JPH04160164A - 金属メッキされたα−オレフィン系重合体不織布およびその製造方法、ならびに該不織布からなる電磁波シールド材 - Google Patents

金属メッキされたα−オレフィン系重合体不織布およびその製造方法、ならびに該不織布からなる電磁波シールド材

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JPH04160164A
JPH04160164A JP3000519A JP51991A JPH04160164A JP H04160164 A JPH04160164 A JP H04160164A JP 3000519 A JP3000519 A JP 3000519A JP 51991 A JP51991 A JP 51991A JP H04160164 A JPH04160164 A JP H04160164A
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graft
plated
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nonwoven fabric
olefin polymer
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JP3000519A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Yasutake
安 武 達 雄
Tadatoshi Yoshimura
吉 村 忠 敏
Tomoyuki Imai
今 井 知 之
Toshiki Matsui
松 井 敏 樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Toda Kogyo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
[00011
【産業上の利用分野] 本発明は金属メッキされたα−オレフィン系重合体成形
体およびその製造方法に関し、特に、金属メッキ層とα
−オレフィン系重合体からなる基材との密着性に優れた
金属メッキされたα−オレフィン系重合体成形体および
該成形体を得ることができる方法に関する。 [0002] 【従来の技術】 ところで、金属メッキの方法として、外部電源を利用し
て電気化学反応によって陰極板上に金属を析出させる電
気メッキ法と、還元剤によりメッキ液中に溶解されてい
る金属を還元して基材の表面に析出させることにより、
金属メッキ層を形成させる化学メッキ(無電解メッキ)
法とがある。電気メッキは、金属等の良導体からなる基
材(被メッキ物)に金属メッキを施す場合に用いられる
方法である。これに対して、化学メッキ法は、良導体の
みならず、紙、不織布、プラスチック等の非導電性材料
に金属メッキを施すことができる方法である。しかも、
化学メッキでは、金属蒸着やスパッタ等の物理的な方法
で用いられるような大規模で特殊な装置を必要とせず、
また基材(被メッキ物)として相当複雑な形状のものに
も適用することができるという利点がある。このような
化学メッキによれば紙、不織布、プラスチック等の非導
電性材料の表面に金属メッキを施し、これらの非導電性
材料に導電性や磁性等を付与することができる。そのた
め、化学メッキ法は、新しい複合材料を製造するための
方法として、最近注目されている。 [0003] この化学メッキ法により各種非導電性材料に金属メッキ
を施す方法が種々提案されている。例えば、特開昭61
−207666号公報には、陽イオン性、陰イオン性お
よび非イオン性界面活性剤の1種または2種以上を含む
パラジウムヒドロゾル中に、セルロース繊維成形物を浸
漬し、セルロース繊維成形物の外層部にパラジウムコロ
イド粒子を吸着させた後、水洗するか、または水洗、乾
燥し、次いで、パラジウムコロイド粒子が吸着している
セルロース繊維成形物を化学メッキすることによって、
外層部の構成繊維のみが金属メッキされたセルロース繊
維成形物を得る方法が開示されている。 [0004] また、特開昭62−215069号公報には、陽イオン
性、陰イオン性および非イオン性界面活性剤の1種また
は2種以上を含むパラジウムヒドロゾル中に糸を浸漬し
て、糸の表面にパラジウムコロイド粒子を吸着させ、次
いで、水洗、濾過した後、パラジウムコロイド粒子が吸
着されている糸を化学メッキすることによって、表面が
金属メッキされた糸を得る方法が開示されている。この
方法において、被メッキ物である糸として、毛、絹、綿
等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン等の化学繊維な
どが挙げられている。 [0005]
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この特開昭62−215069号公報に記載の
方法を適用して、α−オレフィン系重合体からなる不織
布の表面に金属メッキ層を形成することを試みた。しか
し、α−オレフィン系重合体、例えば、ポリプロピレン
は、もともと親木基を有しないものであるため、上記特
開昭62−215069号公報に記載の方法によっては
、金属メッキ層と不織布からなる基材層との間の密着性
