JPH0415667Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、液体注出容器に係り、特に高粘度の
液体を注出する容器に関する。

〔従来の技術〕

従来、口筒部に液体注出ポンプを取り付けると
共に、この液体注出ポンプの下部から吸入管を垂
設した高粘度液体注出容器にあつては、ポンプで
注出を行うと、内容液が高粘度のために容器内壁
付近に液体が付着して残存し、液体注出時に容器
内の液体は吸入管の付近のみ吸引されて、第４図
におけるＡ線で示されるように、いわゆる“るつ
ぼ型”の吸引形状を示し、内容液は液面が平坦に
なるよう注出されないので、容器内壁付近に残存
している液体が重力によつて降りて来るまで次回
の注出は出来ず、頗る不便であつた。

そこで、容器内壁付近に液体が残存することを
防止し、液面を平坦にした状態で注出を行う高粘
度液体の注出容器としては実開昭59−122813号公
報等に記載されているものが案出されている。

これは、第３図及び第４図に示すように、有底
で筒状の容器本体３１の上端開口部に螺着される
べき容器天板３２の中央に口筒部３３を突設し
て、この口筒部３３に液体注出ポンプ３４を取り
付け、この液体注出ポンプ３４の下部から吸入管
３５を垂設してあり、また、容器本体３１に内接
すべく設けた均し板３６の略中央に挿通孔３７を
形成して、この挿通孔３７に前記吸入管３５を貫
通し、さらに、容器天板３２に容器本体３１を螺
着して、前記均し板３６は容器本体３１内を上下
摺動自在に位置すると共に、前記液体注出ポンプ
３４から垂設した吸入管３５の下端部を容器本体
３１の内底部にまで延出したものである。

従つて、この液体注出ポンプ３４によつて高粘
度液体を注出すると、均し板３６の自重及び容器
内の負圧によつて均し板３６は液面水位に合わせ
て降下し、液面を平らにするので、高粘度液体を
液面が平坦になるように均等に注出できる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、前記第３図及び第４図に示されるもの
では、均し板３６の略中央に吸入管３５が貫通す
る挿通孔３７が形成してあり、この挿通孔３７は
前記均し板３６が容器本体３１内を上下摺動自在
に位置できるように形成したものであるから、容
器本体３１が傾いた状態では吸入管３５に均し板
３６の挿通孔３７周縁が引つ掛かかり、この状態
で注出を行つても、均し板３６はうまく降下動作
しない。

本考案は、前記事項に鑑みなされたものであ
り、高粘度液体が容器内壁付近に残存せず、液面
が平坦になるよう注出されると共に、容器本体を
傾けたまま用いても確実な注出が可能である高粘
度液体注出容器とすることを技術的課題とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前記技術的課題を解決するため、容
器本体１の上部に設けた口筒部３に液体注出ポン
プ４を取り付けると共に、この液体注出ポンプ４
の下部から吸入管６を垂設してあり、また、吸入
孔１１を中央部に有すると共に、外周部が容器本
体１の内壁に摺接している均し板８を容器本体１
内に上下摺動自在に設けた高粘度液体注出容器に
おいて、次のような技術的手段をとつた。

すなわち、前記吸入管６を伸縮自在な蛇腹状に
形成してその下端部が容器本体１の底板７上部に
至るまで伸張可能とし、この吸入管６の下端部を
前記均し板８の吸入孔１１に連結させ、この均し
板８の外周縁には、前記容器本体１の内壁１０に
摺接する環状壁９を立設した。

〔作用〕

容器の口筒部３に取り付けられた液体注出ポン
プ４を動作させると、容器本体１内の高粘度液体
が、吸入管６によりその液面部分から吸い上げら
れ、均し板８より下の容器本体１内に負圧が生
じ、均し板８がこの負圧によつて液面の下降とと
もに容器本体１内を下降する。これに伴つて吸入
管６も下方に伸張されて、高粘度液体の液面が平
坦になるように均等に押さえつける。

そして、本考案は、容器本体１を傾けて内溶液
を注出しても、均し板８の吸入孔１１は、この吸
入孔１１に連結してある伸縮自在な蛇腹状に形成
した吸入管６の下端部と共に滑らかに下降する。

さらに、均し板８の外周縁は、外周縁に立設し
た環状壁９が、容器本体１の内壁１０に摺接し
て、傾斜して引つ掛ることなく、滑らかに下降す
る。

したがつて、容器本体１内が過度の負圧となる
ことがなく、内容液の注出が容易にできる。

また、吸入管６が吸入孔１１に連結し、さら
に、均し板８が傾かないので、吸入孔１１の周縁
部及び均し板８の外周縁部に隙間が発生せず、こ
の部分から空気が容器本体１内に流入しないの
で、均し板８の下降を妨げることもない。

