JPH0418223Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ハウジング内において抜け止め防止
のために接続端子を二重に係止し得る防水コネク
タにおける端子固定装置を提供することにある。

［従来の技術］ 接続端子をハウジング内において係止する場合
に、従来から一般に用いられている方法はハウジ
ングと一体に係止ランスを斜設し、挿入時におい
ては係止ランスを撓ませて、接続端子が所定位置
に達すると元の形状に復帰して接続端子が後方に
抜け出ないようにしているのが一般的である。そ
して、この係止を更に確実にするために、係止ラ
ンスとは別の係止手段により二重に係止する場合
もある。しかしながら、防水型コネクタにおいて
は、この第２の係止手段はシール部材の配置との
関係でなかなか困難とされている。

［考案の目的］ 本考案の目的は、上述の欠点を解消し、防水型
コネクタでありながら係止ランス以外に別の係止
手段を用いて、接続端子の後抜けを確実に防止し
得る防水コネクタにおける端子固定装置を提供す
ることにある。

［考案の概要］ 上述の目的を達成するための本考案の要旨は、
合成樹脂から成るハウジングの収納孔に電線を接
続した接続端子を挿入し、前記ハウジングの内部
に前記ハウジングと一体に設けた係止ランスによ
り前記接続端子の底部を係止し、前記接続端子の
圧着部と前記ハウジングとの間の空間内に前記ハ
ウジングの後方から係止部材を挿入して、該係止
部材を前記接続端子の中間部に設けた係止用突起
と前記ハウジングに設けた爪部との間に介在して
前記接続端子の前記ハウジングに対する係止を行
い、前記係止部材の一部は前記接続端子の圧着部
に当接して前記接続端子の姿勢を安定させ、前記
係止部材の後部の前記電線とハウジングとの間の
空間内にシール部材を挿入したことを特徴とする
防水コネクタにおける端子固定装置である。

［考案の実施例］ 本考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

第１図において、１は合成樹脂から成るハウジ
ングであり、このハウジング１内の収納孔２に電
線３を接続した接続端子４が配置されている。接
続端子４の底部４ａに設けた係止孔４ｂにハウジ
ング１から斜設され可撓性を有する係止ランス５
の爪５ａが抜け止めのために係止されている。接
続端子４の中間部に設けた係止用突起４ｃとハウ
ジング１の爪部６間には、係止部材７の板状の係
止部７ａが介在され、接続端子４の後方への抜け
止めを更に防止している。また、係止部材７の後
方の押さえ部７ｂが圧着部４ｄの一部に当接して
いる。また、この係止部材７の後方には、更に合
成ゴムなどから成るシール部材８が接続端子４の
電線３とハウジング１の間に押し込まれ、後方か
らの浸水を防止するようにされている。なお、本
実施例の接続端子４は挿入用接続端子と嵌合する
受用接続端子であり、その受部には可動接触片４
ｆ等を備えているが、挿入用接続端子であつても
適応できることは勿論である。

接続端子４はハウジング１の後方から挿入さ
れ、この挿入時においては、係止ランス５は接続
端子４の先端部により押し下げられ、接続端子４
が所定の位置に達すると復元して接続端子４の底
部４ａに設けた係止孔４ｂにその爪５ａを嵌入す
るようになつている。接続端子４の挿入後に、接
続端子４の圧着部４ｄの上部のハウジング１内に
係止部材７が後方から挿入され接続端子４を更に
係止する。つまり、この係止部材７は先端部に板
状の係止部７ａを有しており、この係止部７ａが
接続端子４の係止用突起４ｃとハウジング１に設
けられた爪部６との間に嵌入することにより、接
続端子４の後方への抜け防止がなされる。なお、
この係止部材７の挿入に伴つてハウジング１の上
部つまり爪部６の部分は上方に押し上げられ、係
止部材７が所定位置に達した後に復元することに
なる。

従つて、接続端子４を係止ランス５と係止部材
７による二重の係止を行うことによつて、接続端
子４の後抜けが確実に防止でき、更に係止部材７
の装着によつて接続部材４の姿勢が安定すること
になる。また、後部にシール部材８を装着するこ
とによつて後部からの水の浸水を防止することが
できる。また、前方からの浸水に対しては相手側
ハウジングとの嵌合に際して、相手側ハウジング
に装着されたシール部材とこのハウジング１の挿
入部との間でシールがなされることになる。

なお、接続端子４がハウジング１内に複数列に
配置されている場合には、係止部材７は幅広とし
複数個の接続端子４を同時に係止することもでき
る。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係る防水コネクタ
における端子固定装置は、防水型コネクタであり
ながら接続端子に対する二重の係止を可能とし、
確実な固定と防水構造の信頼性を兼ね備えること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る防水コネクタにおける端子
固定装置の一実施例を示し、第１図はその断面
図、第２図は係止部材の斜視図である。 符号１はハウジング、２は収納孔、４は接続端
子、４ａは底部、４ｂは係止孔、４ｃは係止用突
起、５は係止ランス、６は爪部、７は係止部材、
７ａは係止部、８はシール部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂から成るハウジングの収納孔に電線を
   接続した接続端子を挿入し、前記ハウジングの内
   部に前記ハウジングと一体に設けた係止ランスに
   より前記接続端子の底部を係止し、前記接続端子
   の圧着部と前記ハウジングとの間の空間内に前記
   ハウジングの後方から係止部材を挿入して、該係
   止部材を前記接続端子の中間部に設けた係止用突
   起と前記ハウジングに設けた爪部との間に介在し
   て前記接続端子の前記ハウジングに対する係止を
   行い、前記係止部材の一部は前記接続端子の圧着
   部に当接して前記接続端子の姿勢を安定させ、前
   記係止部材の後部の前記電線とハウジングとの間
   の空間内にシール部材を挿入したことを特徴とす
   る防水コネクタにおける端子固定装置。