JPH04198417A - 軸受鋼の製造方法 - Google Patents

軸受鋼の製造方法

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JPH04198417A
JPH04198417A JP2335742A JP33574290A JPH04198417A JP H04198417 A JPH04198417 A JP H04198417A JP 2335742 A JP2335742 A JP 2335742A JP 33574290 A JP33574290 A JP 33574290A JP H04198417 A JPH04198417 A JP H04198417A
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less
steel
carbide
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carburizing
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Application number
JP2335742A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Murai
村井 暢宏
Kenji Aihara
相原 賢治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2204/00Metallic materials; Alloys
    • F16C2204/60Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • F16C2204/66High carbon steel, i.e. carbon content above 0.8 wt%, e.g. through-hardenable steel
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/58Raceways; Race rings
    • F16C33/62Selection of substances

Landscapes

  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、常温ではもとより、300℃程度までの比
較的高い温度においても優れた転動疲労強度を示す軸受
用鋼の製造方法に関する。
〈従来技術とその課題〉 近年、例えば自動車産業の分野での燃費向上施= 4− 策等に見られるように、各種機械・設備における使用部
品の軽量化要請が高まっているが、特に動力伝達部品の
場合には、軽量化に伴って部品が負担する応力は相応に
大きくなるので軽量化と同時に材料の高強度化も必要と
なる。
ところで、動力伝達系に使用される軸受については、」
1記のような小型化に伴った高強度化が必要であること
は勿論であるが、特にエンジンの周辺部に使用されるも
のでは、同時にエンジンの高速回転による潤滑油の温度
上昇(120〜300℃)にも十分耐えるだけの強度、
即ち耐熱性を有していることも重要な要件となる。ここ
で、軸受材料の場合に必要な強度とは「玉又はころとレ
ースとの間の繰り返しころがり接触による表面剥離に対
する強度(以降、“転動疲労強度”と称する)1のこと
であり、これが軸受の寿命を左右する。従って、自動車
等の動力伝達部に使用される軸受のうち、特にエンジン
周辺部で使用されるものについては、120〜300℃
の温度においても高い転動疲労寿命を発揮することが必
要となる訳である。
このような軸受用の材料として、従来からJISに規定
されたSUJ Z鋼の焼入れ・焼戻し材か最も頻繁に使
用されてきたが、それでもこの材料では前述した120
〜300℃程度の温間での耐熱性は十分と言えなかった
。つまり、S U 、J 2鋼製の軸受では、120〜
300℃の温間に長時間曝されると表面ば焼戻し作用を
受けて軟化し、転動疲労寿命の大幅な低下が生じた訳で
ある。このため、軸受に必要な転動疲労寿命は接触面と
なる表面の硬さに大きく左右されるとされているにもか
かわらず、SUJ 2鋼の場合には使用温度が寿命を左
右することとなりがらであった。
このようなSUJ2Mの欠点を補うには、材料表面を軟
