JPH04153321A - 分割型複合繊維 - Google Patents

分割型複合繊維

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JPH04153321A
JPH04153321A JP2276554A JP27655490A JPH04153321A JP H04153321 A JPH04153321 A JP H04153321A JP 2276554 A JP2276554 A JP 2276554A JP 27655490 A JP27655490 A JP 27655490A JP H04153321 A JPH04153321 A JP H04153321A
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JP
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component
polyester
fiber
polyester component
acid
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JP2276554A
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Mikio Tashiro
幹雄 田代
Masahiko Ikeda
雅彦 池田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は繊維の横断面において連続して存在している酸
アミド系有機溶剤易溶出性ポリエステル成分(A)によ
り酸アミF系有機溶剤難溶出性ポリエステル成分(B)
が複数個に分割された分割型複合繊維に関する。
〔従来の技術〕
従来より、ある溶媒に対して易溶出性を示す易溶出成分
と難溶用成分を易溶出成分によって難溶用成分が複数個
に分割された形状を示すごとく配置した分割型複合繊維
は、易溶出成分を溶媒により除去することにより極めて
細デニール、特に1デニール以下の難溶用成分からなる
糸条が得られることは広く知られている。
ここで、難溶用成分を高強度、高融点、耐光性、耐摩耗
性などの優れた物性を有するポリエステルにして最終製
品とすることを1″1的とした分割型蝮合繊維およびそ
れに関連して、次のようなものが知られている。
例えば、特開昭58−23917号公報において、融点
が200°C以上のポリエステルと150°C以下のポ
リエステルからなる多層構造を有するポリエステル系複
合繊維の例が記載されている。
しかしながら、融点が150°C以下のポリエステル成
分を後工程でフィブリル化を促進するとしているものの
、その組成として、脂肪族ポリエステルおよびポリエス
テルエーテルを使用するものであり、また溶出溶剤とし
て酸アミド系有機溶剤を使用することや酸アミド系有機
溶剤に易溶出のポリエステル組成に関することは一切記
載されていない。
また、特開昭54−55665号公報、特開昭54−1
38620号公報、特開昭55−51820号公報、特
開昭61−2961.20号公報、特開昭63−159
523号公報などは、ポリエステル系分割型複合繊維に
関するものであるが、アルカリ易溶出性のポリエステル
組成として金属スルホネート基を含有するイソフタル酸
を20モル%以下共重合したポリエステルを用いている
もので、前記特開昭58−23917号公報と同様に溶
出溶剤として酸アミド系有機溶剤を使用することや酸ア
ミド系有機溶剤に易溶出性のポリエステル組成に関する
ことは一切記載されていない。
ポリエステル系繊維をアルカリ処理する場合、処理時間
が長く、例えば人工皮革を製造するT程でバインダーと
して、一般にポリウレタンを使用するが、この後でアル
カリ処理するとポリウレタンがアルカリに侵され、得ら
れた人工皮革の品位が損なわれるし、たとえアルカリ易
溶出性のポリエステルを使用しても、他方のポリエステ
ルもアルカリによって侵され易く、アルカリ処理条件の
コントロールが大変であり、またアルカリ処理時間が長
いということは処理の生産性が悪いということであり、
コスト高であるという問題がある。
また、不織布でアルカリ処理した場合、高温での処理と
なるため、不織布中の繊維間の絡合がゆるみ、毛布状と
