JPH0416654Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、Ｒ−Ｒ方式のCT装置におけるガン
トリの位置検出装置の改良に関する。

（従来の技術） CT装置においては、ガントリ回転部と駆動軸
との間にタイミングベルトを巻掛し、ガントリ回
転部の回転を実現している。そして、ガントリ回
転部の１回転中の基準位置にて一定の回転角毎に
１パルスを出力するフオトインタラプタをガント
リ回転部側に設けると共に、駆動軸側には、それ
ぞれ歯車列を介して、前記ガントリ回転部の１回
転に対応して１パルスを出力するフオトインタラ
プタとフオトエンコーダとを配設し、両インタラ
プタからパルスが同時に出力されるように両者の
調整を行うと共に、これらとフオトエンコーダと
の同期調整を行つて、タイミングベルト部分で生
じるずれ等の不都合を除き、フオトエンコーダの
出力に基づきガントリ回転部の回転位置や速度検
出を行つている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、このような構成の位置検出装置では、
２個のフオトインタラプタ及びフオトエンコーダ
がそれぞれ異なつた場所に置かれることになるた
め、これらの出力の関係を調整するのが熟練者で
あつても難しい。又、部品点数が多いという問題
もある。更に、フオトエンコーダはその構造上内
部のスリツト円板等に歪みが生じ、ガントリ回転
部の回転速度を正確に検出できない場合が生じ
る。

本考案は、上記の問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、エンコーダを使用しない簡単な
構成の、しかも調整が極めて簡単で且つ高精度な
回転速度及び角度位置の検出が可能なガントリの
位置検出装置を実現することにある。

（問題点を解決するための手段） このような目的を達成する本考案は、Ｒ−Ｒ方
式のCT装置のガントリにおいて、回転駆動用の
タイミングベルトと係合する平歯車状の凹凸をガ
ントリ回転部の外周部に設け、この凹凸部の特定
の凹部を、他の凹部より光の反射率が低い表面で
形成するか他の凹部より深く形成し、前記タイミ
ングベルトと係合していない部分の前記凹凸部前
面に、それぞれ発光素子と受光素子を有する２組
のフオトセンサを配設し、一方のフオトセンサは
前記凹凸部の凸部に対向したかどうかによりオ
ン／オフし、他方のフオトセンサは前記特定の凹
部に対向したかどうかによりオン／オフするよう
に前記２組のフオトセンサの感度を設定して、ガ
ントリの回転速度及び位置を求めるための信号を
前記２組のフオトセンサより得るようにしたこと
を特徴とするものである。

（実施例） 以下、図面を参照して本考案の実施例を詳細に
説明する。本考案の一実施例を示す第１図から明
らかなように、本実施例では、タイミングベルト
１と係合していないガントリ回転部２の外周の近
傍に、フオトセンサ装置３が配設されている。こ
のガントリ回転部２は、タイミングベルト１を介
して駆動軸４と連結され、駆動軸の回転により回
転するようになつている。

フオトセンサ装置３近傍の構造の詳細は第２図
で示される。この図から明らかなように、タイミ
ングベルト１の内側は、平歯車状の凹凸が一定ピ
ツチで形成され、同様に設けられたガントリ回転
部２の外周の凹凸部と係合する。尚、ガントリ回
転部２の凹凸部の表面は光反射が可能なように仕
上げられている。

フオトセンサ装置３は、フオトセンサＡとＢを
併設した構造で（フオトセンサＢはその一部分が
示されている）、各フオトセンサは発光素子３１
と受光素子３２より構成され、発光素子３１は制
御回路５より駆動され光ブームを発し、受光素子
３２は反射ビームを受光しこれを電気信号に変換
して制御回路５に送る。

フオトセンサＡはその前面にガントリ回転部２
の凸部が位置したときにのみ発光素子から出てい
る光ビームが凸部で反射して受光素子に入射する
ように発光素子と受光素子との角度位置が調整さ
れている。従つて、フオトセンサＡの前面に凸部
が位置したときはON信号、凹部が位置したとき
はOFF信号が受光素子より得られる。

