JPH0416629B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内燃機関に燃料を供給する液体燃料
噴射ポンプ装置に関し、該装置は、使用時に装着
機関の噴射ノズルに接続される出口と、圧力燃料
を充填期間中に高圧ポンプに供給する低圧供給ポ
ンプと、高圧ポンプの入口に供給ポンプを接続す
る通路装置と、高圧ポンプから高圧燃料をそらせ
て前記出口を通つて供給される燃料量を制御する
電気的に制御される逃げ弁を含む形式のものであ
る。

電気的に制御される逃げ弁の使用は、使用され
る装着機関に供給される燃料量の極めて精密な制
御を可能にする。多くの場合、この弁は、電磁気
的に作動されかつ電子制御システムによつて制御
される。電気的な故障が起こつた場合は、逃げ弁
が開位置に動いて装着機関への燃料の供給を防止
するように配置されている。機関を始動しかつこ
の機関で駆動される車輌を例えば安全な場所にも
たらすために制限された出力で運転させるように
燃料を機関に供給させる或る種の装置を設けるこ
とが望ましい。

本発明の目的は、この要望を達成できる上記形
式の装置を提供するにある。

本発明によれば、上記形式の装置において、前
記通路装置はこの通路装置を通る燃料流量に可変
的な制限を与えるように作用する弁と、前記弁と
組合つて前記逃げ弁を閉じるように作用する機械
的連動装置を含む。

図面を参照しつつ、本発明による燃料噴射ポン
プ装置の一例について、以下に本発明を説明す
る。

図において、この装置は、全体を10で示しかつ
ばね負荷型送出弁１４によつて、全体を15で示し
かつ回転式の分配部材１６を含む燃料分配器に接
続された出口通路１３をもつ内孔内を往復運動可
能なプランジヤ１１を含む高圧燃料噴射ポンプを
含む。燃料分配器１５は、ポンププランジヤの連
続内向き運動中に送出された燃料を、装着機関の
燃料噴射ノズルにそれぞれ接続された多数の出口
１７に順次分配する。この分配部材１６は、送出
弁１４を介して出口通路１３と接続する本体側の
円周溝に整合する一対の向き合つた縦方向の溝を
備えている。

プランジヤ１１は、タペツト機構１８に係合
し、かつ駆動軸２０上に取付けられたカム１９に
より上向きに駆動され、他方、レバー及び前記カ
ムによつて作動される別のタペツト機構（図示せ
ず）によつて下向きに駆動される。駆動軸２０は
また、傘歯車２１を担持し、この歯車は分配部材
１６に連結された別の傘歯車２２と噛合う。駆動
軸は装着機関と調時関係を保つて駆動される。分
配部材１６の一部を形成するこの軸は、燃料の入
口２４と出口２５をもつ低圧燃料供給ポンプのロ
ータ２３を担持する。使用時にはこの入口は、燃
料源に接続され、かつ出口２５は全体を26で示す
燃料貯留部に接続される。燃料貯留部は、シリン
ダ２８内に滑動可能に取付けられたピストン２７
を含み、ピストン２７は圧接コイルばね２９によ
つてシリンダの一端に向けて偏倚されている。シ
リンダの壁にはポート３０が設けられ、ポート３
０は、ピストンがばね２９の作用に抗して予め定
めた距離を移動させたときに開口される。ポート
３０は低圧ポンプの入口２４と連通し、ピストン
はこのポンプの出力圧力を制御するように作用す
る。ばね２９を含んだシリンダの末端は、入口２
４と連通する。

プランジヤ１１を有する内孔１２の壁には円周
溝３３が形成されかつこれは高圧ポンプ用の燃料
入口を構成する。

円周溝３３は通路装置３４によつて貯留部２６
と連通し、弁３５は通路装置３４を通る燃料流量
を制御する。貯留部２６は通路３７によつて全体
を３８で示す逃げ弁（スピルバルプ）と連通す
る。逃げ弁３８は弁座３８ａと協働するような円
周突起３８ｂをもつばね負荷型弁部材３９を含
む。この弁部材は、開位置にばね３９ａにより偏
倚されかつ弁３８と組合わされたソレノイド装置
４１が付勢されると弁座と接触状態に押動され
る。

