JPH04160074A - ダイヤモンド多孔質体及びその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド多孔質体及びその製造方法

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JPH04160074A
JPH04160074A JP2281773A JP28177390A JPH04160074A JP H04160074 A JPH04160074 A JP H04160074A JP 2281773 A JP2281773 A JP 2281773A JP 28177390 A JP28177390 A JP 28177390A JP H04160074 A JPH04160074 A JP H04160074A
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Japan
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diamond
substrate
grown
porous
carbon
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JP2281773A
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Shinji Arai
荒井 真次
Masato Kamata
鎌田 真人
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、ダイヤモンド多孔質体及びその製造方法に関
する。
(従来の技術) 近年、化学気相成長法(CVD法)や物理気相成長法(
PVD法)などの低圧下での気相成長法によりダイヤモ
ンドの合成が可能となり、この気相合成ダイヤモンドの
種々の工業的応用が考えられている(「ダイヤモンド薄
膜」犬塚、澤邊、産業図書、1987年など参照)。ダ
イヤモンドは、硬さ、耐薬品性、耐熱性、熱伝導性、透
光性、バンドギャップなどの点で優れた性質をもつ。こ
れらの性質を生かして、例えば被覆工具、耐食性保護膜
、耐磨耗しゅう動部材、スピーカー振動板、るつぼ・バ
イブなどの成形体、ヒートシンク、光学窓、高温半導体
などにダイヤモンドを応用することが検討されている。
これらの応用に際して、気相合成されたダイヤモンドは
、薄膜の形態、又は厚膜化により得られるバルクの形態
で利用される。ダイヤモンド膜を気相合成する場合には
、例えば反応ガスであるメタンと水素との混合比(CH
4/H2)や、基体表面温度などの合成条件を一定にし
て行なうのが一般的である。そして、基体上には構造や
物性が−様なダイヤモンドが析出し、成長を継続させる
と−様な膜が形成される。
したがって、薄膜又はバルクのいずれの形態のダイヤモ
ンドでも、不可避的に形成されるミクロなボアやボイド
以外には空隙のない緻密な構造を有している。
しかるに、人工的に空隙や細孔を設けて貫通孔を形成し
た、いわゆる多孔質のダイヤモンドが実現できれば、ダ
イヤモンドの応用範囲は更に拡大すると考えられる。ダ
イヤモンドの多孔質体は、例えばダイヤモンドの優れた
耐薬品性、耐熱性を生かしたフィルターや、冷却材とし
ての気体や液体に対する接触面積か増大することを利用
しダイヤモンドの高熱伝導性を生かして熱を効果的に除
去するための伝熱体などの用途が期待てきる。
ダイヤモンド多孔質体を製造する方法としては、ダイヤ
モンドの粉末や粒子をバインダーとともに焼結し、この
際バインダーとして加熱により溶融する金属などを用い
焼結時にバインダーを除去したり、得られた無気孔性の
焼結体からバインダーを除去することによって、多孔質
体とする方法が考えられる。これらの方法においてバイ
ンダーを使用するのは、ダイヤモンドのみでは焼結が困
難なためである。
しかし、このよ゛うな方法によって製造されるダイヤモ
ンド多孔質体は、ダイヤモンド以外にバインダーの残留
物質を含むため、使用条件によってはダイヤモンドのも
つ優れた性質を最大限に発揮できないことが予想される
。例えば、ダイヤモンド多孔質体をフィルターとして用
いる場合、ダイヤモンド以外の物質の性質によって耐薬
品性や耐熱性が左右されるため、適用上の条件が制限さ
れることがある。また、ダイヤモンド多孔質体を伝熱体
として用いる場合、ダイヤモンド以外の物質によって熱