一方、フオトセンサＢはフオトセンサＡより感
度を低くしてあり、ガントリ回転部２の凸部でも
凹部でも同様にON信号が得られるようになつて
いる。但し、ガントリ回転部２の凹凸部の特定の
凹部には、第３図に斜線で示したように、光を反
射しない部分（例えば、黒色塗料を塗布した部
分）２１を設けてあり、この部分が前面に位置し
たときは、OFF信号が得られるようになつてい
る。

このような構成において、駆動軸４を駆動する
とガントリ回転部２は第４図イに示すようなパタ
ーンで回転する。この回転に応じてフオトセンサ
Ａからは第４図ロに示すようなON／OFF信号出
力が得られ、又フオトセンサＢからは同図ハに示
すようなONN／OFF信号出力が得られる。フオ
トセンサＡの出力からはガントリの回転速度及び
フオトセンサＢの出力を参照してON〜OFF信号
のパルス数より回転角度位置を知ることができ
る。

尚、フオトセンサＢによる位置検出方式は上記
実施例に限定されるものではなく次のようにして
もよい。即ち、ガントリ回転部の凹面に黒色塗料
を塗布する代りに、明度の異なる灰色塗料を複数
箇所に塗布し、それぞれの明度に対応した感度を
有する複数のフオトセンサを用いることで複数箇
所の位置検出が可能となるように構成してもよ
い。又、黒色塗料の塗布に代えて、第５図に矢印
Ｃで示すように凹部の深さを異ならせ各深さに対
応して感知できるフオトセンサを用い、位置検出
するようにしてもよい。

（考案の効果） 以上述べたように本考案によれば、次のような
効果がある。

(1) ガントリ回転部の凹凸部がそのまま２種（一
定の回転角毎に１パルスを出力するためのもの
と１回転毎に１パルスを出力するためのもの）
のフオトエンコーダの役割を果すため、従来の
ように別個にエンコーダを設ける必要がなく、
部品点数の低減やコストダウンが図れる。

(2) 困難な調整が必要でなくなる。

(3) ギヤ等を介さないで、直接にガントリの回転
状態を検知することができるため、ガントリ回
転を高精度に検出でき、確実な制御が可能とな
る。

(4) １回転毎に１パルスを得る場合にも、前述の
ように凹凸部を利用し、凹凸部の特定の凹部の
表面に黒色塗料等を塗るか若しくは深い凹部に
するだけでよいので、一層簡単且つ安価な構成
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るガントリの位置検出装置
の一実施例を示す概略構成図、第２図はガントリ
回転部の詳細な部分的構成図、第３図はガントリ
回転部の凹凸部の平面図、第４図は動作を説明す
るための図、第５図はガントリ回転部の凹凸部の
他の実施例を示す構成図である。 １……タイミングベルト、２……ガントリ回転
部、３……フオトセンサ装置、４……駆動軸、５
……制御回路、３１……発光素子、３２……受光
素子、Ａ，Ｂ……フオトセンサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｒ−Ｒ方式のCT装置のガントリにおいて、回
   転駆動用のタイミングベルトと係合する平歯車状
   の凹凸をガントリ回転部の外周部に設け、この凹
   凸部の特定の凹部を、他の凹部より光の反射率が
   低い表面で形成するか他の凹部より深く形成し、
   前記タイミングベルトと係合していない部分の前
   記凹凸部前面に、それぞれ発光素子と受光素子を
   有する２組のフオトセンサを配設し、一方のフオ
   トセンサは前記凹凸部の凸部に対向したかどうか
   によりオン／オフし、他方のフオトセンサは前記
   特定の凹部に対向したかどうかによりオン／オフ
   するように前記２組のフオトセンサの感度を設定
   して、ガントリの回転速度及び位置を求めるため
   の信号を前記２組のフオトセンサより得るように
   したことを特徴とするCT装置のガントリの位置
   検出装置。