JPH04214097A - 超電導薄膜の作製方法 - Google Patents

超電導薄膜の作製方法

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JPH04214097A
JPH04214097A JP2410432A JP41043290A JPH04214097A JP H04214097 A JPH04214097 A JP H04214097A JP 2410432 A JP2410432 A JP 2410432A JP 41043290 A JP41043290 A JP 41043290A JP H04214097 A JPH04214097 A JP H04214097A
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superconducting thin
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oxide superconducting
film
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Keizo Harada
敬三 原田
Shusuke Nakanishi
秀典 中西
Hideo Itozaki
秀夫 糸▲崎▼
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物超電導薄膜の作
製方法に関する。より詳細には、本発明は、Y系等のC
u複合酸化物による超電導薄膜の成膜にあたって、特に
Siウェハを基板として所望する結晶配向性を制御性良
く形成するための新規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導現象は、液体ヘリウムによる冷却
が必須な極低温における固有の現象であると考えられて
いた。しかしながら、1986年にベドノーツ、ミュー
ラー等によって30Kで超電導状態を示す(La, B
a)2 CuO4 が発見されて以来、1987年には
90K台の超電導臨界温度Tc を有するYBa2 C
u3 Oy がチュー等により発見され、続いて198
8年には 100K以上の臨界温度を示す所謂Bi系の
複合酸化物系超電導材料が前田等により発見された。
【0003】これらの一連の複合酸化物系超電導材料は
、廉価な液体窒素による冷却で超電導現象を実現するこ
とができるので、超電導技術の実用的な応用の可能性が
俄に取り沙汰されるようになってきた。一方、当初は固
相反応法により焼結体として合成されていた複合酸化物
系超電導材料は、今日では薄膜として合成することで極
めて品質の高いものが得られるようになっている。
【0004】酸化物超電導薄膜のエレクトロニクスへの
応用を考えた場合、結晶方位のそろった薄膜を成膜する
ことが求められる。即ち、酸化物超電導材料は、その超
電導特性に顕著な結晶異方性を有していることから知ら
れており、目的とする用途に応じて、成膜時にその結晶
配向性を制御する必要がある。即ち、酸化物超電導薄膜
においては、その結晶c軸と直角な方向に、より大きな
電流を流すことができる。
【0005】従って、例えば、酸化物超電導薄膜を超電
導配線として利用する場合は、超電導電流を基板の成膜
面と平行に流す必要がある。従って、結晶c軸が基板の
成膜面と直角になるように酸化物超電導薄膜を成膜する
必要がある。即ち、このような用途で求められる酸化物
超電導薄膜は(001)配向膜である。
【0006】一方、積層型SIS素子等への応用におい
ては、超電導電流を基板の成膜面と垂直に流す必要があ
る。従って、この場合は、超電導薄膜の結晶c軸が基板
の成膜面と平行になるように、即ち、(100)配向膜
または(110)配向膜となるように酸化物超電導薄膜
を成膜する必要がある。
【0007】尚、成膜時に酸化物超電導薄膜の結晶方位
を制御する方法としては、JJAP26(1987)L
1248やJJAP28(1989)L981 等に報
告されているように、使用する基板の結晶方位を換えた
り、成膜時の条件、殊に基板温度を適切に選択すること
等が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、複合酸化物
超電導体は、一般に複雑な結晶構造を有し、特定の基板
上に特定の条件で成膜した場合にのみその結晶配向性を
制御して形成することが可能であることが知られている
【0009】そこで、酸化物超電導薄膜を成膜する際に
使用する基板材料としては、酸化物超電導材料と格子マ
ッチングがとれ、且つ、酸化物超電導材料との元素の相
互拡散が少ない材料を選択する必要がある。具体的には
、MgO単結晶の(100)面や、SrTiO3 単結
晶の(100)面または(110)面等が使用されてい
る。
【0010】しかしながら、上述のような酸化物単結晶
基板は、一般に高価な上に供給が少なく、酸化物超電導
体の実用化を考えた場合に極めて不利な要件のひとつで
あると考えられている。また、酸化物単結晶基板は大径
のものが入手し難く、酸化物超電導薄膜が今後大面積化
していくことを考えた場合に適切な材料とは考え難い。 そこで、廉価且つ高品質な基板材料として現在最も安定
に供給されているSiウェハを下地基板として酸化物超
電導薄膜を作製することが提案されている。
【0011】ところが、酸化物超電導薄膜の成膜のため
にSi基板を使用した場合には、酸化物超電導薄膜と基
板材料であるSiとの反応により、得られる薄膜の超電
導特性が著しく劣化または消失する場合がある。
【0012】また、基板材料との反応を防止する目的で
