JPH041933B2 - - Google Patents

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JPH041933B2
JPH041933B2 JP59255673A JP25567384A JPH041933B2 JP H041933 B2 JPH041933 B2 JP H041933B2 JP 59255673 A JP59255673 A JP 59255673A JP 25567384 A JP25567384 A JP 25567384A JP H041933 B2 JPH041933 B2 JP H041933B2
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JP
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thin film
reflectance
light
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film
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Myozo Maeda
Nagaaki Etsuno
Yasuyuki Goto
Itaru Shibata
Akira Shioda
Kenichi Uchiumi
Kenichi Ito
Kozo Sueishi
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Priority to US07/443,860 priority patent/US4947372A/en
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は光ディスクにおけるように光学的に情
報を記憶する媒体に係り、特に一旦記録した情報
を消去して新たに記録することができる光学的情
報の記憶媒体に関する。 従来の技術 光学的な情報の記憶は記憶の速度および密度が
高いので今後有望な情報記憶方法として注目を集
めている。従来、光学的な情報の記憶媒体として
は、第1に、金属薄膜にレーザビームを照射し
て、照射部位に微細な穴を設けることによつて情
報を記録するものがある。しかし、この媒体は情
報を記録することはできるが消去して記録を行な
うことは不可能であるという制約がある。そこ
で、第2に、光学的に情報を記録するだけでなく
消去および再記録を行なうことが可能な記憶媒体
として、Te81 Ge15 S2 P2のような非晶質半導体
薄膜を用いて、その2つの構造状態、すなわち、
安定な高抵抗状態(これは原子または分子間配列
の乱れた状態でいわゆる非晶質状態である。)と
安定な低抵抗状態(これは原子または分子の規則
正しい配列状態でいわゆる結晶状態である)との
間を可逆的に変化させて情報を記録、消去および
再記録するものが知られている(特公昭47−
26897号公報参照)。 発明が解決しようとする問題点 しかし、上記の消去可能な記憶媒体は、一方に
原子配列の乱れた状態(非晶質状態)を使つてい
るため本質的に情報保持における不安定さがつき
まとつていた。なぜならば、非晶質状態は結晶状
態へ至る準安定な状態であり、熱エネルギーある
いは化学エネルギーの印加により容易に結晶状態
へ遷移するため、情報が失われ易いからである。
また、非晶質と結晶質という大きな相違のある状
態間を遷移させるという使い方をするため、くり
返して記録および消去している間に材料の疲労が
起こり、そのために記録および消去の可能なくり
返し回数が少ないという欠点がある。 問題点を解決するための手段 本発明の目的は、光パルスを照射することによ
り情報を記録し、しかも必要な時にはすでに記録
した情報を消去でき、さらに情報を安定に保持で
きる新しい光情報記憶媒体を提供することにあ
る。 本発明は、上記目的を達成するために、規則正
しい原子配列をもつた微結晶の集合体からなる薄
膜であるが光学的特性に差異のある2つ以上の安
定状態が存在する薄膜に対して、パワーおよび時
間幅の異なる2種類の光パルスを照射することに