が不十分っな。 [0006] そこで本発明の目的は、密着強度に擾れ、表面光沢が良
好で膨れかない金属メッキ層を表面に有する、金属メッ
キされたα−オレフィン系重合体成形体を提供すること
にある。 [0007]
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、不飽和カルボン
酸およびその酸誘導体から選ばれる少なくとも1種のグ
ラフト変性単量体でグラフト変性された表面を有するα
−オレフィン系重合体からなる基材と、該基材の少なく
とも片面に形設された化学金属メッキ層とを有する金属
メッキされたα−オレフィン系重合体成形体を提供する
も・のである。             ;:。 [0008] また、本発明は、不飽和カルボン酸およびその酸誘導体
から選ばれる少なくとも1種のグラフト変性単量体でグ
ラフト変性された表面を有するα−オレフィン系重合体
不織布からなる基材と、該基材の少なくとも片面に形設
された化学金属メッキ層とを有する金属メッキされたα
−オレフィン系重合体成形体を提供するものである。 [0009] 前記α−オレフィン系系重合体不織布力水ポリプロピレ
ン系不織布あると、好ましい。 [0010] 前記グラフト変性単量体が、アクリルアミドであると、
好ましい。 [0011] また、本発明は、前記金属メッキされたα−オレフィン
系重合体成形体の製造方法として、α−オレフィン系重
合体からなる基材に不飽和カルボン酸およびその酸誘導
体から選ばれる少なくとも1種のグラフト変性単量体を
グラフト共重合させて、少なくとも表面がグラフト変性
された基材を製造し、該グラフト変性さ基材の表面に定
着させた後、化学金属メッキ処理を行なう工程を有する
金属メッキされたα−オレフィン系重合体成形体の製造
方法をも提供するものである。 [0012] また、この製造方法の実施態様として、α−オレフィン
系重合体不織布からなる基材に不飽和カルボン酸および
その酸誘導体から選ばれる少なくとも1種のグラフト変
性単量体をグラフト共重合させて、少なくとも表面がグ
ラフト変性された基材を製造し、該グラフト変性された
基材の被メッキ対象面をパラジウム化合物で処理して該
パラジウム化合物を基材の表面に定着させた後、化学金
属メッキ処理を行なう工程を有する金属メッキされたα
−オレフィン系重合体成形体の製造方法を提供するもの
である。 [0013] 前記α−オレフィン系重合体不織布が、ポリプロピレン
系不織布であると、好ましい。 [0014] 前記グラフト変性単量体が、アクリルアミドであると、
好ましい。 [0015] 前記パラジウム化合物による処理が、基材を不飽和カル
ボン酸およびその酸誘導体から選ばれる少なくとも1種
のグラフト変性単量体でグラフト共重合されて少なくと
も表面がグラフト変性された基材を、パラジウムヒドロ
ゾル中に浸漬して該基材の表面にパラジウムコロイド粒
子を吸着させた後、該基材を水洗して該基材に吸着して
いないパラジウムコロイド粒子を除去する工程からなる
と、好ましい。 [0016] 以下、本発明について詳細に説明する。 [0017] 本発明の金属メッキされたα−オレフィン系重合体成形
体の基材に用いられるα−オレフィン系重合体は、α−
オレフィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンの
共重合体、もしくはα−オレフィンを主成分とし、α−
オレフィンと該α−オレフィンと共重合可能な他の化合
物との共重合体である。 このα〜オレフィンとしては
、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メ
チル−1−ペンテン等が挙げられる。 [0018] このα−オレフィン系重合体の具体例として、ポリエチ
レン、ポリプロピレンプロピレン−エチレン共重合体等
が挙げられる。 [0019] このα−オレフィン系重合体からなる基材の形態は、い
ずれのものでもよく、特に制限されない。例えば、α−
オレフィン系重合体のシート、フィルムあるいはα−オ
レフィン系重合体を溶融紡糸して得られるフィラメント
を主成分とする不織布などが挙げられる。特に、本発明
は、基材として、ポリプロピレン系不織布を用いる場合
に、好ましく適用される。このポリプロピレン系不織布
としてはプロピレンを主成分とするフィラメントを含む
不織布であり、例えば、ポリプロピレン、またはプロピ
レンを主体とし、これに少量のエチレンを共重合させて
得られるプロピレン−エチレン共重合体を溶融紡糸して
なるフィラメント;またはポリプロピレンを主体とし、
ポリプロピレンに対して相溶性を有するポリアミド系、
ポリアクリル系等の他の熱可塑性重合体との混合物を溶
融紡糸して得られるフィラメント;あるいはプロピレン
系重合体を溶融紡糸して得られるフィラメントと前記ポ
リプロピレンに対して相溶性を有する他の熱可塑性重合
体を溶融紡糸して得られるフィラメントとの混合フィラ
メントを、接着剤を用いるか、熱融着するか、あるいは
機械的にフィラメントを絡みあわせて形成された不織布
が挙げられる。これらのポリプロピレン系不織布の中で
も、特に、不織布としての生産性、経済性、強度等の点
で、ポリプロピレン単独からなるフィラメントを熱融着
によって成形してなる不織布が好ましい。 [00203 また、本発明において、基材としてα−オレフィン系重
合体からなる不織布を用いる場合、そのα−オレフィン
