JPH0421096B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は調理器具等の各種ガス燃焼器具に用い
る電磁弁付コツク装置に関するものである。

（従来の技術およびその問題点） ガス燃焼器具に於いて、ガスバーナに供給する
ガス量の調節機構と、生ガス放出を防止する安全
機能を兼備させる場合、従来は、例えば閉子を用
いた流量調節部と、電磁弁を設けた安全用開閉部
とを別々の部品で構成したり、これらを同一ケー
シング内に収納して一体に構成している。

ところが前者のものは製作が面倒であること
と、コンパクト化が難かしいという問題点を有す
ると共に、後者のものは、同一ケーシング内に一
体に構成しているとはいつても、夫々の機能は
個々に構成しているので、部品構造が比較的複雑
になることと、コンパクト化が十分でないという
問題点があつた。

また従来このような装置に於いては、点火動作
に於いてメインバーナへの着火を確実とするため
に点火時に於いて閉子を大流量の状態に移行させ
る構成としており、従つて点火後は必ず大火力の
燃焼状態となるので、所望火力を予め設定した状
態で点火することはできず、同火力で点火、消火
動作を繰り返す使用状態に於いては操作が面倒で
あるという問題点がある。

本発明は以上の問題点を解決することを目的と
するものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明の構成を実施例に対応する第１図〜第３
図に基づいて説明すると、まず第１項記載の発明
は、コツク本体１の一方側ａに閉子２を設け、該
閉子２の中央部軸方向に作動棒３を移動可能に貫
通させると共に、該作動棒３の先端作動部位４に
より操作可能な電磁弁５の弁体６を前記コツク本
体１の他方側ｂに設け、また該作動棒３に前記閉
子２の前記他方側ｂに対応する開口部７を閉止可
能な弁体８を設けると共に、作動棒３と閉子２の
一方側ａ間に、該作動棒３を前記他方側ｂから一
方側ａに移動する方向に付勢する戻しばね９を設
け、前記閉子２には、前記他方側ｂのメイン孔１
０と、一方側ａのパイロツト孔１１と、該メイン
孔１０とパイロツト孔１１間の狭窄部１２と、該
狭窄部１２のバイパス孔１３とを設けると共に、
前記作動棒３には前記狭窄部１２の内壁との間に
〓間１４を形成自在な小径部１５を構成し、前記
コツク本体１には前記メイン孔１０、パイロツト
孔１１及びバイパス孔１３に夫々対応する流路１
６，１７，１８を設け、該メイン孔１０とバイパ
ス孔１３に対応する流路１６，１８は合流させる
構成としたものである。

また、第２項記載の発明は、第１項記載の構成
に於いて、閉子２内に作動棒３の案内部材１９を
移動可能に設け、該案内部材１９をばね２０によ
り前記狭窄部１２の前記他方側ｂに対応する壁面
２１方向に付勢すると共に、作動棒３に該案内部
材１９を該付勢に抗して移動可能な作動部２２を
設け、更に該案内部材１９の狭窄部１２側はシー
ル部２３に構成したものである。

（作用） 以上の構成に於いて、第１図及び第３図ａに示
すバーナ消火状態に於いては、電磁弁５の弁体６
は、ばね（図示省略）の付勢により、コツク本体
１の弁座部２４に圧接して閉状態となつていると
同時に、作動棒３の弁体８も閉子２の開口部７に
圧接して閉状態となつており、燃料ガス導入路２
５から供給する燃料ガスは２段の弁部分により閉
子２への流入が阻止され、こうしてバーナ（図示
省略）への燃料ガスの供給は確実に遮断される。

次に、第３図ａの状態に於いて、点火操作に際
して作動棒３を戻しばね９の付勢に抗して図中右
方に移動させると、まず弁体８が閉子２の開口部
７から離れて開状態となつた後、先端作動部位４
が弁体６をばねの付勢に抗して押動して弁座部２
４から離して安全装置を構成する熱電対（図示省
略）の起動力によつて保持可能な所定位置に至ら
せる。一方、作動棒３の小径部１５は狭窄部１２
に至り、この狭窄部１２の内壁との間に隙間１４
が形成される。

