JPH0420940B2 - - Google Patents

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JPH0420940B2
JPH0420940B2 JP20721883A JP20721883A JPH0420940B2 JP H0420940 B2 JPH0420940 B2 JP H0420940B2 JP 20721883 A JP20721883 A JP 20721883A JP 20721883 A JP20721883 A JP 20721883A JP H0420940 B2 JPH0420940 B2 JP H0420940B2
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JP
Japan
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vinyl acetate
weight
ethylene polymer
polymerization
vinyl
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JP20721883A
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JPS6099152A (ja
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Shinji Horie
Tetsuji Kakizaki
Toshikazu Mizutani
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0420940B2 publication Critical patent/JPH0420940B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、熱可塑性フツ素含有樹脂(以下フツ
素樹脂と略称する)と、特定の改質エチレン重合
体とよりなる均一微細に相溶した樹脂組成物に関
する。 フツ素樹脂は、一般的に耐溶剤性に優れ、吸水
性も全くなく、耐侯性、耐熱性、耐摩耗性、非粘
着性等がプラスチツクスの中でも非常に優れてい
る。例えば、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)は、このフツ素樹脂の代表的なポリマ
ーであり、耐熱性が高く、耐溶剤性に優れる点か
ら化学装置の配管の内面防食やパッキング等とし
て、また、誘電率や誘電損失が低く抵抗率が高い
点から電線ケーブルの絶縁材料として、更に、表
面の潤滑性に優れる点から無給油の軸受や摺動材
として使用されているが、融点が高く、加熱溶融
しにくいため、成形性が悪く、通常焼結法にて成
形しなければならない欠点を持つている。そのた
め、テトラフルオロエチレン以外のフツ素含有不
飽和単量体や他の不飽和単量体を用いてのテトラ
フルオロエチレンとの共重合体あるいはテトラフ
ルオロエチレンを用いないフツ素樹脂により、
PTFEの成形性を改良し、熱可塑性でしかも
PTFEの特性を持つたものも得られるようになつ
てきた。 ところが、これらフツ素樹脂は、上記の特性に
優れるものの高価であるため、汎用には安価な素
材との複合が有用になると考えられる。 しかしながら、フツ素樹脂は、相溶性の目安と
される溶解性パラメータが、他の樹脂に比べて非
常に低いため、他の樹脂との相溶が困難である。
特に、安価で汎用かつ機械的特性や加工性に優れ
たオレフイン重合体との相溶はほとんど検討され
ていない。 フツ素樹脂とある程度相溶性がある樹脂として
は熱可塑性ポリウレタンやポリアルキルメタクリ
レート類が知られているが、いずれもオレフイン
重合体に比して高価であるか、あるいは機械的特
性として重要なポイントとなる引張り伸びの低下
がみられ、材料としては十分なものではない。ま
た、アルキルメタクリレートとオレフインとの共
重合体と配合する方法も考えられるが、これは、
汎用的ではなく、かつ相溶性への効果も十分でな
い。 本発明は、安価で汎用的なエチレン重合体とフ
ツ素樹脂とを、機械的特性を低下することなく容
易に相溶させることを目的として、特定の改質エ
チレン重合体を用いると、これが達成されること
が見出されて為されたものである。 すなわち本発明は、(a)熱可塑性フツ素含有樹脂
5〜95重量%および(b)結晶化度が4〜50%のエチ
レン重合体と酢酸ビニルをグラフト反応条件に付
して得られる改質エチレン重合体であつて、予め
含有されている場合の酢酸ビニルも含めた全酢酸
