JPH0414198B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本発明は、プリント基板の表面処理、例えば、
アルカリまたは電解による脱脂→水洗→酸洗い→
アルコール洗い→フレオンによる液切り→感光膜
コーテイング→乾燥→露光→エツチングまたはメ
ツキという一連の表面処理、或るいは、トリクレ
ンによる脱脂→感光膜コーテイング→乾燥→露光
→現像→エツチングまたはメツキという一連の表
面処理において、露光を除く処理をバツチ式（複
数枚同時処理方式）に施すためのプリント基板用
ハンガーに関する。

＜従来技術＞ プリント基板の表面処理は、露光以外は、プリ
ント基板をプリント基板用ハンガーに取付け、こ
れを、スタツカクレーンで吊つて一連の処理タン
ク内に順次移送している。

従来のプリント基板用ハンガーの一つに、プリ
ント基板よりも一回り大きい矩形な枠体と、この
四隅にゴムを介して取付けられ一枚のプリント基
板の四隅を引張つた状態に係止する洗濯挟みのよ
うな係止具とからなるものがあるが、これは、プ
リント基板の取付け・取外しに大変な手間がかか
り、またバツチ式でないから、各処理タンクの使
用が効率的ではない欠点がある。

他方、従来のバツチ式のプリント基板用ハンガ
ーは、プリント基板を収容した際にプリント基板
の両側端を係止する縦溝を有する吊篭であり、こ
れは、露光以外に感光膜コーテイングのときに
も、プリント基板を取外す必要があり、そして、
感光膜コーテイングタンクに付設された基板昇降
装置の挟持爪に取付ける必要があるので、大変な
手間がかかつており、感光膜コーテイングタンク
も基板昇降装置を必要とするので高価なものとな
つている。

また、上記いずれのハンガーも、大きさの異な
るプリント基板に応じた各種のハンガーを必要と
しているので、ハンガーの数量が多く、保管も大
変である。

＜発明の目的＞ 本発明は、上述した点に鑑み案出したもので、
複数枚のプリント基板を簡単確実に吊下げること
ができ、しかもプリント基板の大きさに対して汎
用性を備えており、さらに、スタツカクレーン或
いは産業用ロボツトを用いることによりプリント
基板を取外す必要がなく感光膜コーテイングを行
うことができるプリント基板用ハンガーを提供す
るものである。

＜発明の構成＞ 本発明のプリント基板用ハンガーは、 プリント基板の両端上部に穿けた二個の孔に対
してプリント基板の片面側より嵌合させられるよ
うにフツク先端が水平方向に向いかつフツク先端
同士が少し開いた状態になつているフツクを下端
に有する複数枚のプリント基板を吊下げる複数対
の吊下げ棒と、これら複数対の吊下げ棒を各対が
間隔調整自在となるように垂下した状態に支持す
るハンガー本体と、片側に並ぶ吊下げ棒の上部内
側にハンガー本体より設けられており偏心回転し
て該吊下げ棒の上部に当接して該吊下げ棒の下端
を、他側の吊下げ棒に対して離間させるカム軸
と、このカム軸を回転させるハンドルとからな
る、ことを特徴とするものである。

＜実施例＞ 以下、本発明のプリント基板用ハンガーの実施
例を第１図、第２図及び第３図を参照して説明す
る。第１図は、プリント基板用ハンガーをスタツ
カクレーン或いは産業用ロボツトで吊つて処理タ
ンク内に収容し酸処理、脱脂、または感光膜コー
テイングをしている状態を示す正面図であり、第
２図は、第１図における−断面図である。

