに対して、本発明例は降
伏点伸びが0.5%以下で、8kgf/mm2以上の高
い焼付硬化性を示した。
によって245mm厚のスラブとした。鋼の化学成分を
表1に示す。残部はFeと極微量元素である。その後1
100℃で1.5hrの均熱処理後、粗圧延、仕上げ圧
延を行い、650℃〜室温の間で巻取り、ホットコイル
となした。その後酸洗を行った後、80%の冷間圧延を
行い、表1に示した焼鈍温度で40秒の連続焼鈍を行い
、表1に示した冷却速度で室温まで冷却し、0.8%の
調質圧延を行って0.7mm厚の鋼板となした。また表
1備考中に示したが、調質圧延を一部行わないで材質試
験に供した。焼鈍に引き続く冷却の方法は、NaClを
重量%で0から20%まで種々濃度を変えた水溶液中に
鋼帯を導き冷却する方法をとった。表1に鋼板の焼付硬
化量と100℃で1時間熱処理を行った後の降伏点伸び
を示した。 試験は、機械加工により圧延長手方向に沿
ってJIS5号試験片を作成し、焼付硬化量は2%引張
ったときの引張荷重と引き続き除荷し170℃で20分
熱処理した後の降伏荷重(上降伏点)の差を2%引張前
の初期断面積で割った値を、降伏点伸びは100℃で1
時間熱処理しその後引張試験を行った際の降伏点伸びを
示した。何れの試験においても、引張の際の引張速度は
10mm/minとした。比較例では降伏点伸びが0.
5%超でプレス成形に不適な鋼板となったり、降伏点伸
びが0.5%以下では焼付硬化量が8kgf/mm2未
満で従来の鋼板と大差がないのに対して、本発明例は降
伏点伸びが0.5%以下で、8kgf/mm2以上の高
い焼付硬化性を示した。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】かくすることにより、自動車の軽量化素
材すなわち、焼付硬化性に優れる鋼板を得ることができ
る。
材すなわち、焼付硬化性に優れる鋼板を得ることができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量比で C:0.002%以上0.2%以下 Si:0.001%以上,2.0%以下Mn:0.00
1%以上,5.0%以下P:0.001%以上,0.5
%以下 酸可溶性Al:0.001%以上,0.1%以下N:0
.0002%以上,0.005%以下MoおよびCrを
一種以上で0.1%以上,2.0%以下 を含み、残部Feと不可避的不純物よりなる鋼を、 冷
間圧延後連続焼鈍において、700℃以上950℃以下
に加熱し、引き続き700℃〜400℃の温度域を平均
冷却速度200℃/sec超3000℃/sec以下で
冷却し、0.2%以上2.0%以下の調質圧延を施すこ
とを特徴とする、焼付硬化性に優れる自動車用鋼板の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41051590A JPH04214820A (ja) | 1990-12-14 | 1990-12-14 | 焼付硬化性に優れる自動車用鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41051590A JPH04214820A (ja) | 1990-12-14 | 1990-12-14 | 焼付硬化性に優れる自動車用鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04214820A true JPH04214820A (ja) | 1992-08-05 |
Family
ID=18519672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP41051590A Withdrawn JPH04214820A (ja) | 1990-12-14 | 1990-12-14 | 焼付硬化性に優れる自動車用鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04214820A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0608430A1 (en) * | 1992-06-22 | 1994-08-03 | Nippon Steel Corporation | Cold-rolled steel plate having excellent baking hardenability, non-cold-ageing characteristics and moldability, and molten zinc-plated cold-rolled steel plate and method of manufacturing the same |
EP0620288A1 (en) * | 1992-08-31 | 1994-10-19 | Nippon Steel Corporation | Cold-rolled sheet and hot-galvanized, cold-rolled sheet, both excellent in bake hardening, cold nonaging and forming properties, and process for producing the same |
-
1990
- 1990-12-14 JP JP41051590A patent/JPH04214820A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0608430A1 (en) * | 1992-06-22 | 1994-08-03 | Nippon Steel Corporation | Cold-rolled steel plate having excellent baking hardenability, non-cold-ageing characteristics and moldability, and molten zinc-plated cold-rolled steel plate and method of manufacturing the same |
EP0608430A4 (en) * | 1992-06-22 | 1995-01-18 | Nippon Steel Corp | COLD ROLLED STEEL PLATE WITH GOOD BURNING TARNABILITY, AND MOLDING WITHOUT COLD AGING AND CASTED ZINCCOATED COLD ROLLED STEEL PLATE AND PRODUCTION PROCESS. |
EP0620288A1 (en) * | 1992-08-31 | 1994-10-19 | Nippon Steel Corporation | Cold-rolled sheet and hot-galvanized, cold-rolled sheet, both excellent in bake hardening, cold nonaging and forming properties, and process for producing the same |
EP0620288A4 (en) * | 1992-08-31 | 1995-01-25 | Nippon Steel Corp | COLD-ROLLED SHEET, POSSIBLY HOT GALVANIZED, WITH EXCELLENT COLD DRYING, NON-AGING AND FORMING QUALITIES, AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME. |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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