ビニル含量が5〜70重量%であり、かつ沸騰キシ
レン不溶分が10重量%以下である改質エチレン重
合体95〜5重量%からなることを特徴とする熱可
塑性フツ素含有樹脂配合組成物である。 本発明組成物は、均一微細に相溶しているた
め、両成分の持つ性質が損なわれることなく発揮
され、成形した場合でも層分離やフローマーク等
が生成されず、多くの分野での応用が期待され
る。 本発明で用いる上記(a)成分のフツ素樹脂として
は、例えば、ポリフツ化ビニル、ポリフツ化ビニ
リデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレ
ン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン
共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン
共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体等市販のもの
が適宜使用されるが、中でもポリフツ化ビニル、
ポリフツ化ビニリデン等が好ましい。更に、フツ
素樹脂と相溶性のある他の重合体をブレンドして
用いる事も可能であり、この様なものの例として
はポリフツ化ビニリデンとポリメチルメタアクリ
レートとの配合物が知られている。もちろん通常
配合される各種無機フイラー添加剤や顔料等を配
合することも可能である。 また、上記(b)成分について説明する。 本発明で用いるエチレン重合体は結晶化度が4
〜50%好ましくは10〜45%のものである。ここで
結晶化度はX線解析法による値をいう。 このエチレン重合体は、粉末でもよいが、後の
成形加工時のハンドリングを考慮すると粒子状で
ある方が便利である。従つて、粒子寸法は通常成
形用材料として用いられる程度のものであればよ
いが、一般には平均粒径1〜8mm、好ましくは3
〜7mm程度である。その寸法は、改質処理前後で
さして変化が認められない。 種類としては、エチレンの単独重合体として、
密度0.923g/cm2以下のものが相当する。その外、
エチレンの過半重量と炭素数3〜20程度のα−オ
レフインや他の共重合性ビニル単量体との共重合
体がある。ここで、共重合性ビニル単量体として
は、例えば酢酸ビニルの如きビニルエステル類;
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エチル、
メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、イタコン
酸等の不飽和有機酸またはその誘導体;ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリアセトキシシラン等の不飽和有機シラ
ン等を挙げることができる。また、ここで言う共
重合体とは、ランダム、ブロツクおよびグラフト
の各共重合体を包含するが、エチレンと酢酸ビニ
ルとの共重合体の場合は、グラフトの形態でない
共重合体が使用される。 これらのエチレン重合体は、2種以上を併用し
ても差し支えない。 エチレン重合体のうち、上記した如き共重合体
のものは、その共重合組成により結晶化度が変化
する。例えばエチレンと酢酸ビニルとの共重合体
は、酢酸ビニル含量が8重量%以上導入されると
結晶化度が50%以下となる。 特に酢酸ビニル含量が20重量%以上のエチレン
−酢酸ビニル共重合体は、好ましいものの一つで
ある。 結晶化度が50%超過のものは、酢酸ビニルが含
浸する際の拡散が困難で、均一なグラフト改質体
を得ることが難しく、また、結晶化度が4%未満
のものは、成形加工性が劣つて好ましくない。 本発明で使用する酢酸ビニルは、通常市販のも
のを用い得るが、酢酸ビニルばかりでなく、この
酢酸ビニルの過半重量に酢酸ビニルと共重合可能
な他のビニル単量体を混合したものを用いてもよ
い。ここで他のビニル単量体としては、プロピオ
ン酸ビニル、バーサチツク酸ビニル等のビニルエ
ステル類;アクリル酸、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸ブチル、無水マレイン酸、マレイン酸ジメ
チル、マレイン酸ジ(2−エチルヘキシル)など
の不飽和有機酸またはその誘導体;スチレン、
2,5−ジクロルスチレン等の不飽和芳香族単量
体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
不飽和ニトリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン
等の不飽和モノないしジハライドなどがある。 酢酸ビニルの量が過半未満の場合は、ブレンド
