JPH0421073Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は例えば記録計や指示計等に用いられる
磁歪シートと磁歪検出ヘツドとを組合わせたポテ
ンシヨメータの構成から成る磁歪シートを用いた
サーボ機構に係わり、特にポテンシヨメータのリ
ニアリテイ特性の改善に関する技術である。

＜従来の技術＞ 以下従来の技術を図面を用いて説明する。第３
図は従来の磁歪シートを用いたサーボ機構の構成
の概略を示す断面図、第４図は第３図の斜視図で
ある。

第３図及び第４図において、１は主軸、２は主
軸１に平行に配置されて磁歪シート３が組付けら
れた異形材である。磁歪シート３は異形材２の磁
歪シート取付基準面２ａ上に設けられた上でゴム
ブツシユ４及び“ならい板”５で押えられた上で
例えば固定ネジ６で固定される。７は主軸１にキ
ヤリツジ丸穴７ａを通して組付けられて主軸上を
異形材２と平行に矢印Ｆのように滑走・移動する
キヤリツジ、８はキヤリツジ７に組付けられてヨ
ーク８ａが磁歪シート３を一定の空隙を有して挟
み込んだ構造を有してキヤリツジ７の滑走・移動
と共に磁歪シート３に添つて滑走・移動して磁歪
検出値を出力する磁歪シート３と一体となつてリ
ニアポテンシヨメータを構成する磁歪検出ヘツド
部である。破線９はキヤリツジ７の例えば下部に
組付けられて入力値に従つてキヤリツジ７の滑
走・移動に共なつて図示しない記録紙に入力値を
記録する記録ペンである。

＜考案が解決しようとする問題点＞ ところで、このように構成された従来の磁歪シ
ートを用いたサーボ機構は、磁歪シート取付基準
面２ａの例えば長手方向にそりやねじれ等が発生
して平面度が狂い主軸１と磁歪シート３の正確な
相対位置が保てなくなつたり、又、“ならい板”
５に“反り”が発生して“ならい板”５と磁歪シ
ート３との間の平行度が保てなくなる等の問題が
ある。第５図は従来の技術の説明に供する図であ
る。この第５図は上記の関係を図で表わしたもの
である。即ち、第５図Ａの場合、ヨーク８ａと磁
歪シート３で形成されるヨーク溝８ｂは上下の空
隙ｔが互いに等しいことを示し、第５図Ｂの場
合、ヨーク溝８ｂは上の空隙τが下の空隙δより
大きくなつたことを示したものである。即ち、キ
ヤリツジ７が走行して第５図Ｂのようになつた場
合には、ヨーク溝８ｂの空隙がアンバランスとな
つて磁歪出力値が変動し、ポテンシヨメータとし
てのリニアリテイ特性が悪化する原因となる。

本考案は、この従来の技術の問題点に鑑みてな
されたものであつて、異形材の磁歪シート取付基
準面の平面度が狂つても磁歪シートと磁歪検出ヘ
ツド部との上下の空隙を一定に保つてポテンシヨ
メータとしてのリニアリテイ特性を改善すると共
に、キヤリツジ滑走時のガタを削減して滑走負荷
を軽減して摺動部の摩耗等の耐久性を改善する磁
歪シートを用いたサーボ機構を提供することを目
的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 上述の目的を達成するための本考案の磁歪シー
トを用いたサーボ機構は、主軸に平行に配置され
磁歪シートが組付けられた異形材と、前記主軸上
に組付けられ前記異形材の表と裏に固定して設け
られた“ならい軸”上の“ならい面”又は前記異
形材の表と裏に設けられた“ならい面”に接触し
て滑走可能な構成の“表ならい接触子”及び“裏
ならい接触子”が設けられ又は組付けられ前記異
形材に平行に滑走・移動するキヤリツジと、該キ
ヤリツジに組付けられて前記磁歪シートに添つて
滑走・移動して磁歪検出値を出力する磁歪検出ヘ
ツド部とを具備してリニアポテンシヨメータを構
成とし、前記異形材に対する前記キヤリツジの平
行滑走・移動を可能とし且つ前記磁歪シートと磁
歪検出ヘツド部との間に常に一定の空隙を形成し
て成ることを特徴とするものである。