伝導率か低下するため、ダイヤモンドのもつ既存物質中
で最高の熱伝導率を生かすことができない。
(発明が解決しようとする課題) 前述したように、従来、ダイヤモンド多孔質体は知られ
ていない。また、ダイヤモンドの粉末や粒子をバインダ
ーとともに焼結するという方法でダイヤモンド多孔質体
を得たとしても、バインダーを起源とするダイヤモンド
以外の物質が残留するため、ダイヤモンド本来の優れた
耐薬品性や高熱伝導性を生かすことができない。
本発明の目的は、ダイヤモンドのみから構成される多孔
質体、及びこれを効率よく製造できる方法を提供するこ
とにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段と作用) 本発明のダイヤモンド多孔質体は、実質的にダイヤモン
ドのみから構成されるマトリックス間に連続的な気孔が
形成されていることを特徴とするものである。
本発明の第1のダイヤモンド多孔質体の製造方法は、基
体上に、特定の結晶面が基体表面に平行となるように配
向成長したダイヤモンド結晶粒、及び非ダイヤモンド炭
素物質からなる混合層を形成する工程と、前記非ダイヤ
モンド炭素物質を選択的に除去することにより気孔を形
成し、前記ダイヤモンド結晶粒を残存させる工程と、等
方的に成長したダイヤモンドを形成して、気孔を残した
まま該ダイヤモンドにより前記ダイヤモンド結晶粒どう
しを架橋させる工程とを有し、これらの3工程を複数回
繰り返すことを特徴とするものである。
本発明の第2のダイヤモンド多孔質体の製造方 ′法は
、基体上に、特定の結晶面が基体表面に平行となるよう
に配向成長したダイヤモンド結晶粒、及び非ダイヤモン
ド炭素物質からなる混合層を形成する工程と、該混合層
上に等方的に成長したダイヤモンドを形成する工程とを
有し、これらの2工程を複数回繰り返した後、前記非ダ
イヤモンド炭素物質を選択的に除去することにより気孔
を形成することを特徴とするものである。
本発明の方法においては、炭素を構成成分とする化学種
(以下、炭素源ガスという)と水素とを含有する原料ガ
スを、放電又は加熱によって分解・励起する反応過程を
制御して、気相からダイヤモンドや非ダイヤモンド炭素
物質を析出させる工程と、非ダイヤモンド炭素物質を除
去する工程とを組み合わせて実施する。炭素源ガスとし
ては、ガス化した炭素、メタン、エタン、プロパン、ア
セチレン、アセトン、メタノール、エタノール、ブタノ
ール、アセトアルデヒド、−酸化炭素、二酸化炭素など
のガスが挙げられる。
本発明の方法において、ダイヤモンドや非ダイヤモンド
炭素物質を析出させる具体的な方法としては、熱フィラ
メントによる熱分解を利用する化学気相成長法、基体へ
の電子衝撃を与えて分解・励起を促進させる化学気相成
長法、マイクロ波放電や直流放電によるプラズマを用い
た化学気相成長法、加速した炭素イオンの基体への衝突
を利用するイオンビーム蒸着法などが挙げられる。
ダイヤモンドや非ダイヤモンド炭素物質を析出させるた
めの反応条件について簡単に説明する。
炭素源ガスと水素とを含む原料ガス中の炭素源ガス濃度
は、基体上への析出物の性質を変化させる重要な条件で
ある。この条件に関しては、後により詳細に説明する。
反応圧力は、ダイヤモンドや非ダイヤモンド炭素物質の
析出速度に大きく影響する条件であるが、他の反応条件
によっても左右されるため特に限定されない。一般には
、圧力が高いと反応に寄与する炭素の濃度が高まること
に起因して析出速度が増加する。例えば、プラズマを用
いた化学気相成長法の場合は、0,1〜1000Tor
rの範囲とすることが好ましい。
ガス流量は、反応によって消費された原料ガスを補充す
るとともに、反応によって生成した不要なガス成分を排
出することができれば充分であるため特に限定されず、
各気相成長法、反応装置に応じてガス流量を設定すれば
よい。
原料ガスの分解・励起、及び基体上での析出反応を制御
する条件も特に限定されず、前述した各気相成長法に応
じた条件を設定すればよい。例えば、熱フイラメント法
ではフィラメントを2000℃程度に加熱することが望
ましい。また、直流放電を用いた化学気相成長法では、
放電として正規グロー放電よりもアーク放電側の領域を
必要とするため、直流印加電圧を両極間距離及び反応圧
カー定の条件下における正規グロー放電時の両極間電圧
と同等か又は高い値に設定することが好ましい。
また、基体温度は600〜1000℃範囲とすることが
好ましい。
次に、炭素源ガスと水素とを含む原料ガス中の炭素源ガ