特性が思わしくなくなり好ましくない。 酢酸ビニルの過半重量に他のビニル単量体を混
合して用いる場合は、好ましくは、酢酸ビニルを
55〜98重量%とするのがよい。 特に、酢酸ビニルと組み合わせるとさらに他の
効果が現われるものの例としては、ビニルエステ
ル類のバーサチツク酸ビニルを併用すると、耐ア
ルカリ性が向上する。また、アクリル酸−n−ブ
チル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等の低ガ
ラス転移点のアクリル酸エステル類を併用する
と、低温流動性が向上し、かつその改質エチレン
重合体を他樹脂とブレンドさせるとその樹脂の流
動性、柔軟性を向上させることができる。また、
無水マレイン酸、アクリル酸等の不飽和有機酸を
併用すると、極性樹脂、金属等との接着・密着性
を増大させられる。また、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン等のハロゲン化不飽和炭化水素を併用する
と、ハロゲン化系樹脂との接着性を増大させられ
る。 これらのエチレン重合体および酢酸ビニルを用
いてグラフト反応条件に付すにあたつては、通常
ラジカル発生剤を用いるが、本発明では、この外
に連鎖移動剤もしくは重合禁止剤として分類され
ている単体または化合物を併用することが望まし
い。 ラジカル発生剤としては、汎用のものが使用で
きるが、後に記載する好ましいグラフト反応方法
との関係で、ベンゼン1中にラジカル発生剤
0.1モル添加して或る温度で10時間放置したとき
にラジカル発生剤の分解率が50%となるときのそ
の温度を意味する、いわゆる、「10時間の半減期
を得るための分解温度」が、50℃以上であつて、
かつ油溶性であるものが好ましい。 この分解温度が低いものを用いると、酢酸ビニ
ルの重合が異常に進行してしまうことがあり、均
質な改質重合体が得られない欠点がある。しか
し、この分解温度が高いものと低いものとを適宜
組み合わせて段階的ないし連続的に分解を行なわ
せ、効率よくグラフト反応させることもできる。 このようなラジカル発生剤としては、例えば
2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド(54
℃)、t−ブチルパーオキシビバレート(56℃)、
o−メチルベンゾイルパーオキサイド(57℃)、
ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド(60℃)、オクタノイルパーオキサイ
ド(61℃)、ベンゾイルパーオキサイド(74℃)、
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト(74℃)、シクロヘキサノンパーオキサイド
(97℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイ
ルパーオキシヘキサン(100℃)、t−ブチルパー
オキシベンゾエート(104℃)、ジ−t−ブチル−
ジパーオキシフタレート(105℃)、メチルエチル
ケトンパーオキサイド(109℃)、ジクミルパーオ
キサイド(117℃)、ジ−t−ブチルパーオオキサ
イド(124℃)等の有機過酸化物;アゾビスイソ
ブチロニトリル(65℃)、アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)(68℃)等のアゾ化合物
等がある。カツコ内は、10時間の半減期を得るた
めの分解温度である。 また、連鎖移動剤としては、通常重合時の分子
量調節の目的で使用されるものを用いることがで
きる。具体例としては、例えば脂肪族炭化水素と
してヘプタン、シクロヘキサンなど;芳香族炭化
水素としてベンゼン、トルエン、キシレン、ナフ
タレンなど;アルコール類としてメタノール、エ
タノール、t−ブチルアルコール、ポリオキシエ
チレングリコール、ジエチレングリコールなど;
ハロゲン化炭化水素としてクロロホルム、四塩化
炭素、四臭化炭素、ブロムトリクロルメタン、
1,1,1−トリクロルエタン、クロルベンゼ
ン、クロルトルエン、ジクロルベンゼンなど;ケ
トン類としてアセトン、メチルエチルケトンな
ど;アルデヒド類としてアセトアルデヒド、プロ
ピオンアルデヒド、クロトンアルデヒドなど;エ
ステル類としてメチルアセテート、エチルアセテ
ート、アリルアセテート、エチルステアレートな
ど;アミン類としてトリメチルアミン、ジフエニ
ルアミンなど;ニトリル類としてアセトニトリル
など;メルカプタン類としてn−ブチルメルカプ
タン、ドデシルメルカプタンなど;イオウ含有化
合物としてアセチルジスルフイド、イオウ、α−
