JPH04160136A - 耐摩耗性に優れた浸炭肌焼鋼 - Google Patents
耐摩耗性に優れた浸炭肌焼鋼Info
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
が生じやすい部位に使用される部品(歯車、シャフトブ
ツシュ等)用素材として好適な、耐摩耗性に優れた浸炭
肌焼鋼に関するものである。
%(以降、成分割合を表わす%は重量%とする)に調整
して靭性を確保すると共に、浸炭処理により表層部のみ
を炭素量を0.8〜0.9%程度に高めて表面硬さを増
加させ、所望靭性と耐摩耗性を兼ね備えしめることを目
的として案出された鋼であるが、現在、−船釣にはJI
S規格の5Cr415. 5Cr420.50M420
.SNCM420等がこの目的で多く使用され、歯車、
シャフト、ブツシュ等に供されている。
の向上要求が一段と高まる中で、十分な靭性を備えたま
まで従来の浸炭肌焼鋼よりも更に耐摩耗性の優れた材料
の開発が強く求められるようになってきた。
量を増加させ、かつ浸炭雰囲気の炭素ポテンシャルを1
.3〜1.5%と言う高い値にして表層部に球状炭化物
を生成させる“過剰浸炭”が提案され、そのための“過
剰浸炭用鋼″の開発もなされた。
すの発生)を起こして作業性を低下させる上、環境を悪
化させると言う問題もあることから、“通常浸炭”によ
っても耐摩耗性を十分に向上できる浸炭肌焼鋼の開発が
望まれている。
分に満足できる優れた耐摩耗性を付与することのできる
浸炭肌焼鋼を実現すべく、特に従来の浸炭肌焼鋼を構成
する成分個々の作用について基礎的な再検討を加えつつ
研究を重ねた結果、rCrには綱の浸炭特性を向上させ
て浸炭層を深くする効果があるが、通常浸炭の条件下で
は耐摩耗性の改善に有効な球状炭化物を生成させる効果
は認められない、ところが、一般には快削性向上元素と
して快削鋼に添加されるPb#は、それのみでは鋼の浸
炭特性を向上させる効果はないものの、その所定量をC
rの所定量と共に添加した場合には両者の相乗的効果が
発揮され、通常浸炭の条件下であっても表層部での球状
炭化物の安定生成を可能とし、耐摩耗性の著しい向上を
もたらす」との知見を得るに至ったのである。
以下。
0〜5.0%Pb : 0.03〜0.50% を含有すると共に、更に Cu : 1.0%以下、 Ni : 3.50
%以下。
0〜0.100%。
0.30%。
0.010〜0.100%の1種以上をも含み、残部が
Fe及び不可避的不純物から成る化学成分組成に構成す
ることにより、通常浸炭によっても表層部に球状炭化物
が安定して生成され、その耐摩耗性が顕著に向上される
ようにした点」 に大きな特徴を有している。
存させると同時に、調合体の化学成分を厳密に制御する
ことによって通常浸炭で表層部に球状炭化物が生成され
るようにし、その耐摩耗性を著しく向上させ得るように
したことを骨子とするものであるが、以下、本発明に係
る浸炭肌焼鋼において、その化学成分組成を前記の如く
に限定した理由を各成分の作用と共に説明する。
るが、一方で靭性を劣化させる元素でもある。特に、浸
炭処理を施す肌焼鋼においては静的強度と靭性の好適な
バランスが必要であるため、C含有量の調整は非常に重
要である。ここで、C含有量が0.10%未満では所望
の静的強度を確保することができず、一方、0.30%
を超えてCを含有させると所望靭性の確保が困難となる
ことから、C含有量は0.10〜0.30%と定めた。
的強度を付与するのに必要な成分でもある・しかし、0
.50%を超えてSiを含有させると浸炭性が劣化し、
浸炭処理を条件とする肌焼鋼としては不利になる上、浸
炭異常層の生成が著しくなって最表面の硬度低下を招(
。このようなことから、Si含有量の上限を0.50%
と定めた。
た焼入れ性を付与するのに必要な元素でもある。
化抵抗が低下し、静的強度の低下をもたらす。従って、
Mnを含有量の上限を2.00%と定めた。
に、浸炭性を向上させる作用を有していることから、一
般の肌焼鋼においても必須成分として用いられることが
多い元素である。本発明においてもCrが有する前記作
用が利用されるが、これに加え、pbとの共存で発揮さ
れる「通常浸炭で表層部に球状炭化物を生成する作用」
が最大限に利用される。この場合、Cr含有量が0.5
0%未満では上記作用による所望の効果が得られず、一
方5.0%を超えてCrを含有させるとCr酸化物が生
