JPH0311583Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は操作ボタンの押圧操作により点火及び
消火をワンタツチで行うようにしたワンタツチ操
作方式の調理器の点滅装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のガス器具の点滅装置は点火コツクを押圧
してバイパス弁及びパイロツトバーナ弁等を押し
開き、バイパスガス通路及びパイロツトバーナへ
のガス通路等を開放し、次いでこの押圧開放状態
を保つたまま点火コツクを所定の角度回動してメ
インガス通路を開いてメインバーナが点火され、
押圧を解くとバイパスガス通路及びパイロツトバ
ーナへのガス通路が閉止されメインガス通路のみ
開放状態に維持され燃焼する。そして消火時には
点火コツクを元の位置まで回動するとメインガス
通路が閉止されて燃焼を停止する構造であつた。
それ故点火及び消火操作をワンタツチで行うこと
ができず操作性が悪い欠点があつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は上記の点に鑑み、操作ボタンの押圧の
みの操作により操作ボタンと関連して設けた作動
杆を介してガス弁の作動弁軸を押圧作動し、該作
動弁軸の進退ストロークをストローク制御機構に
より制御し、操作ボタンの押圧操作で点火及び消
火がワンタツチでできるようにして上記問題点の
解消を計つたものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案における調
理器の点滅装置は、操作ボタンと、該操作ボタン
の１回目の押圧操作で一定ストローク前進し、押
圧操作の押圧力を解くと一定ストロークだけ後退
してロツクされ、２回目の押圧操作によりロツク
が外され、その押圧操作を解くと一定のストロー
クだけ後退して元位置へ戻るストローク制御機構
で進退を制御される作動杆とを関連して設け、該
作動杆とメインバーナへのガス供給路に進退可能
に備えたメイン弁の作動弁軸を連動可能に設け、
かつ、該メイン弁の上流側で分岐せるパイロツト
バーナへのガス通路に備えたパイロツトバーナ弁
を点火時にのみ開放させるカム体を前記作動弁軸
に設けるとともに、供給ガス通路に備えた電磁ガ
ス弁を点火時に押圧して開放する連動杆を前記カ
ム体に連設したものである。

〔作用〕

上記構成により点火操作時に操作ボタンを押圧
すると、操作ボタンと関連して設けた作動杆がス
トローク制御機構により一定ストローク前進し、
これに伴つてメイン弁の作動弁軸と該作動弁軸に
設けたカム体に連設した連動杆が前進移動し、メ
インバーナへのガス供給路に進退可能に備えたメ
イン弁、パイロツトバーナのガス通路に備えたパ
イロツトバーナ弁及び供給ガス通路に備えた電磁
ガス弁が点火時にそれぞれ開かれ、メインバーナ
及び点火パイロツトバーナへのガス供給路が開放
され点火パイロツトバーナに点火され該パイロツ
トバーナ炎によりメインバーナが点火される。そ
して操作ボタンの押圧を解くと作動杆が一定のス
トローク後退してロツクされ、これに伴つて作動
弁軸及び連動杆が後退してパイロツトバーナ弁を
閉じ点火パイロツトバーナへのガス通路を閉止す
る。一方、メインバーナへのガス供給路は電磁ガ
ス弁が電磁石により開放保持されるので継続して
開放状態に維持され所望インプツトの燃焼状態と
なる。そして消火操作時に再び操作ボタンを押圧
すると作動杆がストローク制御機構により若干前
進してロツクが外れ、押圧を解くと作動杆が後退
する。従つて作動弁軸も後退しメイン弁が閉じ開
放状態にあるメインバーナへのガス供給路が閉止
され燃焼を停止する。

以上点火、消火とも同一の操作ボタンにて行う
場合について述べたが、消火用の操作ボタンを点
火用の操作ボタンとは別個に設置して消火時に該
消火用の操作ボタンを押圧して点火用の操作ボタ
ンのロツク状態を解除させても良い。以下本文に
おいて同じ。

