JPH0418944Y2 - - Google Patents

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JPH0418944Y2
JPH0418944Y2 JP460487U JP460487U JPH0418944Y2 JP H0418944 Y2 JPH0418944 Y2 JP H0418944Y2 JP 460487 U JP460487 U JP 460487U JP 460487 U JP460487 U JP 460487U JP H0418944 Y2 JPH0418944 Y2 JP H0418944Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【産業上の利用分野】 この考案は自動車の空力特性、特に、横風を受
けた際における安定性を向上させるようにした自
動車のフロントサイド部構造に関する。
【従来の技術】
自動車が高速走行時に横風を受けると、車体が
風下側に流されたり、又、これに対するステアリ
ングによる修正操作に基づき、走行にふらつきが
生じることがある。 又、自動車が複数の大型車を、横風に対して風
下側から追い越すような場合、横風を断続的に受
けることとなり、上記のようなふらつきが生じる
と共に、これに対する修正のためのステアリング
操作が必要となる。 このような横風に対する自動車の高速走行時に
おける操縦安定性を向上させるための手段として
は、足回り(サスペンシヨン、タイヤ)あるいは
ボデイの空力特性(特にヨーイングモーメント係
数CY、揚力係数CLを低減)の改善による方法が
ある。 上記ヨーイングモーメント係数CYは、車両を
左右方向に回転させるモーメントの係数であり、
車両が横風を受けた時、即ち、車両の前後方向縦
中心面に対して走行風が偏揺角ψを持つた時に発
生する。 これを詳細に説明すると、第11図に示される
ように、自動車1が横風を受け、走行風(横風合
成風)2の偏揺角ψがψ≠0状態となつた時、走
行風2は、自動車1のフロントサイド左コーナ部
3で自動車1の左側面に沿つて流れる空気流と、
フロント面に沿い且つ、右側面に至る空気流とに
分流する。 この時、これ等分流した空気流には流速差が生
じ、この流速差に基づいて自動車1の車体回りに
おける圧力分布の差が第11図に示されるように
生じる。 この図からも分るように、自動車1の風上側の
左側面側は正圧となり、風下側の右側面側は負圧
となるのが一般的である。 従つて、これらの圧力差によつて、自動車1に
これを図において右方向に回転させるモーメント
が生じ、この係数が前記ヨーイングモーメント係
数CYである。 ここで、前記偏揺角ψとヨーイングモーメント
係数CYとの関係は、車体形状によつても異なる
が、一般的には、ψ=25°近傍でCYが最大値とな
る。 このようなCYの特性は、主として自動車1に
おける図において風下側即ち右側コーナ部の圧力
変化(流速変化)によるものである。 即ち、フロントサイド右コーナ部4における風
下側では、空気流が、車体表面に沿つて流れ、た
とえ剥離しても直ぐに再付着するために、流速が
速く、負圧が大きい。 偏揺角がある値(一般的には25°〜30°)以上に
なるとフロントサイドコーナ部で、空気流が車体
表面から剥離してしまい、車体表面に沿つて流れ
るときよりも負圧が小さくなる。 従つて、このコーナ部を角張らせたり、あるい
は、その曲率半径を小さくすると、空気流の剥離
が生じ、ヨーイングモーメント係数CYが小さく
なることが知られている。 ところで、このヨーイングモーメント係数CY
と空気抵抗係数CDとの関係は、ヨーイングモー
メント係数CYを小さくするために、自動車のフ
ロントサイドのコーナ部の曲率半径を小さくした
場合に、空気抵抗係数CDが大きくなつてしまい、
燃費増大等の悪影響を生じるという問題点があ
る。 これに対して、本出願人は、実開昭60−95370
号により、車体のフロントサイドコーナ部であつ
て、車体の真直前方からの走行風が上方向及び横
方向に分流する分岐点位置に、車体前方に突出す
る乱流フインを取付けてなる自動車のフロントサ
イド部構造を提案した。 かかる自動車のフロントサイド部構造は、空気