＜実施例＞ 以下本考案の具体的一実施例を第１図の本考案
の磁歪シートを用いたサーボ機構の構成を示す断
面図に基づき詳細に説明する。尚、以下の図面に
おいて、第３図乃至第５図と重複する部分は同一
番号を付してその説明は省略する。

第１図において、２０は主軸１に平行に配置さ
れて一定の平面度を有する磁歪シート取付基準面
２０ａ上に磁歪シート３がゴムブツシユ４及び磁
歪シート押え板５０で押えられネジ６で組付・固
定されて成る異形材である。この異形材２０の例
えば表側の先端部分（ここでは図の磁歪シート３
が取付けられている面を表としその延長線上を先
端部とする）Ａにはネジ５２で固定して設けられ
た滑走面に“ならい面”５１ａを有する“表なら
い軸”５１が設けられ、裏側の図では磁歪シート
３の真下部分にはネジ５２で固定して設けられた
滑走面に“ならい面”５３ａを有する“裏ならい
軸”５３が夫々設けられ、異形材２０はこれ等
“表ならい軸”５１と“裏ならい軸”５３とによ
つて主軸１と平行に固定・支持されている。７０
は主軸１にキヤリツジ丸穴７０ａを通して滑走可
能に組付けられて主軸上を異形材２０と平行に滑
走・移動するキヤリツジである。このキヤリツジ
７０には、“ならい面”５１ａに接してキヤリツ
ジ７０がスムーズに“ならい面”５１ａ上を滑
走・移動可能な構造の例えばベアリングから成る
“表ならい接触子”７１と、“ならい面”５３ａに
下から板バネ７２のバネ圧αで押し上げてキヤリ
ツジ７０の回り止めの機能を有しつつ異形材２０
を主軸１と平行となるように支持しキヤリツジ７
０がスムーズに“ならい面”５３ａ上を滑走・移
動可能な構造の“裏ならい接触子”７３とが一体
構造で組付けられている。

このように本考案を構成することで、キヤリツ
ジ７０は“表ならい軸”５１、“裏ならい軸”５
３上を水平に滑走することができる。この時キヤ
リツジ７０と一体の磁歪検出ヘツド部８のヨーク
溝８ｂは磁歪シート３を挟み込んだ状態で空隙一
定で滑走する。故に磁歪シート３の磁歪信号を磁
歪検出ヘツド部８のヨーク８ａで常に正確に検出
できるリニアポテンシヨメータを構成するサーボ
機構の位置帰還要素とすることができる。

この時にもし磁歪シート取付け基準面２０ａと
なる異形材２０の平面度が狂つても“表ならい
軸”５１と“裏ならい軸”５３が同様に“なら
う”ので、磁歪シート３とヨーク８ａの空隙はキ
ヤリツジ滑走時に一定に保持できる。この結果、
磁歪シート取付け基準面２０ａの状態による磁歪
ポテンシヨメータのリニアリテイ特性に対する影
響を受けることはない。

又、キヤリツジ７０は異形材２０の表裏２面を
挟んで主軸１の回りを回転可能な構造のため、主
軸１と“表ならい軸”５１、“裏ならい軸”５３
間の平行度の狂い（滑走偏差）によるガタ及び過
負荷は発生しない。この結果、上記したと同様に
磁歪ポテンシヨメータのリニアリテイ特性に対す
る影響は受けない。

又、このようにすることでキヤリツジ７０の滑
走・移動時のガタを削減して滑走負荷を軽減でき
るので、摺動部の耐摩耗性等の耐久性を向上する
ことができる。

ところで本考案は第１図の構造に限定されるも
のではない。例えば第２図の本考案のその他の実
施例を示す図のように構成することも可能であ
る。この第２図はペン機構が磁歪ヘツド部回転中
心軸を中心としてアツプダウンする場合の一例で
ある。