ス濃度と、ダイヤモンドや非ダイヤモンド炭素物質など
の析出物の性質との関係を詳細に説明する。
炭素源ガス濃度が低い条件では、ダイヤモンドは基板に
対して特定の配向性をもたずに等方的に成長し、双晶が
重なりあった多重双晶粒子が得られる。この成長様式で
は、基体表面に平行な方向に対しても成長が進むことか
ら、隣り合うダイヤモンド粒子どうしが合体又は接合し
て膜が形成される。
炭素源ガス濃度が高い条件では、ダイヤモンドは基板表
面に垂直方向に異方的に成長し、柱状構造の結晶粒が得
られる。このような柱状のダイヤモンド結晶粒は、特定
の結晶面が基体表面に平行となるように、いわゆる配向
成長している。この場合、ダイヤモンド結晶粒は、(1
10)や(100)に強く配向する傾向がある。この成
長様式では、基体表面に垂直な方向に成長が進むことか
ら、ダイヤモンドの核形成密度が小さい場合には、隣り
合うダイヤモンド粒子どうしの合体又は接合は起こりに
くい。
配向性の強い結晶が成長する条件よりも更に炭素源ガス
濃度が高い条件では、微細で、明瞭な結晶面をもたない
炭素粒子からなる非ダイヤモンド炭素物質の割合が多い
膜が得られる。ここで、非ダイヤモンド炭素物質とは、
ダイヤモンドとは異なった構造の炭素であり、二重結合
(s p2結合)成分をもつ黒鉛、非晶質炭素などを意
味する。
本発明の方法において、特定の結晶面が基体表面に平行
となるように配向成長したダイヤモンド結晶粒、及び基
体表面に対して特別な方向性をもたずに成長した非ダイ
ヤモンド炭素物質からなる混合層を形成する工程(以下
、混合成長工程という)では、炭素源ガス濃度として、
前述した配向性の強い結晶が成長する条件と、微細な非
ダイヤモンド炭素物質の割合が多い析出物が得られる条
件との中間の条件が適用される。このような条件を達成
するためには、炭素源ガスと水素とを含む原料ガス中の
炭素源ガス濃度(体積比)は、1個の炭素原子を有する
分子のガスの場合には0.1〜1%、2個の炭素原子を
有する分子のガスの場合には0.1〜0.8%、3個の
炭素原子を有する分子のガスの場合には0.1〜0.5
%、4個の炭素原子を有する分子のガスの場合には0.
1〜0,4%の範囲とすることが好ましい。具体的には
、例えばメタンと水素との混合ガスを用いる場合、メタ
ン濃度を1.5〜6%の範囲とすることが好ましい。特
に、メタン濃度を3〜6%の範囲とした場合、ダイヤモ
ンド柱状結晶粒は(100)に強く配向したものとなる
。この工程では、基体表面に垂直方向へ成長した柱状の
ダイヤモンド結晶粒を非ダイヤモンド炭素物質が取り囲
んだ構造を有する、ダイヤモンドと非ダイヤモンド炭素
物質とが混合した析出層が形成される。
なお、混合成長工程において析出する個々のダイヤモン
ド柱状結晶粒の底面積(結晶粒が基体表面に接している
面積)の大きさは、ダイヤモンドの核形成密度に依存し
て決定される。例えば、核形成密度が小さい場合には底
面積は大きくなり、逆に核形成密度が大きい場合には底
面積は小さくなる。これは、ダイヤモンドの核形成が析
出の初期段階で行なわれ、それ以降は核形成が起きず、
核を中心とするダイヤモンドの成長が隣り合う粒子との
接触・接合に至るまで継続されることに起因する。ここ
で、ダイヤモンドの核形成密度は、主として基体の表面
状態に応じて変化する。一般に、ダイヤモンドの核を高
密度に析出させるためには、基体表面をダイヤモンドや
炭化けい素などの硬質粉を用いて研磨する前処理(いわ
ゆる傷付は処理)が行われる。例えば、基体としてSi
ウェハーを用いる場合、傷付は処理を施さない鏡面研磨
状態の表面では核形成密度は103個/(至)2程度で
あるが、傷付は処理を施すと核形成密度は108個/c
o+2のオーダーとなる。したがって、例えばSiウェ
ハーを基体として用いる場合、傷付は処理を調整するこ
とによって、ダイヤモンドの核形成密度を10’〜10
8個/cl112の範囲で調整することができ、それに
応じてダイヤモンド柱状結晶粒の大きさ(底面積)を調
整することができる。
本発明の方法において、等方向に成長したダイヤモンド
を形成する工程(以下、等方成長工程という)では、炭
素源ガス濃度として、前述したダイヤモンドが等方向に
成長する条件が適用される。
このような条件を達成するためには、炭素源ガスと水素
とを含む原料ガス中の炭素源ガス濃度(体積比)は、1
個の炭素原子を有する分子のガスの場合には0.1〜1
%、2個の炭素原子を有する分子のガスの場合には0.
