JPH0418644Y2

JPH0418644Y2 -

Info

Publication number: JPH0418644Y2
Application number: JP1985053896U
Authority: JP
Priority date: 1985-04-11
Filing date: 1985-04-11
Publication date: 1992-04-27
Also published as: JPS61171510U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は燃料ポンプと燃料フイルタとの取付構
造に関し、特に燃料ポンプと燃料フイルタとの間
のシール性向上を行うものである。

（従来の技術）従来のものは、燃料フイルタを、例えば熱可塑
性樹脂のナイロンで、ろ過をするための網目部
と、この網目部の形を成形するリブ部と、燃料ポ
ンプに取り付けるための取付口とを一体に形成
し、燃料フイルタの成形を容易にしている。そし
て、取付口を燃料ポンプの吸入パイプに圧入する
時に、取付口が拡がり、取付口を吸入パイプに圧
入代によつて、燃料ポンプと燃料フイルタとの間
のシールを行つている。

（考案が解決しようとする問題点）ところが上述したものでは、燃料タンク内のア
ルコールにより、燃料フイルタの取付口が膨潤し
て、その膨潤した量が、圧入代以上になつてしま
うと、燃料フイルタの取付口と吸入パイプとの間
に隙間が生じてしまい、この隙間より空気を吸い
込んで、燃料ポンプのガソリンの吸込能力が低下
し、エンジンの不調を生じる問題がある。

また、燃料フイルタの取付口が膨潤しないよう
に、燃料フイルタを膨潤性の極少ない樹脂（例え
ばガラス入りポリアセタール）で一体に形成すれ
ばよいが、この場合、樹脂がかたく、取付口を燃
料ポンプの吸入パイプに圧入する時に、取付口が
破損したりして、確実に組み付けることが難かし
いという問題点がある。

そこで、本考案では、燃料フイルタの取付口と
燃料ポンプの吸入パイプとの組み付けが容易で、
かつ燃料タンク内でも確実に保持することができ
るものを提供することである。

（問題点を解決するための手段）燃料タンク内に配置され、燃料タンク内の燃料
を取り込む吸入パイプを有する燃料ポンプと、この燃料ポンプの吸入パイプの外周に圧入され
る膨潤性の取付口を有する燃料フイルタと、この燃料フイルタの取付口の外周に挿入され、
前記取付口の外周側への膨潤を規制する膨潤性の
少ないカラーと、このカラーを前記取付口に保持する保持部材
と、を備えた燃料ポンプと燃料フイルタとの取付構造
を提供するという技術手段を採用する。

〔作用〕

上記技術手段によれば、燃料ポンプの吸収パイ
プの外周に圧入された燃料フイルタの取付口は、
燃料により膨潤する。この場合、取付口の外周側
への膨潤はカラーにより規制されるため、内周側
へ膨潤した取付口により、吸入口はより強固に締
め付けられる。

（実施例）以下本考案を図に示す実施例について説明す
る。第１図ないし第３図において、１および２は
それぞれ燃料タンク内に配置される燃料ポンプと
燃料フイルタである。そして、アルミダイカスト
等で形成された燃料ポンプ１の底部１ｃには、燃
料タンク内の燃料（ガソリン）を吸い込むための
吸入パイプ１ａと、吸入パイプ１ａに近接した所
に突出した突出部１ｂとが形成されている。

また、燃料フイルタ２は、燃料タンクの燃料内
に含まれたゴミ等をろ過するための網目部２ａ
と、この網目部２ａの形を成形するためのリブ２
ｂと、燃料ポンプ１の吸入パイプ１ａの外周に圧
入されるＬ字状の取付口２ｃとから構成される。
ここで取付口２ｃの内径は吸入パイプ１ａの外径
よりも小さくしてある。そして、取付口２ｃの端
部には、上記突出部１ｂ側にのびるつば部２ｄが
形成され、このつば部２ｄには、突出部１ｂが貫
通する穴２ｅが設けられている。そして、燃料フ
イルタ２は、ナイロン等の熱可塑性樹脂で一体に
形成されている。

そして、燃料フイルタ２の取付口２ｃを燃料ポ
ンプ１の吸入パイプ１ａの外周に圧入する時に、
突出部１ｂがつば部２ｄの穴２ｅを挿入して、位
置決めを行う。また、突出部１ｂにステンレス製
のロツクワツシヤ３を圧入して、燃料ポンプ１に
燃料フイルタ２を固定する。