第２図において、２００は主軸１に平行に配置
される異形材である。この異形材２００には、磁
歪シート３が磁歪シート取付基準面２０a′上に且
つ上からゴムブツシユ４及び磁歪シート押え板５
０ａで押えられて組付け・固定されている。この
異形材２００の例えば表側の後端部分には表面に
“ならい面”２００ａを有する突起部分が設けら
れ、裏側の、図では“ならい面”２００ａの中心
位置よりずれた磁歪シート３寄りに表面に“なら
い面”２００ｂを有する平坦部分が設けられてい
る。７００は主軸１にキヤリツジ丸穴７００ａを
通して滑走可能に組付けられて主軸上を異形材２
００と平行に滑走するキヤリツジである。このキ
ヤリツジ７００には、“ならい面”２００ａに上
から押しつけるように接しこのキヤリツジ７００
がスムーズに“ならい面”２００ａ上を滑走・移
動可能な構造の“表ならい接触子”（磁歪ならい
接触子）７１と、“ならい面”２００ｂに下から
板バネ７２ａのバネ圧αで押し上げてキヤリツジ
７００の回り止めの機能を有しつつ異形材２００
を主軸１と平行となるように支持しキヤリツジ７
００がスムーズに“ならい面”２００ｂ上を滑
走・移動可能な構造の裏ならい接触子（磁歪なら
い接触子）７３が一体構造で設けられている。９
１はキヤリツジ７００内に設けられて磁気検出ヘ
ツド部８と異形材２００の先端部分を押し上る
“ならいアーム”９２とが組付けられて磁歪ヘツ
ド部回転中心軸９０を中心として記録ペン（図省
略）をアツプダウンする構成の磁気検出ヘツドア
ームである。

このように構成してもキヤリツジ７００は“な
らい面”２００ａ，２００ｂ上を水平に滑走する
ので、キヤリツジ７００と一体の磁歪ヘツド検出
ヘツド部８のヨーク溝８ｂは磁歪シート３を挟み
込んだ状態で空隙一定で滑走することができるの
で、第１図の構造と同様に従来の問題点を解決す
ることができる。尚、本考案はこの第１図、第２
図以外にもこの要旨を逸脱しない範囲で設計変更
をしてもよいことはいうまでもない。

＜考案の効果＞ 以上、実施例と共に具体的に本考案を説明した
ように本考案の磁歪シートを用いたサーボ機構に
よれば、仮に磁歪シート取付基準面の平面度が狂
つても磁歪シートとヨークの上下空隙はキヤリツ
ジ滑走時に一定に保持できるので、一定の磁歪出
力値が得られ、磁歪シート取付基準面の状態によ
る磁歪ポテンシヨメータのリニアリテイ特性に対
する影響は受けない。又、キヤリツジは異形材の
表裏２面に接触・支持して主軸の回りを回転可能
な構造となつているので、主軸と“表ならい面”、
“裏ならい面”間の平行度の狂いによるガタ及び
過負荷が発生しないので、キヤリツジ滑走時のガ
タを削減して滑走負荷を軽減し、記録ペン速度及
び摺動部の摩耗等の耐久性が大幅に改善できると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の磁歪シートを用いたサーボ機
構の構成を示す断面図、第２図は本考案のその他
の実施例を示す図、第３図は従来の磁歪シートを
用いたサーボ機構の構成の概略を示す断面図、第
４図は第３図の斜視図、第５図は従来の技術の説
明に供する図である。 １……主軸、２，２０……異形材、３……磁歪
シート、４……ゴムブツシユ、７，７０，７００
……キヤリツジ、８……磁歪検出ヘツド部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主軸に平行に配置され磁歪シートが組付けられ
   た異形材と、前記主軸上に組付けられ前記異形材
   の表と裏に固定して設けられた“ならい軸”上の
   “ならい面”又は前記異形材の表と裏に設けられ
   た“ならい面”に接触して滑走可能な構成の“表
   ならい接触子”及び“裏ならい接触子”が設けら
   れ又は組付けられ前記異形材に平行に滑走・移動
   するキヤリツジと、該キヤリツジに組付けられて
   前記磁歪シートに添つて滑走・移動して磁歪検出
   値を出力する磁歪検出ヘツド部とを具備して成る
   ことを特徴とする磁歪シートを用いたサーボ機
   構。