JPH0418173Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はパワーシートにおける操作スイツチの
取付構造に関する。

〔従来の技術〕

車両用座席においては、例えばシートクツシヨ
ンのリフター動作やシートバツクのリクライニン
グ動作を電動によつて行なわしめるようにした、
いわゆるパワーシートが広く実施されている。

この種のパワーシートは、シートの側部に配設
される操作スイツチを操作してシートに内蔵され
る電動機を作動させることにより所定の調整動作
が行なわれるようになされている。

このパワーシートにおいては例えば第３図に示
す如く、シートクツシヨン１の側部全体及びリク
ライニングデバイス部２を覆う匣体状に形成され
た樹脂製のフイニツシヤー３の所定位置に操作ス
イツチ４を取付け、このフイニツシヤー３をシー
トクツシヨンフレーム１ａの側部及びリクライニ
ングデバイス部２に突設された固定ブラケツト５
ａ，５ｂにスクリユー６によつて固定してある。

従来この種のパワーシートにおける操作スイツ
チ４の取付構造は、第４図及び第５図に示すよう
になつている。フイニツシヤー３にはその側面部
の内面側にボス部７が突設され、またこのボス部
７が突設される側面部に対し略直角に折曲して形
成された外周面部には透孔１２が穿設されてい
る。操作スイツチ４は上記ボス部７に対し支持ブ
ラケツト８を介して直交方向に固定されており、
即ちこの支持ブラケツト８は断面Ｌ字状に形成さ
れ、その一側面部８ａの中央部に形成された切欠
凹部９にケース部が嵌る状態で操作スイツチ４を
一側面部８ａの前後部にスクリユー１０によつて
固定し、さらにこの操作スイツチ４が取付けられ
た状態の支持ブラケツト８をその他側面部８ｂの
前後部においてボス部７に対しスクリユー１１に
よつて固定してある。この取付状態においては操
作スイツチ４はその操作子４ａが透孔１２より外
方へ突出され、この操作子４ａを押圧操作するこ
とによつてシートに内蔵される電動機が作動し、
所定の調整動作が行なわれる如くなされる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来のこのパワーシートにおけ
る操作スイツチの取付構造にあつては、フイニツ
シヤー３が剛性の小さい樹脂性によつて形成され
ているため、操作スイツチ４の操作を繰り返すう
ちに操作スイツチ４より作用する負荷によつて操
作スイツチ４の固定部、即ちボス部７の先端部に
潰れが生じ（第６図Ａ及びＢ参照）、このため操
作スイツチ４全体が傾いて操作子４ａが透孔１２
の縁部と干渉し、スイツチ動作が円滑に行なえな
くなる不具合があつた。

本考案は斯る点に鑑みてなされたもので、簡単
な構成で確実な取付状態の得られるパワーシート
における操作スイツチの取付構造を提供するもの
である。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上述の目的を達成するために、シート
クツシヨンフレームの側部に匣体状のフイニツシ
ヤーが固定され、このフイニツシヤーには、その
一側面部の内面側にボス部が突設されると共に、
このボス部が形成される面と略直交する面部に透
孔が形成され、上記ボス部に操作スイツチが、そ
の操作子を透孔より突出させるように取付けられ
てなるパワーシートにおいて、ボス部に取付けら
れる操作スイツチを、ボス部より剛性が大で、か
つボス部を跨いでフイニツシヤーの内面に当接さ
れる一対の支持脚を有する支持ブラケツトを介し
てフイニツシヤーに対し支持するようにしたもの
である。

このように支持脚を設けたことにより、操作ス
イツチより作用する負荷はボス部に直接加わるこ
となく支持脚を介してフイニツシヤーで受けられ
ることになるので、ボス部には潰れが生じること
はない。

〔実施例〕

以下、第１図及び第２図を参照しながら本考案
の実施例について説明すると、上述した第３図〜
第６図の従来例と対応する部分には同一符号を付
しその説明は省略する。

本例においては、上述した従来例と同様に、操
作スイツチ４を支持ブラケツト８を介してボス部
７に取付るようになされており、この支持ブラケ
ツト８はボス部７即ちフイニツシヤー３を形成す
る樹脂材より剛性の大きい金属材によつて形成さ
れている。