系重合体からなる不織布の厚さは、通常、160〜43
0μm程度、好ましくは160〜360μm程度である
。また、目付量は、通常、20〜100g/m 程度で
あり、20〜70g/m2程度であル(7)が好ましい
。 [00213 また、本発明の金属メッキされたα−オレフィン系重合
体成形体は、前記基材の少なくとも片面に、化学金属メ
ッキ層を有するものである。 [0022] この化学金属メッキ層を構成する金属としては、銅、ニ
ッケル、コバルト、銀白金、金等が挙げられ、要求され
る特性、性能等にしたがって適宜選択される。例えば、
金属として銅を用いた場合には、電磁波シールド特性に
優れた成形体が得られる。特に、金属として銅を用い、
基材として不織布を用いる場合には、電磁波シールド特
性に優れた不織布を得ることができ、この不織布は、O
Aルームの電磁波シールド材、高周波機器ルームのシー
ルド材、シールド衣服等の用途に好適である。 [0023] この化学金属メッキ層の厚さも、要求される性能、使用
される金属、基材層の材質等に応じて適宜選択されるが
、通常、1〜2μm程度である。 [0024] また、この化学金属メッキ層は、前記基材層の片面のみ
に形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよ
い。 [0025] 本発明の金属メッキされたα−オレフィン系重合体成形
体の製造は、例えば、α−オレフィン系重合体からなる
基材に不飽和カルボン酸およびその酸誘導体から選ばれ
る少なくとも1種のグラフト変性単量体をグラフト共重
合させて、少なくとも表面がグラフト変性された基材を
製造し、該グラフト変性された基材の被メッキ対象面を
パラジウム化合物で処理して該パラジウム化合物を基材
の表面に定着させた後、化学金属メッキ処理を行なう工
程を有する方法によって行うことができる。 [0026] 以下、この方法について詳細に説明する。 [0027] 本発明の方法においては、まず、前記α−オレフィン系
重合体からなる成形体に、不飽和カルボン酸およびその
酸誘導体から選ばれる少なくとも1種のグラフト変性単
量体をグラフト共重合させて少なくとも表面がグラフト
変性された成形体を製造し、これを基材とする。 [0028] このグラフト共重合は、前記α−オレフィン系重合体成
形体に、予めプラズマ放電処理、電子線等の活性エネル
ギー光線照射処理などの活性化処理を行なってから、も
しくは該活性化処理を行ないながら、グラフト変性単量
体を水または水/メタノール混合溶媒等の適当な溶媒に
溶解してなる溶液を塗布もしくは浸漬して行なうことが
できる。 また、α−オレフィン系重合体成形体にグラ
フト変性単量体の溶液を塗布、あるいは該溶液に浸漬し
た後、前記活性化処理して行なうこともできる。 [0029] グラフト変性単量体として用いられる不飽和カルボン酸
としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸
、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジッ
ク酸(エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−1
−エン−2,3−ジカルボン酸)等の不飽和モノまたは
ジカルボン酸などが挙げられる。また、不飽和カルボン
酸の酸誘導体としては、例えば、上記不飽和カルボン酸
の酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステルなど
が挙げられ、具体的には、塩化マレニル、マレイミド、
無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメ
チル、マレイン酸ジメチルグリシジルマレエートなどが
挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合
わせても用いられる。 これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸等の不飽和モノまたはジカルボン酸、ならびにその無
水物、アミドが好ましく、特に金属メッキ層とα−オレ
フィン系重合体からなる基材との間の密着強度が優れる
点で、アクリルアミドが好ましい。 [0030] グラフト共重合において、グラフト変性単量体の使用量
は、α−オレフィン系重合体成形体100重量部に対し
て、通常、0.1〜500重量部程重量部型しくば0.
 3〜300重量部程重量部台である。 [0031] また、活性化処理として行なわれるプラズマ放電処理は
、通常、圧力1×10−4〜10TOrr程度、好まし
くは10’〜3Torr程度の減圧度、出力10 20
0W程度、好ましくは50〜100W程度、ならびに照
射時間0.1〜300秒、好ましくは10〜100秒の
条件で行なえばよい。 [0032] プラズマ放電の形式としては、いずれの形式のものでも
よく、例えば、高周波放電、マイクロ波放電、ブロー放
電等が挙げられる。また、プラズマ放電に用いられる気
体としては、空気、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げ
られ、1種単独でも2種以上の混合気体としても用いら
れる。これらの中でも、窒素、アルゴンヘリウムが好ま