なり、または切断するため生産が難しくなる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記のような点に鑑み、溶出溶剤とし
て酸アミド系有機溶剤を使用し、これに易溶出性の特殊
な共重合ポリエステルを分割型複合繊維の一方の成分と
して使用して、分割処理効率を高めることが可能な分割
型複合繊維を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、繊維横断面で連続して存在している酸アミド
系有機溶剤易溶出性ポリエステル成分(A)により酸ア
ミド系有機溶剤難溶出性ポリエステル成分(B)が複数
個に分割されている分割型複合繊維において、該ポリエ
ステル成分(A)が、全酸成分の30〜60モル%がイ
ソフタル酸で、70〜40モル%がテレフタル酸で、か
つ全グリコール成分の70モル%以上がエチレングリコ
ールからなるポリエステルであって、ポリエステル成分
(A):ポリエステル成分(B)が重量比で8010〜
2;98であり、該ポリエステル成分(B)の構成単位
が1デニール以下で、かつ該構成単位が8個以上であり
、分割前の繊維の太さが1〜20デニールであることを
特徴とする分割型複合繊維である。
本発明における酸アミF系有機溶剤としては、NN−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチル
アセトアミド、N−メチル−2ピロリドンなどが使用で
きる。処理液の濃度は50重景%水溶液〜100重量%
で、温度は、10〜100°Cで用いられる。
繊維横断面で連続して存在している酸アミド系有機溶剤
易溶出性ポリエステル成分(A)により酸アミド系有機
溶剤難溶出性ポリエステル成分(B)が複数個に分割さ
れた形状を示す分割型複合繊維のいくつかの例を第1〜
9図に示す。
第1〜9図において、Aが酸アミド系有機溶剤易溶出性
ポリエステル成分(A)、Bが酸アミド系有機溶剤難溶
出性ポリエステル成分(B)である。第1〜3図におい
ては、酸アミF系有機溶剤難溶出性ポリエステル成分(
B)(以下rB」という)は酸アミド系有機溶剤易溶出
性ポリエステル成分(A)(以下「A」という)により
16に分割されている。第4図は、Aを海、Bを島とし
た海島型の分割型複合繊維であって、島であるB成分は
海であるA成分によって26に分割されている。第5〜
6図は、偏平断面のものであり、第7〜9図は、それぞ
れ第1〜3図の外周部をA成分で被覆した断面形状のも
のであり、複合紡糸時に、Bに対するAの比率を高める
ことにより得られ、このような断面形状の分割型複合繊
維は、酸アミド系有機溶剤溶出後に繊維間の空間を持た
せ、嵩高で、ソフトな人工皮革製品を製造するのに適し
ている。分割型複合繊維の断面形状およびB成分の断面
形状は、第1〜9図に示される形状に限定されるもので
はなく、公知のいかなる形状をも適用できるものである
分割型複合繊維を編成、製織、ウェブ形成などを行った
のち、A成分の溶出処理を行うが、その処理時間が長い
と生産性が悪く好ましくない。
本発明は、かかる問題を解消することを可能にしたもの
で、B成分の分割繊維を得るための分割型複合繊維にお
いてA成分が全酸成分の30〜60モル%、好ましくは
35〜55モル%がイソフタル酸で、70〜40モル%
、好ましくは65〜45モル%がテレフタル酸(ただし
、イソフタル酸十テレフタル酸−100モル%)で、か
つ全グリコール成分の70モル%以上がエチレングリコ
ールからなるポリエステルであることを特徴とするもの
である。
分割型複合繊維のA成分の酸アミド系有機溶剤による溶
出処理をより早く行うには、A成分中のイソフタル酸量
は30モル%以上であることが必須である。イソフタル
酸量が増加するほど、またテレフタル酸量が減少するほ
ど、A成分の溶出時間は早くなる。しかも驚くべきこと
にA成分中のイソフタル酸量が30モル%付近を境にし
て急激に溶出時間が短くなっており、A成分中のイソフ
タル酸量を30モル%以上にすることは溶出時間の点か
ら必要であり、35モル%以上とすることが一層好まし
い。
A成分中のイソフタル酸量を30モル%以上(すなわち
、テレフタル酸量が70モル%以下)にすると融点(厳
密には、非品性ポリエステルとなっていくので軟化開始
温度を意味する)が低下し、分割型複合繊維の紡糸工程