ソレノイド装置が除勢されると、ばねが弁部材
３９を弁座３８ａとの密封係合から解除して出口
通路１３から通路３７へ燃料の流路を切換える。

プランジヤ１１は、カムによつて定められるそ
の最大下向き位置にあるときは、円周溝３３を、
内孔１２とプランジヤで形成されたポンプ室へ開
口する。いま、弁３５が開かれかつプランジヤが
ポンプ室に燃料が充満した状態でその行程の最大
下向き位置にあるものとする。駆動軸２０が回転
すると、プランジヤ１１に上向き運動が与えら
れ、溝３３はプランジヤの端部によつて覆われ
る。ポンプ室内の燃料は、この時点では通路１３
に沿つて排除され、かつもし逃げ弁３８が第１図
に示された閉位置にあれば、燃料は送出弁１４お
よび分配部材１６の縦方向の溝を通つて出口１７
に排除される。もし、この燃料排除中、または排
除が始まる前に逃げ弁が開かれれば、燃料は通路
３７から貯留部２６に戻されるであろう。その結
果、出口１７へは燃料が流れない。供給される最
大燃料量は、プランジヤの端部が溝３３を覆つた
後に起こるプランジヤの行程によつて定まる。逃
げ弁は任意の時点で作用されて燃料送出のタイミ
ングと送出燃料量を定める。漏洩溝４２が内孔１
２内に設けられかつ燃料入口２４に接続され、ま
た別の溝４３が設けられこれは潤滑剤の供給源に
接続される。

プランジヤの下向き運動は、上記の別のタペツ
ト機構によつて実施され、かつもし逃げ弁３８が
開位置のままであれば、燃料は逃し弁を通つて通
路３７から内孔１２に流入される。溝３３がプラ
ンジヤによつて開口されれば若干量の燃料が更に
内孔内に流入し、またプランジヤの下向き運動中
にもし逃し弁が閉じられればすべての燃料は溝３
３を通つて内孔内に流入する。

ソレノイド装置４１を付勢するシステム及び／
またはこの装置自身が故障した場合は、逃げ弁が
そのばね３９ａの作用を受けて開位置に動き、こ
れにより燃料は装着機関には供給されない。故
に、もし故障の場合に逃げ弁が閉位置のままであ
れば最大量の燃料が機関に供給されて機関の過回
転を引起し機関を破損に至らしめることも考えら
れるので、逃げ弁３９を開位置に働かすことによ
り機関は保護される。

緊急時に、特別量の燃料を機関に供給できるよ
うに、第２図および第３図に詳記した弁３５が設
けられる。既述のように弁３５は、実際には二つ
の通路３４Ａと３４Ｂを含む通路装置３４を通る
燃料量を制御する。通路３４Ａは、この装置の正
常運転中、内孔への燃料流量に制約が加わらない
ような可成りの径サイズをもつ。弁３５は角度的
に可動な弁部材４４が配設され、この部材には、
弁部材が第１位置にあるとき、何等の制約もなし
に通路３４Ａの二つの部分を接続することができ
る径の穿孔４５が形成されている。通路３５Ｂ
は、その径は小さく、それ自身、燃料流量に或る
制限を与える。弁部材４４は、穿孔４６をもち、
これは第２図に示すような弁部材の第２位置にお
いて通路３４Ｂ中に介装されている。穿孔４６は
レストリクタを形成しており、これは通路３４Ｂ
を通る燃料流量に制限をさらに与え、弁部材４４
の角度位置を微調整することにより、一層微妙な
制御を可能にする。第３図に示されかつ第１位置
と第２位置との間にある第３位置において、両方
の穿孔はそれらの各通路との整合は外れるので、
これらの通路からの噴射ポンプへの燃料流量は生
じない。