しい。 [0033] このプラズマ放電処理によりα−オレフィン系重合体成
形体を活性化処理した後、グラフト変性単量体とグラフ
ト共重合させる場合には、グラフト共重合反応を、空気
の不存在下に、窒素等の不活性雰囲気中で行なう。 [0034] また、電子線照射処理は、例えば、加速電圧100〜1
00OKV程度、好ましくは200〜400KV程度、
電子流1〜20mA程度、好ましくは2〜15mA程度
、特に好ましくは3〜10mA程度、照射線量0.1〜
30Mrad程度好ましくは0.5〜15Mrad程度
の条件下に行なえばよい。 この電子線照射による活性
化処理されたα−オレフィン系重合体成形体は、そのま
ま放置しておいてもよいが、−50℃程度の低温に保持
しておくと、好ましい。 [0035] 活性化処理を上記の電子線照射により行なう場合は、作
業性が良好となる点でα−オレフィン系重合体不織布に
電子線照射による活性化処理を施した後、窒素等の不活
性雰囲気中でグラフト変性単量体の溶液中に浸漬してグ
ラフト共重合させる方法が特に好ましい。 [0036] プラズマ放電処理や電子線照射処理などの活性エネルギ
ー光線の照射による活性化処理を施した後、グラフト変
性を行う方法は、あらゆる形態の基材に容易にグラフト
変性を行うことができる点で、極めて効率的なグラフト
変性方法である。例えば、あらゆる形態の不織布もしく
は使用時に筒状や折り畳むような形態をなす不織布等に
ついても容易にグラフト変性を施すことができる。 [0037] グラフト共重合の反応温度は、使用されるグラフト変性
単量体の種類等にもよるが、通常、O〜80℃程度、好
ましくは室温〜60℃程度である。 また、反応時間は
、通常、1〜120分程度、好ましくは5〜60分程度
である。 [0038] さらに、グラフト共重合は、窒素等の不活性雰囲気中で
行なうと好ましい。 [0039] グラフト共重合反応後は、得られたグラフト変性された
基材を水洗し、未反応のグラフト変性単量体や生成する
ホモポリマーを除去すると、望ましい。 [00403 以上のようにして、グラフト変性単量体で少なくとも表
面がグラフト変性されたα−オレフィン系重合体成形体
は、その表面がグラフト変性により親水性を有すること
となり、これに化学メッキを施すことにより、金属メッ
キされたα−オレフィン系重合体成形体を得ることがで
きる。 [00413 すなわち、以上のようにして、少なくとも表面がグラフ
ト変性された基材の被メッキ対象面をパラジウム化合物
で処理して該パラジウム化合物を定着させた後、化学金
属メッキ処理を行なうことにより、金属メッキされたα
−オレフィン系重合体成形体を得ることができる。 [0042] グラフト変性された基材のパラジウム化合物による処理
は、例えば、グラフト変性された基材をパラジウムヒド
ロゾル中に浸漬してグラフト変性された基材の表面にパ
ラジウムコロイド粒子を吸着させることにより行なうこ
とができる。 [0043] 用いられるパラジウムヒドロゾルは、例えば、陽イオン
性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤および非イオン性
界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤の
存在下に、パラジウム(II)塩水溶液を還元剤で還元
処理する方法など(特開昭59−120249号公報所
載の方法)によって得ることができるものである。 [0044] 用いられる陽イオン性界面活性剤の具体例としては、ス
テアリルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げら
れ、陰イオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、非イオン
性界面活性剤の具体例としては、ポリエチレングリコー
ル−p−ノニルフェニルエーテル等が挙げられ、これら
の界面活性剤は、パラジウムヒドロゾルの凝集沈殿を防
止するために用いられる。 [0045] パラジウムヒドロゾル中の界面活性剤の濃度は、安定し
たパラジウムヒドロゾルが得られ、グラフト変性不織布
の表面にパラジウムコロイド粒子が速やかに吸着される
点で、0.002〜1重量96の範囲にあると、望まし
い。 [0046] また、パラジウム(II)塩の具体例としては、塩化パ
ラジウム(!I)等が挙げられる。 [0047] 還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ジ
メチルアミンボラン、ヒドラジン等が挙げられる。 [0048] このパラジウムヒドロゾル中のパラジウムの濃度は、安
定したパラジウムヒドロゾルが得られる点で、通常、0
.1〜5mg−原子/1、好ましくは0.3〜25mg
−原子/1、さらに好ましくは0. 5〜1.0mg−
原子/1の範囲に調整される。 [0049] 以上のようなパラジウム化合物による処理によって、グ
ラフト変性された基材の表面に、パラジウムコロイド粒
子が、通常、0.01〜0.1重量%、好ましくは0.
005〜0.05重量%、さらに好ましくは0.008
〜0.02重量%の範囲で均一に吸着される。 [0050] 本発明のパラジウム化合物による処理において、パラジ
ウムコロイド粒子の基材表面への吸着速度は、パラジウ
