JPH0419262Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は山岳道路で操作が容易で安全な車両の
自動変速機の操作装置に関するものである。

［従来の技術］ 第２図に示すように、自動変速機は中空の変速
レバー５に内部にプツシユロツド４を挿通され、
プツシユロツド４の上端部を図示していない公知
のノブによりばねの力に抗して押し下げ可能とさ
れる。プツシユロツド４の下端部に支持した横方
向のデイテントピン７は両端を、変速レバー５に
設けた軸方向に延びるスリツト９の挿通案内さ
れ、前述したばねの力により上方へ付勢されてい
る。

変速レバー５は下端部を横方向の回動軸１２に
固定支持される。回動軸１２は基枠１３に回動可
能に支持される。変速レバー５のセレクト操作
は、回動軸１２に固定支持した出力レバー３によ
り、遠隔ケーブルを介して自動変速機の変速機構
へ伝達される。基枠１３に垂設した制御板１０に
開口８が設けられる。第３図に示すように、開口
８の上縁に、前方から後方へ順に深い溝からなる
縁部Ｐ、突縁１９を越えて中間の縁部Ｒ、さらに
深く切り込まれた連続する縁部Ｎ，Ｄが備えら
れ、後方に階段上に縁部と縁部Ｌが備えられ
る。

上述の操作装置は、平坦路の走行には適してい
るが、レンジを必要する坂道の多い山岳路の走
行では、Ｄレンジからレンジへセレクトする場
合に、その都度プツシユロツド４を操作しなけれ
ばならない。

実開昭57−148222号公報に開示される操作装置
では、制御板の開口縁部に連続した縁部Ｄ，Ｎ，
を備え、ＮレンジとＤレンジとレンジへは、
プツシユロツドによるデイテントピンの操作を行
わずに、変速レバーを前後傾動するだけで円滑に
セレクトできる。しかし、坂道の多い山岳路の走
行で、変速レバーを前後傾動するだけでＤレンジ
とレンジとに円滑にセレクトできるという利点
があるものの、レンジからＤレンジへセレクト
する場合に、Ｎレンジへ行き過ぎる恐れがあり、
これを感知することもできない。

また、レンジを使用する機会が少ない平坦路
の走行では、変速レバーが誤つてレンジへセレ
クトされる場合もあり、変速レバーがＤレンジへ
セレクトされたことを運転者が感知できる節度機
構を取り付けると、変速レバーの操作力が大きく
なり、軽快性が損われる。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案の目的は上述の問題に鑑み、山岳道路で
操作が容易で安全確実な、自動変速機の操作装置
を提供することにある。

［問題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案の構成は車
体側に前後傾動可能に軸支持した変速レバーに、
横方向のデイテントピンを上下移動可能に支持
し、車体側に垂設した制御板の開口の上縁へ前記
デイテントピンをばね力により付勢係合し、該上
縁はＮレンジとＤレンジとレンジでデイテント
ピンが係合する各縁部Ｎ，Ｄ，，を連続して形
成し、制御板の前記縁部Ｄの上側部分に、互いに
直交する前後１対の腕を有する板カムの中間部を
横方向の支軸により回動可能に支持し、該板カム
は前の腕が開口の縁部Ｎへ突出して縁部Ｄと縁部
Ｒの間に段差の異なる縁部を形成する位置と、後
の腕が開口の縁部へ突出して縁部Ｄと縁部Ｌの
間に段差の異なる縁部を形成する位置とに変位す
るようにしたものである。

［作用］ 制御板に支軸により支持した板カムは、制御板
の開口へ突出可能の前後１対の腕を備えられてお
り、前の腕が開口の縁部へ突出すると、変速レバ
ーはデイテントピンを操作しないでも、Ｎレンジ
とＤレンジの間でセレクト操作できるので、平坦
路での走行に適する。

板カムの後の腕が制御板の開口へ突出すると、
変速レバーはデイテントピンを操作しないでも、
Ｄレンジとレンジの間で円滑にセレクト操作で
き、レンジからＤレンジへセレクトする際にＮ
レンジまで行き過ぎることがないので、坂道の多
い山岳路での走行に適する。

［考案の実施例］ 第１図に示すように、本考案によれば開口８の
上縁は前方から後方へ、Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｄ，，Ｌ
レンジでデイテントピン７がそれぞれ係合する縁
部Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｄ，，Ｌを並設される。すなわ
ち、開口８の上縁は中央部に、深く切り込まれか
つ連続した縁部Ｎ，Ｄ，を形成され、縁部Ｎの
前方に階段状に下方へ突出する縁部Ｒを、さらに
縁部Ｒの前方に突縁１９を越えて深く切込まれた
縁部Ｐを備えられる。また、開口８の上縁は縁部
の後方に階段状に下方へ突出する縁部Ｌを形成
される。

