JPH0419096B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、隆起縁部を有するかん容器のための
閉鎖部材であつて、かん容器のふたに、裂開可能
な壁部分によつて形成されたほぼ三角形の注出口
が設けられており、ふた上に緊定されて、両端部
において容器の隆起縁部に端縁ウエブで以て下側
から係合するベース体から成つており、該ベース
体が、ふたに向かう側に注出口を閉鎖するシール
部材を有しており、一方の端縁ウエブが隆起縁部
の曲率に適合した曲率を有しており、さらに他方
の端縁ウエブが隆起縁部に下側から係合する突出
部を備えたばね弾性的な壁区分を有している形式
のものに関する。

従来の技術 上記形式を有する閉鎖部材はドイツ連邦共和国
実用新案登録第7737634号明細書に基づいて公知
であり、この公知の閉鎖部材はもちろん、裂開閉
鎖部を有していないかん容器にも同様に使用可能
である。プラスチツク製ハンドグリツプによつて
包囲された金属製のベース体はその突出部で以て
かん容器の隆起縁部の後方に係合している。ベー
ス体には鋭く傾斜したエツジが一体成形されてお
り、かん容器のふた上に押付けられるとこのエツ
ジによつて開口が切込まれる。更にベース体には
針状の鉤形穴あけ工具が一体成形されており、こ
の針がやはりかん容器のふたに侵入して、裂開閉
鎖部が簡単には落ちないようにひつかけられる。

ふたに裂開閉鎖部を有するかん容器のための他
の公知の閉鎖部材においては、注出口を通つて案
内される回転可能な付加部に傾斜した締付け面が
設けられている。この付加部は回転の際にかん容
器のふた内面に緊定され、それによつて、ふた外
面上に装着されたプレート状のゴム体を注出口の
縁に押しつけている。しかしこの構造において
は、複数部分から成る閉鎖部材の構造とそれに伴
つて必要な組立てのための費用が高くなることを
別にしても、密閉作用が注出口の縁に沿つて行わ
れるので、栓の形状と注出口の形状とが正確に合
致しないと、かん容器を完全に密閉することがで
きないということが分かつている。

発明が解決しようとする課題 本発明の課題はプラスチツク体から成るかん容
器閉鎖部材において、かん容器と固く結合可能で
あり、極めてコンパクトな構造で簡単に製造で
き、更にそれにもかかわらず、ガス発生により内
圧が上昇してもかん容器の十分な密閉性を保証す
ることである。

課題を解決するための手段 前述の課題を解決するために本発明によれば、
はじめに述べた形式の閉鎖部材において、プレー
ト状のベース体がプラスチツクから成つていてか
つ両縁ウエブの間で注出口側においてかん容器ふ
たに向かつて突出しているシール部材を有してお
り、該シール部材が、注出口を取囲むふた外面に
シールして圧着されるために規定されており、し
かもシール部材が、ベース体の環状に閉じた隆起
ウエブに支持されているようにした。

発明の効果 本発明による閉鎖部材は、プラスチツク体とし
て簡単に、しかもコンパクトな構造で、大量生産
により安価に製造されることができる。さらにベ
ース体は剛性と、ある程度の弾性とを有する。従
つて、隆起縁部を介してスナツプ閉鎖形式でかん
容器上に押付けられる閉鎖部材は、たとえかん容
器内の内圧が高まつたとしても、かん容器にしつ
かりと締付けられているので十分な密閉性が保証
されている。さらに、閉鎖部材のシール部材は、
注出口内に嵌合して縁を直接シールするのではな
く、ベース体から容器ふた外面に向かつて環状に
突出する隆起ウエブによつて、注出口を環状に取
囲んでふた外面に圧着されるので、閉鎖部材の栓
部分の形状と注出口の形状とが正確に合致しなく
ても十分な密閉作用を得ることができる。

特許請求の範囲の従属項に記載された実施態様
によれば本発明の閉鎖部材に特に良好な密閉作用
を与えることができる。例えば、ベース体の下面
に隆起した押圧面を形成することにより、閉鎖部
材の装着時に、押圧面がシール部材をより強くか
ん容器ふた上に圧着させることができる。

さらに有利には、端縁ウエブの弾性的な壁区分
と剛性部分との間に間〓が形成されていることに
より、弾性的な壁区分は剛性部分に邪魔されるこ
となく動くことができる。

さらに、特許請求の範囲第７項に記載するよう
に、注出口付加部に壁切欠きを形成し、締付け板
のウエブを備えた付加部に流過開口、壁開口、開
口を形成することによつて、特別な通気路を省略
することができ、しかも液状のかん容器中味を一
様な流過状態で注ぎ出すことができる。