ムヒドロゾルの温度、濃度および使用される界面活性材
の種類等により異なり、目的に応じて適宜、これらの条
件を選択すればよい。 [0051] このパラジウム化合物による処理は、通常、O〜100
℃程度、好ましくはO〜50℃程度の温度で行なわれる
。この温度は、目的に応じて適宜選択される。 パラジウムコロイド粒子の基材の表面への吸着速度は、
使用されるパラジウムヒドロゾルの温度が高いほど早く
なる傾向がある。 [0052] また、パラジウムコロイド粒子の吸着速度は、使用され
る界面活性剤の種類によっても異なり、室温(25℃)
においては、陰イオン性界面活性剤を使用した場合が最
も早く1、次いで、陽イオン性界面活性剤を使用した場
合がこれに続き、非イオン性界面活性剤を使用した場合
は、極端に遅くなる。また、非イオン性界面活性剤を使
用した場合のパラジウムコロイド粒子の吸着速度は、高
温になる程急速に早くなる傾向にある。 [0053] このとき、前記パラジウム化合物による処理を行なった
後、水洗して、必要に応じてさらに乾燥して、グラフト
変性された基材に吸着されていない余分のパラジウムコ
ロイド粒子を除去しておくと、後段の化学金属メッキに
おいて、余分のパラジウムコロイド粒子自体に化学メッ
キされることなく、メッキ効率が良好となる点で、望ま
しい。水洗後に得られた排水は、濾過により含有するパ
ラジウムコロイド粒子を回収することができる。 [0054] 次に、以上のようにパラジウムコロイド粒子が表面に吸
着された基材に、化学金属メッキを施して、金属メッキ
層を形成して、本発明の金属メッキされたα−オレフィ
ン系重合体成形体を得ることができる。 [0055] 本発明の方法において行われる化学金属メッキは、特に
限定されず、常法にしたがって行なうことができる。例
えば、前記パラジウムコロイド粒子が吸着された基材を
、還元剤を含む化学金属メッキ液に浸漬し、該化学金属
メッキ液中の金属イオンの還元を、基材の表面にに吸着
されたパラジウムコロイド粒子の作用により行なわせ、
金属メッキ層を基材の被メッキ対象面に形成することが
できる。 [0056] 用いられる化学金属メッキ液は、前記金属メッキ層を構
成する金属のイオンを含む中性、酸性またはアルカリ性
の溶液が挙げられる。 [0057] また、還元剤としては、次亜リン酸ナトリウム、ホルム
アルデヒド、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。  これらは1種単独でも2種以上を組合せても用いられ
る。 [0058] 本発明の金属メッキされたα−オレフィン系重合体成形
体は、金属メッキ層と成形体からなる基材との密着強度
に優れるため、その特性を生かして各種用途に好適に用
いることができる。例えば、金属メッキとして銅等の導
電性金属を基材に被着させれば、電磁波シールド特性、
および表面抵抗、体積固有抵抗等の電気特性に侵れる不
織布が得られ、これは、帯電防止材、電磁波シールド材
、ICパッケージ材等に好適である。また、カーペット
、濾材、各種の装飾用材料等にも用いることができる。 [0059]
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。 [0060] (実施例1) (1)アクリル酸でグラフト変性されたポリプロピレン
不織布の製造目付50g/m2のポリプロピレン不織布
(三井石油化学工業株式会社製、シンテックス、70m
mX 140mmX320μm)の表面に、窒素雰囲気
下、冷却しながら、電子線照射装置(日新ハイボルテー
ジ(株)製、キュアトロン)を用いて10Mradの電
子線を照射した。次に、この不織布を、十分に脱気され
たモール塩を0.25重量%含有する50重量%のアク
リル酸水溶液中に、40℃で10分間浸漬して、不織布
を構成するポリプロピレンに、アクリル酸をグラフト共
重合させ、グラフト変性不織布を得た。 [0061] 得られたグラフト変性不織布を多量の水で30分間洗浄
した後、40重量%の水酸化カリウム水溶液に、室温で
1時間浸漬して中和処理し、さらにこのグラフト変性不
織布を多量の水で30分間洗浄した後、70℃で一昼夜
減圧乾燥を行った。                
         )[0062] 以上のようにして得られたグラフト変性不織布における
アクリル酸のグラフト量は、グラフト変性前のポリプロ
ピレン不織布100重量%に対して45重量%の割合で
あった。 [0063] (2)パラジウムヒドロゾルの調製 塩化パラジウム(I I) 0. 5mmolを含む水
溶液25m1を950m1に希釈した後、激しく攪拌し
ながら、溶液中に界面活性剤としてステアリルトリメチ
ルアンモニウムクロライド011gを含む水溶液10m
1を加えた。次いで、水素化ホウ素ナトリウム2mmo
lを含む水溶液40m1を滴下すると、溶液の色が急変
し、黒褐色で透明なパラジウムヒドロゾルを得た。 [0064] (3)ニッケルメッキ液の調製 無水塩化ニッケル(I I)0.1molを4mol 
/ lのアンモニア水溶液500m1に溶解させた後、
0. 2mol / lの次亜リン酸ナトリウム500
m1を加え5mol / lの塩酸でpHを8.9に調
整して、ニッケルメッキ液を調製した。 [0065] (4)金属メッキされたポリプロピレン不織布の製造上
記に得られたグラフト変性不織布を、上記のパラジウム