や後加工工程で熱膠着を生じ易く、工程調子を低下させ
るため、A成分中における全酸成分の40モル%以上が
テレフタル酸(すなわち、イソフタル酸量が60モル%
以下)であり、かつ全グリコール成分の70モル%以上
がエチレングリコールであることが、融点を70°C以
上にして、熱膠着を防止するためにはどうしても必要で
ある。
融点が70°C未満にならない範囲で融点調整、非品性
の度合いの調整のため、A成分のグリコールとしてジエ
チレングリコール(DEC)、トリエチレングリコール
、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタツー
ル、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリ
コールなどを含んでもよく、また融点が70°C未満に
ならない範囲でA成分の酸成分としてフタル酸、メチル
テレフタル酸、アジピン酸、セパシン酸、オキシ安息香
酸、オキシメトキシ安息香酸、ジフェニルスルホンジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、ビスフェノールA、、p−キシリレン
グリコールなどを含んでもよい。
一方、酸アミド系有機溶剤難溶出性ポリエステル成分(
B)は、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテ
レフタレートであり、これらのポリエステル成分(B)
には15モル%以下の範囲内で、前記のグリコール成分
や芳香族ジカルボン酸成分を共重合してもよい。共重合
率が15モル%を超えると、ポリエステル成分(B)が
酸アミド系有機溶剤により溶出しやすくなるので好まし
くない。
酸アミド系有機溶剤難溶出性ポリエステル成分(B)の
極限粘度は、0.35以上、特に0.45以上が、複合
繊維の紡糸性や得られた製品の耐摩耗性、耐破裂性など
の点から好ましい。
酸アミド系有機溶剤難溶出性ポリエステル成分(B)の
具体例として、0.2〜6モル%の5ソジウムスルホイ
ソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレートを
用いると、溶剤溶出前または後にカチオン染料で染色が
可能であり、最終製品を鮮明に仕上げることができ、フ
ァツション性が高くなり、またよりソフトな風合いも得
ることができる。また、ポリエステル成分(B)として
、5〜15モル%のフタル酸を共重合したポリエチレン
テレフタレートを用いた複合繊維は、酸アミド系有機溶
剤易溶出性ポリエステル成分(A)の熱収縮率の高い特
性とが互いに作用しあい、極めて熱収縮率の高い複合繊
維となり、人工皮革を製造する際に、不織布を熱処理し
て、複合繊維を熱収縮させ、バルキー性に富んだソフト
なものにすることが可能であり、最終製品の品位を高め
るので好ましい。
さらに、前記ポリエステル成分(A)および(B)には
、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲で少量の
艶消し剤、抗酸化剤、蛍光増白剤、難燃剤、帯電防止剤
、顔料、撥水剤、吸湿剤、■ 吸水剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤などのよく知られた
添加剤を含有せしめることも可能である。
ポリエステル成分(A)と(B)の分割型複合繊維にお
ける複合比率は、ポリエステル成分(A)が多いほど溶
出による分割が容易であるが、反面多ずぎると分割型複
合繊維の強度、伸度が低下し、後工程通過性が悪化する
こと、溶出成分が多いとコスト的にも不利である。
以上の観点から、ポリエステル成分(A):ポリエステ
ル成分(B)は、重量比で80:20〜2:98の範囲
が好ましく、60:40〜5:95の範囲がより好まし
い。
また、分割型複合繊維の中の難溶出成分であるポリエス
テル成分(B)間のポリエステルポリマ組成を変更した
り、該ポリエステル成分(B)間のデニールを変更した
り、該ポリエステル成分(B)を接合型あるいは芯鞘型
の複合繊維とすることなど公知のいかなる技術も適応さ
せることが可能である。
本発明の分割型複合繊維は、ポリエステル成分■ (A)の構成単位を1デニール以下とし、かつ該構成単
位が8個以上であるように紡糸、延伸し、ステープル繊
