JPH0418005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプラント内に設備される主機モータ及
び複数の補機モータ等を含む設備機器の運転監視
装置に関し、特に運転操作条件が成立していない
場合や、操作ケーブル断線の場合に外部に警報表
示等を行う設備機器の運転監視装置に関する。

最近のプラントは設備の大形化及び省略化の為
にプラント内に設備される主機モータだけでなく
補機モータ等も自動運転されるようになつてき
た。

この種の設備機器を運転するための従来の運転
システムの例を第１図に示す。同図において、１
０は運転操作指令を与えるための操作盤で、１０
ａは運転操作用常開接点、１０ｂは運転停止用常
閉接点、１２は現場の設備機器の運転状態を設備
する回路で、常時は常閉接点の非常停止接点１２
ｂがON状態にある。１４は主機もしくは補機モ
ータの電源回路で、例えばＲ相とＴ相間には交流
制御電源ACが印加されている。１４Ａは操作盤
１０の常開接点１０ａの一端とＴ相との間に接続
された電磁接触器の励磁コイルであり、１４ａは
この励磁コイル１４Ａの励磁により投入される常
開接点である。

上記のような運転システムにおいては、例えば
補機モータ等を運転するために、操作盤１０の運
転操作用の常閉接点１０ａを投入すると、通常で
あれば電磁接触器の励磁コイル１４Ａが励磁さ
れ、それによつて常開接点１４ａがONとなるた
め、常開接点１０ａをOFFにしても励磁コイル
１４Ａの励磁状態が自己保持される。これによつ
て、主機モータ等の運転が行われる。しかしなが
ら、運転状態設定回路１２により現場の運転状態
が成立していない場合、即ち非常停止用常閉接点
１２ｂがOFFの時や、操作ケーブルが断線して
いる場合には、操作盤１０の運転操作用接点１０
ａを操作しても電磁接触器の励磁コイル１４Ａは
励磁されず主機モータ等の運転はできない。

このように従来の運転システムでは、補機モー
タの運転条件成立の有無や、操作ケーブルの断線
の有無等を、主機運転指令を与える前に確認する
手段を備えていなかつたため、運転に不具合を生
じた場合の原因の究明が困難になり、プラントに
設備される各種機器の運転に支障をきたす場合が
あつた。

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、設
備機器における運転操作条件成立の有無や、操作
ケーブルの断線の有無等を監視する手段を操作盤
側に設けることにより、運転指令発生前に予じめ
上記監視手段により所定の監視内容が成立してい
るかどうかの確認を警報表示等により行つて、運
転上のトラブルの原因究明を容易化しプラント内
に設備される各種機器の運転の円滑化を計つた設
備機器の運転監視装置を提供することを目的とす
る。

以下、本考案の一実施例を添付された図面と共
に説明する。

第２図は本考案に係る設備機器の監視装置の一
実施例における基本構成を示すブロツク図で、第
３図は第２図装置の内部回路例を示している。こ
れらの図面において、第１図と同一符号は同一物
もしくは類似物を示している。

本実施例では、現場の設備機器における運転操
作条件成立の有無や、操作ケーブルの断線の有無
等を監視する運転監視回路１６が操作盤１０と現
場の設備機器の運転状態を設定する回路１２との
間に設けられている。また操作盤１０に運転側と
停止側とに切替える切替接点１０Ｓが設けられて
いる。

本考案の主題である運転監視回路１６の詳細を
第４図と共に説明する。

R₁〜R₁₀は抵抗、S₁〜S₄はダイオードブリツジ
を構成する整流器、ZD₁〜ZD₅はツエナーダイオ
ード、XAは補助リレーの励磁コイル、Xaはこ
の励磁コイルXAの励磁によつて付勢される接点
である。また、A₁はＲ相の給電ラインに接続さ
れた端子、A₂はＴ相の給電ラインに接続された
端子、A₃は操作盤１０の切替接点１０Ｓと現場
の設備機器の運転状態設定回路１２内に設けられ
た常開接点１２ａとの接続点Ｐに接続された端
子、A₄は操作盤１０の運転停止側端子STPに接
続された端子、A₅及びA₆は図示されない表示器
等を接続するための端子である。