、基板の成膜面上にバッファ層を形成した上で酸化物超
電導薄膜を成膜する方法も提案されているが、酸化物超
電導薄膜の結晶方位を制御できるほど高品質なバッファ
層はまだ知られていない。
【0013】そこで、本発明は、上記従来技術の問題点
を解決し、結晶配向性を自在に制御しつつ、Si基板上
で酸化物超電導薄膜を成膜することができる新規な超電
導薄膜の作成方法を提供することをその目的としている
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に従うと、
Siウェハを基板として酸化物超電導薄膜を作製する方
法において、(100)配向または(110)配向した
Ln2 O3 (但し、Lnはランタニド族元素を表す
)化合物によりバッファ層を成膜する第1工程と、該バ
ッファ層上に、酸化物超電導薄膜を成膜する第2工程と
を含むことを特徴とする超電導薄膜の作製方法が提供さ
れる。
【0015】また、本発明の好ましい一実施態様に従う
と、上記本発明に係る超電導薄膜の作製方法において、
前記第1工程に先立って、前記Siウェハの成膜面を充
分に清浄化する工程を含むことを特徴とする方法が提供
される。
【0016】
【作用】本発明に係る酸化物超電導薄膜の作製方法は、
酸化物超電導薄膜の成膜に先立って、Si基板上に独自
の構成を有する積層構造のバッファ層を形成する工程を
含むことをその主要な特徴としている。
【0017】ここで、バッファ層とは、その直上に酸化
物超電導薄膜を成膜し得る特定の材料層を指している。 即ち、酸化物超電導薄膜は、特定の結晶構造を有する下
地上にのみ形成されることが知られている。また、酸化
物超電導薄膜中にSiが拡散すると、酸化物超電導薄膜
の超電導特性が劣化あるいは消失することが知られてい
る。
【0018】そこで、酸化物超電導薄膜の下地となる結
晶構造を有し、且つ、Siの拡散に対して障壁となるよ
うな材料によってバッファ層を形成することが既に提案
されている。しかしながら、既に提案されている構成の
バッファ層は、Siの拡散を防止するためには有効でも
、直上に形成される酸化物超電導薄膜の結晶成長への寄
与は少なかった。
【0019】これに対して、本発明に係る方法において
は、酸化物超電導薄膜の直接の下地として、酸化物超電
導体結晶と極めて良く格子整合し、且つ、酸化物超電導
材料との反応が小さい材料によるバッファ層を形成し、
且つ、その結晶配向性を規定している。従って、このバ
ッファ層からのヘテロエピタキシャル成長により結晶配
向を良く制御された酸化物超電導薄膜を成長させること
ができる。尚、ここで好適に使用できるバッファ層材料
としては、Ln2 O3 (但し、LnはY、La、E
r等のランタニド族元素を表す)を挙げることができる
【0020】ところで、薄膜成長の下地基板としてSi
ウェハを使用する場合、主に格子整合とコストとの観点
から、一般に(100)面方位のものが使用されている
。 この(100)面方位のSiウェハ上にバッファ層とし
て好適なLn2 O3 薄膜を成膜した場合、本来格子
整合している(100)面は得られずに(111)面が
形成されてしまうことが知られている〔APL55(1
989)L360 〕しかしながら、この面方位は、そ
の上に形成する超電導薄膜をエピタキシャル成長させる
ためには不都合であり、(100)面方位または(11
0)面方位の成長が望まれる。
【0021】そこで、本発明に係る方法においては、酸
化物超電導薄膜を成膜の下地として望ましい(100)
面または(110)面を得るために、以下のような工程
を採用している。
【0022】第1の方法は、使用するSiウェハの成膜
面を充分に清浄化することである。具体的には、表面分
析手段である高エネルギ反射電子線回折法(以下、RH
EEDと記載する)を用いて表面の分析を行い、Siウ
ェハの成膜面が清浄表面であることを示す2×1構造が
確認されるまで、例えば高真空中での加熱処理により清
浄化を行う。尚、加熱による清浄化処理は、1×10−
6Torr以下の真空度で、 900℃以上の加熱温度
で実施することが好ましい。
【0023】第2の方法は、酸化物超電導薄膜の直接の
下地となるLn2 O3 バッファ層とSiウェハとの
間に、更に、もうひとつのバッファ層を形成し、全体と
してバッファ層を2層構造とすることである。この方法
により付加される下層側(基板側)のバッファ層材料と
しては、Si(100)面方位に対して格子整合し、か
つ、所望の方位である(100)または(110)面が
得られるものを選択する。具体的には、ZrO2 、Y
SZ、Y、Er、Pr、Dy、Ho、Yb、Gd、Sm
等を挙げることができる。
【0024】以上のような第1および第2の方法を、何
れか一方または両方実施することにより、酸化物超電導
薄膜の直下の層となるバッファ層の上層側の結晶配向性
を制御することが可能になる。
【0025】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、以下の開示はあくまでも本発明の一実施
例に過ぎず、本発明の技術的範囲を何ら限定するもので
はない。
【0026】
【実施例】〔実施例1〕 直径3インチのSi(100)単結晶基板を6枚用意し
、そのうちの3枚に対して清浄化処理を行った。清浄化
処理は、5×10−7Torrの真空中で、 900℃
にて10分間行い、Si基板の表面に2×1構造が現れ
ていることをRHEEDにより確認した。
【0027】更に、清浄化処理を行わなかった3枚のS
i基板のうちの2枚と、清浄化処理を行った3枚のSi
基板のうちの2枚とに対して、ZrO2 またはYによ