ヒドロゾルに室温下に10分間浸漬した後、5分間水洗
した。水洗後の排水は、濾過してz(ラジウムコロイド
粒子を回収した。 このグラフト変性不織布におけるパラジウムコロイド粒
子の吸着量を、湿式分解原子吸光法((株)日立製作新
製、508型原子吸光光度計を使用)により測定したと
ころ、20μgであった。これはグラフト変性不織布1
00重量%に対して0.008重量%に相当する量であ
る。 [0066] このパラジウムコロイド粒子が吸着されたグラフト変性
不織布を、上記に調製されたニッケルメッキ液に室温下
に10分間浸漬した後、水洗、乾燥し、ニッケルメッキ
されたポリプロピレン不織布を得た。 [0067] 得られたニッケルメッキされたポリプロピレン不織布の
導電率を、TR6141電流発生器(タケダ理研(株)
製)およびAD−5311電圧計(A&D (株)製)
を用い、四端子法により測定したところ、50mho/
cmであった。 [0068] (実施例2) ポリプロピレン不織布の表面と裏面に、それぞれポリプ
ロピレン不織布の表面への電子線照射と同一条件で電子
線を照射してグラフト変性されたポリプロピレン不織布
を製造した以外は、実施例1と同様にして、ニッケルメ
ッキされたポリプロピレン不織布を製造した。 [0069] グラフト変性されたポリプロピレン不織布におけるアク
リル酸のグラフト量はグラフト変性前のポリプロピレン
不織布100重量%に対して61重量?6であった。 [0070] また、グラフト変性されたポリプロピレン不織布におけ
るパラジウムコロイド粒子の吸着量は、原子吸光法によ
る測定によれば、39μmであり、グラフト変性された
ポリプロピレン不織布100重量%に対して0.012
重量%に相当する。 また、ニッケルメッキされたポリプロピレン不織布の導
電率は、250mh。 70mであった。 [0071] (実施例3) ポリプロピレン不織布の表面と裏面に、それぞれポリプ
ロピレン不織布の表面への電子線照射と同一条件で電子
線を照射し、かつ不織布を40℃のアクリル酸水溶液に
30分間浸漬した以外は、実施例1と同様にしてニッケ
ルメッキされたポリプロピレン不織布を製造した。 [0072] グラフト変性されたポリプロピレン不織布におけるア:
クリル酸のグラフト量はグラフト変性前のポリプロピレ
ン不織布100重量%に対して175重量%であった。 [0073] また、グラフト変性されたポリプロピレン不織布におけ
るパラジウムコロイド粒子の吸着量は、原子吸光法によ
る測定によれば、70μmであり、グラフト変性された
ポリプロピレン不織布100重量%に対して0.012
重量%に相当する。 また、ニッケルメッキされたポリプロピレン不織布の導
電率は、520mh。 / c mであった。 [0074] (比較例1) グラフト変性されたポリプロピレン不織布の代わりに、
グラフト変性前のポリプロピレン不織布を用いた以外は
、実施例1と同様にして、ニッケルメッキされたポリプ
ロピレン不織布を製造した。 [0075] 得られたポリプロピレン不織布は、わずかにニッケルメ
ッキがなされているだけであり、手でこするとメッキ層
が簡単に剥げ落ちて実用に供し得ないものであっな。 [0076] 以上の実施例1〜3および比較例1の結果を表1にまと
めて示す。 [0077] 表1 1アクリル酸のグラ1パラジウムコロイド粒子フト量(
重量%)1の吸着量(重量%)導電率 (mho、/cm) 1       45        0.008  
        50実 施121  61   l  O,0121250例 3  1   175       0.02    
     5201比較例1)    0  1  検
出限界以下   1 10’以下[0078] (実施例4) (1)グラフト変性されたポリプロピレン不織布の製造
目付50 g 7m2のポリプロピレン不織布(三井石
油化学工業株式会社製、シンテックス、150mmX 
150mmX320)の表面に、窒素雰囲気下、冷却し
ながら、電子線照射装置(日新ハイボルテージ(株)製
、キュアトロン)を用いて10Mradの電子線を照射
した。次に、この不織布を、十分に脱気されたモール塩
を0.15重量%含有する40重量%のアクリルアミド
水溶液中に、60℃で10分間浸漬して、不織布を構成
するポリプロピレンに、アクリルアミドをグラフト共重
合させ、グラフト変性不織布を得た。 [0079] 得られたグラフト変性不織布を多量の水で2分間洗浄し
た後、循環式温風乾燥機に入れ、70℃で1時間乾燥さ
せた。 [0080] 以上のようにして得られた変性不織布におけるアクリル
アミドのグラフト量はグラフト変性前のポリフロピレン
不織布100重量%に対して90重量%の割合であった
。 [0081] (2)金属メッキされたポリプロピレン不織布の製造上
記に得られたグラフト変性不織布を、下記工程にしたが
って無電解銅メッキを施した。 (a)前処理 浴組成:15m1/lの前処理剤(メルテックス(株)
製、エンプレー)70モーター845) 浴温度:40℃ 処理時間:5分間 (b)水洗:多量の純水で水洗 (C)予備浸漬 浴組成:予備浸漬剤(メルテックス(株)製、エンプレ
ードアクチベーター850アデイテイブ)150g/1 37%塩酸 30m1/1 浴温度:室温 処理時間:3分間 (d)パラジウム処理 浴組成:塩化パラジウム(II)処理剤(メルテックス