そして、容器本体１の内壁１０に付着した内溶
液は、残留することなく掻き落とされる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図及び第２図に
基づいて説明する。

有底で筒状の容器本体１の上端開口部に螺着さ
れる容器天板２の中央に口筒部３が突設され、こ
の口筒部３に液体注出ポンプ４が取り付けられて
いる。また、容器天板２の下部には前記口筒部３
と連通した押さえ筒部５が垂設されている。

前記液体注出ポンプ４の下部には吸入管６が設
けられ、この吸入管６は蛇腹状に形成されて伸縮
自在となつており、前記押さえ筒部５内を通つて
容器本体１の底板７上部に至るまで伸張可能とな
つている。

また、容器本体１内には均し板８が上下摺動自
在に設けられており、この均し板８の外周縁から
は断面が略円弧状となつた環状壁９が立設され
て、容器本体１の内壁１０に２点で摺接してい
る。また、均し板８には中央に吸入孔１１が穿設
され、この吸入孔１１に前記吸入管６の下端部が
連結されている。

さらに、前記容器本体１の上端開口部の内側部
は粗面１２となつており、均し板８の環状壁９が
この粗面１２に摺接した時、少々の隙間が生ずる
ようになつている。

このようにすることで、前記容器天板２に形成
された押さえ筒部５で均し板８を容器本体１内に
押し込んで入れる際に、環状壁９と粗面１２との
間の間隙から空気が逃げることができ、均し板８
を容器本体１内により挿入し易くなつている。

そして、液体注出ポンプを作動させると、均し
板８より下の容器本体１内にある高粘度液体がそ
の液面部分から吸入管６により吸い上げられ、容
器本体１内が負圧となり、液面の下降とともに均
し板８が下降し、液面を押さえつけて均等に下降
せしめる。また、環状壁９があることにより、容
器本体１を傾けても均し板８が傾いてしまうこと
がなく、高粘度液体が確実に注出できる。さら
に、環状壁９のシール性は高い。

また、前記実施例において、容器本体１の上端
開口部の内側部には粗面１２を形成して均し板８
を容器本体１内に挿入する際の空気の逃げ道を形
成しているが、そのためには粗面１２に限らず、
ローレツト状の縦溝でもよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、伸縮自在な蛇腹状に形成した
吸入管６の下端部を、均し板８の吸入孔１１に連
結し、均し板８の外周縁に、容器本体１の内壁１
０に摺接する環状壁９を立設したものである。

したがつて、容器本体１を傾けて内溶液の注出
をしても、均し板８の吸入孔１１は、吸入管６と
共に滑らかに下降し、均し板８の外周縁の環状壁
９も、溶器本体１の内壁１０に対して傾斜せず、
滑らかに下降するので、容器本体１内が過度の負
圧となることがなく、内容液の注出が容易にでき
る。

また、吸入管６が吸入孔１１に連結し、さら
に、均し板８が傾かないので、吸入孔１１の周縁
部及び均し板８の外周縁に隙間が発生することが
なく、この部分から空気が容器本体１内に流入し
ないので、均し板８の下降が妨げられない。

そして、容器本体１の内壁１０に付着した内溶
液を残留させることなく掻き落し、内容液を残ら
ず注出できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、
第２図はその半断面図、第３図はは従来例を示す
全体の分解斜視図、第４図はその断面図である。 １……容器本体、３……口筒部、４……液体注
出ポンプ、６……吸入管、７……底板、８……均
し板、９……環状壁、１０……内壁、１１……吸
入孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容器本体１の上部に設けた口筒部３に液体注出
   ポンプ４を取り付けると共に、この液体注出ポン
   プ４の下部から吸入管６を垂設してあり、また、
   吸入孔１１を中央部に有すると共に、外周部が容
   器本体１の内壁に摺接している均し板８を容器本
   体１内に上下摺動自在に設けた高粘度液体注出容
   器において、 前記吸入管６を伸縮自在な蛇腹状に形成してそ
   の下端部が容器本体１の底板７上部に至るまで伸
   張可能とし、この吸入管６の下端部を前記均し板
   ８の吸入孔１１に連結させ、この均し板８の外周
   緑には、前記容器本体１の内壁１０に摺接する環
   状壁９を立設したことを特徴とする高粘度液体注
   出容器。