維に切断し、ついで織編物や不織布としてポリエステル
成分(A)を酸アミド系有機溶剤で溶出後、各々1デニ
ール以下の8本以上の繊維群からなる織編物や人工皮革
として、優れたドレープ性、ソフトな風合い、感触の優
れた特徴を発揮させることが可能である。
上記構成単位数は、8個以上が優れたドレープ性、ソフ
トな感触を得るためには必要であり、好ましくは12以
上、さらに好ましくは20以上である。
本発明の分割型複合繊維は、分割前の複合繊維の太さが
1〜20デニールであることが必要である。1デニ一ル
未満では繊維が細くなることと特殊なポリマー系を採用
していることにより、紡糸性が著しく低下してしまうし
、また紡糸の口金数を多くする必要があり、設備費が高
くなり過ぎること、さらにこの複合繊維をカート機に掛
けたときに得られたウェブにネップやクララデイなどの
斑を生じ、最終製品の品質を極端に低下させるという問
題があり、好ましくない。一方、20デニールを超える
と、繊維が太いので、紡糸性が良好で、また紡糸口金数
を少なくでき、設備費が安くてすむが、紡糸された複合
繊維中のポリエステル成分(A)は通常の紡糸方法で紡
糸直後に象、速冷却しても固化し難く、複合繊維同士が
巻取り時に膠着する傾向があり、この複合繊維をカード
機に掛けたときに繊維が大ずぎて、カード機で処理中に
落綿が多く、得られたウェブにクララデイなどの斑を生
じ、ニードルバンチ処理によるウェブ中の繊維の絡みが
うまくいかなくなり、最終製品の品質を極端に低下させ
るという問題があり、好ましくない。
分割型複合繊維の熱収縮率は、人工皮革を製造する際に
、不織布を熱処理して、複合繊維を熱収縮させ、バルキ
ー性に冨んだ、ソフトなものにすることが可能であり、
最終製品の品位を高めるためには重要である。
なお、本発明の分割型複合繊維の70°C熱水収縮率は
、70%以下の任意の値を取りうるが、人工皮革のソフ
トさ、ドレープ性、表面の緻密さを向上させるためには
、特に10〜70%が好ましい。
本発明の分割型複合繊維は、前述の特定のポリエステル
を使用し、かつ紡糸後の未延伸繊維において延伸工程で
50〜75°Cの温度の温水浴で該未延伸繊維の最大延
伸倍率の60〜90%の延伸倍率で延伸することにより
、70“C熱水収縮率が10〜70%である高収縮性繊
維が得られる。
通常のポリエステル成分(B)のみの単独の繊維を同一
条件で延伸する場合に比し、本発明の分割型複合繊維は
より高い熱水収縮率を示す。
その理由は、ポリエステル成分(A)と複合しているた
めで、該ポリエステル成分(A)が熱水によって大きく
収縮する特徴を持っていることによるものであり、該ポ
リエステル成分(B)は該ポリエステル成分(A)の熱
収縮力に助けられて一緒に収縮するものと推定される。
このように熱収縮率の高い本発明の分割型複合■ 繊維は、ごれ単独で、またば熱収縮率の比較的低い他繊
維と混合して、織編物や不織布にされ、次いで酸アミド
系有機溶剤溶出処理前またはそれと同時に熱収縮処理が
行われ、極めて嵩高で弾力性に冨みソフトな高品位の製
品となる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例における評価および特性値の測定は下記に
よった。
肪糸訓−子 紡糸1口金から吐出された糸条の切断頻度や構成繊維同
士の膠着発生度合いを観察して評価した。
○;断糸や膠着がなく良好。
△;断糸がやや発生傾向であるが紡糸可能。
×;断糸が多く、連続して紡糸が不可能かまたは膠着が
激しく製品化が困難な状態を示す。
左:」」[注 繊維をカードに掛けたときのテーカインの落綿や得られ
たウェブ中のネップの発生度合いを評価した。
○;落綿またはネップがな(良好。
△;落綿がやや発生。
×;落綿またはネップが多発して不可。
2〜辺濯虜牡1虹性 溶剤溶出前後のウェブ重量比の測定、ならびに溶出後の
繊維の構成単位の分離状態を電子顕微鏡での観察により
評価した。
○;Aが完全に?吉川。
Δ〜○;Aがほぼ完全に溶出。
×;Aが溶出せず。
風合U 溶出後の不織布の触感を評価した。
◎;きわめてソフト O;ソフト Δ〜O;ややソフト ×;粗硬 春定 紡糸調子、後加工、不織布特性を総合的に判定した。
◎;全ての特性が良好で、特に風合いが極めてソフト。
○;全ての特性が良好。
Δ〜○;やや良好な特性が一部あるがそれ以外良好な場