抵抗係数CDを大きくすることなくヨーイングモ
ーメント係数CYを小さくすることができるが、
乱流フインが大型となるという問題点がある。 これに対して、本出願人は、実開昭60−189476
号及び実開昭60−47779号により小型で空気抵抗
係数CDを大きくすることなく、ヨーイングモー
メント係数CYを小さくすることができる自動車
のフロントサイド部構造を提案した。 しかしながら、上記の自動車のフロントサイド
部構造は、いずれも、乱流フインをフロントサイ
ド部から突出させているために、車両外観を低下
させると共に、偏揺角がある程度より大きい場合
に、ヨーイングモーメント係数CYを低減する効
果が大きく、偏揺角が小さい場合は改善が少ない
という問題点がある。 これに対し、本出願人は更に、特開昭62−
12479号により車体のフロント部分におけるサイ
ドコーナ部の近傍位置に空気吹出口を形成し、横
風走行時に風下側の空気吹出口から空気を吹出す
ことによつて、乱流フイン等の突出物をフロント
サイド部に設けることなく、且つ、空気抵抗係数
CDを大きくすることなく、ヨーイングモーメン
ト係数CYを小さくすることができるようにした
自動車のフロントサイド部構造を提案した。
【考案が解決しようとする問題点】
しかしながら、上記特願昭60−182486号の自動
車のフロントサイド部構造にあつては、空気吹出
口が車体のフロント部分におけるサイドコーナの
近傍位置に形成され、且つその位置が固定的なも
のとされるため、偏揺角が小さい場合あるいは大
きい場合には充分な空気剥離効果が得られず、ヨ
ーイングモーメントを効果的に低減することがで
きないという問題点がある。これは、車速と横風
速度との合成ベクトルである横風走行風の偏揺角
ψの大小によつて最適な空気吹出口位置が決定さ
れることによる。即ち、ある偏揺角ψに対しては
最適な位置とされる空気吹出口であつても、偏揺
角ψが変化する場合には最適な位置ではなくなる
ため、固定的な空気吹出口の場合、あらゆる偏揺
角ψに対し効果的にヨーイングモーメント係数を
低減することができない。
【考案の目的】
この考案は上記問題点に鑑みてなされたもので
あつて、横風を受けたときには、偏揺角の変化に
対応して常に効果的にヨーイングモーメント係数
を低減することができ、又、横風のない直進状態
時には空気吹出口から空気が吹出されないように
して空気抵抗係数CDの増大を抑えることのでき
る自動車のフロントサイド部構造を提供すること
を目的とする。
【問題点を解決するための手段】
この考案は、車体のフロント部分におけるサイ
ドコーナ部の車体前端面から車体側面に至る間で
外方に凸に湾曲された外側湾曲面内に略縦方向の
スリツト状に形成され、該外側湾曲面の法線方向
に空気吹出し可能とされた空気吹出口を備え、横
風走行時に風下側の前記空気吹出口から空気を吹
出してヨーイングモーメント係数を低減させるよ
うにした自動車のフロントサイド部構造におい
て、横風走行時の走行風の偏揺角を検出する偏揺
角検出手段と、前記サイドコーナ近傍位置に取付
けられ、且つ前記空気吹出口を備え、該空気吹出
口を変位自在とするコーナピースと、前記偏揺角
検出手段からの検出偏揺角に対応して前記コーナ
ピースの空気吹出口をヨーイングモーメント係数
を低減するに最適な位置に変位させる制御手段
と、を有することにより、上記目的を達成するも
のである。 又、この考案の実施態様は、前記コーナピース
が、その周面に縦長スリツト状の前記空気吹出口
を備え、且つ略水平方向に揺動自在とされること
により、上記目的を達成するものである。
【作用】
この考案においては、自動車が走行中に横風を
受けたとき、走行風の偏揺角を検出し、この検出
偏揺角に応じて空気吹出口をヨーイングモーメン
ト係数を低減するに最適な位置となるように変位
させるようにしている。従つて、偏揺角の変化に
対応して風下側の空気流を車体から効果的に剥離
することができる。これにより、偏揺角の変化に
対応して効果的にヨーイングモーメント係数を低
減することができる。 又、横風を受けない場合には、空気吹出口から
空気を吹出すことなくフロントサイドコーナの空
気流を乱すことがないようにして、空気抵抗係数
CDを増大させないようにする。
【実施例】