この時、始めに、取付口２ｃの外周先端部にカ
ラー４を保持しておく。そして、このカラー４は
薄型のパイプ状であり、熱、ガソリン、アルコー
ル混合ガソリン等に対して、寸法変化の少ない金
属や熱硬化性の樹脂（例えばガラス入りのポリア
セタール）で形成されている。また、カラー４の
内径は、燃料ポンプ１の吸入パイプ１ａの径より
も若干大きくしてある。そして、カラー４を取付
口２ｃと共に、吸入パイプ１ａに挿入し、取付口
２ｃがカラー４の内周側と吸入パイプ１ａの外周
側との間に挿入される。また、カラー４は、燃料
ポンプ１の底部１ｃとつば部２ｄとの間にはさま
れて、取付口２ｃの端部外周を覆う。

次に、本考案のカラーの作用について説明す
る。カラー４は熱、ガソリン、アルコール混合ガ
ソリンに対して、寸法変化の小さい金属や熱硬化
性の樹脂（例えばガラス入りポリアセタール）で
形成されているので、高温（60度前後）のアルコ
ール混合ガソリン中でも、寸法変化がほとんどな
い。また、一方、燃料フイルタ２の取付口２ｃ
は、ナイロンで形成されており、外径側へ膨潤し
ようとするが、外周側にはカラー４が配置されて
いるので、外周側への膨潤が規制されているため
に、内周側へも膨潤して、取付口２ｃと吸込パイ
プ１ａとの間をより強固に固定することができ
る。

なお、第４図に示す他の実施例においては、フ
イルタ２の取付口２ｃには、突起２ｇを形成する
ことにより、内周側に段部２ｆが形成され、この
段部２ｆと燃料ポンプ１の吸入パイプ１ａとの間
にＯリング５を挿入してある。そして、このＯリ
ング５の締め代によつて、シールを行つている。
また、中心に吸入パイプ１ａが貫通する穴６ａを
有する椀状のカラー６が、上記突起２ｇの外周お
よび上部を覆つている。そして、カラー６を突起
２ｇの外周に遊嵌合している。また、カラー６の
固定は、突起２ｇより突出する数カ所の固定部２
ｈを一体形成し、カラー６に設けた穴部６ｂに固
定部２ｈを通して、その後第５図に示すように、
この固定部２ｈを熱かしめして、取付口２ｃにカ
ラー６を固定している。

次に本実施例によるカラーの作用について説明
する。まずアルコールガソリン中で初期の段階で
は、カラー６が取付口２ｃの外周に遊嵌合してあ
るので、フイルタ２の取付口２ｃ、Ｏリング５と
もに外径側に膨潤する。ここで膨潤が進むと、フ
イルタ２の取付口２ｃの膨潤がＯリング５の膨潤
より大きな場合、Ｏリング５の締め代が減少す
る。さらに膨潤が進むと、フイルタ２の取付口２
ｃの外径部は、カラー６の内周に当たるため、そ
の後は内径側に膨潤し始める。その為、その後の
Ｏリング５の締め代はしだいに大きくなる。この
様にＯリング５を用いて、シール性を行なう場合
でも金属製のカラー５によつてシール性の確保が
達成される。なお、遊嵌合の寸法は、Ｏリング５
の締め代が、最小の時即ち取付口２ｃの外径がカ
ラー６の内周に当つた時でもシール性が確保され
る様に設定する必要がある。

カラー４を燃料フイルタ２の取付口２ｃに保持
する時には、取付口２ｃにテーパー状の突部を形
成して、この突部にカラー４を保持するようにし
てもよい。

（考案の効果）以上述べたように本考案においては、燃料フイ
ルタの取付口の外周に膨潤性の少ないカラーを挿
入することにより、燃料フイルタの取付口が外周
側に膨潤しても、カラーが膨潤を規制して、取付
口が内周側に膨潤して燃料ポンプの吸入パイプと
取付口とを確実に強固に固定することができると
いう優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案燃料ポンプと燃料フイルタとの
取付構造の一実施例を示す部分断面正面図、第２
図は第１図における底面図、第３図は第１図にお
けるＡ部を拡大した部分断面正面図、第４図は本
考案燃料ポンプと燃料フイルタとの取付構造の他
の実施例を示す部分断面正面図第５図は第４図に
おけるＢ部を拡大した断面図である。１……燃料
ポンプ、１ａ……吸込パイプ、２……燃料フイル
タ、２ｃ……取付口、４……カラー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】燃料タンク内に配置され、燃料タンク内の燃料
を取り込む吸収パイプを有する燃料ポンプと、この燃料ポンプの吸収パイプの外周に圧入され
る膨潤性の取付口を有する燃料フイルタと、この燃料フイルタの取付口の外周に挿入され、
前記取付口の外周側への膨潤を規制する膨潤性の
少ないカラーと、このカラーを前記取付口に保持する保持部材
と、を備えた燃料ポンプと燃料フイルタとの取付構
造。