トルエンチオール、ブチルスルフイドなど;その
他、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジエチ
ルエーテル、ジエチルジチオグリコレート、酢酸
などである。 また、本発明で用いる重合禁止剤としては、一
般に酢酸ビニル等ビニル単量体の重合抑制などの
目的で使用される重合禁止剤が用いられる。具体
的には、たとえば油溶性重合禁止剤としては、ジ
フエニルピクリルヒドラジル、ジ−p−フルオロ
フエニルアミン、トリ−p−ニトロフエニルメチ
ルなどのようなそれ自身安定なラジカルとなるも
のと、ベンゾキノン、クロラニル、p−t−ブチ
ルカテコール、ヒドロキノン、m−ジニトロベン
ゼン、ニトロベンゼン、p−フエニルジアミン、
硫黄などのようなラジカルと容易に反応して安定
なラジカルとなるものが挙げられ、また、水溶性
重合禁止剤としては、亜硝酸ナトリウム、塩化銅
などがある。さらに、気体のものとして酸素があ
る。 これらのうち、酸素は重合禁止剤としての効果
が非常に大きく、大量に用いるのは適切でない。
むしろかなり低濃度で用いるのが得策であり、例
えば15〜30重量%の酸素を含む気体、すなわち最
も簡便なものとして空気を用いるのが最も好まし
い。 酸素や空気の如き気体の重合禁止剤を用いる場
合、加圧や撹拌ないしはバブリング等の手法に
て、それらの重合禁止剤を強制的に反応系内に存
在させることが必要である。 本発明で用いるこれら各成分の使用量について
は、上記エチレン重合体と酢酸ビニルの間では、
これら両成分の使用したほぼ全量が反応し、未反
応の酢酸ビニル残が殆んど無いので、一般に前者
が30〜95重量%、好ましくは40〜90重量%および
後者が70〜5重量%、好ましくは60〜10重量%で
ある。酢酸ビニルがこの範囲未満の量では、得ら
れる改質エチレン重合体の酢酸ビニル含量が低く
て本発明の効果が十分発現されず、また上記範囲
超過の量では、得られる改質エチレン重合体の酢
酸ビニル含量が多過ぎて成形加工性が劣る。 ラジカル発生剤の使用量は、用いる酢酸ビニル
の量に対して0.01〜10重量%程度範囲内で、ラジ
カル発生剤の種類、反応の条件により適宜加減す
る。使用量がこの量未満では、反応が円滑に進ま
ず、またこの量超過では、改質エチレン重合体中
にゲルが多量に生成しやすく本発明の効果が発現
されにくくなる。 また、連鎖移動剤の使用量は、ラジカル発生剤
の種類、その量および連鎖移動剤の種類、反応の
条件等によつて適宜決められるものであるが、一
般には、用いるラジカル発生剤の量に対して0.01
〜100重量%である。使用量がこの範囲をはずれ
ると、改質エチレン中のゲルのコントロールが難
しい。 また、重合禁止剤の使用量も、上記の連鎖移動
剤と同様の条件で適宜決められるものであり、一
般には、用いるラジカル発生剤の量に対して
0.001〜10重量%である。使用量がこの範囲をは
ずれると、改質エチレン中のゲルのコントロール
が難しい。 次に、これらの各成分を用いたグラフト反応と
しては、水性媒体中に懸濁させたエチレン重合体
に酢酸ビニルを含浸してグラフトさせる水性懸濁
法、有機溶媒に各成分を溶解させてグラフトする
溶液グラフト法、非水系でエチレン重合体に酢酸
ビニルを含浸させてグラフトする非水系含浸法、
エチレン重合体の溶融状態下でグラフトする溶融
グラフト法、放射線によるグラフト法等種々の方
法が考えられるが、ゲルのコントロールの上で特
に好ましいのに、次に説明する水性懸濁法がある エチレン重合体粒子への酢酸ビニルの含浸 水性媒体中でエチレン重合体粒子に酢酸ビニル
を含浸させる代表的な方法は、エチレン重合体粒
子の水性分散液に好ましくはラジカル発生剤(お
よび必要に応じてその他の添加剤)が溶存してい
る酢酸ビニルを加えて撹拌することからなる。そ
の他の方法としては、ラジカル発生剤が溶存した
酢酸ビニルの水性分散液にエチレン重合体粒子を
加えて撹拌する方法がある。 含浸工程では、上記ラジカル発生剤が実質的に
分解しない条件で加熱して効率良く含浸が行なわ
れる必要があり、一般には室温〜100℃で操作す
るべきである。 この工程で、酢酸ビニルの80重量%以上がエチ
レン重合体粒子に含浸される。すなわち遊離の酢
酸ビニルの量が使用量全体の20重量%未満となる
ように含浸する。 エチレン重合体は酢酸ビニルと比較的相溶性が
あるので、重合開始前に20重量%未満の酢酸ビニ
ルが遊離していても重合中にこれがエチレン重合
体粒子に含浸するので、遊離の酢酸ビニルのみが
重合して得られる酢酸ビニルの重合体粒子が、改
質エチレン重合体粒子と独立して析出することは
ない。 含浸時間は2〜8時間程度が普通である。 水性分散液中のエチレン重合体粒子と酢酸ビニ