りバッファ層(下層側バッファ層)を形成した。
【0028】尚、このバッファ層は蒸着法により成膜し
、また、特に清浄化処理を行ったSi基板に対しては、
清浄化処理後のSi基板を大気に曝すことなく、同一の
チャンバ内で連続して成膜処理を行った。各材料による
バッファ層の成膜条件は、下記の表1に示す通りである
【0029】
【表1】
【0030】以上のような処理の結果、下記の表2に示
すような6枚のSi基板が得られた。尚、バッファ層を
備えたSi基板については、その成長面を併せて示す。
【0031】
【表2】
【0032】上述のような6枚のSi基板に対して、Y
2 O3 により、上層側バッファ層を成膜した。成膜
法は蒸着法とし、Y2 O3 バッファ層の成膜条件を
表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】上記の条件で成膜されたY2 O3 によ
る上層側バッファ層表面の結晶配向性をX線回折法によ
り検査した。検査結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】更に、上記上層側バッファ層上に、Y−B
a−Cu複合酸化物超電導薄膜を成膜した。成膜法はス
パッタリング法とし、各成膜条件は、下記の表5に示す
通りとした。
【0037】
【表5】
【0038】以上のようにして作成した6個の試料につ
いて、各々の超電導特性と、結晶配向性とを評価した。 評価結果を表6に示す。尚、下記の評価において、臨界
電流密度Jc は、酸化物超電導薄膜の結晶c軸に直角
な方向に流れる電流について測定している。また、測定
温度は液体窒素の沸点とした。
【0039】
【表6】
【0040】〔実施例2〕実施例1と同じSi単結晶(
100)基板を使用して酸化物超電導薄膜を作製した。
【0041】まず、使用する基板の成膜面を、実施例1
と同じ条件で清浄化処理した後、YSZを材料とする下
層側バッファ層を成膜した。成膜法は蒸着法とし、各成
膜条件は、下記の表7に示す通りとした。また、得られ
たYSZによる下層側バッファ層の結晶配向性も表7に
併せて示す。
【0042】
【表7】
【0043】続いて、上述のようにして下層側バッファ
層を成膜されたSi基板上にEr2 O3 バッファ層
を成膜した。成膜法は蒸着法とし、各成膜条件は下記の
表8に示す通りとした。
【0044】
【表8】
【0045】尚、X線回折法により調べたところ、得ら
れたEr2 O3 バッファ層は、(100)面が配向
していることが確認された。
【0046】次に、上記Er2 O3 バッファ層上に
、Y−Ba−Cu複合酸化物超電導薄膜を成膜した。成
膜法はスパッタリング法とし、各成膜条件は、下記の表
9に示す通りとした。尚、この実施例では、成膜時の基
板温度を 700℃とした試料■と、基板温度を 60
0℃とした試料■とを作製した。
【0047】
【表9】
【0048】以上のようにして作成した試料について、
各々の超電導特性と、結晶配向性とを評価した。評価結
果を表10に示す。尚、下記の評価において、臨界電流
密度Jc は、酸化物超電導薄膜の結晶c軸に直角な方
向に流れる電流について測定している。また、測定温度
は液体窒素の沸点とした。
【0049】
【表10】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る方法
によれば、Siウェハを基板として酸化物超電導薄膜を
、その結晶配向性を制御して成膜することができる。こ
こで、本発明に従って成膜された酸化物超電導薄膜は、
直接の下地となるバッファ層の直上から超電導体として
有効な結晶構造を形成しており、特に、臨界電流密度等
の点で優れた特性を示す。
【0051】酸化物超電導薄膜作製におけるSiウェハ
の使用は、基板が廉価で供給が安定していることだけで
はなく、微細加工技術等についての膨大な技術的蓄積に
より、種々のデバイスの作製にも有利に作用する。また
、Siウェハは、相当大径のものが供給されており、酸
化物超電導薄膜の大面積化にも充分対応できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Siウェハを基板として酸化物超電導薄膜
    を作製する方法において、(100)配向または(11
    0)配向したLn2 O3(但し、Lnはランタニド族
    元素を表す)化合物によりバッファ層を成膜する第1工
    程と、該バッファ層上に、酸化物超電導薄膜を成膜する
    第2工程とを含むことを特徴とする超電導薄膜の作製方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された作製方法において、
    前記第1工程に先立って、前記Siウェハの成膜面を充
    分に清浄化する工程を含むことを特徴とする超電導薄膜
    の作製方法。
JP2410432A 1990-12-13 1990-12-13 超電導薄膜の作製方法 Withdrawn JPH04214097A (ja)

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EP0490776A3 (en) 1992-11-19
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Ichikawa et al. 3-15 Yagumonakamachi, Moriguchi, Osaka 570, Japan.

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