以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。 この実施例は、第1図乃至第6図に示されるよ
うに、自動車10の車体のフロントバランスパネ
ル12における左右のサイドコーナー部12A、
12Bの車体前端面11Aから車体側面11Bに
至る間で外方に凸に湾曲する外側湾曲面11C内
に、その外側湾曲面11Cの法線方向に空気を吹
出す、縦方向のスリツト状の空気吹出口14を形
成して、この空気吹出口14から横風走行時の車
体内側及び外側の圧力差により空気を吹出してヨ
ーイングモーメント係数を低減させるようにした
自動車のフロントサイド部構造において、横風走
行時の走行風の偏揺角を検出する偏揺角検出手段
18と、前記フロントバランスパネル12のサイ
ドコーナ部12A,12Bに取付けられ、前記空
気吹出口14を変位自在とするコーナピース20
と、前記偏揺角検出手段18からの検出偏揺角に
対応して前記コーナピース20の空気吹出口14
をヨーイングモーメント係数を低減するに最適な
位置に変位させる制御手段22と、を有して構成
されている。 前記コーナピース20は、略扇体状に形成さ
れ、その周面20Aの周方向中央に縦長スリツト
状の前記空気吹出口14を備え、且つそのかなめ
部を中心としてサイドコーナ部12A,12Bの
略水平方向、即ち、サイドコーナー部12A,1
2Bの周方向に揺動自在とされている。 このコーナピース20は、フロントバランスパ
ネル12のサイドコーナー部12A,12Bに形
成される取付開口15に取付軸24を介し取付け
られている。具体的には、このコーナピース20
は、前記取付開口15からその周面20Aの一部
が露出し、且つ周面18Aとフロントバランスパ
ネル12の取付開口15縁部内面とが摺動するよ
うに、そのかなめ部に上下方向で配置される取付
軸24により、サイドコーナー部12A,12B
の周方向に揺動自在として前記サイドコーナー部
12A,12Bに取付けられている。 前記取付開口15が形成されたフロントバラン
スパネル12は、車体幅方向中央部で、且つフロ
ントバンパ16の下側に隣接した位置に開口部1
3が形成され、又、サイドコーナ部12A,12
Bは、第2図に示されるように、ダクト17を形
成する中空部材とされ、前記開口部13に臨む位
置に空気取入口17Aを備えている。 前記取付開口15は、ダクト17における空気
取入口17Aと反対側位置に形成されている。 なお、図中の符号26は、コーナピース20内
に、前記空気吹出口14の車両幅方向外側端縁と
取付軸24との間に取付けられる導風板を示す。 前記偏揺角検出手段18は、例えば、5孔球ピ
トー管からなる空気流のベクトルセンサから構成
されている。 前記制御手段22は、前記偏揺角検出手段18
による検出偏揺角に基づき、前記コーナピース2
0の空気取入口17Aの位置を検出偏揺角に対応
してヨーイングモーメント係数を低減するに最適
な位置とする変位制御信号を出力するマイクロコ
ンピユータ30と、このマイクロコンピユータ3
0から出力される空気取入口17Aの変位制御信
号に基づき前記コーナピース20の回動を制御す
るコーナピース変位手段32と、から構成されて
いる。 前記マイクロコンピユータ30は、図示省略の
入出力インターフエイス、ROM、RAM、CPU
等から構成されている。 前記コーナピース変位手段32は、前記コーナ
ピース20の取付軸24下端に取付けられ、周面
がギヤとされた扇状の揺動ギヤ部34と、この揺
動ギヤ部34に噛合する駆動歯車36を有するモ
ータ38と、前記コーナピース20の回動変位を
検出するためのポテンシヨメータからなる角度セ
ンサ40とから構成されている。 前記角度センサ40は、前記コーナピース20
の取付軸24に連結されている。 次に、第4図を参照して、前記制御手段22の
制御手順を説明する。 まず、ステツプ100において、前記偏揺角検出
手段18の検出信号に基づき走行風の偏揺角ψが
算出される。 次に、ステツプ102に進み、第5図に示される
偏揺角ψと空気吹出口14の最適開口位置角度
θbestとの関係マツプに基づき現在の偏揺角ψに
最適な空気吹出口14の最適開口位置角度θbest