先ず、構成を説明すると、 このプリント基板用ハンガーは、複数枚のプリ
ント基板Ｐを吊下げる複数対の吊下げ棒１と、吊
下げ棒１の上端を支持するハンガー本体２と、片
側の吊下げ棒１の下端を他側の吊下げ棒１に対し
て離間させるカム軸３と、このカム軸３を回転さ
せるハンドル４とから構成されている。吊下げ棒
１は、酸及びアルカリに耐える材料、例えばステ
ンレスよりなり、下端にフツク１１を有してい
る。第３図ａ，ｂに示すように、このフツク１１
は、先端に向つて細くなつている。そして、一枚
のプリント基板Ｐを吊下げる一対の吊下げ棒１の
下端に有するフツク１１は、プリント基板Ｐの両
端上部に穿けた二個の孔Ｐ１，Ｐ２に対してプリ
ント基板Ｐの片面側より嵌合させられるようにフ
ツク先端１１ａがほぼ水平方向に向いており、そ
して、プリント基板Ｐが滑り落ないようにフツク
先端同士１１ａ，１１ａが少し外向きに開きかつ
少し上向きになつている。ハンガー本体２は、底
面部２ａと、その四方に立上がる側面部２ｂ，２
ｂ，２ｃ，２ｃとからなる箱形に形成されてい
る。第１図において、右側の吊下げ棒１の上端
は、ハンガー本体２の底面部２ａに調整自在にボ
ルト締めされるプレート５に固定されている。従
つて、右側の吊下げ棒１は、小さいプリント基板
P′に合わせて１′の鎖線位置まで移動自在である。
また、左側の吊下げ棒１の上端は、ハンガー本体
２にボルト締めされるプレート６に固定されてい
る。このプレート６には一対のブラケツト７，７
が固設され、これに両端を軸支されるように上記
カム軸３が設けられている。このカム軸３は偏心
軸であり、左側に並ぶ吊下げ棒１の内側に設けら
れ、一端に固定した上記ハンドル４が４′の鎖線
位置にあるとき、ハンドル４が下がらないよう
に、左側に並ぶ全ての吊下げ棒１の上部内側に弛
く当つており、また実線位置まで下げたとき、偏
心作用で該片側の全ての吊下げ棒１に強く当つ
て、該全ての吊下げ棒１の下端を、他側の吊下げ
棒１に対して離間させるようになつている。ハン
ガー本体２は、側面部２ｂ，２ｂの外側にコロ
８，８を有しており、また、側面部２ｂ，２ｂ間
に二本のバー１０，１０が横架されており、バー
１０には、鍔１０ａ，１０ａが設けられている。
さらに、ハンガー本体２は、側面部２ｃ，２ｃよ
り外方に山形のブラケツト９，９が張設されてお
り、これによりストツク位置等において、対向す
る対の掛止部材に載置されるようになつている。

内部水平バー１０，１０が横架されている。

次に、作用を説明する。

先ず、ブラケツト９，９をストツク位置に設け
られた対向する対の掛止部材に載置するようにし
て、プリント基板用ハンガーをストツク位置に横
架し、ハンドル４を鎖線の如く水平に位置させ
る。そして、作業者が、吊下げ棒１のフツク１１
が手前に向く方向に立つて、孔Ｐ１，Ｐ２にフツ
ク１１，１１が入るように、プリント基板Ｐを一
枚一枚吊つていく。なお、小さいプリント基板
P′を処理する場合には、それに合わせて第１図の
右側の吊下げ棒１を１′の鎖線位置まで移動し固
定する。全部のフツク１１，１１にプリント基板
Ｐを吊つたら、ハンドル４を下げて、カム軸３を
偏心回転させ左側の全ての吊下げ棒１に強く押圧
させ、左側の吊下げ棒１の下端を、右側の吊下げ
棒１に対して離間させるように付勢すると、フツ
ク先端同士１１ａ，１１ａが少し外向きに開きか
つ少し上向きになつているので、プリント基板Ｐ
が滑り落る虞れがなく、吊られている全てのプリ
ント基板Ｐが緊張される。しかして、プリント基
板Ｐが、プリント基板Ｐが平行かつ平滑に緊張さ
れるので、プリント基板Ｐ間に乾燥風を通した場
合に乾燥風でプリント基板Ｐが大きく揺れて隣り
合うもの同士が付着し合うということがなく、ま
た、プリント基板用ハンガーを処理装置間に高速
移動しても、プリント基板Ｐが平行に傾いて隣り
合うプリント基板Ｐが付着し合うことがない。プ
リント基板Ｐを吊り終えたら、スタツカクレーン
或いは産業用ロボツトＲの吊り具Ｒ１，Ｒ２を、
ハンガー本体２の二本のバー１０，１０の鍔１０
ａ，１０ａに挟まれるように係合して吊上げ、処
理タンクＴ内に収容し、所要の処理を行い、こう
して、次々に、処理タンク間を移送して、複数の
所要の処理を行う。この場合、酸処理または脱脂
処理であるときは、液面レベルがＬ１の相対位置
になるように、プリント基板Ｐを処理タンクＴ内
に収容して、プリント基板Ｐを全浸漬する。感光
膜コーテイング処理のときは、プリント基板Ｐを
取外す必要がなく、吊つたままで、液面レベルが
Ｌ２の相対位置になるまで、プリント基板Ｐを感
光膜コーテイングタンクＴ内に下降収容する。