化抵抗の高い金属!lJ1織とするか、或いは表面硬度
を」−昇させる必要があり、そのためこれまで鋼組成や
表面処理方法に様々な工夫が試められ、多くの提案もな
されてきた。その代表的なものとして、例えば a)  SUJ2MAの5i(Jを増すことによって焼
戻し軟化抵抗を増加させ、転動疲労寿命の向上を図る提
案(特開平1−255650号)。
b) 高Cr低・中炭素鋼を浸炭し、表層部に炭化物を
分散析出させることによって表面硬度を上昇させ、転動
疲労寿命の向上を図る提案(特開平2−107755号
)。
等を挙げることができる。
しかしながら、前記提案a)の場合は、Si量の増加の
みでは軟化抵抗の向−にに限界があり、高Siiとして
も使用温度が200“C以上になると急激に硬度が低下
するため、200℃以上における転動疲労寿命の向上は
期待できなかった。
また、前記提案b)の場合は、炭化物の析出による表面
硬度の上昇や軟化抵抗の向上が期待できるので温間での
硬さ低下は提案a)の場合に比べて小さいが、それでも
転動疲労寿命の向上効果が十分とは言えず、300 ’
C程度までの温間における転動疲労寿命の目立った改善
を達成することはできなかった。これは、提案h)の手
法で炭化物の分散析出が図られた材料は、炭化物の析出
形態が転動疲労寿命の向上に十分適合していないことに
よるものと考えられる。
このようなことから、本発明が目的としたのは、従来材
に比べて大幅に改善された転動疲労強度を有し、120
〜300℃の比較的高い温度域においても優れた転動疲
労寿命を示す軸受鋼を提供することであった。
く課題を解決するだめの手段〉 本発明者等は、上記目的を達成すべく、特に浸炭によっ
て表層部に炭化物を分散析出させた軸受鋼の表面硬度や
軟化抵抗の向上効果に着目しつつ、120〜300℃程
度の比較的高い温度下での転動疲労寿命の更に安定した
向上策を求めて鋭意研究を重ねた。
ここで、浸炭により鋼の表層部に炭化物を効果的に析出
・分散させるためには、原則として、浸炭前の組織の中
に炭化物析出浸炭時の析出サイトとなるべき核を予め分
散させておく必要があると言う基礎的な事実がある。つ
まり、前組織の中に前記核の分散が無げれば、浸炭時に
おける炭化物の析出は優先的にオーステナイト粒界で起
きるごととなる。このよ・うなオーステナイト粒界への
炭化物の析出が起きると、機械構造部品として必要な靭
性が大幅に劣化することば言うまでもない。
従って、120〜300℃の温度域においても高い転動
疲労寿命を確保するには、オーステナイト粒界への炭化
物析出を極力阻止し、オーステナイト粒内に炭化物を析
出させることが必要であり、このためには浸炭の前組織
に炭化物の析出サイトとなる核を分散させておくことが
必要な訳である。
そこで、本発明者等はこのような観点から種々の調査を
行った結果、次のような事実を見出したのである。
(al  浸炭時に炭化物を粒界に析出させずに粒内に
分散して析出させる核としては“浸炭時に析出する炭化
物の結晶構造と同じもの”か最も良く、核としてこのよ
うなものを選ぶことが析出サイトを最も有効に働かせる
手直てとなる。従って、浸炭時に析出する炭化物がM 
’+ C型の場合には、前組織にM3C型の炭化物を予
め分11りしておけば、浸炭にて粒内に均一に炭化物を
析出させることが可能となる。
(b)  そして、高炭素鋼の場合には炭化物析出浸炭
の前組織として球状化焼鈍組織を利用することができ、
該組織の球状化した炭化物は浸炭による炭化物の析出核
として有効に作用し、同一結晶構造の炭化物の析出を促
す。
(C)なお、前記核は浸炭中に71−リソクス中へ完全
に溶解してはならない。浸炭中に核(炭化物)が7トリ
ソクス中へ完全に溶解すると浸炭による炭化物の析出は
粒界で優先的に生じることとなる。
このため、炭化物析出浸炭は、核がマ)・リソクスに完
全に溶解しない“温度−時間バランス”で行う必要があ
る。
それ故、浸炭の前組織として球状化焼鈍m織を利用する
場合には、球状化焼鈍炭化物を完全に溶解させない“′
温度−時間バランス”で浸炭処理を行うことが要求され
る。
なお、第1図は、直径約11mの炭化物を有するSUJ
 2鋼の球状化焼鈍組織の溶解曲線を示している。この
溶解曲線を境界として、その下方領域の“温度−時間バ
ランス”では球状化焼鈍炭化物は完全に熔解せずに一部
残存する。従って、このようなパ温度−時間ハランス”