本考案の一実施例は上記のように構成されてお
り、次にその動作について説明する。

今、現場の接続機器の運転状態設定回路１２に
おいて、例えば補機モータ等の運転条件の成立に
より投入される常閉接点１２ａがON状態であ
り、非常停止時のみ開放される常閉接点１２ｂが
ON状態にあると共に、操作ケーブルに断線が生
じていないと仮定する。

この場合、操作盤１０の切替接点１０Ｓを運転
側RUNに切替えると、電磁接触器の励磁コイル
１４Ａは励磁され、通常の主機モータ等の運転を
行うことができる。この時、端子A₄がオープン
状態であるため補機リレーＸは動作せず、端子
A₅，A₆間には出力が発生しない。

これに対して、運転をする前、即ち操作盤１０
の切替接点１０Ｓが停止位置STPにある時に、
前述した運転条件の成立及び操作ケーブルの断線
の少くとも一方が発生した場合には、次のように
して補助リレーＸが動作する。このような状態で
は端子A₃、切替接点１０Ｓ、停止側端子STP、
端子A₄の閉回路が形成されている。従つて端子
A₁に印加されたＲ相の電位は抵抗R₁〜R₅、抵抗
R₁₀〜R₆を介してダイオードブリツジに印加され
整流される。ダイオードブリツジの出力電圧によ
り補助リレーＸの励磁コイルXAが励磁され、そ
の接点が投入されるため端子A₅，A₆間に出力が
発生する。これによつて、例えば表示器等により
警告表示をすればよい。

本考案は以上のように、設備機器における運転
操作条件成立の有無や、操作ケーブルの断線の有
無等を監視する手段を操作盤側に設けたので、運
転指令発生前に予じめ所定の運転条件の成立を警
報表示手段により確認できる。これによつて、運
転上のトラブルの原因究明を容易化でき、プラン
ト内に設備される各種機器の運転の円滑化を計る
ことができる。また、運転監視回路は運転停止状
態で運転状態設定回路が所定の運転監視内容が成
立していないとき動作するので、運転停止状態に
おいて運転監視回路に不要な電流を流さずに済む
から運転監視回路が長持ちする。更に、運転スイ
ツチとして切換スイツチを用いているので、従来
現場の電磁接触器と操作盤との間に配線されてい
た長い自己保持回路が不要となり、この回路の断
線、接点の不良等による故障がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のプラント等の運転システムの
回路構成図、第２図は本考案に係る設備機器の運
転監視装置の一実施例の基本構成を示すブロツク
図、第３図は第２図の基本構成に基づく内部回路
例を示す構成図、第４図は第３図に示される運転
監視回路の詳細を示す回路図である。 １０……操作盤、１０Ｓ……切替接点、１２…
…運転状態設定回路、１２ａ……常開接点、１２
ｂ……非常停止用常閉接点、１４……電源回路、
１４Ａ……電磁接触器の励磁コイル、１６……運
転監視回路、R₁〜R₁₀……抵抗、S₁〜S₄……整流
器、ZD₁〜ZD₅……ツエナーダイオード、Ｘ……
補助リレー、XA……補助リレーの励磁コイル、
Xa……補助リレーの接点。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 制御電源に、設備機器の運転用電磁接触器の励
   磁コイルと直列に設備機器の運転状態設定回路と
   運転操作盤の運転スイツチとを直列に接続した設
   備機器の運転システムにおいて、 前記運転スイツチを運転側と停止側に切り替え
   る切替スイツチとし、この切替スイツチと並列に
   接続される抵抗回路とこの切替スイツチの停止側
   接点及び前記抵抗回路を介して前記制御電源に接
   続される補助リレー回路とからなる運転監視回路
   を設けたことを特徴とした設備機器の運転監視装
   置。