制御システム及び／またはソレノイド装置４１
に故障が起きた状態において、弁３５は第２位置
に移動される。これは内孔１２への制限された燃
料流量を与える。しかし、逃げ弁３８は閉じられ
なければならず、さもなければ、プランジヤの下
向き運動中、内孔は燃料で満たされるが、重要な
ことは、プランジヤの上向き運動中、すべての燃
料は貯留部に戻るであろうということである。故
に、リンク仕掛で構成された機械的連動装置を弁
３５と逃げ弁３８との間に設けて、弁３５がその
第２位置に移動されたとき逃し弁がその閉位置に
移動されることを保証しなければならない。逃げ
弁を閉位置にした状態で、高圧ポンプのポンプ室
への燃料の流入が通路３４Ｂを通つて行われ、か
つ燃料流量は制限されるので高圧ポンプの送出量
は制限されるであろう。穿孔４６内のレストリク
タの径サイズは、機関の発生する最大出力を定め
る。しかし、この装置は機関の始動は可能にする
が、その出力はこのレストリクタのスロツトル作
用によつて厳密に制御されるであろう。

弁３５は、例えば装置の正常使用状態において
逃げ弁の弁部材が閉位置に固着するというような
好ましくない場合に必要とされるような緊急停止
を行うために、第３図に示すような第３位置に動
かすことができる。第３図から判るように、通路
３４Ａと３４Ｂは、閉じられるので、高圧ポンプ
の出口１３からの燃料の逃げもなければ、このポ
ンプへの燃料供給も実施されないので、機関への
燃料供給は停止することになる。

第１図には種々の他の通路が示され、その一つ
は４７で示すもので、この通路はソレノイド装置
４１を冷却するために貯留部２６から燃料流量を
提供するものである。通路４７は装置４１内への
その入口点にレストリクタ４８をもち、燃料の流
量を制限し、かつソレノイド装置を離れる燃料は
出口通路４９を通つてドレン、好適には燃料供給
タンクへ流動する。

以下に機械的連動装置に関連して弁部材４４の
動きと逃げ弁の閉鎖について述べるが、まず逃げ
弁の閉鎖に関して考える。逃げ弁の弁部材３９の
動きは、第４図に見る角度的に可動な軸５０の末
端に形成されたカム形状体５０Ａによつて達成さ
れる。軸５０の末端は第５図に示され、この図に
おける諸部品の配置は第４図に示すものとは反対
になつていることに注意するべきである。軸５０
はこの装置のハウジングの周辺に延び、延長部分
に、軸上で角度的に可動なブツシユ５１Ａから延
びるレバー５１を担持する。このレバーは機械的
連動装置の主要構成部品を形成している。また、
別のブツシユ５１Ｂが軸に取付けられ、このブツ
シユは軸を貫通するビンによつて軸に固定され
る。ブツシユ５１Ａと５１Ｂは、ブツシユ５１Ａ
を囲みかつ前記ピンの突出部分と係合する一端を
もつコイルばね５２によつて互いに係合するよう
に偏倚されている。ブツシユ５１Ａは突出部５３
を有し、これは停止具５４と係合し、ブツシユ、
軸、レバー及び突出部分は別のばねによつて偏倚
され、このばねの尾部は５３Ａで示され、これに
より突出部５３は停止具５４と係合する。この位
置において、カム形状体５０Ａは弁部材３９から
離れる。

弁３５の弁部材４４は、ハウジングの周辺上に
延びる軸５５を形成するように延ばされる。軸５
５はレバー５６を担持し、その運動範囲は一対の
停止具５７によつて制限される。このレバーは、
作動ケーブルに接続される外方へ延びる突出部分
５８とレバー５１と係合するための内方へ延びる
突出部分５９を担持する。レバー５６は、この装
置の正常作用時には第６図において実線で示す位
置に保持され、この位置において、弁部材４４の
穿孔４５は通路３４Ａの部分間の連通を行なう。