プリント基板処理装置ラインは、スタツカクレ
ーン或いは産業用ロボツトによつて全ラインに対
してプリント基板用ハンガーを搬送できるもので
はなく、例えば、乾燥風を吹き付けるトンネル状
のフードの中をハンガー用レールやチエンコンベ
アによつて搬送することもシステム構築上、必要
となる場合もあり、このような場合に、この実施
例のプリント基板用ハンガーによれば、プリント
基板処理装置ラインが、上部に搬送レールを備え
ているものであるときは、このレールにコロ８，
８を載せ押して搬送することができ、また、プリ
ント基板処理装置ラインが、上部に水平に走行す
るチエーンを備えているものであるときは、この
チエーンにコロ８，８を載せ搬送することができ
る。

感光膜をコーテイングして乾燥したら、プリン
ト基板Ｐを取外して露光を行い、現像、エツチン
グについては、再びプリント基板用ハンガーに吊
つて処理も遂行する。

＜変形例＞ 第１図において、左側の吊下げ棒１をカム軸３
と一体的にアジヤスト自在としても良い。

＜本発明の効果＞ 以上説明してきたように、本発明のプリント基
板用ハンガーは、 ハンガー本体より複数対の吊下げ棒を間隔調整
自在に垂下し、ハンドルを回してカム軸の偏心作
用で、片側の吊下げ棒の上部内側を押広げるよう
にして、吊下げ棒下端の外向きのフツクでプリン
ト基板上部両端に開けた孔に引掛け、複数枚のプ
リント基板を緊張状態に平行して吊ることができ
る構成であるから、 プリント基板の大きさが異なつても対の吊下げ
棒の間隔を調整することにより、該プリント基板
を吊ることができる汎用性を備えており、フツク
先端が水平方向に向いかつフツク先端同士が少し
開いた状態になつているので、プリント基板を
少々ゆれても落ないように緊張した状態に極めて
簡単確実に吊ることができる。

また、本発明のプリント基板用ハンガーによれ
ば、吊下げ棒下端のフツクでプリント基板上部両
端に開けた孔に引掛けて吊るので、感光膜コーテ
イング処理のときも、プリント基板を取外す必要
がなく、吊つたままで、基板昇降装置を付設して
いない感光膜コーテイングタンクＴ内に、吊下げ
棒のフツクが浸漬する寸前まで下降収容し、引上
げをゆるやかに行えば、均一なコーテイング膜を
得ることができ、従来の感光膜コーテイングのと
きのプリント基板の取外しの手間を省くことがで
き、感光膜コーテイングタンクに基板Ｐ係止昇降
装置を付設する必要がなくなり、プリント基板Ｐ
用ハンガーとして優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、プリント基板用ハンガーをスタツカ
クレーン或いは産業用ロボツトで吊つて酸タンク
または脱脂タンク内に収容し酸または脱脂処理を
している状態を示す正面図であり、第２図は、第
１図における−断面図であり、第３図ａ，ｂ
は、要部拡大正面図及び同側面図である。 Ｐ……プリント基板、Ｐ１，Ｐ２……プリント
基板の両端上部の孔、１……吊下げ棒、１１……
フツク、１１ａ……フツク先端、２……ハンガー
本体、３……カム軸、４……ハンドル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プリント基板の両端上部に穿けた二個の孔に
   対してプリント基板の片面側より嵌合させられる
   ようにフツク先端が水平方向に向いかつフツク先
   端同士が少し開いた状態になつているフツクを下
   端に有する複数枚のプリント基板を吊下げる複数
   対の吊下げ棒と、これら複数対の吊下げ棒を各対
   が間隔調整自在となるように支持するハンガー本
   体と、片側に並ぶ吊下げ棒の上部内側にハンガー
   本体より設けられており偏心回転して該吊下げ棒
   の上部に当接して該吊下げ棒の下端を、他側の吊
   下げ棒に対して離間させるカム軸と、このカム軸
   を回転させるハンドルとからなる、ことを特徴と
   するプリント基板用ハンガー。