合。
△;若干劣る特性があるが実用上問題ない場合。
×;評価特性中、1項目でも不可のものが含まれる場合
1立工塾永双胤率 JIS、  L  1015 7.15(1)の熱水収
縮率の測定法に準じて70°Cの温度で測定した。
実施例1 酸アミド系有機溶剤としてジメチルホルムアミドを使用
した例について説明する。
ジメチルホルムアミド難溶出性ポリエステル成分(I3
)として、オルソクロロフェノール中、固有粘度0.6
4のポリエチレンテレフタレート(1)ET)と、ジメ
チルホルムアミド易溶出性ポリエステル成分(A)とし
て、全酸成分の45モル%がイソフタル酸(IA)で、
55モル%がテレフタル酸(TA)で、かつ全グリコー
ル成分の100モル%がエチレングリコール(EC)で
あり、固有粘度0.60の共重合ポリエステルをA/B
複合比(重量比)で1/1の割合で、特開昭50−14
811号公報に示される複合紡糸用口金装置を用い、紡
糸温度285°C1紡糸速度1.200m/分で第3図
のごとき横断面を有する、分割総数48個の分割型複合
未延伸繊維を得た。この分割型複合未延伸繊維において
、ポリエステル成分(A)が全体に占める割合は30重
量%であった。
得られた分割型複合未延伸繊維を、55°Cの温度の温
水浴で延伸倍率3.5倍(この未延伸繊維の最大延伸倍
率は4.4倍であった)で高収縮率を得るための条件下
で延伸した。
次いで、押し込みクリンパ−で捲縮を付与し、51mm
に切断した。得られた繊維の繊度は2デニールで、捲縮
数は13山/ 25 mmで、ポリエステル成分(B)
の構成単位が0.04デニールで、70°C熱水収縮率
が55%であった。
この分割型複合繊維を、カードを通して、不織布化し、
次いでニードルパンチ処理後、70°Cの温水浴で5分
間熱収縮処理を行い、さらにジメチルボルムアミド10
0%の溶剤で温度70°C13分間の溶出処理を行った
その結果、カード性は全く問題なく、溶出処理の際に、
ポリエステル成分(A)は、100%完全に溶出してい
て、構成単位にきれいに分離していた。得られた不織布
は極めてソフトな風合いと触感に優れたものであった。
実施例2〜7、比較例1〜7 溶剤易溶出性ポリエステル成分(A)のIA、TA、E
C,、溶剤難溶出性ポリエステル成分(B)の組成、ポ
リエステル成分(B)の〔η〕、A/B複合比、断面形
状、分割層数、分割前の繊維のデニール、その構成単位
のデニール(分割後の単繊維デニール)を変更した以外
、実施例1と同様にして、紡糸調子、カート特性、ポリ
エステル成分(A)の溶剤溶出性、溶出後の不織布の風
合いなどの後加工・不織布特性を評価した。
それらの結果をまとめて第1表に示す。
IA量が45モル%(実施例1)から32モル%(実施
例2)、さらに25モル%に減少するにつれ(比較例1
)、ポリエステル成分(A)の溶剤溶出性は低下する。
TA、ECが本発明の範囲を外れると(比較例2および
3)、IAの増加、グリコール成分としてDEC共重合
によってポリエステル成分(A)は軟化点温度が低下す
るため紡糸時の巻取り工程で繊維間の膠着が発生し、そ
れ以降の評価を中止した。
ポリエステル成分(B)の〔η〕を0.3まで下げる(
実施例3)と紡糸調子が低下傾向であるため、カードで
異常糸による落綿がやや発生したが溶剤溶出性や得られ
た不織布の風合いは良好であった。
A/B複合比を1/1から9/1に、断面形状を第3図
から第9図に変更したところ(比較例4)紡糸断糸が多
発し、それ以降の評価を中止した。
分割層数を48から10に、分割前後のデニルも変更し
たところ(比較例5)、分割層数が少なく、分割後のデ
ニールが太いために風合いが硬く好ましくないものであ
った。
同じように分割層数を48から24に変更したものは(
実施例4)、良好な結果が得られた。
分割前後のデニールを変更したところ(比較例6〜7、
実施例5)、本発明の範囲内のものはほぼ満足できる結
果であったが、範囲外のものは、不満足な結果であった
溶剤難溶出性ポリエステル成分(B)の組成をPETか
ら5モル%5−ソジウムスルホイソフクル酸共重合PE
Tに(実施例6)、また10モル%IA共重合PETに
変更したところ(実施例7)良好な結果が得られた。特
に、不織布の風合いは極めて良好であった。
(以下余白) 実施例8〜9 延伸条件を変更する以外は、実施例1と同様にして分割