よつて、その2つの安定状態のどちらかの状態を
取らせて情報を記憶するようにしたものである。
すなわち、本発明の方法では、記憶薄膜において
情報の記録を行なうための光学的特性の異なる2
つの安定状態は両方共に結晶質である。共に結晶
質であるが光学的特性が異なる2つの安定な状態
の間の遷移を利用するものである。ここで、非晶
質と区別する意味で結晶質と称する場合薄膜が規
則正しい原子配列をもつ領域の寸法(微結晶の粒
径)が少なくとも約5nm以上、通常20〜30nm以
上のものをさしている。 本発明における微結晶質記憶薄膜の2つの安定
な状態は適当な条件の光パルスを照射ずることに
より可逆的に遷移することが可能であるため、一
旦記録したものであつても消去することができ、
何回でもくり返して利用できる。 この微結晶質薄膜の2つの安定状態は、一般
に、電気伝導度が高いけれどもその電気伝導度の
間に本質的な差異は存在しない(これに対して、
非晶質では結晶質に較べて電気伝導度が本質的に
低い)。 しかし、この微結晶質薄膜の2つの結晶質の安
定状態は光学的特性、すなわち、光反射率、光透
過率等に若干の違いが生じるため、情報の記録状
態、消去状態をそれぞれの反射率の違いとして識
別することができる。また、その2つの安定状態
は、わずかな体積変化や膜形状の変形を伴つてい
るため、等価的に光学的な違いを増加させる効果
をもつ。 この記憶媒体は、非晶質と結晶との間の変化を
利用するものではない。非晶質相は、準安定相で
あるため、長期間のうちには熱作用により次第に
結晶相へ遷移するので、この2つの相の違いを情
報記憶に利用する場合は情報が失われやすい。そ
れに対して、本発明では、結晶相という熱力学的
に安定な相における2つの状態間を遷移させるた
め、長期間情報を安定に保持することができる。 結晶組織が異なりかつ光学的特性が異なる2以
上の安定状態を呈しうる微結晶質薄膜材料として
は、インジウム(In)20〜60原子%とアンチモン
Sb40〜80原子%からなる化合物(合金)を用い
る。また、In20〜60原子%とSb40〜80原子%に
更に必要に応じてアルミニウム(Al)、シリコン
(Si)、リン(P)、イオウ(S)、亜鉛(Zn)、ガ
リウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、
セレン(Se)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、ス
ズ(Sn)、テルル(Te)、タリウム(Tl)、鉛
(Pb)、ビスマス(Bi)等の1種または2種以上
を全体に対して20原子%以下添加してなる化合物
(合金)も本発明の記憶媒体の材料として用いる
ことができる。 このような薄膜材料をガラス、プラスチツク、
金属等の基板上に成膜するには原料成分の非蒸
着、コスパツタリング、コイオンプレーテイング
によつて基板上で合金化するほか、合金化した原
料を蒸着やスパツタリングしてもよい。 こうして成膜しただけの薄膜は一般に原子配列
が乱れており、非結晶であるが、加熱あるいは光
を照射することによつて薄膜全体あるいは薄膜の
うち記録部だけを結晶化することができる。 本発明の記憶媒体を用いる情報記憶用の光学系
の例を第1図に示す。これは従来穴あけ型の追記
型光デイスクで使われているものと全く同じであ
る。 レーザダイオード1から出射して光(波長通常
780〜830nm)2をビーム整形光学系3、偏位ビ
ームスプリツター4、1/4波長板5を通し、対物
レンズ6で集束して記憶薄膜7上に照射する。図
中、8は基板、9はレンズアクチユエータであ
る。反射光は偏光ビームスプリツター4により横
方向にまげられレンズ10を通して光検知器11
に当たる。光検知器11は4分割されておりその
対角成分の信号の差が照射ビームのフオーカスず
れの程度を表わす。 通常レーザーダイオード1は記憶膜面7上で1
mW程度のパワーになるように直流発光させ、そ
の記憶膜7からの反射光を使つて常時光ビームが
膜面上で合焦点となるよに対物レンズアクチユエ
ータ9を制御する。記憶膜7からの反射光量は4
つの検知器の和信号として得られ、記憶膜7の信
号記憶状態を知る、すなわち、情報を再生するた