成して浸炭性の低下を招くようになることから、Cr含
有量は0.50〜5.0%と定めた。
素として知られ、快削鋼に添加される成分である。しか
し、本発明者等の研究により、pbは切削性の向上作用
のみでなく、Crとの共存下では浸炭層に球状炭化物の
生成を促進させる働きのあることが判明した。ここで、
通常浸炭で鋼の表層部に球状炭化物を生成させるために
は、所定量のCrの存在下でpb量を0.03%以上に
調整する必要がある。しかし、0.50%を超えて含有
させると鋼の静的強度及び靭性が共に低下する。従って
、pb含有量は0.03〜0.50%と定めた。
素には何れも鋼の静的強度を向上させる作用があるので
、必要により1種又は2種以上添加されるものであるが
、個々の含有量を前記の如くに限定した理由をその他の
作用と共に説明する。
が、1.0%を超えて含有させると熱間加工性の低下や
静的強度の低下を招くようになることから、Cu含有量
は1.0%以下と定めた。
作用を有している上、綱の靭性向上にも有効な元素であ
るが、3.50%を超えて含有させてもその効果が飽和
することから、経済性を考慮してNi含有量の上限を3
.50%と定めた。
用のほか、球状炭化物性成を促進させる作用を有してい
る。しかし、2.00%を超えて含有させてもその効果
が飽和することがら、経済性を考慮してMo含有量の上
限を2.00%と定めた。
のに有効な元素である。例えば、高出力エンジンの歯車
として使用された場合、所望の熱間静的強度を発揮させ
るためには0.01%以上含有させることが必要である
。しかし、0.30%を超えて含有させると熱間加工性
の低下を招く。従って、■含有量は0.01〜0.30
%と定めた。
用があるが、その含有量が0.0003%未満では前記
作用による所望の効果が得られず、一方、o、ooso
%を超えて含有させると鋼の結晶粒を粗大化させて靭性
の劣化を招くようになることから、B含有量は0.00
03〜0.0050%と定めた。
ので、必要により1種又は2種以上添加されるものであ
るが、個々の含有量を前記の如くに限定した理由をその
他の作用と共に説明する。
細化して靭性を向上させる作用があるが、その含有量が
各々0.010%未満では前記作用による所望の効果が
得られず、一方、0.100%を超えて含有させると鋼
の清浄度が悪化して切削性を損なわせ、また鋼の結晶粒
を粗大化させて靭性を低下させるようになることから、
Af、Tiの含有量はそれぞれ0.010〜0.100
%と定めた。
上させる作用を有すると共に、球状化炭化物の生成を促
進させる作用も認められるが、その含有量が0.010
%未満では前記作用による所望の効果が得られず、一方
、0.100%を超えて含有させると機械加工時の切削
性を損なうほか、結晶粒を粗大化させて靭性を劣化する
ようになることから、Nb含有量は0.010〜0.1
00%と定めた。
明する。
成分組成の鋼を溶製した後、得られた鋼塊を1250℃
に1時間加熱し、30MMφに鍛伸して得た材料につい
て、各々浸炭後の耐摩耗性、浸炭特性(最高硬さ、浸炭
深さ1球状炭化物の有無、異常組織の深さ、静的曲げ強
度)、浸炭後の衝撃特性。
×1時間で焼準した後10φX100’の寸法に加工し
、続いて第1図に示すヒートパターンにて浸炭処理した
後、ガウジング摩耗試験により摩耗量を測定する手法で
調査した。ガウジング摩耗試験条件は、面圧: 2 B
kg/cd、摩耗速度:33 m/sin、摩耗距離:
500m一定、研磨側:SiCであった。
×1時間で焼準した後、これら規準材を30中×151
に加工し、続いて第1図に示すヒートパターンにて浸炭
処理したものにつき、浸炭層の硬度分布測定1球状炭化
物観察、異常組織観察を行って調査した。なお、静的曲
げ試験では、上記規準材から第2図に示す形状・寸法の
試験片を切り出した後、第1図に示すヒートパターンに
て浸炭処理し、10−”/sの速度で静的曲げ強度を調
査する手法を採用したが、静的曲げ強度は破断荷重にて
評価した。
時間で焼準した後、25mφに切削し、次いで925℃
×1時間水焼入れ、170’Cx1時間焼戻しを施し、
しかる後JIS3号(2mUノツチ)シャルピー試験片
に加工してから常温にて衝撃特性を測定する手法で調査
した。
5℃×1時間で焼準した後、これら規準材を30φ×1
5Lに加工し、続いて第1図に示すヒートパターンにて
浸炭処理したものにつき内部のオーステナイト結晶粒を
測定した。