後の不織布の風合いを評価した。
延伸温度を55°Cから65°Cに変更したところ(実
施例8)、実施例1の場合と比較して70’C熱水収縮
率が低下し、分割後の不織布の風合いはごくわずかにソ
フトさが失われた。
延伸温度を80”Cとし、延伸倍率を2.2倍と低くし
たところ(実施例9)、70%熱水収縮率は5%と低く
、分割後の不織布の風合いはやはりソフトさが失われた
が実用上は問題ないレヘルであった。これらを実施例1
および7と併せて第2表に示す。
(以下余白) 第2表 実施例10 酸アミド系有機溶剤として、ジメチルホルムアミドの代
わりにN−メチル−2−ピロリドンを使用し、溶出時間
を3分から2分に変更する以外は実施例1と同様にして
溶出処理をした。
その結果、溶出時間を短くしたにもかかわらず溶出性は
極めて良好であり、実施例1と同様の不織布の風合いの
ものが得られた。
2 ヘ 〔発明の効果〕 本発明になる分割型複合繊維は、分割前の取扱いが容易
であり、分割処理はきわめてすみやかにかつ分割斑を生
じることなく行うことが可能で、分割後は1デニール以
下の極細糸を得ることが可能である。
通常の紡糸、延伸方法によって1デニール以下の極細糸
とすることは、紡糸、延伸工程における糸切れや毛羽発
生という問題を発生しやすいという欠点のみならず、製
編織など後工程でも同様の問題がある。これに対し、本
発明の分割型複合繊維は、1デニールより大きいデニー
ルとし分割後1デニール以下の極細糸とするよう複合繊
維を設計することにより、紡糸、延伸、製編織工程を安
定して通過させることが可能である。
従って、本発明の分割型複合繊維は、極細糸からなるス
ウエード1IjI織編物あるいは優雅な光沢と柔軟な風
合いを持った絹様織編物に使用し得るほか、不織布など
を製造する製綿工程における取扱い易さを利用して、不
織布化したのち、極めて効率的、安全に、かつ安定して
酸アミド系有機溶剤溶出処理を達成し、次いでウレタン
含浸し、染色処理し、パフ仕上げをしてスウエード調人
工皮革をつくることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1〜9図は、本発明の分割型複合繊維の例を示す横断
面の拡大モデル図である。 A:酸アミド系有機溶剤易溶出性ポリエステル成分(A
) B:酸アミド系有機溶剤難溶出性ポリエステル成分(B
) 特許出願人  帝 人 株式会社 代理人 弁理士 白 井 重 隆 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図 手続補正書(自発) 平成3年7月1日

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)繊維横断面で連続して存在している酸アミド系有
    機溶剤易溶出性ポリエステル成分(A)により酸アミド
    系有機溶剤難溶出性ポリエステル成分(B)が複数個に
    分割されている分割型複合繊維において、該ポリエステ
    ル成分(A)が、全酸成分の30〜60モル%がイソフ
    タル酸で、70〜40モル%がテレフタル酸で、かつ全
    グリコール成分の70モル%以上がエチレングリコール
    からなるポリエステルであって、ポリエステル成分(A
    ):ポリエステル成分(B)が重量比で80:20〜2
    :98であり、該ポリエステル成分(B)の構成単位が
    1デニール以下で、かつ該構成単位が8個以上であり、
    分割前の繊維の太さが1〜20デニールであることを特
    徴とする分割型複合繊維。
  2. (2)ポリエステル成分(B)がポリエチレンテレフタ
    レートおよび/またはポリブチレンテレフタレートであ
    る請求項1記載の分割型複合繊維。
JP2276554A 1990-10-17 1990-10-17 分割型複合繊維 Pending JPH04153321A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04222262A (ja) * 1990-12-21 1992-08-12 Teijin Koodore Kk 不織布の製造方法

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