(株)製、エンプレードアクチベーター850)   
20m1/1メルテツクス(株)製、エンプレードアク
チベーター850アデイテイブ  150g/l 塩酸 30m1/1 浴温度:25℃ 処理時間ニア分間 (e)水洗:多量の純水で水洗 (f)反応促進処理 浴組成:メルテツクス(株)製エンプジートアクセレレ
ータ−860100rnL/1 浴温度:25℃ 処理時間:5分間 (g)無電解銅メッキ 浴組成:エンプレートCu−872A  80m1/1
エンプレー)Cu−872B  65m1/1エンプレ
ートCu−872C24m1/1エンプレートスタビラ
イザー 0.3ml/1(メルテックス(株)製) 浴温度:50℃ 処理時間:10分間 エアー攪拌 (h)水洗:多量の純水で水洗 (i)乾燥 循環式温風乾燥機で70℃で1時間乾燥[0082] この銅メッキされた不織布のパラジウム定着量および銅
メッキ量、電磁波シールド効果、ならびに銅メッキの密
着強度の測定、さらに不織布層と銅メッキ層の断面の電
子顕微鏡による観察と、メッキ厚の測定を行なった。 [0083] パラジウム定着量および銅メッキ量の測定メッキされた
不織布0.5gを、50容量%硝酸水溶液20m1中に
、60℃で20分間浸漬しな。次に、この硝酸水溶液を
200m1のメスフラスコに移し純水で200m1に希
釈した。得られた希釈液を、ICP発光分析にかげパラ
ジウムおよび銅の量を測定した。 [0084] その結果、銅メッキされた不織布のパラジウム定着量は
、不織布1gに対して3.0mgであり、銅メッキ量は
、不織布1gに対して600mgであった。 [0085] 銅メッキされた不織布の電磁波シールド効果の測定アト
パンテスト法に従い、電磁波シールド効果の測定を行っ
た。 12cmX 13cmの試料片をループ状の発信アンテ
ナと受信アンテナとの間に挟み、シールドボックス内で
100〜100100Oの周波数領域で、下記測定機器
を用いて、磁界波減衰量を測定した。 スペクトラムアナライザー((株)アトパンテスト製、
TR−4172)プリアンプ((株)アトパンテスト製
、○P−702)シールド効果評価器((株)アトパン
テスト製、TR−17301)また、同様にロフトアン
テナを用いて電界波減衰量の測定を行った。 得られた電界波減衰量の測定結果を図1 (A)に、磁
界波減衰量の測定結果を図1 (B)に示す。 [0086] 銅メッキの密着強度の測定 基材が不織布の場合、不織布の銅メッキ層の表面に、長
さ50mmの粘着テープにチバン株製、セロハンテープ
、幅:24mm)を貼付け、垂直方向に一気に引き剥し
、粘着テープに付着したメッキ層の剥離状態を観察した
。 また、基材がシートの場合は、銅メッキ層表面にカッタ
ー(太佑機材(株)製スーパーカッターガイド)を用い
て、1辺が一2mmの基盤目を100個刻み、この基盤
目に長さ50mmの粘着テープにチバン株製、セロハン
テープ、幅:24mm)を垂直方向に一気に引き剥し、
粘着テープに付着したメッキ層の剥離状態を観察した。 [0087] 電子顕微鏡による断面観察とメッキ厚の測定不織布の試
験片を方歯剃刀(フェザ−株製)で切断し、切断面に金
蒸着を施して、断面観察用の試料を作成した。 得られた試料を走査型電子顕微鏡を用いて倍率1000
倍で観察するとともに断面の電子顕微鏡写真を撮影した
。 得られた電子顕微鏡写真から不織布基材層と、銅メッキ
層との間の間隙の有無を調べた。 また、銅メッキ層のメッキ厚を測定した。 [0088] (実施例5) アクリルアミドによるグラフト変性ポリプロピレン不織
布への無電解銅メッキの密着強度の指標として、ポリフ
ロピレン板(厚さ:1mm)に実施例1と同様にしてア
クリルアミドによるグラフト変性を施し、表と裏に電子
線を照射した後、無電解鋼メッキを施した。 グラフト
変性されたポリプロピレン板におけるアクリルアミドの
グラフト量は、グラフト変性前のポリフロピレン板10
0重量%に対して1.0重量%であった。 [0089] 銅メッキされたポリプロピレン板におけるパラジウムの
定着量は、銅メッキされたポリプロピレン板1gに対し
て0.01mgであり、銅メッキ量は、21゜6mgで
あった。 [0090] この銅メッキされたポリプロピレン板の表面に、カッタ
ー(太佑機材株製、ス−パーカッターガイド)を用いて
1辺が2mmの基盤目を100個刻み、この基盤目に長
さ50mmの粘着テープにチバン株製、セロハンテープ
、幅:24mm)を貼付け、垂直方向に一気に引き剥し
、メッキ層の剥離状態を観察した。 [00913 (比較例2) 目付50g/m2のポリプロピレン不織布(三井石油化
学工業株式会社製、シンテックス)を、実施例1のよう
にグラフト変性を施すことなく、そのまま表と裏の両面
に無電解銅メッキを施した。 [0092] 得られた銅メッキネ織布について、パラジウム定着量お
よび銅メッキ量、電気的特性、ならびに銅メッキの密着
強度の測定、さらに不織布層と銅メッキ層の断面を、電
子顕微鏡による観察と、メッキ厚の測定を行なった。 [0093] (実施例6) 目付50g/m2のポリプロピレン不織布(三井石油化
学工業株式会社製、シンテックス)の表面に、電子線照
射装置(日新ハイボルテージ株製、キュアトロン)を用
いて10Mradの電子線を、窒素雰囲気下に冷却しな
がら照射した。 [0094] 次に、この不織布を、十分に脱気されたモール塩を0.