このようにして、燃料ガスは導入路２５からコ
ツク本体１内に導入され、閉子２から前記隙間１
４、パイロツト孔１１、流路１７を経てパイロツ
トバーナに供給されると共に、閉子２からメイン
孔１０を経て流路１６に至つた燃料ガスと、隙間
１４そしてバイパス孔１３を経て流路１８に至つ
た燃料ガスが合流してメインバーナに供給され、
作動棒３の前記移動と連動する適宜の点火機構に
より点火される。

このように、メインバーナには流路１６と流路
１８からの燃料ガスが供給されるので、コツク本
体１に対しての閉子２の相対位置にかかわらず、
十分な量の燃料ガスが供給され、着火性が良好で
ある。

所定の点火操作後には、作動棒３は戻しばね９
の付勢により第３図ｃに示す位置まで戻り、弁体
６，８が開状態に於いて適宜の保持機構により保
持され、燃焼が継続する。この位置では、作動棒
３の先端作動部位４は弁座部２４から離れるの
で、バーナが消火して熱電対が所定の起電力を発
生しなくなると弁体６はばねの付勢により弁座部
２４に圧接して燃料ガスの供給を遮断することが
できる。また、この位置では作動棒３の小径部１
５は狭窄部１２を離れるので、隙間１４が形成さ
れなくなり、従つてパイロツトバーナは、燃料ガ
スの供給が停止して消火すると共に、メインバー
ナにはバイパス孔１３、流路１８を経ての燃料ガ
スの供給が停止して、閉子２のメイン孔１０から
流路１６を経た燃料ガスのみが供給されるように
なるので、メインバーナはコツク本体１に対して
の閉子２の相対位置に対応した火力で焼結を続け
る。この為、本発明では、閉子２により予め設定
した火力の燃焼を単なる点火操作だけ行うことが
できる。

次に、消火操作に於いて、保持機構による作動
棒３の保持を解除すると、該作動棒３は戻しばね
９の付勢により第１図及び第３図ａに示す位置ま
で戻り、従つて弁体６，８が閉状態となつてバー
ナへの燃料ガスの供給が遮断され、消火する。

以上の動作に於いて、案内部材１９は、作動棒
３の移動を円滑ならしめると共に、第３図ｃに示
す燃焼状態に於いては、シール部２３が、ばね２
０の付勢により狭窄部１２の壁面２１に圧接して
いるので、不必要な狭窄部１２への燃料ガスの流
入を、より確実に防止する作用を有する。

（実施例） 以下に、本発明を適用した具体的実施例を説明
する。

符号２６はガステーブル等の調理器具のこんろ
部等の操作パネル部を示し、２７は押操作つまみ
である。この押操作つまみ２７は操作てこ２８を
介して、作動棒３を操作するための操作軸２９を
移動させる構成としており、また操作軸２９は、
押操作つまみ２７の押操作毎に交互に点火動作、
消火動作を行なうべく保持機構３０によつて保持
されている。かかる保持機構は、第３図ａからｂ
の位置への作動棒３の移動に対応して、該作動棒
３を第３図ｃの位置に保持可能とし、またこの位
置から第３図ｄの位置への移動に対応して保持を
解除して、第３図ａの位置への復帰を可能とする
もので、かかる機構は従来の適宜の機構を適用す
ることができる。また閉子２の外側には、クラン
クピン３１を突設した作動金具３２が装着される
と共に、コツク本体１に支点３３を以つて回動自
在に固定した操作レバー３４に、前記クランクピ
ン３１を係合する長孔３５を形成した作動部３６
を構成しており、該操作レバー３４を回動して、
クランク動作により前記閉子２を回動させる構成
となつている。また作動棒３の先端作動部位４は
圧縮コイルばねによつて構成して緩衝作用をもた
している。狭窄部１２よりも前記一方側ａの閉子
２内空間には一対のＯリング３７，３７′と、こ
のＯリング３７，３７′間のスペーサ３８とを装
着して小径部１５による燃料ガスの漏洩を防止し
ている。