多くのかん容器はその隆起縁部の直径において
ある程度の誤差を有していることから、特許請求
の範囲第８項乃至１０項記載のように閉鎖部材の
一方の端縁に調節可能な締付け部材を設けること
によつて同じ閉鎖部材を種々異なる大きさのかん
容器に用いることができる。

実施例 次に図示の実施例につき本発明を説明する。

第１図及び第２図の実施例に示された閉鎖部材
はプレート状のベース体１から成り、このベース
体１の壁厚は、該ベース体が弾性的に変形可能な
ように設計されている。このベース体の広幅側の
端面には、かん容器又は該かん容器の隆起縁部の
曲率と同じ曲率で湾曲された端縁ウエブ２が設け
られており、この端縁ウエブ２の、内方へ向いた
突出部３がかん容器の隆起縁部に下側から係合す
るようになつている。ベース体１の前記端面とは
反対側の狭幅側には、かん容器直径に相応した距
離をおいて別な端縁ウエブが設けられており、こ
の端縁ウエブはばね弾性的な壁区分５を有してい
る。第１図及び第２図の実施例では、ばね弾性的
な壁区分５は、間〓７によつて端縁ウエブの２つ
の剛性部分４からそれぞれ離されている。ばね弾
性的な壁区分５も内方へ向いた突出部６を有して
おり、閉鎖部材が上からかん容器上に装着される
と、この突出部６がかん容器の隆起縁部に下側か
らスナツプ閉鎖式に係合する。

ふたに裂開閉鎖部が設けられているかん容器
（第３図参照）から出発して、裂開後にはほぼ三
角形の注出口２５を残すようになつている。かん
容器のこの注出口には、ベース体１に一体成形さ
れた栓部分１０が係合する。

装着された状態では端縁ウエブの剛性部分４が
かん容器隆起縁部の外面に支持されており、それ
によつて反対側に位置する端縁ウエブ２を、該端
縁ウエブ２の突出部３がかん容器の隆起縁部に下
側から確実に係合するように固く緊定する。この
状態では、ばね弾性的な壁区分５の突出部６も同
様に、かん容器の隆起縁部に下側から係合する位
置にある。この理由から端縁ウエブの剛性部分４
とそのばね弾性的な壁区分５の寸法は、一方では
２つの剛性の端縁ウエブの間での緊定が得られ、
他方ではばね弾性的な壁区分５がかん容器隆起縁
部の上方へスナツプ式に引離されるように選ばれ
ている。この締付け状態においては、かん容器内
に加熱による蒸気圧上昇が生じても閉鎖部材が開
いてしまうことはない。これは、かん容器の内圧
に応じてベース体の可撓性によつてとつ状のそり
出しが生じ、このそり出し作用によつて閉鎖部材
の端縁ウエブ２、剛性部分４、壁区分５が隆起縁
部に対して一層しつかりと押しつけられるからで
ある。

さらに、第１図及び第２図の実施例は、閉鎖部
材が組立式に形成されて作用する。ベース体１の
下面には、環状でほぼ楕円形に閉じた隆起ウエブ
１８が設けられており、この隆起ウエブ１８の内
面に沿つてリング状のシール部材１９（以下にシ
ールリング１９と言う）が支持されている。この
シールリング材１９は中空円筒状に形成され、そ
の壁厚を壁高さより小さくすると有利である。こ
の円形のシールリング１９はその独自の弾性によ
つて、隆起ウエブ１８内への装入時に該隆起ウエ
ブの形状に十分に合わされる。従つてシールリン
グ１９の端面が、注出口２５（第３図参照）を取
り囲むかん容器ふた部分をシールするようにな
る。この場合、注出口２５の幅が最大である所で
はそれだけ一層前記のシール性が強力であること
が望ましい。この理由からベース体１の下面には
隆起した押圧面２０が設けられており、この押圧
面２０はシールリング１９の相応する範囲に作用
する。閉鎖部材をかん容器に装着する時にこの範
囲内でのシールリング１９は、他のシールリング
範囲よりも強力にかん容器上に圧着される。

シールリング１９の保持及び案内は、複数の孔
２３を有する締付け板２１によつて行われ、前記
これらの孔内にはベース体１の相応して形成され
たピン２２が係合する。締付け板２１の縁は、隆
起ウエブ１８によつて保持されるシールリング１
９の形状に適合されている。この縁の所々から切
刃形の突起２４が外方へ延びている。締付け板２
１の孔２３をピン２２に押しあてると、切刃形突
起２４はシールリング１９の内壁部分に係合し、
またこのシールリング１９をベース体１の押圧面
２０といくらかへこんだ他の面とに圧着する。