鋼は浸炭特性及び衝撃特性が共に非常に良好で、通常浸
炭にて優れた耐摩耗性並びに靭性を兼備するようになる
のに対して、比較鋼及び従来鋼では十分な特性を示さな
いことが分かる。特に、Cr含有量が本発明で規定する
範囲の上下限を外れていたり、Pb含有量が本発明で規
定する範囲の下限を外れた鋼種では、浸炭後の最高硬さ
が低く、かつ浸炭深さが浅いことを確認できる。
っても優れた耐摩耗性を発揮するようになる、靭性の良
好な浸炭肌焼鋼を提供できるようになるなど、産業上極
めて有用な効果がもたらされる。
ンである。 第2図は、静的曲げ試験で採用した試験片の形状・寸法
を示した概略図である。
Claims (4)
- (1)重量割合にて C:0.10〜0.30%、Si:0.50以下、Mn
:2.00以下、Cr:0.50〜5.0%、Pb:0
.03〜0.50% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物から成ること
を特徴とする、耐摩耗性に優れた浸炭肌焼鋼。 - (2)重量割合にて C:0.10〜0.30%、Si:0.50以下、Mn
:2.00以下、Cr:0.50〜5.0%、Pb:0
.03〜0.50% を含むと共に、更に Cu:1.0%以下、Ni:3.50%以下、Mo:2
.00%以下、V:0.01〜0.30%、B:0.0
003〜0.0050% の1種以上をも含有し、残部がFe及び不可避的不純物
から成ることを特徴とする、耐摩耗性に優れた浸炭肌焼
鋼。 - (3)重量割合にて C:0.10〜0.30%、Si:0.50以下、Mn
:2.00以下、Cr:0.50〜5.0%Pb:0.
03〜0.50% を含むと共に、更に Al:0.010〜0.100%、Ti:0.010〜
0.100%、Nb:0.010〜0.100% の1種以上をも含み、残部がFe及び不可避的不純物か
ら成ることを特徴とする、耐摩耗性に優れた浸炭肌焼鋼
。 - (4)重量割合にて C:0.10〜0.30%、Si:0.50以下、Mn
:2.00以下、Cr:0.50〜5.0%、Pb:0
.03〜0.50% を含むと共に、更に Cu:1.0%以下、Ni:3.50%以下、Mo:2
.00%以下、V:0.01〜0.30%、B:0.0
003〜0.0050% の1種以上、及び Al:0.010〜0.100%、Ti:0.010〜
0.100%、Nb:0.010〜0.100% の1種以上をも含有し、残部がFe及び不可避的不純物
から成ることを特徴とする、耐摩耗性に優れた浸炭肌焼
鋼。
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JP2285473A JP2737386B2 (ja) | 1990-10-23 | 1990-10-23 | 耐摩耗性に優れた浸炭肌焼鋼 |
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JP2737386B2 JP2737386B2 (ja) | 1998-04-08 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06100974A (ja) * | 1992-07-31 | 1994-04-12 | Nkk Corp | 耐衝撃性に優れた肌焼鋼 |
CN102978515A (zh) * | 2012-11-09 | 2013-03-20 | 宁波嘉达精密铸造有限公司 | 挖掘机齿座及其制备方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5433206A (en) * | 1977-08-20 | 1979-03-10 | Tokuriki Honten Kk | Silver based composite materials and method of making same |
JPH01246344A (ja) * | 1988-03-28 | 1989-10-02 | Daido Steel Co Ltd | 歯車用鋼 |
-
1990
- 1990-10-23 JP JP2285473A patent/JP2737386B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
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