で浸炭を行った場合には、浸炭中に球状化焼鈍炭化物は
溶解せずに析出核として作用し、鋼の表層部に炭化物を
均一に分散・析出させることができる。
第2図は、S U 、J 2鋼を第1図中に示した条件
A、B、Cの“温度−時間ハランス”で浸炭した際の鋼
のミクロ組織を示しており、第2図(alは条件へ、第
2図(b)は条件B、第2図FC+は条件Cで得られた
ものである。この第2図からも、浸炭中に析出核となる
べき球状化焼鈍炭化物が完全に溶解する条件Aでは炭化
物の析出が粒界に偏って生しるのに対して、球状化焼鈍
炭化物が残存する条件B、Cでは粒内に炭化物が分散・
析出するので均一な炭化物析出層を得られるごとが分か
る。
(dl  従って、高炭素鋼をヘ−スにし、その球状化
焼鈍炭化物を炭化物析出の核として利用しつつ炭化物析
出浸炭を行い、鋼表面の粒内に炭化物を微細に析出させ
ると鋼の表面硬度と焼鈍軟化抵抗が著しく上昇し、この
ように製造された軸受鋼では120〜300℃の使用温
度においても優れた転動疲労寿命を示すようになる。
(dl  ただ、球状化焼鈍炭化物を核として利用し、
浸炭によって供給されるCを炭化物としてオーステナイ
ト粒内に分散した核に析出させても、実際にはオーステ
ナイト粒界にも微量に炭化物が析出するのを防止するこ
とは困難である。この量は、核が全く無い時に比べると
大きく減少はするが、強度に対する多少の影響を免れる
ことはできない。
しかしながら、鋼成分として適量のBを添加した高炭素
B鋼をヘ−スにした場合には、粒界の有害な析出炭化物
をより一層減少させることが可能となり、−段と優れた
強度向上効果を確保できるようになる。
本発明は、上記知見事項等を基にして完成されたもので
あり、 rc:0.7〜1.5%(以降、成分割合を表わず%は
重量%とする)。
Si:2.0%以下、     Cr : 1.0〜6
%。
Ni:3.0%以下 を含むか、或いは更に B : 0.0010〜0.0050%、Mo:1.5
%以下。
Nb : 0.01〜1.0%、    v:0.oi
〜1.0%の1種以上をも含み、残部がFe及び不可避
的不純物から成る鋼を球状化焼鈍した後、750〜10
00℃の温度域で浸炭処理し、引き続いて 900〜7
50℃から焼入れ処理し、この後焼戻し処理とを施すこ
とにより、常温から300℃程度の比較的高い温度の領
域にかけて優れた転動疲労強度を示す軸受鋼を工業的に
安定して提供し得るようにした点」 に大きな特徴を有している。
続に、本発明において適用鋼の化学成分組成及びその処
理条件を前記の如くに限定した理由を説明する。
八)鋼の化学成分組成 旦 本発明では鋼のオーステナイト?iJf域において炭化
物析出焼鈍が行われるが、そのため高温のオ−ステナイ
ト領域で析出核として利用する球状化焼鈍炭化物を安定
に残存させておく必要がある。そして、Cには析出核と
なる球状化炭化物を高温のオーステナイ)?iJf域で
安定させる作用があるのでその作用を利用すべく添加さ
れるが、C含有量が0.7%未満では亜共析組織となっ
てオーステナイト領域での球状化焼鈍炭化物の安定性が
十分でなくなる。ところが、一方、Cには鋼の鋳造過程
で中心に粗大炭化物の中心偏析を助長し、製品の機械的
性質を劣化させる作用もある。そして、1.5%を超え
てCを含有させると前記粗大炭化物が中心に残存し、熱
処理によっても消失が困難になる。
従って、C含有量は0.7〜1.5%と定めた。
計 Siは基地組織のマルテンサイトに固溶してマルテンサ
イトを強靭化する作用があり、これを通して転動疲労強
度を向上させる効果をもたらす。しかし、一方では、炭
化物析出浸炭の際に炭化物を析出させにくくする作用も
あり、2.0%を超えてSiを含有させると炭化物が析
出しなくなる恐れがある。従って、Si含有量ば2.0
%以下と定めた。
Crは炭化物析出元素であり、炭化物析出浸炭の際の析
出反応を促進する作用があるが、その含有量が1.0%
未満では炭化物析出反応の促進作用が不十分で、浸炭処
理中に核である球状化炭化物も凝集粗大化してしまい、
転動疲労強度向上に寄与する炭化物分散組織を得ること
ができない。一方、Crは共晶点を低炭素側に移動させ
、CMによっては鋳造の際の粗大炭化物の中心偏析を助
長して製品の機械的性質を劣化させる作用もあり、本発
明のC含有量範囲では、Cr含有量が6%を超えると熱
処理によっても消失が困難な粗大炭化物の中心偏析を避