〔実施例〕

以下本考案による調理器の点滅装置の一実施例
を図面に基づいて説明する。

図面において、１は調理器の器体２の上面に挿
設され、点火及び消火操作時に上から下に押圧さ
れる操作ボタンであり、該操作ボタン１に円弧状
の押圧面３を先端に備えた押圧杆４が嵌入連設さ
れ、かつ、該押圧杆４にはガイド杆５が連設され
ている。このガイド杆５は調理器の底部に設けら
れた脚体６に形成したガイド筒７内に挿嵌され、
操作ボタン１が下方に押圧されたとき操作ボタン
１及びこれに連設された押圧杆４が垂直に降下す
るようになつている。８は枢軸９で揺動自由に軸
設された略Ｌ形のレバーで、該レバー８は後記の
ストローク制御機構Ａと共に連動機構を構成し、
レバー８の押圧片８ａが前記押圧杆４の押圧面３
に当接され、また、該レバー８の他方側の作動片
８ｂは作動杆１０の先端の押圧面１１に当接する
ように設置され、押圧杆４により押圧片８ａが押
し下げられると枢軸９を支点としてレバー８が図
示反時計方向に回動し、作動片８ｂにより作動杆
１０を水平方向に押圧移動するようになつてい
る。該作動杆１０は固定ブラケツト１２内に挿嵌
され、該固定ブラケツト１２との間に介在せしめ
た復帰バネ１３により前記レバー８の作動片８ｂ
を復帰方向に付勢し、また、該作動杆１０をメイ
ンバーナへのガス供給路１４を開放するメイン弁
１５を開閉作動する作動弁軸１６と同一軸線上に
関連して備え、該作動杆１０の後端で作動弁軸１
６を押圧移動するように設けられている。

そして前記作動杆１０の周面には作動弁軸１６
の進退ストロークを規制するためのループ状の制
御溝１７が穿設され、該制御溝１７に固定ブラケ
ツト１２に制御杆１８の先端部１８ａが揺動可能
に挿着された制御杆１８の基端部１８ｂが滑動自
由に嵌め入れられて、該制御杆１８の先端部１８
ａが制御溝１７における位置ａ（消火位置）→位
置ｂ（点火位置）→位置ｃ（燃焼位置）→位置ｄ
（ロツクが外れる位置）→位置ａの順に滑動し、
作動弁軸１６進退移動が予め決められた一定のス
トロークに制御されるストローク制御機構Ａを構
成している。このストローク制御機構Ａは本考案
のものに限定されず、その他種々の構成となして
も良い。１９は制御杆１８が制御溝１７に沿つて
自由に揺動できるように固定ブラケツト１２に穿
設した透孔であり、２０は摺動溝で、固定ブラケ
ツト１２に挿着された制御杆１８の基端部１８ｂ
が摺動自由に深く嵌め入れられて制御杆１８が確
実に枢支されるようになつている。メイン弁１５
と円錐状の作動カム体２１は作動弁軸１６に固設
され、該作動カム体２１により点火パイロツトバ
ーナへのガス通路２２を開閉するパイロツトバー
ナ弁２３の弁軸２４及びバイパスガス通路２５を
開閉するバイパス弁２６の弁軸２７を点火時にメ
イン弁１５の進行方向と直角方向で外方に押圧し
てパイロツトバーナ弁２３及びバイパス弁２６を
開放するようになつている。２８は該作動カム体
２１に連結された連動杆で、この連動杆２８は前
記した作動杆１０及びメイン弁１５の作動弁軸１
６と同一軸線上に位置し、Ｌ形レバー８の回動に
伴つて作動杆１０が押圧されると順次連動し連動
杆２８の一端で供給ガス通路２９を開閉する電磁
ガス弁３０を押圧移動してこれを開放するように
なつている。３２は電磁ガス弁３０と支持軸３１
にて連結された吸着片で、吸着片３２が図示しな
い熱電素子により励磁される電磁石３３にて吸着
されて電磁ガス弁３０が移動して開成保持される
ようになつている。３４は電磁ガス弁３０を閉止
する方向に付勢するばね、３５はメイン弁１５を
閉止方向に付勢するばねである。

尚、前記メインバーナへのガス通路１４は熱量
調節装置Ｂに接続され、熱量を調節するつまみ３
６により操作されて開度が調節される調節弁３７
を介してメインバーナに接続されている。また、
バイパスガス通路２５は該熱量調節装置Ｂの調節
弁３７の下流側に接続され、点火時に熱量調節装
置Ｂが熱量調節つまみ３６によりメインバーナへ
のガス供給量が絞られた状態にあつても最大量の
ガスが供給され点火が確実に行えるようになつて
いる。

しかして、点火操作時に操作ボタン１を上から
下に押し下げると押圧杆４の押圧面３がレバー８
の押圧片８ａを押し下げ、Ｌ形レバー８を反時計
方向に回動し、該レバー８の作動片８ｂにより作
動杆１０の先端の押圧面１１を押圧し、作動杆１
０をストローク制御機構Ａにより設定される一定
のストローク（ａ→ｂ）、即ち制御杆１８の先端
部１８ａがループ状の制御溝１７内を位置ａから
位置ｂまで滑動してストツプし、これに伴つて操
作ボタン１〔の上端面（以下本文において同じ）〕
もa′位置からb′位置まで押し下げられた位置でス
トツプする。このとき、メイン弁１５を開放し、
作動カム体２１によりパイロツトバーナ弁２３及
びバイパス弁２６も開放する。更に連動杆２８に
より電磁ガス弁３０も押し開かれるとともに吸着
片３２は電磁石３３に押圧され、供給ガス通路２
９より供給されるガスはメインバーナへのガス通
路１４、点火パイロツトバーナへのガス通路２２
及びバイパスガス通路２５へとガスが流れ、図示
しない点火装置により点火され、点火パイロツト
バーナを介して点火されメインバーナは最大ガス
量にて燃焼を開始し、また、図示しない熱電素子
がメインバーナの火炎により加熱されて電磁石３
３は励磁されて電磁ガス弁３０は開放保持され
る。