が算出される。 次に、ステツプ104に進み、前記角度センサ4
0によりコーナピース20の回動角度、即ち空気
吹出口14の開口位置角度θが検出される。 次に、ステツプ106に進み、前出ステツプ102で
求めた最適開口位置角度θbestと空気吹出口の開
口位置角度θとの差θbest−θが算出され、この
差θbest−θが零か否かが判定される。 このステツプ106において、前記差θbest−θが
零と判定される場合、即ち、空気吹出口14の開
口位置角度θが最適開口位置角度θbestと合致し
ている場合には、コーナピース20の回動不要と
判定して前出ステツプ100に戻る。 又、前記差θbest−θが零より大きいと判定さ
れる場合には、ステツプ108に進む。ステツプ108
においては、前記θが大きくなる方向にモータ3
8が駆動される。 又、ステツプ106において、前記差θbest−θが
零より小さいと判定される場合には、ステツプ
110に進む。ステツプ110においては、前記θが小
さくなる方向にモータ38が駆動される。 従つて、前出ステツプ100〜110の循環処理が行
なわれることで、偏揺角ψに最適な開口位置角度
θbestに空気吹出口14が位置されることになる。 次に、前出第5図で示される偏揺角ψと空気吹
出口の最適開口位置角度θbestとの関係マツプの
決定方法について、第6図及び第7図を参照して
説明する。 ここで、偏揺角ψとは、第6図に示されるよう
に、横風合成風2と車体の前後方向中心線とり角
度を言い、空気吹出口の開口位置角度θとは、前
記空気吹出口14の幅方向中央と取付軸24の中
心点とを結ぶ線分と車体前後方向中心線とのなす
角度を言う。 第7図は、偏揺角ψとヨーイングモーメント係
数CYとの関係を開口位置角度θa〜θdとされた空気
吹出口毎に示したものである。 なお、同図中の破線Aは開口位置角度θaとされ
た空気吹出口における偏揺角ψとヨーイングモー
メント係数CYとの関係を、同図中の一点鎖線B
は開口位置角度θbとされた空気吹出口における偏
揺角ψとヨーイングモーメント係数CYとの関係
を、同図中二点鎖線Cは開口位置角度θcとされた
空気吹出口における偏揺角ψとヨーイングモーメ
ント係数CYとの関係を、同図中の実線Dは開口
位置角度θdとされた空気吹出口における偏揺角ψ
とヨーイングモーメント係数CYとの関係を、同
図中の細線Eは空気吹出口のない従来車における
偏揺角ψとヨーイングモーメント係数CYとの関
係をそれぞれ示す。 同図からも明らかなように、空気吹出口14の
開口位置角度θによつてヨーイングモーメント係
数CYの低減効果を得る偏揺角領域は変化してい
ることがわかる。 この第7図に基づき、ヨーイングモーメント係
数CYの低減効果の大きい、偏揺角ψと空気吹出
口の最適開口位置角度θbestとの関係について、
整理したものが、前出第5図である。従つて、こ
の第5図に示される偏揺角ψと最適開口位置角度
θbestとの関係マツプに基づき、偏揺角ψから最
適開口位置角度θbestが算出されることになる。 次に、第8図乃至第10図を参照して、本実施
例の作用を説明する。 まず、横風を受けたときの空気流について説明
する。 横風を受けている状態(偏揺角ψ≠0)では、
第8図及び第9図に示されるように、風上側から
自動車10のフロントバランスパネル12に沿つ
て車体の風下側の側面に流れる空気流が、空気吹
出口14から吹出される空気流によつて、車体表
面から剥離を生じ、空気流速が低下するために、
この部分の負圧が小さくなる。 従つて、第10図A,Bに示されるように、車
体表面からの空気流の剥離によつて、自動車10
の左右側面に加わる圧力差によるヨーイングモー
メントMYが減少されることになる。 ここで、前記空気吹出口14から吹出されるべ
き空気は、自動車10の横風走行中に、フロント
バランスパネル12の中央部に形成された開口部
13から取入れられ、空気取入口17A及びダク
ト17を介して前記空気吹出口14に供給され
る。 偏揺角ψが小さい場合には、第8図に示される
ように、空気吹出口14の開口位置角度θが大と
され、これにより空気吹出口14は車両幅方向外
側に位置されることになる。従つて、偏揺角ψが
小さい場合でも、この偏揺角ψに最適な空気吹出