制御板１０は縁部Ｄの上方部分に、支軸２５に
より板カム２３を回動可能に支持され、板カム２
３の端部と制御板１０との間にばね２８を掛け渡
される。板カム２３は互いに直交する前後１対の
腕２３ａ，２ａを備えており、腕２ａはばね２８
の力によりストツパ２９へ衝合される。この時、
腕２ａは開口８へ突出し、縁部Ｄと縁部Ｌとの間
に段差の異なる縁部を提供する。板カム２３はピ
ン２４によりロツド２２を連結される。ロツド２
２が電磁アクチユエータ２１により駆動される
と、支軸２５を中心として回動され、腕２３ａが
開口８へ突出し、縁部Ｒと縁部Ｄの間に段差の異
なる縁部を提供する。

次に、本考案による自動変速機の操作装置の作
動について説明する。電磁アクチユエータ２１が
励磁されていない時、第１図に実線で示すように
板カム２３の腕２ａはばね２８の力により開口８
へ突出されている。したがつて、変速レバー５は
プツシユロツド４によりデイテントピン８を操作
しないでも、ＮレンジとＤレンジの間で自由にセ
レクトでき、平坦路の走行に適したセレクト操作
が得られる。変速レバー５は前方へ倒すだけでＮ
レンジに、後方へ倒すとＤレンジへ確実にセレク
トされるから、運転者の誤操作を防止できる。

スイツチ２６と閉じると、電源バツテリ２７か
ら電磁アクチユエータ２１へ通電され、ロツド２
２が左方へ引張られる。したがつて、板カム２３
が支軸２５を中心として反時計方向へ回動され
る。この時、腕２ａは開口８から引退し、腕２３
ａが開口８の縁部Ｎへ突出する。したがつて、変
速レバー５はプツシユロツド４によりデイテント
ピン７を操作しないでも、Ｄレンジとレンジの
間で自由にセレクトでき、坂道の多い山岳路の走
行で軽快なセレクト操作が得られる。すなわち、
変速レバー５を前方へ倒すと、デイテントピン７
が腕２３ａに当つてＤレンジへセレクトされ、逆
に変速レバー５を後方へ倒すと、デイテントピン
７が縁部と縁部Ｌとの間の段部に当つてレン
ジへセレクトされる。

［考案の効果］ 本考案によれば、制御板における開口の縁部を
縁部Ｎと縁部Ｄと縁部を連続して形成し、板カ
ムを備えるだけであるから、構成が簡単であり、
僅かな費用負担で道路条件に合つた変速レバーの
正確で軽快な操作が得られる。

特に山岳路の走行でデイテントピンを操作しな
いでも変速レバーをＤレンジとレンジの間で円
滑に操作できるので、車両の加減速操作が容易か
つ軽快であり、変速レバーをレンジからＤレン
ジへ操作する時にＮレンジへ行き過ぎることがな
いので、下り坂での車両の暴走を防止できて安全
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例に係る自動変速機
の操作装置の要部を示す側面図、第２図は従来の
一般的な自動変速機の操作装置の側面図、第３図
は同要部拡大図である。 Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｄ，，Ｌ……縁部、２ａ，２３
ａ……腕、４……プツシユロツド、５……変速レ
バー、７……デイテントピン、８……開口、１０
……制御板、１２……回動軸、２３……板カム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体側に前後傾動可能に軸支持した変速レバー
   に、横方向のデイテントピンを上へ移動可能に支
   持し、車体側に垂設した制御板の開口の上縁へ前
   記デイテントピンをばね力により付勢係合し、該
   上縁はＮレンジとＤレンジとレンジでデイテン
   トピンが係合する各縁部Ｎ，Ｄ，，を連続して
   形成し、制御板の前記縁部Ｄの上側部分に、互い
   に直交する前後１対の腕を有する板カムの中間部
   を横方向の支軸により回動可能に支持し、該板カ
   ムは前の腕が開口の縁部Ｎへ突出して縁部Ｄと縁
   部Ｒの間に段差の異なる縁部を形成する位置と、
   後の腕が開口の縁部へ突出して縁部Ｄと縁部Ｌ
   の間に段差の異なる縁部を形成する位置とに変位
   するようにしたことを特徴とする、自動変速機の
   操作装置。