JPH0415133Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はコーヒーは抽出動作を自動的に終了で
きるサイフオン式コーヒーメーカーに関するもの
である。

（従来の技術） 従来、フラスコの加熱源としてアルコールラン
プを用いたサイフオン式コーヒーメーカーは広く
知られているが、この種のコーヒーメーカーは煩
わしい操作が必要で、使い勝手が悪いという問題
があつた。

然るに、本出願人においては、本考案前に、コ
ーヒーの抽出動作を自動的に終了できるように構
成し、操作性の向上を計つたサイフオン式コーヒ
ーメーカーを考案しており、その電気回路を第４
図に示す。

第４図において、１は交流電源、２は電源スイ
ツチ、３はフラスコの加熱源である電気ヒータ、
４はフラスコの空焼き状態を検知する感熱素子
（サーモスタツト）、５は通電表示ランプ、６は過
負荷保護装置、７はサーモスタツト８及びこれを
加熱するヒータ（例えば正特性サーミスタ）９よ
りなるタイマー回路、１０は濃度切換スイツチで
あり、フラスコ内の水が電気ヒータ３により加熱
されて沸騰し熱湯がロート内に押し上げられてフ
ラスコが空焼き状態になると、感熱素子４はその
状態を検知してOFF動作する。この時、濃度切
換スイツチ１０がOFF状態にあれば電気ヒータ
３への通電は直ちに停止され、ON状態にあれば
電気ヒータ３への通電はタイマー回路７により所
定時間経過後に停止され、通電停止後フラスコの
温度が低下し内圧が下がるとロート内のコーヒー
を引き戻すようになつている。そして、濃度切換
スイツチ１０がOFFの時には淡いコーヒーが、
ONの時には濃いコーヒーを得ることができる。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、上記構造のサイフオン式コーヒーメ
ーカーにおいて、タイマー回路７中のヒータ９の
放熱性が悪いと、サーモスタツト８がOFFした
後ONに復帰するまでに要する時間t₁は第５図に
示すように長くなり、この時間t₁が長くなると下
記のような不都合を招く虞れがあつた。

例えば、濃度切換スイツチ１０をONにして一
度コーヒーを抽出した後、引き続いて再度コーヒ
ーを抽出した場合、感熱素子４がOFF動作した
時点でサーモスタツト８がONに復帰しておらな
ければ、所望濃度（濃い目）のコーヒーを得るこ
とができないものである。

然るに本考案は、コーヒーの抽出を繰り返し行
なう際に生じた不都合を解消できるサイフオン式
コーヒーメーカーを提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため本考案は、置台の底
板に金属板を用い、この金属製の底板上にタイマ
ー回路中のヒータを熱的に関連させて設けること
により、金属製の底板をヒータの放熱板として作
用させるものである。

（作用） 上記の構成により、ヒータの残熱は置台の金属
製の底板を介して効果的に放熱され、ヒータは通
電停止後速やかに温度低下する。従つて、サーモ
スタツトもOFF後短い時間でON状態に復帰でき
ることになり、引き続き行なわれるコーヒーの抽
出作業を正常に実行させることができる。

（実施例） 以下第１図乃至第３図に示した本考案の実施例
について、第４図を参照しながら詳細に説明す
る。

置台１１は管状の熱板構造をなす電気ヒータ３
を装備し、この電気ヒータ３上にフラスコ１２を
載置する。又、置台１１はフラスコ１２の外底面
中央に接する感熱素子４、過負荷保護装置６、サ
ーモスタツト８及びヒータ９を内装し、さらに電
源スイツチ２及び濃度切換スイツチ１０をその摘
子を夫々上面上に臨ませて設ける。

上記置台１１は多数の放熱用小孔２７を有する
金属板よりなる底板１１ａを具備し、この底板１
１ａ上にヒータ（正特性サーミスタ）９及びサー
モスタツト８を順次重ね合わせ固定部材２８によ
り固定している。而して、上記ヒータ９は底板１
１ａと熱的に密接した関係にあり、ヒータ９の熱
は底板１１ａを介して効果的に放熱される。

ロート１３は、底部にパイプ１５を垂設したオ
ート主体１４と、該ロート主体１４にパツキング
１６を介して上端を密着するロート支え体１７と
により構成され、ロート支え体１７の下端をパツ
キン１８を介してフラスコ１２の開口部に気密状
態に装着するものであり、その装着状態において
パイプ１５の先端をフラスコ１２の内底部に開口
する。上記ロート支え体１７は常温で開放状態に
あつて内部の雰囲気温度が所定温度に達した時に
閉塞する調圧弁１９を備えており、この調圧弁１
９は形状記憶合金２０、スプリング２１及び弁体
２２等により構成される。又、ロート支え体１７
は把手２３及び調圧弁１９の外方端側を被うカバ
ー２４を一体に成形する。