位置とされることにより、効果的に風下側の空気
流を車体表面から剥離してヨーイングモーメント
係数CYを低減することができる。 又、偏揺角ψが大きい場合には、第9図に示さ
れるように、偏揺角ψの大きさに対応して空気吹
出口14の開口位置角度θが小さなものとされ
る。従つて、空気吹出口14は車両幅方向内側位
置に位置されることになる。これにより、偏揺角
ψが大きい場合であつても、最適な位置から空気
吹出しが行なわれることによつて、効果的に風下
側の空気流を車体表面から剥離してヨーイングモ
ーメント係数CYを低減することができる。 なお、自動車10が横風のない状態で運転され
るときは、前記開口部13から空気取入口17A
及びダクト17を通つて空気吹出口14から吹出
される空気流量は非常に少ないために、サイドコ
ーナー部12Aにおける空気流の剥離が生じるこ
となく、このため空気抵抗係数CDが増大するこ
とがない。 他の実験によれば、空気吹出口をサイドコーナ
ー部の外側湾曲面11Cよりも後方の車体側面1
1Bが設けた場合は、偏揺角が変化しても、負圧
がほとんど変化せず、且つ、その値も小さかつ
た。 又、空気吹出口をコーナー部外側湾曲面11C
の法線方向に空気を吹出すように設けなかつた場
合は、横風走行時での、コーナ部での空気流の剥
離が弱かつた。 第10図は、本実施例による空気流とその圧力
分布を従来の空気吹出が行なわれないものと比較
して示す線図である。同図Aは本実施例における
偏揺角ψの小さい場合、同図Bは本実施例におけ
る偏揺角ψが大きい場合、同図Cは従来の自動車
1において偏揺角ψが小さい場合、同図Dは従来
の自動車1において偏揺角ψが大きい場合をそれ
ぞれ示す。なお、図中の符号vは車速、Uは横風
の風速、Vは横風合成風の風速をそれぞれ示す。 同図からも明らかなように、本実施例の場合、
効果的に空気流を車体表面から剥離させて、風下
側における圧力分布の負圧領域を低減して、効果
的にヨーイングモーメントMYを低減することが
できたことが分る。 本実施例によれば、偏揺角を検出して、この偏
揺角に応じて空気吹出口14をヨーイングモーメ
ント係数CYを低減するに最適な位置となるよう
にサイドコーナ周方向において変位させるように
しているため、偏揺角が小さい場合あるいは偏揺
角が大きい場合であつても風下側の空気流を車体
表面から効果的に剥離して、効果的にヨーイング
モーメント係数CYを低減することができる。 なお、上記実施例において、空気吹出口14を
変位させる際、略扇体状に形成されるコーナピー
ス20により行うようにされたが、この考案はこ
れに限定されることなく、例えば、空気吹出口が
形成された可撓性の帯板をサイドコーナ部の取付
開口内にサイドコーナ部の周方向に摺動自在とし
て設け、この帯板を偏揺角に対応して変位させる
ようにして、空気吹出口の開口位置角度θを変更
するものとしてもよい。更には、前記取付開口を
円形に形成し、前記コーナピースを偏心位置に空
気吹出口を備えた円盤から構成し、この円盤を取
付開口内で回動するようにして、空気吹出口の開
口位置角度θを変更するものとしてもよい。 又、上記実施例においては、空気吹出口14の
開口位置角度θを変化させるためにコーナピース
20を揺動ギヤ部34及びモータ38により駆動
するようにされたが、この考案はこれに限定され
ることなく、コーナピース20を揺動することが
できるものであればよく、例えばシリンダ等によ
つてコーナピース20を摺動するものとしてもよ
い。 又、上記実施例においては、横風走行時に車体
内側及び外側の圧力差により空気を吹出すように
されたが、この考案はこれに限定されることな
く、空気吹出口からの空気吹出しは、例えば電動
フアン、圧縮空気等により行うものとしてもよ
い。 又、上記実施例において、コーナピース20は
フロントバランスパネル12に取付けられている
が、この考案はこれに限定されることなく、要す
ればコーナピースの空気吹出口は自動車10にお
けるフロントサイドコーナ部の車体前端面から車
体側面に至る間で外方に凸を湾曲する外側湾曲面
に、その外側湾曲面の法線方向に空気を吹出すよ
うに、形成されるものであればよい。 又、前記実施例において、空気取入口17A
は、フロントバランスパネル12の開口部13内