は難くなる。従って、Cr含有量は1.0〜6%と定め
た。
旦 Niも、Siと同様、基地組織のマルテンサイトに固溶
してこれを強靭化する作用を有しており、この作用を通
じて転動疲労強度を向上させる効果を発揮するが、一方
で、炭化物析出浸炭の際に炭化−15= 物を析出させにくくする作用もある。特に,Nii含有
量が3.0%を超えると炭化物の析出が不十分となるこ
とから,Nii含有量は3.0%以下と定めた。
旦 Bは、浸炭時に粒界へ炭化物が析出するのを阻止し、1
20〜300℃での転動疲労寿命を向」ニさせる効果が
あるので必要により含有せし2められるが、その含有量
が0.OOl、0%未満であると上記効果が十分でなく
、一方、0.0050%を超えて含有させてもより以上
の向上効果が認められないことがら、B含有量は0.0
010〜0.0050%と定めた。
扼 MOは,Nii及びSiと同様、基地組織であるマルテ
ンザイ1〜に固溶して強靭化させる作用のほが、Crは
どではないが浸炭地の炭化物析出反応を促進させる作用
をも有していることから必要により含有せしめられるが
、1.5%を超えて含有させても基地強靭化による転動
疲労の向上効果が飽和してしまうので、Mo含有量は1
.5%以下と定めた。
匙及夏y Nb並びにVには、何れも浸炭中にCと結合してMC型
の特殊炭化物となり、Fe、 Crの炭化物と共に分散
析出して転動疲労寿命を向上させる作用があるので、必
要により1種又は2種が添加されるが、何れも含有量が
0.01%未満であると上記作用による所望の効果が得
られず、一方、1.0%を超えて含有させても転動疲労
寿命の向上効果が飽和してしまう。従って,Nib及び
■の含有量は、それぞれ0.01〜1.0%と定めた。
B)球状化焼鈍 球状化焼鈍は、浸炭処理の際の炭化物析出の析出サイト
となる核を形成するために必要不可欠な熱処理であり、
浸炭処理後の鋼表面に炭化物を球状、微細に分散析出さ
せる作用がある。従って、球状化焼鈍処理と浸炭処理の
間に球状化焼鈍組織(特に炭化物の形態)を根本的に変
える熱処理を行うべきでない。但し、機械加工、冷間鍛
造、フェライト−パーライト 鈍組織の炭化物の形態を大幅に変えるものでもないので
、これらの処理については球状化焼鈍後、浸炭処理前に
行うことができる。
C)浸炭処理 浸炭処理は、先立つ球状化焼鈍で生成された炭化物を核
にして更なる炭化物を球状微細に析出させ、鋼表面部の
硬度や軟化抵抗を増大させて転動疲労寿命を向上させる
ために施される。
なお、上述のように転動疲労寿命の向上のためには表面
硬度を土塀させることが必要であり、このためには炭化
物の分散析出に加え、7トリソクスを高炭素マルテンサ
イトにする必要がある。そして、高炭素マルテンサイト
を得るためにはC固溶度が大きいオーステナイト領域で
浸炭する必要がある。しかし、浸炭温度が750℃未満
ではオーステナイト領域での浸炭が不可能となる。一方
、1000 ℃を超える温度域で浸炭すると炭化物析出
の核となる球状化焼鈍炭化物が消失するので、浸炭によ
って供給される炭化物はオーステナイト粒界に粗大化し
て析出することとなり、転動疲労寿命強度を劣化させる
。従って、浸炭処理温度は750〜1000℃と定めた
浸炭処理の方法としては固体法、塩浴法、ガス法、イオ
ン法があるが、何れの方法によっても本発明の目的を達
成できるので特に限定する必要はない。また、浸炭時間
については、製品によって必要な炭化物分散層の濃度が
変わるのでそれに応じて適正な時間を選ぶ必要がある。
D)焼入れ処理 焼入れ処理は、7トリソクスを高炭素マルテンサイトに
変態させ、炭化物析出層及び芯部の硬度を上昇させるた
めに実施される。
ここで、焼入れによって高炭素マルテンサイトを得よう
とすると一般には高温相のオーステナイトがマトリック
スの中に残留しがちである。これを残留オーステナイト
と言うが、多量に残留すれば軸受駆動中の軸受の寸法安
定性が劣化し、騒音や焼付の問題が生じる。そして、焼
入れ温度が高くなるほど残留オーステナイトに多量に残
留する。
特に、900℃を超える温度域から焼入れを行うと急激
に残留オーステナイトが増加し、軸受の寸法安定性を損
なうようになる。一方、マトリックスを高炭素マルテン
サイトにするためにはオーステナイト域から焼入れる必
要があるが、焼入れ温度が750℃未満であるとオース
テナイト域からの焼入れが不可能となる。従って、焼入
れ温度は900〜750℃と定めた。