1〜0.8%、3個の炭素原子を有する分子のガスの場
合には0.1〜0.5%、4個の炭素原子を有する分子
のガスの場合には0.1〜0.4%の範囲とすることが
好ましい。具体的には、例えばメタンと水素との混合ガ
スを用いる場合、メタン濃度を0.1〜1%の範囲とす
ることが好ましい。この工程では、特定の配向性をもた
ず、双晶が重なりあった多重双晶粒子がら構成されるダ
イヤモンドが成長する。このダイヤモンドの成長方向は
等方向であり、基体表面に平行な方向に対しても成長が
進む。
次に、本発明の方法における、非ダイヤモンド炭素物質
を選択的に除去する工程(以下、除去工程という)につ
いて説明する。この工程では、水素、空気、酸素から選
ばれるガスを供給し、プラズマエツチングを行う。これ
らのエツチングガスを使用した場合、エツチング速度は
非ダイヤモンド炭素物質の方がダイヤモンドよりも格段
に速いため、非ダイヤモンド炭素物質が選択的に除去さ
れる。この工程において、使用するガス以外のプラズマ
エツチングの条件は、プラズマ化の方法やエツチング装
置によって異なるため特に限定されない。
本発明の第1の方法では、前述した混合成長工程、除去
工程、及び等方成長工程の3つの工程を複数回繰り返す
ことにより、ダイヤモンド多孔質体を製造する。この方
法を第1図(a)〜(C)及び第2図に示す模式図を参
照して説明する。第1図(a)に示すように、混合成長
工程においては、基体1上にダイヤモンド柱状結晶粒2
と非ダイヤモンド炭素物質3とを成長させる。この工程
では、基体の傷付は処理などによるダイヤモンドの核形
成密度、及び炭素源ガス濃度を調整することによって、
ダイヤモンド柱状結晶粒2と非ダイヤモンド炭素物質3
との割合を調整できる。第1図(b)に示すように、除
去工程においては、ダイヤモンド柱状結晶粒2を取り囲
んでいる非ダイヤモンド炭素物質3を選択的に除去して
この部分に空隙を形成し、ダイヤモンド柱状結晶粒2の
みを残す。
したかって、混合成長工程の条件を調整することにより
、空隙の大きさを調整できる。第1図(C)に示すよう
に、等方成長工程においては、ダイヤモンドを等方向に
、隣り合う粒子か互いに接合するまで成長させ、空隙を
残した状態で反応を中止 ゛することにより、この架橋
ダイヤモンド4によりダイヤモンド柱状結晶粒2どうし
を架橋させる。
第1図(C)の平面図を第2図に示す。更に、これらの
工程を繰り返すことにより、空隙を残した状態でダイヤ
モンドの層を積層して厚くすることができる。このよう
にして、実質的にダイヤモンドのみから構成されるマト
リックス間に、連続的な気孔が形成されたダイヤモンド
多孔質体を製造できる。
本発明の第2の方法では、前述した混合成長工程、及び
等方成長工程の2つの工程を複数回繰り返した後、混合
成長工程で形成される非ダイヤモンド炭素物質を選択的
に一括して除去し気孔を形成することにより、ダイヤモ
ンド多孔質体を製造する。
本発明の方法によれば、ダイヤモンドの粉末や粒子をバ
インダーとともに焼結して多孔質体を製造する場合と異
なり、異種物質を含まずに実質的にダイヤモンドのみか
ら構成され、したがってダイヤモンドのもつ優れた性質
を最大限に発揮し得る多孔質体を製造できる。また、本
発明の方法によれば、混合成長工程及び等方成長工程の
条件を調整することにより、多孔質体の気孔率を容易に
調整できるという利点がある。更に、各工程は、ガスの
切換などの操作を行うだけで、同一の装置内で連続的に
実施でき・るので、経済性に優れてい・  る。
本発明のダイヤモンド多孔質体は、以上のような方法に
より製造され、実質的にダイヤモンドのみから構成され
るマトリックス間に、連続的な気孔すなわち開放気孔が
形成されているものである。
このダイヤモンド多孔質体の気孔率は、約1〜75%の
範囲である。気孔率が1%未満のものは、混合成長工程
においてダイヤモンド柱状結晶粒の割合か多くなるよう
な条件が設定され、非ダイヤモンド炭素物質が析出する