第３図にはより明確な記載のために、本発明の
閉鎖部材がどのようにかん容器の上に載着されて
いるかを示した。

同じ材質状態のかん容器でも異なる直径誤差を
有する場合もあり、またその直径に関してある程
度のゆがみを持つかん容器の場合もある。このよ
うな場合にも本発明のかん容器閉鎖部材を使用で
きるように、第４図及び第５図に示した実施例に
よれば、かん容器縁部に下側から係合する複数の
突出部の少なくとも１つが調節可能又は移動可能
にベース体１に配置され、それによつてかん容器
の直径への適合が行われるようになつている。

第４図の実施例では突出部６は締付け部材２６
に設けられており、この締付け部材２６はベース
体１のスリツト２８を貫通して、ベース体１の下
面に肩部状に支持されている。上方に突出してい
るウエブ２７には偏心レバー３０を旋回させるた
めの支承部２９が設けられており、この偏心レバ
ー自体はベース体１の表面で作用する。こうして
突出部６がかん容器の隆起縁部に下から係合する
ように、締付け部材２６をスリツト２８に沿つて
調節することができる。更にこの調節位置は偏心
レバー３０を時計回りで旋回することによつて固
定される。ずれ動きが生じないために、ベース体
１の下面及び締付け部材２６の肩部形状の付加部
が刻み３１を有しているか又は類似の形式で形成
されており、それによつてこの両者間に相互のひ
つかかり作用が生ぜしめられる。

第５図の実施例では孔３３を有するウエブ３２
がベース体１に設けられており、この孔３３内に
有利にはばね鋼線材又は薄板から成る締付け湾曲
材３４が回転可能に支承されている。この締付け
湾曲材３４は短めの支持脚部３５を有しており、
締付け湾曲材３４が時計回りで旋回するとこの支
持脚部３５は内方へかん容器縁部の下に旋回す
る。締付け湾曲材３４の脚部を周知の適切な角度
で形成することによつて、締付け湾曲材３４の旋
回時に該締付け湾曲材が死点位置を越えると、そ
れによつて支持脚部３５がかん容器縁部の下面に
対してしつかりと圧着されることができる。締付
け湾曲材３４がばね鋼線材から形成されている
と、支持脚部３５を、この線材の互いに鈍角を成
して形成する適当に曲げられた端部として形成す
ることで十分である。

第６図、第７図及び第８図に示された変化実施
例では、注出口付加部１２に唯一つの注出孔３６
が設けられている。ベース体１には、注出孔３６
のかん容器側出口に壁切欠き３７が設けられてお
り、この壁切欠き３７の機能は第１０図に示され
た締付け板２１との関連において理解されるもの
であつて、この締付け板２１は第１図及び第２図
に既に示されているように、シールリング１９を
固く緊定しかつセンタリングするためにベース体
１に押付けられる。