E)焼戻し処理 焼戻しは、焼入れによって生成した高炭素マルテンサイ
トに靭性を付与するため施される。この場合、焼戻し温
度は特に限定されるものではないが、軸受の使用温度よ
りも50〜100 ’C高い温度で行うことが望ましい
続いて、本発明の効果を実施例によって更に具体的に説
明する。
(実施例〉 爽旅勇−上 第1表に示す如き成分組成の鋼を真空溶製し、得られた
鋳塊を熱間鍛造して直径70鰭の丸棒材を製作した。
次いで、試験番号35及び36を除く全ての鋼について
は、球状化焼鈍を施してから機械加工により直径60關
、厚さ7龍の円盤とし、その後浸炭焼入れ、焼戻しを行
い、表面を鏡面研磨して転動疲労試験片を作成した。
なお、浸炭焼入れは、900℃X10hrで浸炭し、8
50℃から20℃の油中に焼入れした。焼戻しは320
℃x1hrで行った。
一方、試験番号35及び36の鋼については、球状化焼
鈍を施してから機械加工により直径60龍。
厚さ7 umの円盤状とし、その後800℃から20℃
の油中への焼入れ、320℃X1hrの焼戻しを施して
転動疲労試験片とした。
次に、上記要領で製作した試験片にて転動疲労試験を行
った。試験条件は 接触応カニ 560kgf/mm2゜ 油温:250℃。
鋼球:3/8″適正仕上軸受鋼 に設定した。
これらの結果を第1表に併せて示す。
第1表に示される結果からも明らかなように、本発明で
規定する条件に従って製造された銅相では、250℃で
の転動疲労寿命が何れも従来品に比べ約2〜20倍向上
していることが確認できる。
ごれば、浸炭に先立って球状化焼鈍により炭化物の析出
核を形成させておくと、浸炭時における炭化物の析出が
均一微細に生しることとなって、比較的高温域での転動
疲労寿命の大幅な改善につながったものと考えられる。
爽脩汎−叉 第2表の試験番号37〜72に示す如き成分組成の鋼を
真空溶製し、得られた鋳塊を熱間鍛造して直径70wm
の丸棒材を製作した。
次いで、これらの鋼については、球状化焼鈍を施してか
ら機械加工により直径60龍、厚さ7龍の円盤とし、そ
の後浸炭焼入れ、焼戻しを行い、表面を鏡面研磨して転
動疲労試験片を作成した。
浸炭焼入れ及び焼戻しの条件は、実施例1の試験番号1
〜33の場合と同様であった。
なお、第2表に示した試験番号34〜36(従来例)は
実施例1に係わる第1表の試験番号34〜36と同じで
あり、比較のため単に引用したものである。
次に、上記の要領で製作した試験片にて転動疲労試験を
行った。
この試験条件も、実施例1と同様であった。
これらの結果を第2表に併せて示す。
第2表に示される結果からも明らかなように、本発明で
規定する条件に従って製造された鋼材では、250℃で
の転動疲労寿命が何れも従来品に比べ約3〜30倍向上
していることが確認できる。
これは、浸炭に先立つ球状化焼鈍による析出核生成と、
Bによる粒界炭化物析出防止作用により、浸炭時におけ
る炭化物の析出が均一微細に生じることとなって、比較
的高温域での転動疲労寿命の大幅な改善につながったも
のと考えられる。
く効果の総括〉 以上に説明した如く、本発明によれば、従来の軸受鋼に
指摘された「120〜300℃の使用温度で転動疲労寿
命が低下する」と言う問題を解決し、常温から300℃
の比較的高い温度までの広い使用温度域で優れた転動疲
労寿命を示す軸受鋼を工業的に安定提供することが可能
となり、自動車におけるエンジン周辺部等の高い温度で
使用される軸受の性能を一段と向上させ得るなど、産業
上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、5UJZ鋼に係わる球状化焼鈍炭化物の溶解
曲線である。 第2図は、球状化焼鈍−浸炭焼入処理後の組織を示す金
属顕微鏡写真図であり、第2図(a)、第2図(b)、
第2図(C)はそれぞれ浸炭処理条件が異なった場合を
示している。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量割合にて C:0.7〜1.5%,Si:2.0%以下,Cr:1
    .0〜6%,Ni:3.0%以下を含み、残部がFe及
    び不可避的不純物から成る鋼を球状化焼鈍した後、75
    0〜1000℃の温度域で浸炭処理し、引き続いて90
    0〜750℃から焼入れ処理し、この後焼戻し処理とを
    施すことを特徴とする、比較的高い温度においても優れ