ルとの水に対する使用量は、水100重量部に対し
て5〜100重量部程度であるのが普通である。 このような水性分散液は単に撹拌を充分に行な
うだけでも安定に分散状態に維持することができ
るが、適当な懸濁安定剤を使用すればより容易か
つより安定に分散液を調製することができる。こ
の場合の懸濁安定剤としては、酢酸ビニルの水性
懸濁重合の際に懸濁安定剤として使用しうるもの
が一般に使用可能であつて、具体的には、たとえ
ばポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒ
ドロキシセルロース等の水溶性高分子物質、アル
キルベンゼンスルホネート等のような陰イオン性
界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル等の非イオン性界面活性剤、あるいは酸化マグ
ネシウム、リン酸カルシウム等の水不溶性の無機
塩等が単独であるいは混合して水に対して0.01〜
10重量%程度の量で使用される。 エチレン重合体粒子に酢酸ビニル(およびラジ
カル発生剤等)を含浸させる際に、可塑剤、滑
剤、酸化防止剤等の補助資材を同時に含浸させる
ことができる(これらの補助資材はエチレン重合
体に既に添加されている場合もあり、また重合後
に配合することもできる)。 重 合 このようにして調製した水性分散液を昇温し
て、使用したラジカル発生剤が適当な速度で分解
する温度以上に到らせれば、含浸された酢酸ビニ
ルは重合して改質エチレン重合体粒子が生成す
る。 重合進行中の水性分散液は、適当に撹拌するこ
とが好ましい。 重合温度は50〜100℃の範囲で適宜選択すべき
であるが、重合工程を通じて一定である必要はな
い。重合温度が100℃を超えるとゲル化を起こし
易くなるばかりでなく、粒子の細粒化や塊状化も
起こし易くなる。 重合時間は2〜10時間程度であるのが普通であ
る。重合圧力は常圧〜10Kg/cm2程度であるのが普
通であるが、連鎖移動剤が気体である場合は、そ
の範囲内で加圧状態にすべきである。 重合後、通常のビニル単量体(たとえばスチレ
ン)の水性懸濁重合の後処理と同様の処理を行な
えば、使用したエチレン重合体粒子の形状がほぼ
そのまま保持されていて直ちに成形用材料として
使用することができる改質エチレン重合体粒子が
得られる。 また、エチレン重合体がエチレン−酢酸ビニル
共重合体の場合には、グラフト反応条件によつて
付加される酢酸ビニルの量は、改質された重合体
に対して3〜60重量%、好ましくは5〜55重量
%、特に好ましくは10〜50重量%が望ましい。 このようなグラフト反応条件に付して得られる
改質エチレン重合体は、酢酸ビニル含量が、この
エチレン重合体に予め含有されている場合の酢酸
ビニルも含めて、5〜70重量%、好ましくは10〜
65重量%であり、かつ沸騰キシレン不溶分が10重
量%以下、好ましくは1重量%以下、特に好まし
くは実質的に存在しないものである。10重量%超
過では、成形加工性、ブレンド特性が悪くなる。 ここで、沸騰キシレン不溶分は、次の測定法に
よつて求める値である。 すなわち、試料粒子3.0gをステンレス製200メ
ツシユ金網で包み、沸騰キシレンでソツクスレー
抽出器にて10時間抽出し、試料全量に対する金網
内に残留した不溶分の重量割合を求める。 このような改質エチレン重合体は、成形加工性
がよく、粘度の温度依存性が改良されており、結
晶化の開始温度もエチレン重合体のそれと変わら
ないので、フイルム等の薄物成形が容易となる。 また、成分が均質なので、延展性や機械的強度
等の低下が見られない。 この改質エチレン重合体は、本発明の効果を阻
害しない限り、他の重合体、無機フイラー、安定
剤、着色剤等を混入して用いることができる。具
体的な態様としては、改質エチレン重合体と、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル
アクリレート共重合体、その他のエチレン重合体
とのブレンド体が挙げられる。 以上のような(a)および(b)成分の配合割合は、(a)
フツ素樹脂5〜95重量%、好ましくは10〜90重量
%および(b)改質エチレン重合体95〜5重量%、好
ましくは90〜10重量%が適当である。 これらの範囲をはずれる場合は、均質組成物が
得られない。 本発明においては配合割合により期待し得る効
果が異なる。例えばフツ素樹脂を主体として、改
質エチレン重合体の添加効果を求める場合は、柔
軟性、特に伸びの向上等が重要である。逆に、改
質エチレン重合体を主体として、フツ素樹脂を添
加する場合は、むしろ、改質エチレン重合体の欠