（発明の効果） 本発明は以上の通り、コツク本体の一側に閉
子、他側に電磁弁の弁体を設け、この弁体を操作
する作動棒を該閉子の中央軸方向に移動自在に設
けているので、作動棒による弁体の操作と、閉子
の操作とを、互いに干渉させずに行なうことがで
き、このように閉子と弁体及び作動棒を一体化し
たので全体の構成が簡単で、非常にコンパクトに
構成することができる。特に本発明は、点火操作
に於いて、閉子の回動位置にかかわらず一時的に
メインバーナの燃料ガスの供給量を大として、着
火性を良好とし得ると共に、点火操作後の燃焼状
態に於いては閉子の回動位置に対応した燃料ガス
を供給し得るので、閉子により予め設定した火力
の燃焼を単なる点火操作だけで行うことができる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本発明の実施例に対応するも
ので、第１図は縦断説明図、第２図ａ，ｂは作動
棒の案内部材の構成を示す夫々縦断、横断説明図
であり、また第３図ａ，ｂ，ｃ，ｄは動作を示す
要部縦断説明図である。 符号１……コツク本体、２……閉子、３……作
動棒、４……先端作動部位、５……電磁弁、６，
８……弁体、７……開口部、９……戻しばね、１
０……メイン孔、１１……パイロツト孔、１２…
…狭窄部、１３……バイパス孔、１４……隙間、
１５……小径部、１６，１７，１８……流路、１
９……案内部材、２０……ばね、２１……壁面、
２２……作動部、２３……シール部、２４……弁
座部、２５……導入路、２６……操作パネル部、
２７……押操作つまみ、２８……操作てこ、２９
……操作軸、３０……保持機構、３１……クラン
クピン、３２……作動金具、３３……支点、３４
……操作レバー、３５……長孔、３６……作動
部、３７，３７′……Ｏリング、３８……スペー
サ、ａ……コツク本体の一方側、ｂ……コツク本
体の他方側。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コツク本体の一方側に閉子を設け、該閉子の
   中央部軸方向に作動棒を移動可能に貫通させると
   共に、該作動棒の先端作動部位により操作可能な
   電磁弁の弁体を前記コツク本体の他方側に設け、
   また該作動棒に前記閉子の前記他方側に対応する
   開口部を閉止可能な弁体を設けると共に、作動棒
   と閉子の一方側間に、該作動棒を前記他方側から
   一方側に移動する方向に付勢する戻しばねを設
   け、前記閉子には、前記他方側のメイン孔と、一
   方側のパイロツト孔と、該メイン孔とパイロツト
   孔間の狭窄部と、該狭窄部のバイパス孔とを設け
   ると共に、前記作動棒には前記狭窄部の内壁との
   間に〓間を形成自在な小径部を構成し、前記コツ
   ク本体には前記メイン孔、パイロツト孔及びバイ
   パス孔に夫々対応する流路を設け、該メイン孔と
   バイパス孔に対応する流路は合流させる構成とし
   たことを特徴とするガス燃焼器具に於ける電磁弁
   付コツク装置。 ２ 第１項記載の電磁弁付コツク装置に於いて、
   閉子内に作動棒の案内部材を移動可能に設け、該
   案内部材をばねにより前記狭窄部の他方側壁面方
   向に付勢すると共に、作動棒に該案内部材を該付
   勢に抗して移動可能な作動部を設け、更に該案内
   部材の狭窄側はシール部に構成したことを特徴と
   するガス燃焼器具に於ける電磁弁付コツク装置。