第７図に示された締付け板２１はウエブ３９を
備えた付加部３８を有しており、それによつて付
加部３８は底部と共にＵ字形状を有することにな
る。ウエブ３９の反対側には、注出口付加部１２
の注出孔３６と合致する流過開口４２が設けられ
ている。その結果、組立て時にはウエブ３９が壁
切欠き３７に当接することになる。しかしウエブ
３９が壁開口４１を有しているので、付加部３８
の内室はこの壁開口４１又は壁切欠き３７を介し
て注出孔３６と接続されている。従つて注出時に
は、かん容器内にあり液体の侵入はありえない中
空室が、付加部３８内の開口４０と壁切欠き３７
及び壁開口４１とを介して注出孔３６に接続され
ている。いずれにせよ注出孔３６が注出すべき液
体によつて完全に満たされることはあり得ないの
で、外気とかん容器内の内気との交換は静かに行
われる。上記のような構成によれば妨害的な副次
的影響なしに、従来技術によるものよりも極めて
良好な液体の注出が可能となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の複数の実施例を示すものであつ
て、第１図はかん容器閉鎖部材の１実施例の下面
図、第２図は第１図の−線に沿つた容器閉鎖
部材の縦断面図、第３図はかん容器と共にかん容
器閉鎖部材を示した上面図、第４図及び第５図は
調節可能な突出部を有するかん容器閉鎖部材の側
面図、第６図及び第７図は適切に形成された締付
け板を有する注出口付加部の縦断面図、第８図は
第７図の締付けぶたの上面図である。 １……ベース体、２……端縁ウエブ、３，６…
…突出部、４……剛性部分、５……弾性的な壁区
分、７……間〓、１０……栓部分、１１，１３…
…突起部、１２……注出口付加部、１８……隆起
ウエブ、１９……シールリング、２０……押圧
面、２１……締付け板、２２……ピン、２３……
孔、２４……切刃形突起、２５……注出口、２６
……締付け部材、２７，３９……ウエブ、２８…
…スリツト、２９……支承部、３０……偏心レバ
ー、３１……刻み、３２……縁ウエブ、３３……
孔、３４……締付け湾曲材、３５……支持脚部、
３６……注出孔、３７……壁切欠き、３８……付
加部、４０……開口、４１……壁開口、４２……
流過開口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 隆起縁部を有するかん容器のための閉鎖部材
   であつて、かん容器のふたに、裂開可能な壁部分
   によつて形成されたほぼ三角形の注出口が設けら
   れており、ふた上に緊定されて、両端部において
   容器の隆起縁部に端縁ウエブで以て下側から係合
   するベース体１から成つており、該ベース体が、
   ふたに向かう側に注出口を閉鎖するシール部材を
   有しており、一方の端縁ウエブ２が隆起縁部の曲
   率に適合した曲率を有しており、さらに他方の端
   縁ウエブが隆起縁部に下側から係合する突出部６
   を備えたばね弾性的な壁区分５を有している形式
   のものにおいて、プレート状のベース体１がプラ
   スチツクから成つていてかつ両縁ウエブ２及び
   ４，５の間で注出口側においてかん容器ふたに向
   かつて突出しているシール部材１９を有してお
   り、該シール部材が、注出口を取囲むふた外面に
   シールして圧着されるために規定されており、し
   かもシール部材１９が、ベース体１の環状に閉じ
   た隆起ウエブ１８に支持されていることを特徴と
   する、隆起縁部を有するかん容器のための閉鎖部
   材。 ２ リング状のシール部材１９を支持するベース
   体下面の、端縁ウエブ２に隣接する隆起ウエブ１
   ８の内側の面範囲が、隆起した押圧面２０として
   形成されている特許請求の範囲第１項記載の閉鎖
   部材。 ３ 端縁ウエブの、ばね弾性的な壁区分５と、２
   つの剛性部分４との間にはそれぞれ１つの間〓７
   が形成されている、特許請求の範囲第１項又は第
   ２項記載の閉鎖部材。 ４ シール部材１９の高さが、該シール部材１９
   の壁厚より大きく構成されている、特許請求の範
   囲第１項から第３項までのいずれか１項記載の閉
   鎖部材。 ５ ベース体１に結合可能な締付け板２１が設け
   られており、さらにシール部材１９が隆起ウエブ
   １８の内周面と締付け板２１の外周面との間に締
   め込まれている、特許請求の範囲第４項記載の閉
   鎖部材。 ６ 締付け板２１が側方に突出した切刃形の突起
   ２４を有しており、これらの突起２４がシール部
   材１９の内壁部分に係合するようになつている、
   特許請求の範囲第５項記載の閉鎖部材。 ７ ベース体に注出口付加部１２が設けられてお
   り、この注出口付加部１２の注出孔３６がかん容
   器側に壁切欠き３７を有しており、さらに締付け
   板２１が、ウエブ３９を備えた中空の付加部３８
   と、前記注出口３６と合致する流過開口４２とを
   有しており、さらに前記ウエブ３９は壁開口４１
   と、前記流過開口４２とは反対の側に開放する開
   口４０とを有しており、ベース体に締付け板を結
   合する際に、壁開口４１はそのままにして壁切欠
   き３７が付加部３８によつておおわれるようにな
   つている、特許請求の範囲第５項又は第６項記載
   の閉鎖部材。 ８ 複数の突出部３，６の１つが、半径方向で可
   動にベース体１に案内されている締付け部材２６
   に配置されている、特許請求の範囲第１項記載の
   閉鎖部材。 ９ 締付け部材２６が刻み３１又は類似のものに
   よつて所定の調節位置でベース体１に支持されて
   おり、さらに締付け部材２６に回転可能に支承さ
   れた偏心レバー３０によつてかん容器の隆起縁部
   に対して緊定されるようになつている、特許請求
   の範囲第８項記載の閉鎖部材。 １０ 締付け部材が、ベース体１に回転可能に支
   承された締付け湾曲材３４として構成されてお
   り、この締付け湾曲材３４が、短めのてこを形成
   する曲げられた複数の支持脚部３５を有してお
   り、この支持脚部３５がかん容器の隆起縁部に下
   側から係合しかつその係合位置で弾性的に支持さ
   れるようになつており、さらに締付け湾曲材３４
   が死点位置を越えて旋回可能である、特許請求の
   範囲第８項記載の閉鎖部材。