めに使われる。 情報を記録する場合は記録すべき信号によりレ
ーザーダイオード1を強度変調するための変調電
流をレーザーダイオード1に重畳する。また情報
を消去する際には所望の記録部分に直流的な光ビ
ームを照射する。この場合も再生用光ビームに消
去に必要な光パワーを重畳させる。 一般に記録時は消去時よりも強いパワーが必要
である。また消去は一回の光ビームで完了しない
場合がある。それは薄膜を消去状態に変化させる
にはある程度の時間が必要だからである。その場
合は消去ビームを何回も(何回転分も)同一場所
に照射することによつて完全な消去状態を得るこ
とができる。 第1図の例では使つていないが、レーザ光源を
2つそなえ、そこからの一方の光ビームは第1図
と同じ構成をとり、もう一方のビームは薄膜面上
で円周方向に長い(〜10μm程度)形状で照射さ
れる光学系を使うこともよく行われる。その場
合、長いビームは消去専用に使われ、一回の照射
のみで完全な情報の消去を実現できる。 記録および消去時に使われる光ビームのパワー
条件は同板の径や回転数つまり記憶薄膜の速度に
より異なる。 後出の実施例の記憶膜において、回転数と半径
位置を変えることによつて、薄膜の一点がφ1μm
の光ビームにさらされる時間を変えて、記録と消
去に対応する光学的変化を示すパワーと照射時間
の関係を求めると第2図のようになつた。同図
中、縦軸は照射ビームパワー、横軸は照射時間を
表わし、反射率が増加した場合に○印、反射率が
減少した場合に△印を付している。強い短いパル
スを照射すると膜の反射率は上昇し、弱く長いパ
ルスを照射すると反射率は反対に減少する。 また、反射率の変化に伴つて透過率も変化す
る。InSbの膜の場合、反射率が増加すると透過
率は減少し、反射率が減少すると透過率は増大す
るが、その変化は反射率に比較し、わずかであ
る。 信号の大きさは記録および消去の状態の反射率
の差にほぼ比例しているが、その相対的な変化を
記録時の照射時間に対して求めたものを第3図に
示す。同図中、縦軸に相対コントラスト、横軸に
記録照射時間を表わす。この場合記録時のパワー
と消去時の条件は固定してある。照射時間を増加
するとともに反射率の相対的な変化量は増加する
が、ある時間を越えると逆に低下する。すなわち
最適な条件がある。 記憶および再生用の光としてはコヒーレントな
光であるレーザー光が好ましいが、その波長は半
導体レーザー光に限らず、He−Neレーザー光、
He−Cdレーザー光、Arレーザー光その他であつ
てもよい。 我々は後出の第6図イおよび第7図イの写真の
回折パターンを詳細に分析した結果、結晶構造の
2つの状態の反射率変化は、InSbの合金膜の場
合、つぎのような原因によるのではないかという
推測をするに致つた。 第6図イおよび第7図イは対応する第6図ロお
よび第7図ロの透過顕微鏡写真に示された像(明
視野像)の中心部のみを調べたものである。明視
野像では中心部の結晶粒がみかけ上大きさが異つ
ているように見えるが、回折線の詳細な分析では
以下のことがわかつている。すなわち、第6図
イ、第7図イにはともにIn50Sb50(立方晶a0
6.478Å)とSb(六方晶a0=4.307Å、c0=11.273
Å)が観測されるが、その回折線の強度の強弱の
比が第6図イと第7図イで逆になつている。つま
り、第6図イではIn50Sb50の回折線がSbよりも強
く出ているが、第7図イではSbの回折線の方が
In50Sb50よりも強く出ている。このことは、光の
照射条件により合金In−SbからSbの析出する量
が異なることを示している。純粋なSb薄膜の反
射率は70%であるのに対してIn50Sb50の薄膜の反
射率は40%であることが知られているので、Sb
の析出量が多い程反射率は高いことが説明でき
る。 In50Sb50とSbのバランスに差ができるのは薄膜
の2種類の光照射による加熱冷却過程の差異によ
つて、(1)Sb元素が膜の横方向に移動するか、(2)
In50Sb50の中に固溶できる量が異つてその上Sbの
析出量が異なるか、2つの可能性が考えられる。
しかし、いずれにしろ、両者の状態とも明らかな
結晶状態であることにはかわりない。 また、結晶状態ではあるが、反射率が見かけ上
異なるような薄膜の2つの状態の生成する可能性