レバー５６が第６図の参照数字６０で示す位置
へ反時計方向に移動されると、弁部材４４は第３
図に示すその第３位置を占める。この位置におい
て、通路３１Ａと３１Ｂを通る燃料の流れは防止
され、装着機関は停止するであろう。レバー５６
が前記位置に動かされると、突出部分５９はレバ
ー５１と係合し、このレバーを更に反時計方向に
動かし始めると軸５０に角運動を生ぜしめる。軸
５０上のカム形状体５０Ａはレバー５６が位置６
０に達するまで逃げ弁の弁部材３９を押動しつづ
けて弁座と接触状態にさせる。しかし、レバー５
１を一方の制限停止具５７に向けて６１で示す位
置へ連続的に動かすと、ばね５２はそれ自体弾性
変形するので、逃げ弁３９の閉鎖後は、軸５０の
それ以上の角運動は起こらない。しかし、レバー
５６の運動は、弁部材４４を徐々に開いて位置６
１において最大流量になるまで通路３４Ｂに沿つ
て連通し、この最大流量は、穿孔４６によつて与
えられる制限の程度によつて決められる レバーが第２位置６０を越えて移動されると、
装着機関は始動されかつ低出力で運転されて、こ
の機関によつて駆動される車輌が動かされる。突
出部分５８に連結された作動ケーブルは手動操作
レバーに連結される。レバー５６が位置６０，６
１との間で動かされると、スロツトル作用の調節
が行なわれる。このことは、限定された低出力範
囲での車輌の速度制御が可能であることを意味し
ている。

レバー５６と５１はこの装置の外側に位置する
ので、これらのレバーは干渉を受け特にレバー５
１は通常の運転位置においてレバー５６によつて
逃し弁３８を閉じる可能性がある。これを防ぐた
めに、急停止機構（図示せず）を設けてレバー５
１はレバー５６が動かなければ動かないように保
証する。