点火後操作ボタン１の押圧を解くと復帰用ばね
１３の付勢力により作動杆１０がストローク制御
機構Ａにより位置ｂから位置ｃまで後退してその
位置にロツクされる。したがつてメイン弁１５は
開放状態に維持されるが、作動カム体２１の図示
左方向への移動に伴つてパイロツトバーナ弁２３
及びバイパス弁２６の各弁軸２４，２７の押圧が
解かれ、パイロツトバーナへのガス通路２２及び
バイパスガス通路２５が閉止されて点火パイロツ
トバーナが消火し、メインガスバーナのみによる
燃焼状態となる。尚、このとき操作ボタン１は位
置b′から位置c′まで押し上げられてストツプす
る。

消火する場合は再び操作ボタン１を上から下に
押し下げると作動杆１０が図示右方向に移動し、
制御杆１８の先端部１８ａが位置ｄで制御溝１７
につき当たりストツプする。この位置ｄは作動カ
ム体２１がパイロツトバーナ弁２３の弁軸２４及
びバイパス弁２６の弁軸２７を押圧しない位置で
ある。そして操作ボタン１の押圧を解くとロツク
が外れ、位置ｄから元の位置ａまで後退してメイ
ン弁１５の作動弁軸１６の押圧が解かれ、ばね３
５の復元力でメイン弁１５が閉止されてガスの供
給がストツプされ燃焼を停止する。これに伴い図
示しない熱電素子の加熱が停止され電磁石３３の
励磁が解かれ、ばね３４の付勢力により電磁ガス
弁３０も閉止される。また、作動杆１０の元の位
置への後退に伴い操作ボタン１もＬ形レバー８及
び押圧杆３を介して押し上げられ元の位置a′へ復
帰する。

尚、上記実施例では操作ボタン１を調理器の器
体２の上面に設けているが、該操作ボタン１を器
体２の前面に設ければＬ形レバー８を介すること
なく作動杆１０を直接押圧作動させても良く、そ
の場合点滅装置をより薄型化することが容易とな
る。

〔考案の効果〕

上述したように本考案によれば操作ボタンの押
圧操作により操作ボタンと関連して設けた作動杆
を介してガス弁の作動弁軸を押圧作動し、該作動
弁軸の進退ストロークをストローク制御機構によ
り制御しているので、１つの操作ボタンの押圧操
作によりワンタツチで安全確実に点火及び消火が
行え極めて操作性が良く誤操作することがない。
また、その構成も簡単で調理器を小型化すること
が容易であるから実用上極めて有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る調理器の点滅装置の一実
施例を示す消火時の概略縦断面図、第２図は同じ
く燃焼時の概略縦断面図、第３図は同じく燃焼時
の要部の横断面図、第４図は本考案を採用した調
理器の斜視図である。 １……操作ボタン、１０……作動杆、１４……
メインバーナへのガス供給路、１５……メイン
弁、１６……作動弁軸、２１……カム体、２２…
…パイロツトバーナへのガス通路、２３……パイ
ロツトバーナ弁、２８……連動杆、２９……供給
ガス通路、３０……電磁ガス弁、Ａ……ストロー
ク制御機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作ボタン１と、該操作ボタン１の１回目の押
   圧操作で一定ストローク前進し、押圧操作の押圧
   力を解くと一定ストロークだけ後退してロツクさ
   れ、２回目の押圧操作によりロツクが外され、そ
   の押圧操作を解くと一定のストロークだけ後退し
   て元位置へ戻るストローク制御機構Ａで進退を制
   御される作動杆１０とを関連して設け、該作動杆
   １０とメインバーナへのガス供給路１４に進退可
   能に備えたメイン弁１５の作動弁軸１６を連動可
   能に設け、かつ、該メイン弁１５の上流側で分岐
   せるパイロツトバーナへのガス通路２２に備えた
   パイロツトバーナ弁２３を点火時にのみ開放させ
   るカム体２１を前記作動弁軸１６に設けるととも
   に、供給ガス通路２９に備えた電磁ガス弁３０を
   点火時に押圧して開放する連動杆２８を前記カム
   体２１に連設したことを特徴とする調理器の点滅
   装置。