間隙の縦横比(アスペクト比)が小さくなり、除去工程
において非ダイヤモンド炭素物質の除去が困難となるた
め、実用的には製造が困難である。気孔率が75%を超
えるものは、混合成長工程においてダイヤモンド柱状結
晶粒の割合が少なくなるような条件が設定されるため、
強度が極めて弱くなる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第3図に示した反応装置を用いて多孔質ダイヤモンドを
製造した。この反応装置11は、石英ガラス製の反応容
器12を有する。この反応容器12は、原料ガスを供給
するガス供給装置(図示せず)に接続されたガス供給口
13、及び反応によって生じた不要なガスを排出するた
めの排気装置(図示せず)に接続されたガス排出口14
を有する。また、反応容器12内には、基体1を固定す
るためのモリブデン製基体ホルダー15が設けられてい
る。基体ホルダー15の下部には、図示しない電源から
給電され、基体1を所定の温度に調整する加熱ヒー2−
16が設けられている。更に、この基体ホルダー15の
上部には、反応容器12内に導入された原料ガスを分解
するためのタンタル製のフィラメント17が配置されて
いる。このフィラメント17はモリブデン製給電治具1
8に固定されるとともに、給電治具18を介して電源(
図示せず)から給電される。
これらの基体ホルダー15とフィラメント17との間に
は、基体ホルダー15上の基体1に対して正電位が印加
されるように、直流電源19が接続されている。
実施例1 本実施例においては、基体1として表面をダイヤモンド
ペーストにより研磨処理したSiウェハー(15mm 
X 15+*m )を使用し、以下のような条件で反応
を行った。
反応容器12内に基体1を配置し、反応容器12内を1
0−’Torrに排気した。フィラメント1Bを200
0℃に加熱しながら、メタン/水素の容積比3/97の
混合ガスを圧力80Torr、流量150cc/分で反
応容器12内に流すとともに、基体ホルダー15に正の
直流電位150Vを印加しながら、基体1の温度を加熱
ヒーター16を補助加熱源として調整し、850℃に保
持した。この工程を10時間継続して、特定の結晶面が
基体表面に平行となるように配向成長したダイヤモンド
結晶粒、及び非ダイヤモンド炭素物質からなる混合層を
形成した(混合成長工程)。
メタンガスの供給を中止し、フィラメント16を200
0℃に加熱しながら、水素ガスを圧力100Torr。
流量200cc/分で反応容器12内に流すとともに、
基体ホルダー15に正の直流電位300vを印加するこ
とにより、基体1とフィラメント16間に直流放電によ
る水素プラズマを形成した。この工程を1時間継続して
、前工程で形成された非ダイヤモンド炭素物質を除去し
た(除去工程)。
フィラメント16を2000℃に加熱しながら、メタン
/水素の容積比0 、5/ 99.5の混合ガスを圧力
60Torr、流量150cc/分て反応容器12内に
流すとともに、基体ホルダー15に正の直流電位150
Vを印加しながら、基体1の温度を850℃に保持した
この工程を20時間継続して、等方向に成長したダイヤ
モンドを形成した(等方成長工程)。
これらの工程を合計3回繰り返した後、ガスの供給、フ
ィラメント17及びヒーター1Bによる加熱、基体1へ
の電位印加を中止した。堆積物が形成された基体1を取
り出し、基体であるSiをフッ硝酸を用いて溶解除去し
た。この結果、厚さ約30−で15mm X 15mm
の大きさの堆積物が得られた。
堆積物の表面及び裏面(基体側)を走査型電子顕微鏡で
観察したところ、表面には平均2辱×21の気孔が、裏
面には平均3gmX3nの気孔が一様に分布して形成さ
れていることがわかった。
この堆積物の表面に、スポイトを用いてエタノールを滴
下したところ、裏面から染み出し、液体透過性を示した
。このことから、この堆積物が連続気孔を有することが
確認された。この堆積物について、JIS R2205