は、上記のほかにも考えられる。他の可能性とし
ては、結晶粒の大きさが異なりそのため光を散乱
する能力が異つて反射率に差が生じるものがあ
る。上記のInSbの例でも、このメカニズムが反
射率変化に寄与している可能性は捨てきれない。 また、薄膜の形状変化が光の散乱の具合を異な
らせることもありうる。膜の表面が平坦である
か、あるいは凹レンズ状または凸レンズ状に変形
しているかで光の散乱効果は明らかに異なる。 また別の可能性として、結晶質ではあつても膜
の冷却過程の差異によつて異なる結晶相を生成す
る場合もありうる。例えば、強くて短い光パルス
を照射すると膜は溶融するが急激に冷却されるた
め、通常の溶融冷却凝固の過程では得られない準
安定な結晶相が出現することもありうる。 以上の如く、その原因は種々考えられるもの
の、結果的には結晶体でありながら反射率あるい
は光学的特性が見かけ上変化するものであればよ
い。 実施例 実施例 1 InSb 薄膜の作成 第4図を参照すると、外径30cm厚さ1.2mmのア
クリル基板21上にIn40Sb60の合金薄膜22を真
空蒸着法により形成する。各成分の蒸着源は独立
に温度制御し、基板を回転させ、蒸着中の成分レ
ートがほぼ一定になるように制御する。形成した
薄膜の厚さ90nmであつた。さらにその上に有機
高分子の保護膜23を形成する。材料はInSbの
記録膜に悪影響を及ぼさないものであれば何でも
よいが、例えば、PMMA、ポリスチレン等の熱
可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂、紫外
線硬化型の樹脂であつてもよい。第5図に示す如
く、各層21,22,23間に安定化層24とし
てごく薄い無機質(例えば、SiO2、CeO2
SnO2、ZnS)の透明膜を挿入してもよい。 光反射率変化 半導体レーザ(λ=830nm)光をコリメータ
レンズおよび対物レンズでビーム径を1μmに絞
つた光学ヘツドを使い、円板を回転しながら、半
導体レーザを直接変調して円板上にパルス光の列
を照射した。この際、レーザ光線の最小に絞られ
る位置が記録膜上にくるように対物レンズの位置
を制御した。このとき、記録層膜上に照射される
光ビームの強さはMAX20mWであつた。 円板を600rpmで回転し、レーザパワーを5m
Wになるようにして円板上に照射すると、回転に
つれて記録膜からの反射率が次第に低下した。5
回転でほぼ変化が停止したのでレーザパワーを1
mW以下に低下させた。次に、ピークパワー20m
Wで2MHzの矩形波で半導体レーザを駆動し、1
回転分だけ円板上に照射すると、パルス状に光照
射された部分の反射率が上昇した。1mWで連続
的に円板上の反射率を測定したところ、2MHzの
信号がC/N40dBで検出された。 さらに、パワー5mWにて連続照射したとこ
ろ、再び反射率は低下し、2MHzの信号成分は消
えた。すなわち、変調されたパルス光照射とそれ
より低パワーの連続照射により信号の記録消去の
くり返しが可能であり、このくり返しは少なくと
も104回以上を越えることが確認された。 次に、円板の一部を分割し静止状態で光パルス
を照射した。上記の例で円板回転状態で円板上の
記録膜の一点がレーザ光(φ1μm)と横切る時間
はほぼ200nsであるので、この時間に会わせて光
パルスを照射した。まず、5mWのパワーで
200nsずつ5回照射したところ反射率が低下した。
次に、場所をかえて同じように5mWで200ns5回
照射したのち、10mWにて200ns1回照射したとこ
ろ、再び反射率が上昇した。2つの操作をくり返
すと、反射率はくり返し上下することが確認され
た。 結晶構造の評価 上記の分割した円板から記録膜をはがし、電子
顕微鏡にて膜の結晶構造を調べた。 まず、成膜後レーザ光照射を全く行なつていな
い未記録部は、結晶の規則正しい配列に起因する
電子の回析は見られず、非晶質状態であつた。次
に、多数回光パルス照射して反射率を低下させた
部分は、第6図の写真イ,ロに見られる如く、約
1μmのスポツト状に完全に結晶化していること
がわかつた。さらに、強パルス照射によつて、再
び反射率を増加させた部分を観察したところ、第
7図の写真イ,ロに見られる如く、同様に結晶状