点である耐熱性等の向上が重要となる。 本発明の適応技術としては、フツ素樹脂と改質
エチレン重合体の相溶性が良好な事から両樹脂の
積層が可能である。あるいは、他の樹脂を層とし
た多層の積層フイルム、シート等への適用が可能
である。特に、これら積層体については、製品の
経済性からバリのリサイクル等が考えられるが、
これは本発明のごとく充分な相溶性が得られるこ
とから、非常に有効である。この時、本発明の効
果を阻害しない限り、改質エチレン重合体、ある
いはフツ素樹脂の他の樹脂を混入してもよい。 参考例 50容量のオートクレーブに純水20Kg、懸濁剤
の第三リン酸カルシウム0.6Kg、およびドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを混入して
水性媒質とし、これに粒径3〜4mmのエチレン−
酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記載する;
三菱油化社製X−700:酢酸ビニル含量33重量%、
MFR30g/10分、結晶化度15%)7Kgを加え、
撹拌して懸濁させた。別にt−ブチルパーオキシ
ピバレート30gおよびベンゾイルパーオキサイド
6.75gを酢酸ビニル3Kgに溶解し、これを先の懸
濁系に添加してからオートクレーブ内圧を空気に
て0.5Kg/cm2Gの圧力にした。ついでオートクレ
ーブ内を50℃に昇温し、この温度で撹拌しながら
5時間放置してラジカル発生剤等を含む酢酸ビニ
ルをEVA粒子中に含浸させた。 次に、この懸濁液を60℃に昇温し、この温度で
撹拌しながら5時間放置して重合を行ない、さら
に90℃に昇温して5時間維持して重合を完結し
た。 冷却後、内容固形物を取り出して水洗して酢酸
ビニル改質EVA粒子10Kgを得た。この生成物に
ついて、酢酸ビニル含量は53重量%、沸騰キシレ
ン不溶分は0重量%であつた。 実施例1、2、3 参考例で得られた改質エチレン重合体とポリフ
ツ化ビニリデン(ペンウオルト社製カイナー720、
比重1.75g/c.c.、融点173.7℃)とを、重量比25
対75、50対50、75対25の各割合で混合し、30mm径
2軸押出機にて200℃で溶融混練してペレツト化
した。 得られた樹脂組成物をサンプリングし、イオン
エツチングして走査型電子顕微鏡によりその分散
形態を観察したところ全領域にわたつて1μ以下
の均質分散をしていることがわかつた。評価結果
を第1表に示す。 比較例 1 低密度ポリエチレン(三菱油化社製ユカロン
LM31、密度0.918g/c.c.、MFR8.0g/10分)と
実施例1で用いたポリフツ化ビニリデンを等重量
比にて実施例1と同様な条件で混練した。 得られた樹脂組成物の評価結果を第1表に示
す。 比較例 2 エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井ポリケミ
カル社製エバフレツクスEV170、酢酸ビニル含量
33重量%、MFR1.2g/10分)を、比較例1と同
様にしてポリフツ化ビニリデンと混練した。この
組成物の評価結果は第1表の通り。 比較例 3 高酢酸ビニル含量EVAとして、三井ポリケミ
カル社製エバフレツクス45LX(酢酸ビニル含量45
重量%、MFR5.0g/10分)を比較例1と同様に
して混練した。この際、押出機の樹脂ヒイード口
でEVAが熱溶融し、成型性が不良であつた。 少量得られたサンプルについての評価結果を第
1表に示す。 比較例 4 参考例で調製した改質エチレン重合体を同様に
評価した結果を第1表に示す。 なお、評価で、相溶性は1μ程度の均質分散を
良、10μ程度の不均一分散を不良とした。破断点
伸びについてはJIS−K6760に準拠して測定した。 【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 (a)熱可塑性フツ素含有樹脂5〜95重量%およ
    び(b)結晶化度が4〜50%のエチレン重合体と酢酸
    ビニルをグラフト反応条件に付して得られる改質
    エチレン重合体であつて、予め含有されている場
    合の酢酸ビニルも含めた全酢酸ビニル含量が5〜
    70重量%であり、かつ沸騰キシレン不溶分が10重
    量%以下である改質エチレン重合体95〜5重量%
    からなることを特徴とする熱可塑性フツ素含有樹
    脂配合組成物。
JP20721883A 1983-11-04 1983-11-04 熱可塑性フツ素含有樹脂配合組成物 Granted JPS6099152A (ja)

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