に形成されたものであるが、この考案はこれに限
定されることなく、横風走行時に風下側のフロン
トサイドコーナ部に形成された空気吹出口から空
気を吹出すことができるものであれば、その形成
部位は限定されることなく、例えば、フロントバ
ランスパネルの前面、若しくは下面に形成するも
のとしてもよい。
【考案の効果】
この考案は上記のように構成したので、走行風
の偏揺角に対応して最適な位置で空気を吹き出す
ことができ、乱流フイン等突起物を設けることな
く自動車の空気抵抗係数を増大させることなく、
偏揺角の大小に関わらずヨーイングモーメント係
数を効果的に減少させて、自動車の横風安定性を
向上させることができるという優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る自動車のフロントサイド
部構造の実施例を示す斜視図、第2図は第1図の
−線に沿う拡大略示断面図、第3図は同実施
例におけるダクト、コーナピース、コーナピース
変位手段を示す分解斜視図、第4図は同実施例に
おけるマイクロコンピユータの制御手順を示す流
れ図、第5図は同実施例における偏揺角と空気吹
出口の最適開口位置角度との関係マツプの一例を
示す線図、第6図は偏揺角ψと空気吹出口の開口
位置角度θとを示す第1図−線相当の拡大略
示断面図、第7図は偏揺角ψとヨーイングモーメ
ント係数CYとを空気吹出口の開口位置角度を変
化させて示す線図、第8図及び第9図は同実施例
における空気流を示す第1図−線相当拡大略
示断面図、第10図は本実施例の実施結果を従来
のものと比較して示す線図、第11図は自動車が
横風を受けた場合における車体外側面の圧力分布
を示す平面図である。 10……自動車、11A……車体前端面、11
B……車体側面、11C……外側湾曲面、12…
…フロントバランスパネル、12A,12B……
サイドコーナー部、14……空気吹出口、18…
…偏揺角検出手段、20……コーナピース、22
……制御手段。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車体のフロント部分におけるサイドコーナ部
    の車体前端面から車体側面に至る間で外方に凸
    に湾曲された外側湾曲面内に、略縦方向のスリ
    ツト状に形成され、該外側湾曲面の法線方向に
    空気吹出し可能とされた空気吹出口を備え、横
    風走行時に風下側の前記空気吹出口から空気を
    吹出してヨーイングモーメント係数を低減させ
    るようにした自動車のフロントサイド部構造に
    おいて、 横風走行時の走行風の偏揺角を検出する偏揺
    角検出手段と、 前記サイドコーナ近傍位置に取付けられ、且
    つ前記空気吹出口を備え、該空気吹出口を変位
    自在とするコーナピースと、 前記偏揺角検出手段からの検出偏揺角に対応
    して前記コーナピースの空気吹出口をヨーイン
    グモーメント係数を低減するに最適な位置に変
    位させる制御手段と、を有してなる自動車のフ
    ロントサイド部構造。 (2) 前記コーナピースは、その周面に縦長スリツ
    ト状の前記空気吹出口を備え、且つ略水平方向
    に揺動自在とされてなる実用新案登録請求の範
    囲第1項記載の自動車のフロントサイド部構
    造。
JP460487U 1987-01-16 1987-01-16 Expired JPH0418944Y2 (ja)

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JP460487U JPH0418944Y2 (ja) 1987-01-16 1987-01-16

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JPS63112184U JPS63112184U (ja) 1988-07-19
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JPS63112184U (ja) 1988-07-19

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