態であり、ただし中心部の結晶粒の大きさが大き
くなつていることが判明した。第6図および第7
図の写真は、それぞれ電子顕微鏡によるイが電子
線回折パターン、ロが明視野像である。この電子
顕微鏡の観察により、記憶膜は結晶と非晶質(ま
たは成膜後の状態に近い結晶の乱れた状態)との
間の相転移によつて情報を記録するのではなく、
一旦結晶化した後に結晶と結晶の間の状態変化に
よつて情報を記録していることが判明した。 なお、走査型電子顕微鏡による観察では、光照
射された部分に膜のわずかな凹凸が見出された。
しかも、記録部分と消去部分は凹凸の方向が逆で
あることも確認できた。 電気伝導度 次に、石英基板上に上記の例と同様にして形成
した薄膜を電気炉にて加熱して、取り出し、室温
に冷却してから電気伝導度を測定した。その結果
を第8図にグラフとして示す。190℃付近に急激
な電気伝導度の増加が見られる。これは非晶質か
ら結晶に遷移したときの電気伝導度の変化であ
る。しかし、200℃以上では電気伝導度の大きな
変化は見られない。電子顕微鏡観察の結果から記
録および消去の両状態とも結晶状態であることが
わかつているので、情報記録に利用している2つ
の結晶状態の電気伝導度には、非晶質と結晶質の
電気伝導度の差異と異なり、本質的な差異はない
と考えられる。 耐久試験 前記の情報を記録したデイスクを70℃相対湿度
85%の雰囲気中に置き、時々室温にもどしてC/
Nを測定したところ、第9図に示す如く、3ケ月
を経過してもC/Nの低下量は3dB以下であつ
た。 これは記録に使われたInSbの薄膜が化学的に
安定であり、長期間の情報保持に適していること
を示している。 実施例 2 実施例1におけるIn40Sb60薄膜の作成と同様に
して但しInとSbの組成をいろいろに変えてアク
リル基板上にInとSbの合金薄膜を作成した。 こうして作成した媒体を次のようにして評価し
た。円板を静止した状態で半導体レーザー
(830nm)光をコリメートレンズ及び対物レンズ
により1μmに絞つた光学ヘツドによりパワー、
パルス幅を変えた2種のレーザー光パルスを交互
に照射し、その間低パワーのレーザー光で反射率
を測定する。この方法で10mW、200nsのレーザ
ー光と5mW、500nsのレーザー光を照射した後
の反射率に差のあるものが見いだされた。反射率
は可逆的に変化し、大パワー短パルスで反射率が
上昇し、小パワー長パルスで反射率は下降する。
合金薄膜の組成依存性を調べたところ、Sbが20
〜80原子%の範囲内で反射率が可逆的に変化し
た。しかし、Inの多い領域ではInの偏析が生じる
ため実用上適当ではなく、適当な範囲はSbが40
〜80原子%であることがわかつた。 実施例 3 Insbの媒体に添加剤を加え、その効果を見た。
Seを全体に対し5,10,20原子%になるよう添
加した媒体を実施例2の方法で評価した。その結
果、Inが多い組成でもInの偏析が起きなくなつ
た。第10図に示すように偏析の起きない領域が
増え、安定化に役立つていることがわかつた。第
10図において、○印は偏析が起きないこと、×
印は偏析が起きること、斜線を付した領域では偏
析が起きないことを表わしている。 Seに代えてSi,P,S,Ge,Asを添加した場
合にも同様な結果が得られた。 実施例 4 InとSbの原子比を一定(40:60)にしてZnを
全体に対して5,10,20原子%になるように添加
した記憶媒体を作成し、実施例2の方法で評価し
た。そして、反射率の変化量を高反射率状態の反
射率で割つた値として求めた反射率コントラスト
を下記表に示す。
【表】 表からZnの添加によつてコントラストが増加
することがわかる。 Znに代えてAl,Ag,Cd,Sn,Pb,Te,Biを
添加した場合にも同様な結果が見られた。 実施例 5 InとSbの原子比を一定(40:60)にしてAsを
全体に対して5,10,20原子%になるように添加
した記憶媒体を実施例2の方法で評価した。その
際、高パワー短パルスのレーザ光のパワーだけを
いろいろに変えて反射率のコントラストを求め
た。その結果を第11図に示すが、図に見られる
ように、Asの添加によつて記憶媒体の感度が向
上した。 Asに代えてGa,Pb,Snを添加した場合にも同