上記した構成を備えた本発明に依る液体燃料噴
射ポンプ装置は、逃げ弁３８を作動するソレノイ
ド装置４１或いはその電気的制御回路に故障に際
し、逃げ弁の閉じ位置への復帰と制限された燃料
通路３４Ｂの迅速な切換えを主に第６図に示した
如き簡素な連動装置の利用により同時かつ確実に
行うことを特徴としており、このことにより装着
機関の再始動が即座に行え、併せて再始動後の装
着機関の回転数は低い値の範囲に限定され、かつ
その範囲で可変であるために、自動車にこの装着
機関が用いられるならば、所謂「エンスト」状態
に陥つた後、直に再始動し、ゆつくりと安全な場
所への待避が可能となり、交通安全を寄与すると
ころ多大である。また、前述したように、制限さ
れた量の燃料で再始動されかつ運転されるので装
着機関の回転数が過度に上昇する事が防止され、
機関をこの事による破損から保護するというポン
プ装置自体の直接的効果をも生ずるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による装置の概略構成図、第
２図及び第３図は、第１図において第１設定位置
で示された部品の異なる設定位置を示す図、第４
図は、本装置の一実施例の部品の切断平面図、第
５図は、第４図と直角に見た切断側面図、第６図
は、第５図と直角に見た外方側面図である。 図中の符号、 １０……高圧燃料噴射ポンプ、１
１……プランジヤ、１２……内孔、１３……出口
通路、１４……送出弁、１５……燃料分配器、１
６……分配部材、１７……出口、１８……タペツ
ト機構、１９……カム、２０……駆動軸、２１…
…傘歯車、２２……傘歯車、２３……ロータ、２
４……入口、２５……出口、２６……燃料貯留
部、２７……ピストン、２８……シリンダ、２９
……圧縮コイルばね、３０……ポート、３３……
円周溝、３４……通路装置、３４Ａ，３４Ｂ……
通路、３５……弁、３７……通路、３８……逃げ
弁、３８ａ……弁座、３８ｂ……円周突起、３９
……弁部材、４１……ソレノイド部材、４２……
漏洩溝、４３……溝、４４……弁部材、４５……
穿孔、４６……穿孔、４７……通路、４８……レ
ストリクタ、４９……出口通路、５０……軸、５
１……レバー、５０Ａ……カム形状体、５１Ａ，
５１Ｂ……ブツシユ、５２……コイルばね、５３
……突出部分、５４……停止具、５５……軸、５
６……レバー、５７……停止具、５８，５９……
突出部分、６０，６１……レバー位置を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内燃機関に燃料を供給する液体燃料噴射ポン
   プ装置において、使用時に、装着機関の噴射ノズ
   ルに接続される出口をもつ高圧往復動燃料噴射ポ
   ンプと、圧力燃料を高圧ポンプにその充填中に供
   給する低圧供給ポンプと、供給ポンプを高圧ポン
   プの入口に接続する通路装置と、高圧ポンプから
   高圧燃料をそらせそれによつて前記出口を通つて
   供給される燃料量を制御するように作用する電気
   的に制御される逃げ弁と、前記通路装置内に配設
   され前記通路装置を通る燃料流量の可変的な制限
   を提供するように作用する弁と、前記弁に関連し
   て作用し前記逃げ弁を閉じる機械的連動装置を含
   む液体燃料噴射ポンプ装置。 ２ 前記弁が前記通路装置を通る燃料の流れを防
   止するように付加的に作用する特許請求の範囲第
   １項記載の液体燃料噴射ポンプ装置。 ３ 前記通路装置が第１及び第２通路を含み、前
   記弁の弁部材が前記通路と対応する穿孔を具備
   し、第１通路と各自の穿孔が正常運転時において
   かつ弁の第１位置において高圧ポンプへの燃料の
   ほぼ制限されない流量を提供し、弁の両方の穿孔
   が弁がその第２位置において前記両方の通路との
   整合から外れた状態において、前記第２通路と各
   自の穿孔が第２位置から第３位置へ弁が移動され
   るとき可変であるが制限された燃料流量を提供す
   る特許請求の範囲第１項記載の液体燃料噴射ポン
   プ装置。 ４ 弁の前記第３位置において前記通路装置を通
   る燃料流量が防止される特許請求の範囲第３項記
   載の液体燃料噴射ポンプ装置。 ５ 前記機械的連動装置が、角度的に可動な第１
   軸と、前記第１軸の部分回転時に前記逃げ弁と係
   合するように前記軸上に形成されたカム形状体
   と、前記第１軸に取付けられた第１レバーと、前
   記通路装置内の前記弁に連結された第２軸と、前
   記第２軸に取付けられた第２レバーと、第２レバ
   ーが前記弁を第１位置から第２位置に動かすとき
   前記第１レバーと係合するための前記第２レバー
   に設けられた突出部分とを含み、これにより前記
   逃げ弁が、前記通路装置内の弁がその第２位置に
   あるとき閉じられる特許請求の範囲第４項記載の
   液体燃料噴射ポンプ装置。 ６ 前記逃げ弁が閉じられた後に、第２レバーの
   作用により第１レバーの連続運動を許すように第
   １レバーを第１軸に連結する装置を含む特許請求
   の範囲第５項記載の液体燃料噴射ポンプ装置。 ７ 前記第２レバーの作用の場合を除き前記逃げ
   弁を閉じる方向への前記第１レバーの運動を防ぐ
   ように作用する急停止機構を含む特許請求の範囲
   第６項記載の液体燃料噴射ポンプ装置。