    た転動疲労強度を示す軸受鋼の製造方法。
  2. (2)重量割合にて C:0.7〜1.5%,Si:2.0%以下,Cr:1
    .0〜6%,Ni:3.0%以下,Mo:1.5%以下
    を含み、残部がFe及び不可避的不純物から成る鋼を球
    状化焼鈍した後、750〜1000℃の温度域で浸炭処
    理し、引き続いて900〜750℃から焼入れ処理し、
    この後焼戻し処理とを施すことを特徴とする、比較的高
    い温度においても優れた転動疲労強度を示す軸受鋼の製
    造方法。
  3. (3)重量割合にて C:0.7〜1.5%,Si:2.0%以下,Cr:1
    .0〜6%,Ni:3.0%以下,を含有すると共に、
    更に Nb:0.01〜1.0%,V:0.01〜1.0%の
    1種以上をも含み、残部がFe及び不可避的不純物から
    成る鋼を球状化焼鈍した後、750〜1000℃の温度
    域で浸炭処理し、引き続いて900〜750℃から焼入
    れ処理し、この後焼戻し処理とを施すことを特徴とする
    、比較的高い温度においても優れた転動疲労強度を示す
    軸受鋼の製造方法。
  4. (4)重量割合にて C:0.7〜1.5%,Si:2.0%以下,Cr:1
    .0〜6%,Ni:3.0%以下,Mo:1.5%以下
    を含有すると共に、更に Nb:0.01〜1.0%,V:0.01〜1.0%の
    1種以上をも含み、残部がFe及び不可避的不純物から
    成る鋼を球状化焼鈍した後、750〜1000℃の温度
    域で浸炭処理し、引き続いて900〜750℃から焼入
    れ処理し、この後焼戻し処理とを施すことを特徴とする
    、比較的高い温度においても優れた転動疲労強度を示す
    軸受鋼の製造方法。
  5. (5)重量割合にて C:0.7〜1.5%,Si:2.0%以下,Cr:1
    .0〜6%,Ni:3.0%以下,B:0.0010〜
    0.0050% を含み、残部がFe及び不可避的不純物から成る鋼を球
    状化焼鈍した後、750〜1000℃の温度域で浸炭処
    理し、引き続いて900〜750℃からの焼入れ処理し
    、この後焼戻し処理とを施すことを特徴とする、比較的
    高い温度においても優れた転動疲労強度を示す軸受鋼の
    製造方法。
  6. (6)重量割合にて C:0.7〜1.5%,Si:2.0%以下,Cr:1
    .0〜6%,Ni:3.0%以下,B:0.0010〜
    0.0050%,Mo:1.5%以下を含み、残部がF
    e及び不可避的不純物から成る鋼を球状化焼鈍した後、
    750〜1000℃の温度域で浸炭処理し、引き続いて
    900〜750℃から焼入れ処理し、この後焼戻し処理
    とを施すことを特徴とする、比較的高い温度においても
    優れた転動疲労強度を示す軸受鋼の製造方法。
  7. (7)重量割合にて C:0.7〜1.5%,Si:2.0%以下,Cr:1
    .0〜6%,Ni:3.0%以下,B:0.0010〜
    0.0050%を含有すると共に、更に Nb:0.01〜1.0%,V:0.01〜1.0%の
    1種以上をも含み、残部がFe及び不可避的不純物から
    成る鋼を球状化焼鈍した後、750〜1000℃の温度
    域で浸炭処理し、引き続いて900〜750℃から焼入
    れ処理し、この後焼戻し処理とを施すことを特徴とする
    、比較的高い温度においても優れた転動疲労強度を示す
    軸受鋼の製造方法。
  8. (8)重量割合にて C:0.7〜1.5%,Si:2.0%以下,Cr:1
    .0〜6%,Ni:3.0%以下,B:0.0010〜
    0.0050%,Mo:1.5%以下を含有すると共に
    、更に Nb:0.01〜1.0%,V:0.01〜1.0%の
    1種以上をも含み、残部がFe及び不可避的不純物から
    成る鋼を球状化焼鈍した後、750〜1000℃の温度
    域で浸炭処理し、引き続いて900〜750℃から焼入
    れ処理し、この後焼戻し処理とを施すことを特徴とする
    、比較的高い温度においても優れた転動疲労強度を示す
    軸受鋼の製造方法。
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