JPH0417769B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はベニヤレースにより削成されたベニヤ
単板（以下、単板という。）、特に原木が略真円に
至つた後に削成され、繊維直交方向に連続する帯
状単板の巻取り装置に関するものである。

従来技術 従来、上記種類の巻取り装置として、特開昭52
−12908号並びに特開52−31809号に示すように、
ベニヤレースにより削成された繊維直交方向に連
続する帯状単板の切削速度と略同速度で回転駆動
するタツチローラと、該タツチローラの圧接によ
り従転され、前記帯状単板を巻取る巻取りリール
と、該巻取りリールにタツチローラを加圧付勢す
る加圧部材とからなる巻取り装置が一般に知られ
ている。該装置にあつては帯状単板の切削速度と
略同速度で巻取りリールを従転させることが事実
上困難であり、切削速度に較べ巻取りリールの従
転速度が低速度化した場合、巻取りリールに至る
までの般送途中において帯状単板に波打ち現象が
発生する。該状態で帯状単板を巻取つた場合、波
打ちされた単板部分が折曲されながら巻取られる
ため、割れ、並びに破断を発生させる。反対に切
削速度に較べ巻取りリールの従転速度を高速度化
した場合、帯状単板はその速度差により生じる該
巻取りリールの引張力により上記と同様に割れ、
波断を発生させる。上記割れ、破断は通常帯状単
板の繊維方向に沿つて発生するものであり、その
前後側の截断により除去しうるが、単板歩留りが
低下する問題を有していた。

発明の目的 本発明の目的は上記した従来の欠点に鑑み、簡
易な構成により切削速度と巻取り速度が一致しな
い場合であつても割れ、並びに破断を発生させる
ことなく帯状単板を巻取ることが可能なベニヤ単
板の巻取り装置を堤供することにある。

発明の構成 第１図は本発明の概略を示す説明図である。

図中定尺截断装置６はベニヤレースにより削成
され、繊維直交方向に連続する帯状単板Ｓ１を整
列コンベヤ１２に取付けられた定尺截断位置検出
器１３から出力される定尺信号Ｂに基づいて予め
設定された所定長ｌ毎に定尺截断する。そして該
整列コンベヤ１２は定尺截断された截断単板Ｓ２
相互を密接、若しくは密接に近い状態で巻取り位
置に搬送した後、該整列コンベヤ１２と略同速度
で駆動するタツチローラ１４により従転される巻
取りリール２２の外周側に案内糸条２３を介して
截断単板Ｓ２を案内しつつ巻取りを行うものであ
る。

実施例 以下、図面に従つて本発明の実施例を説明す
る。第２図は本実施例を示す説明図である。図中
ベニヤレース１はスピンドル２によりチヤツキン
グされた原木３の外周に截断刃４を当接し、原木
３が略真円に至るまでの切削初期に繊維直交方向
幅が小幅状で、その前後端縁に不揃い部分を有す
る上剥単板（図示せず）を、また原木３が略真円
に至つた後に繊維直交方向に連続する帯状単板Ｓ
１を削成する。尚、図中５は前記截断刃４の上方
箇所において原木３の外周に圧接するプレツシヤ
ーバーである。

定尺截断装置６はコンベヤ７を介して前記ベニ
ヤレース１と接続され、回転駆動するアンビルロ
ール８の上方において外周上の軸線方向に定尺截
断刃９が装着され、後述する定尺截断位置検出器
１３から出力される定尺信号Ｂに基づいて前記ア
ンビルロール８と略同期して一回転駆動する截断
ロール１０と、前記截断ロール１０の搬入側に取
付けられ、コンベヤ７により搬入される帯状単板
Ｓ１を検出して単板検出信号Ａを出力するリミツ
トスイツチ、若しくは光電素子等の単板検出器１
１とを備え、帯状単板Ｓ１の搬送を中断すること
なく、該帯状単板Ｓ１を定尺截断する。

整列コンベヤ１２は搬入された帯状単板Ｓ１の
繊維直交方向幅が所定長ｌ１に達した際、搬送面
上方に取付けられたリミツトスイツチ、若しくは
光電素子等の定尺截断位置検出器１３から出力さ
れ定尺信号Ｂに基づいて截断ロール１０を一回転
駆動させ、帯状単板Ｓ１の定尺截断を行うと共
に、前記単板検出器１１から出力された単板検出
信号Ａに基づいてアンビルロール８と略同期駆動
し、定尺截断された截断単板Ｓ２相互を密接、若
しくは密接に近い状態で整列搬送する。

タツチローラ１４は軸１５に揺動可能に取付け
られた支持ホルダ（図示せず）の先端側に遊転可
能に軸支されると共に、該軸１５に固着され、ベ
ルト１６が張設されるプーリ１７より若干小径状
からなり、整列コンベヤ１２の搬送に従つてその
搬送速度より若干高速度にて回転駆動する。

加圧部材１８は索条２０の一端を軸１４ａに遊
転可能に取付けられたホルダ１９に、また、その
他端にウエイト２１が取付けられてなり、前記タ
ツチローラ１４の上方に遊転可能に支持された巻
取りリール２２の周面に対しタツチローラ１４を
ウエイト２１に対応する加圧力にて圧接させる。

案内糸条２３はタツチローラ１４の下方に配置
されたボビン２４内に捲回されると共に、ガイド
プーリ２５を介してその先端が前記巻取りリール
２２の外周面に粘着テープ（図示せず）により止
着されてなり、搬入される截断単板Ｓ２をガイド
プーリ２５の外周側に案内する。