様の結果が得られた。 発明の効果 本発明によれば、薄膜に光パルスを照射するの
みで高密度に記録でき、しかも必要な時には消去
および再記録でき、さらに長期間安定に情報を保
持できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による光学的情報記憶および再
生方法の光学系を示す模式図、第2図はレーザー
光照射の条件による記憶膜の反射率の変化を示す
グラフ図、第3図は記憶照射時間に関する記憶相
対コントラストを表わすグラフ図、第4図および
第5図は本発明を実施するための光学的情報記憶
媒体の要部断面図、第6図イ,ロは記憶媒体の低
反射率部の電子顕微鏡による電子線回折パターン
の写真およひ薄膜の結晶組織の写真、第7図イ,
ロは記憶媒体の高反射率部の電子顕微鏡による電
子線回折パターンの写真および薄膜の結晶組織の
写真、第8図はInSb薄膜の電気伝導度の温度変
化を示すグラフ図、第9図はInSb薄膜のC/N
の長時間変化を示すグラフ図、第10図はInSb
系にSeを添加した場合に偏析するかどうかを表
わしたIn−Sb−Se三元状態図、第11図はInSb
にAsを添加した場合の反射率コントラストをレ
ーザ光パワー強度に関して表わしたグラフ図であ
る。 1……レーザーダイオード、2……光、3……
ビーム整形光学系、4……偏光ビームスプリツタ
ー、5……1/4波長板、6……対物レンズ、7…
…記憶薄膜、8……基板、9……レンズアクチユ
エータ、10……レンズ、11……光検知器、2
1……アクリル基板、22……InSb薄膜、23
……有機質保護膜、24……無機質安定化層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 結晶組織が異なりかつ光学的特性も異なる2
    つの安定状態を取り得るインジウム(In)20〜60
    原子%とアンチモンSb40〜80原子%の合金の微
    結晶体からなる記憶薄膜から成り、該記憶薄膜に
    異なる条件の光エネルギーを照射して該2つの安
    定状態を選択的に生起させることによつて情報を
    記録および(または)消去することを特徴とする
    光学的情報記憶媒体。 2 結晶組織が異なりかつ光学的特性も異なる2
    つの安定状態を取り得るインジウム(In)20〜60
    原子%とアンチモン(Sb)40〜80原子%からな
    る合金に対し、さらにアルミニウム(A1)、シリ
    コン(Si)、リン(P)、イオウ(S)、亜鉛
    (Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ
    素(As)、セレン(Se)、銀(Ag)、カドミウム
    (Cd)、スズ(Sn)、テルル(Te)、タリウム
    (Ti)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)から選ばれる1
    種以上の元素を全体の20原子%以下添加してなる
    合金の微結晶体からなる記憶薄膜を有し、該記憶
    薄膜に異なる条件の光エネルギーを照射して該2
    つの安定状態を選択的に生起させることによつて
    情報を記録および(または)消去することを特徴
    とする光学的情報記憶媒体。
JP59255673A 1984-12-05 1984-12-05 光学的情報記憶媒体 Granted JPS61134944A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59255673A JPS61134944A (ja) 1984-12-05 1984-12-05 光学的情報記憶媒体
CN85109508A CN1008845B (zh) 1984-12-05 1985-12-04 光学信息记录介质及信息的记录与擦抹的方法
AU50796/85A AU566999B2 (en) 1984-12-05 1985-12-05 Optical information memory medium
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