尚、図中２５はフラスコ１２の把手、２６はフ
イルターを示す。

上記の構成において、先ず水を収容したフラス
コ１２を電気ヒータ３上に載置した後、コーヒー
粉を収容したロート１３をフラスコ１２に挿着
し、次に電源スイツチ２をONする。又、この時
濃度の濃いコーヒーを好む場合には濃度切換スイ
ツチ１０をON状態とし、薄いコーヒーを好む場
合には濃度切換スイツチ１０をOFF状態として
おく。

フラスコ１２内の水は電気ヒータ３による加熱
によつて温度上昇を始め、やがて水蒸気が発生し
始めるが、調圧弁１９が開放状態にある為フラス
コ１２の内圧が直ちに上昇することはない。湯温
がやがて沸騰温度近くまで上昇し、水蒸気が多量
にしかも盛んに発生するようになり、フラスコ１
２内の雰囲気温度が所定温度に達すると、調圧弁
１９は閉塞する。すると、フラスコ１２の内圧が
急速に高まり、その圧力によつてフラスコ１２内
の熱湯はパイプ１５、フイルター２６を通してロ
ート主体１４内に押し上げられ、コーヒー粉との
接触によりコーヒー成分を抽出する。

而して、フラスコ１２内の熱湯が少なくなり空
焼き状態になると、感熱素子４はフラスコ１２の
急激な温度上昇を感知してOFF動作する。この
時、高度切換スイツチ１０がOFF状態にある場
合には直ちに電気ヒータ３への通電を断つ。する
と、フラスコ１２の温度が下がり始め、内圧も下
がることになり、やがてロート主体１４内のコー
ヒーをフイルター２６を通してフラスコ１２内に
引き戻すことになり、コーヒーの抽出動作を終了
する。

濃度切換スイツチ１０がON状態にある場合、
電気ヒータ３は感熱素子４のOFFによつて直ち
に通電が停止されず、濃度切換スイツチ１０及び
タイマー回路７を介して通電が継続される。一
方、サーモスタツト８はヒータ９により加熱され
始め、所定の時間経過によりOFF温度まで加熱
されると、OFF動作して電気ヒータ３への通電
を断つ。その後は、先の場合と同様の動作が行な
われ、コーヒーの抽出動作を終了する。

以上のように、濃度切換スイツチ１０をONし
た場合、感熱素子４のOFF動作後サーモスタツ
ト８がOFFするまでの時間だけコーヒー粉との
接触時間が長くなり、濃度の濃いコーヒーを得る
ことができる。

濃いコーヒーの抽出時においてサーモスタツト
８のOFFによりヒータ９への通電が停止される
と、ヒータ９の残熱は底板１１ａより効果的に放
熱され、その表面温度は第２図に示すように速や
かに低下することになり、サーモスタツト８は
OFF状態から短い時間t₂でONに復帰することに
なる。従つて、濃いコーヒーの抽出作業を繰り返
し行なつたところで従来のような不都合を招くこ
とはない。

（考案の効果） 以上の如く本考案によれば、サーモスタツト及
びこれを加熱するヒータよりなるタイマー回路を
用いてコーヒーの抽出作業を行なうものにおい
て、タイマー回路中のヒータの残熱を置台の底板
を利用して効果的に放熱させ、サーモスタツトを
短時間でON状態に復帰させることができ、従つ
てコーヒーの抽出作業を連続して繰り返し行なつ
たところで抽出作業を支障なく行なうことがで
き、実用上優れたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例におけるサイフオン式
コーヒーメーカーの要部構造図、第２図は同コー
ヒーメーカーにおいてヒータ（正特性サーミス
タ）の表面温度の時間的変化を示す図、第３図は
同コーヒーメーカーの縦断面構成図、第４図は本
出願人が本考案前に考案したサイフオン式コーヒ
ーメーカーの電気回路図、第５図は同コーヒーメ
ーカーにおいてヒータ（正特性サーミスタ）の表
面温度の時間的変化を示す図である。 ３……電気ヒータ、４……感熱素子、７……タ
イマー回路、８……サーモスタツト、９……ヒー
タ（正特性サーミスタ）、１１……置台、１１ａ
……底板、１２……フラスコ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気ヒータを有しかつ該ヒータ上にフラスコを
   載置する置台と、フラスコの空焼き状態を検知す
   る感熱素子と、サーモスタツト及びこれを加熱す
   るヒータよりなるタイマー回路とを備え、上記感
   熱素子による空焼き検知後上記タイマー回路によ
   り上記電気ヒータへの通電を制御するものにおい
   て、上記置台の底板に金属板を用い、この金属製
   の底板上に上記タイマー回路中のヒータを熱的に
   関連させて設けたことを特徴とするサイフオン式
   コーヒーメーカー。