次に第３図に従つて本実施例の作用を説明す
る。

原木３が略真円に至つた後、ベニヤレース１に
より削成された帯状単板Ｓ１が定尺截断装置６側
に搬送されると、該帯状単板Ｓ１は単板検出器１
１から出力される単板検出信号Ａに基づいて駆動
される整列コンベヤ１２上に搬入される。そして
整列コンベヤ１２上に搬入された帯状単板Ｓ１の
繊維直交方向長が所定長ｌに達すると、截断ロー
ル１０は定尺截断位置検出器から出力される定尺
信号Ｂに基づいて一回転駆動され、帯状単板Ｓ１
をその搬送を中断することなく定尺截断する。上
記動作の繰返しにより搬入される帯状単板Ｓ１は
所定長ｌ１毎に定尺截断された後、整列コンベヤ
１２上において相互の密接、若しくは密接に近い
状態で整列搬送される。

そして上記整列コンベヤ１２の搬送に従つてそ
の搬送速度より若干高速度で回転駆動されるタツ
チローラ１４は圧接される巻取りリール２２を従
転させると共に、搬入された截断単板Ｓ２を案内
糸条２３により従転される巻取りリール２２の外
周側に案内しつつ巻取りを行う。その際、タツチ
ローラ１４は整列コンベヤ１２の搬送速度より若
干高速度で回転駆動し、巻取りリール２２を従転
させるため、その速度差により生じる引張り力に
より搬送途中に発生する截断単板Ｓ２の波打ち状
態を矯正し、その平面性を保持しながら巻取りを
行う。また上記速度差により相互が密接、若しく
は密接に近い状態で搬入された截断単板Ｓ２相互
間に若干の間隙Ｅを形成しながら巻取りを行う。

従つて本実施例は連続する帯状単板Ｓ１を所定
長ｌ１毎に定尺截断し、不連続状態を積極的に形
成して截断単板Ｓ２の巻取りを行うため、整列コ
ンベヤ１２による搬送速度と、タツチローラ１４
による巻取り速度との不一致により生じる截断単
板Ｓ２の波打ち現象、並びに引張り力による割
れ、若しくは破断の発生による単板歩留りの低下
を防止し得る。

尚、本実施例はロータリ形式の定尺截断装置６
により巻取り装置を構成したが、本発明は本実施
例に限定されるものではなく、例えば特公昭56−
13603号における連続切断弁別装置のように上下
ローラと、該上下ローラの搬出側に上下方向へ交
互に片動回動可能で、その刃先を上下ローラにお
ける夫々の周面に当接させ、定尺截断を行うと共
に、弁別を行う定尺切断刃と、該定尺切断刃の回
動位置に対応して上下二段に配置され、該定尺切
断刃の回動位置に基づいて間歇的に駆動される上
下整列コンベヤとを設け、該整列コンベヤ上にお
いて相互が密接、若しくは密接に近い状態で整列
規制された帯状単板の巻取りを行う構成であつて
も実施しうる。

また本実施例はタツチローラ１４の回転速度を
整列コンベヤ１２の搬送速度より若干高速度回転
させ、巻取りを行う構成としたが、本発明の要旨
は上記事項により何ら制限されるものではなく、
例えばタツチローラの回転速度を搬送装置の搬送
速度と略等しく設定し、仮に截断単板の前後端縁
相互が幾分重なり合つたとしても割れの発生を回
避し得るものである。

更に本発明は特開昭57−96802号に示すリーリ
ングユニツトを設けてなる巻取り装置であつても
実施しうる。

発明の効果 以上説明した様に本発明はベニヤレースにより
削成された繊維直交方向に連続する帯状単板を予
め設定された所定長毎に截断する定尺截断装置
と、前記定尺截断装置により定尺截断された截断
単板相互を密接、若しくは密接に近い状態、また
は適宜の間隔を隔てて巻取り位置に搬送する搬送
装置と、前記搬送装置と略同期駆動され、前記巻
取り位置に遊転可能に支持された巻取りリールを
従転させるタツチローラと、従転される巻取りリ
ールの外周に搬入された截断単板を案内し、その
巻取りを可能とする案内糸条とを備えてなる簡易
な構成により切削速度と巻取り速度が一致しない
場合であつても割れ、並びに破断を発生させるこ
となく帯状単板を巻取ることが可能な単板の巻取
り装置である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の概略を示す説明図、第２図は
本実施例を示す説明図、第３図は巻取り状態を示
す説明図である。 図中１はベニヤレース、６は定尺截断装置、１
２は搬送装置としての整列コンベヤ、２２は巻取
りリール、２３は案内糸条、Ｓ１は帯状単板、Ｓ
２は截断単板である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ベニヤレースにより削成された繊維直交方向
   に連続する帯状ベニヤ単板を予め設定された所定
   長毎に截断する定尺截断装置と、 前記定尺截断装置により定尺截断された截断ベ
   ニヤ単板相互を密接、若しくは密接に近い状態、
   または適宜の間隔を隔てて巻取り位置に搬送する
   搬送装置と、 前記搬送装置と略同期駆動され、前記巻取り位
   置に遊転可能に支持された巻取りリールを従転さ
   せるタツチローラと、 従転される巻取りリールの外周に搬入された截
   断ベニヤ単板を案内し、その巻取りを可能とする
   案内糸状とを備えてなることを特徴とするベニヤ
   単板の巻取り装置。