の排水法によって、吸水率(気孔率)を求めたところ、
約20%であった。更に、この堆積物の表面及び裏面を
X線回折とラマン分光で調べた結果、この堆積物はダイ
ヤモンドであることが確認された。
実施例2 本実施例においては、第3図に図示した装置を用い、実
施例1と同一の条件で、混合成長工程及び等方成長工程
を2回ずつ繰り返した後、実施例1と同一の条件で除去
工程を行った。基体を溶解除去することにより、厚さ約
20−で15■■X15amの大きさの堆積物が得られ
た。この堆積物の気孔率を調べたところ、約30%であ
った。この堆積物をX線回折とラマン分光で調べた結果
、ダイヤモンドであることが確認された。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、実質的にダイヤモ
ンドのみからなる多孔質体、及びこのようなダイヤモン
ド多孔質体を簡便に製造し得る方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)は本発明の方法を工程順に示す模
式図、第2図は第1図(e)に対応する平面図、第3図
は本発明の実施例において用いられた気相成長装置を示
す断面図である。 1・・・基体、2・・・ダイヤモンド柱状結晶粒、3・
・・非ダイヤモンド炭素物質、4・・・架橋ダイヤモン
ド、11・・・気相成長装置、12・・・反応容器、1
5・・・基体ホルダー、16・・・加熱ヒーター、17
・・・フィラメント、19・・・直流電源。 出願人代理人 弁理士 鈴江武彦 第1図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)実質的にダイヤモンドのみから構成されるマトリ
    ックス間に連続的な気孔が形成されていることを特徴と
    するダイヤモンド多孔質体。
  2. (2)基体上に、特定の結晶面が基体表面に平行となる
    ように配向成長したダイヤモンド結晶粒、及び非ダイヤ
    モンド炭素物質からなる混合層を形成する工程と、前記
    非ダイヤモンド炭素物質を選択的に除去することにより
    気孔を形成し、前記ダイヤモンド結晶粒を残存させる工
    程と、等方的に成長したダイヤモンドを形成して、気孔
    を残したまま該ダイヤモンドにより前記ダイヤモンド結
    晶粒どうしを架橋させる工程とを有し、これらの3工程
    を複数回繰り返すことを特徴とするダイヤモンド多孔質
    体の製造方法。
  3. (3)基体上に、特定の結晶面が基体表面に平行となる
    ように配向成長したダイヤモンド結晶粒、及び非ダイヤ
    モンド炭素物質からなる混合層を形成する工程と、該混
    合層上に等方的に成長したダイヤモンドを形成する工程
    とを有し、これらの2工程を複数回繰り返した後、前記
    非ダイヤモンド炭素物質を選択的に除去することにより
    気孔を形成することを特徴とするダイヤモンド多孔質体
    の製造方法。
JP2281773A 1990-10-22 1990-10-22 ダイヤモンド多孔質体及びその製造方法 Pending JPH04160074A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005516881A (ja) * 2002-02-05 2005-06-09 エレメント シックス (プロプライエタリイ)リミテッド ダイヤモンド電極
JP2007532782A (ja) * 2004-04-13 2007-11-15 インテル・コーポレーション 多孔性ダイヤモンド・フィルムの製造
JP2008074690A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Kobe Steel Ltd 多孔性ダイヤモンド膜およびその製造方法

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