25重量%含む50重量%のアクリル酸水溶液に10分
間浸漬してグラフト共重合を行ない、アクリル酸グラフ
ト変性不織布を得た。 [0095] 得られたアクリル酸グラフト変性不織布を多量の水で2
分間洗浄した後、40重量%の水酸化カリウム水溶液に
、40℃で10分間浸漬して中和した。 さらに多量の
水で5分間洗浄した後、循環式温風乾燥機によって70
で1時間乾燥した。 [0096] このようにして得られたアクリル酸グラフト変性不織布
におけるアクリル酸のグラフト量は、グラフト変性前の
ポリプロピレン不織布100重量%に対して45重量%
であった。 [0097] 次に、以上のようにして得られたアクリル酸グラフト変
性不織布の表裏全面に、実施例1と同様にして無電解鋼
メッキを施し、パラジウム定着量および銅メッキ量、電
気的特性、ならびに銅メッキの密着強度の測定、さらに
不織布層と銅メッキ層の断面を、電子顕微鏡による観察
と、メッキ厚の測定を行なった。 [0098] (実施例7) ポリプロピレン板(厚さ:1mm)の表と裏の両面に1
0Mradの電子線を照射した以外は、実施例6と同様
にして、アクリル酸グラフト変性ポリプロピレン板を得
、実施例1と同様にして表裏全面に無電解鋼メッキを施
した。 [0099] 銅メッキされたポリプロピレン板について、パラジウム
定着量および銅メッキ量、電気的特性、ならびに銅メッ
キの密着強度の測定、さらに不織布層と銅メッキ層の断
面を、電子顕微鏡による観察と、メッキ厚の測定を行な
った。結果を表2に示す。 [0100]
【表1】 表2 [0101]
【発明の効果】
本発明の金属メッキされたα−オレフィン系重合体不織
布は、密着強度および電磁波シールド効果に優れ、表面
光沢が良好で膨れかない金属メッキ層を表面に有するも
のである。 また、本発明の方法によれば、該金属メッキされたα−
オレフィン系重合体不織布を、不織布のグラフト変性処
理後の中和処理を省略できるため簡便な工程で製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)および(B)は、それぞれ実施例1
において得られた、銅メッキされたポリプロピレン不織
布の電解波シールド効果および磁界波シールド効果の測
定結果を示す図である。
【図2】図2(A)および(B)は、それぞれ実施例2
において得られた、銅メッキされたポリプロピレン板の
電解波シールド効果および磁界波シールド効果の測定結
果を示す図である。
【図3】図3(A)および(B)は、それぞれ比較例2
において得られた、銅メッキされたポリプロピレン不織
布の電解波シールド効果および磁界波シールド効果の測
定結果を示す図である。
【図4】図4(A)および(B)は、それぞれ実施例6
において得られた、銅メッキされたポリプロピレン不織
布の電解波シールド効果および磁界波シールド効果の測
定結果を示す図である。
【書類芯】
図面
【図1】 問液欲バMHz)
【図2】 園波軟(MHz )
【図3】 (A)
【図4】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和カルボン酸およびその酸誘導体から
    選ばれる少なくとも1種のグラフト変性単量体でグラフ
    ト変性された表面を有するα−オレフィン系重合体から
    なる基材と、該基材の少なくとも片面に形設された化学
    金属メッキ層とを有する金属メッキされたα−オレフィ
    ン系重合体成形体。
  2. 【請求項2】不飽和カルボン酸およびその酸誘導体から
    選ばれる少なくとも1種のグラフト変性単量体でグラフ
    ト変性された表面を有するα−オレフィン系重合体不織
    布からなる基材と、該基材の少なくとも片面に形設され
    た化学金属メッキ層とを有する金属メッキされたα−オ
    レフィン系重合体成形体。
  3. 【請求項3】前記α−オレフィン系重合体不織布が、ポ
    リプロピレン系不織布である請求項2に記載の金属メッ
    キされたα−オレフィン系重合体成形体。
  4. 【請求項4】前記グラフト変性単量体が、アクリルアミ
    ドである請求項1または2に記載の金属メッキされたα
    −オレフィン系重合体成形体。
  5. 【請求項5】α−オレフィン系重合体からなる基材に不
    飽和カルボン酸およびその酸誘導体から選ばれる少なく
    とも1種のグラフト変性単量体をグラフト共重合させて
    、少なくとも表面がグラフト変性された基材を製造し、
    該グラフト変性された基材の被メッキ対象面をパラジウ
    ム化合物で処理して該パラジウム化合物を基材の表面に
    定着させた後、化学金属メッキ処理を行なう工程を有す
    る金属メッキされたα−オレフィン系重合体成形体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】α−オレフィン系重合体不織布からなる基
    材に不飽和カルボン酸およびその酸誘導体から選ばれる
    少なくとも1種のグラフト変性単量体をグラフト共重合
    させて、少なくとも表面がグラフト変性された基材を製
    造し、該グラフト変性された基材の被メッキ対象面をパ
    ラジウム化合物で処理して該パラジウム化合物を基材の
    表面に定着させた後、化学金属メッキ処理を行なう工程
    を有する金属メッキされたα−オレフィン系重合体成形
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記α−オレフィン系重合体不織布が、ポ
    リプロピレン系不織布である請求項6に記載の金属メッ
    キされたα−オレフィン系重合体成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】前記グラフト変性単量体が、アクリルアミ
    ドである請求項6または7に記載の金属メッキされたα
    −オレフィン系重合体成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】前記パラジウム化合物による処理が、基材
    を不飽和カルボン酸およびその酸誘導体から選ばれる少
    なくとも1種のグラフト変性単量体でグラフト共重合さ
    れて少なくとも表面がグラフト変性された基材を、パラ
    ジウムヒドロゾル中に浸漬して該基材の表面にパラジウ
    ムコロイド粒子を吸着させた後、該基材を水洗して該基
    材に吸着していないパラジウムコロイド粒子を除去する
    工程からなる請求項5〜8のいずれかに記載の金属メッ
    キされたα−オレフィン系重合体成形体の製造方法。
JP3000519A 1990-01-08 1991-01-08 金属メッキされたα−オレフィン系重合体不織布およびその製造方法、ならびに該不織布からなる電磁波シールド材 Pending JPH04160164A (ja)

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