そしてこの支持ブラケツト８の他側面部８ｂの
中央には、その両側縁より所要幅で支持脚１３
ａ，１３ｂがボス部７を跨ぐように垂設されてい
る。この支持脚１３ａ，１３ｂは支持ブラケツト
８と一体の金属材によつて形成され、その高さは
ボス部７の高さより僅かに高く形成されており、
支持ブラケツト８をボス部７に固定した状態では
支持脚１３ａ，１３ｂの端部がフイニツシヤー３
の内面側に当接し、支持ブラケツト８の他側面部
８ｂとボス部７の先端面部との間には僅かな隙間
ａが生じる如くなされている。

このように操作スイツチ４が固定される支持ブ
ラケツト８に支持脚１３ａ，１３ｂを形成したこ
とにより、操作スイツチ４は支持脚１３ａ，１３
ｂを介してフイニツシヤー３に対し支持される状
態となり、操作スイツチ４の操作時には、操作ス
イツチ４より作用する負荷はボス部７に直接加わ
ることなく支持脚１３ａ，１３ｂを介してフイニ
ツシヤー３で受けられることになる。このため操
作スイツチ４の操作を繰り返しても、ボス部７に
は潰れが生じることはなく、従つて操作スイツチ
４全体が傾いて操作子４ａが透孔１２の縁部と干
渉するようなことが確実に防止されるので、常に
スイツチ操作を円滑に行なうことができるもので
ある。

尚、本実施例においては支持脚１３ａ，１３ｂ
を有する支持ブラケツト８は金属材によつて形成
されているが、金属材に限ることなくフイニツシ
ヤー３のボス部７より剛性の大きい材質であれば
よく、例えば硬質樹脂材等を用いることもでき
る。

また、本例では支持ブラケツト８の支持脚１３
ａ，１３ｂの高さをボス部７の高さより僅かに高
く形成してあるが、この支持脚１３ａ，１３ｂは
ボス部７の高さと略等しく形成してもよい。この
場合には支持ブラケツト８の他側面部８ｂとボス
部７の先端面部とは隙間が生じることなく密接さ
れることになり、操作スイツチ４より作用する負
荷はボス部７でも受けられるが、この状態におい
ても操作スイツチ４は前述した実施例と同様にボ
ス部７の両側において支持脚１３ａ，１３ｂによ
つて支持されることになるので、ボス部７には潰
れが生じることはない。

また、支持ブラケツト８における支持脚１３
ａ，１３ｂの形成部位は、本例に示す位置に限る
ことなく、例えば支持ブラケツト８の他側面部８
ｂの前後端部に支持脚１３ａ，１３ｂを対向して
形成するようにしてもよい。

さらにその他の構成においても本実施例が本考
案を特定するものではなく、種々の変化変更が可
能であることは勿論である。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、ボス部に取付け
られる操作スイツチを、フイニツシヤーのボス部
より剛性が大で、かつボス部を跨いでフイニツシ
ヤーの内面に当接される一対の支持脚を有する支
持ブラケツトを介してフイニツシヤーに対し支持
するように構成したので、操作スイツチの操作時
に操作スイツチより作用する負荷は、直接ボス部
に加わらず支持ブラケツトの支持脚を介してフイ
ニツシヤーで受けられることになり、このため操
作スイツチの操作の繰り返しによつてもボス部に
潰れが生じることはなく、従つて操作スイツチが
傾いてスイツチ動作が円滑に行なわれなくなるよ
うな不具合を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるパワーシートにおける操
作スイツチの取付構造の断面図、第２図は同、分
解斜視図、第３図は操作スイツチが取付けられる
フイニツシヤーを有するパワーシートの説明図、
第４図は従来のパワーシートにおける操作スイツ
チの取付構造の断面図、第５図は同、分解斜視
図、第６図Ａ及びＢは同、ボス部が潰れた状態を
示す断面図である。 図中、１はシートクツシヨン、３はフイニツシ
ヤー、４は操作スイツチ、７はボス部、８は支持
ブラケツト、１３ａ，１３ｂは支持脚である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンフレームの側部に匣体状のフ
   イニツシヤーが固定され、該フイニツシヤーに
   は、その一側面部の内面側にボス部が突設される
   と共に、該ボス部が形成される面と略直交する面
   部に透孔が形成され、上記ボス部に操作スイツチ
   が、その操作子を上記透孔より突出させるように
   取付けられてなるパワーシートにおいて、上記ボ
   ス部に取付けられる上記操作スイツチを、上記ボ
   ス部より剛性が大で、かつ上記ボス部を跨いで上
   記フイニツシヤーの内面に当接される一対の支持
   脚を有する支持ブラケツトを介して上記フイニツ
   シヤーに対し支持するようにしたことを特徴とす
   るパワーシートにおける操作スイツチの取付構
   造。