JPH04138860A - 溶湯射出ノズル用パッキンおよびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶湯射出ノズル用パツキンおよびその製造方法
に関し、ホットチャンバ型ダイカスト機等の溶湯射出ノ
ズルの連結部分に利用できる。

〔背景技術〕

従来より、ホットチャンバ型ダイカスト機などにおいて
は、鋳造用金型に対して溶湯を射出するノズルか用いら
れている。

例えば、第５図に示すホットチャンバ型ダイカスト機５
０は、ポンプ本体５１内に射出シリンダ５２および射出
プランジャ５３を有し、その周囲の湯溜め５４に順次供
給される金属溶湯は適宜射出シリンダ５２内に導入され
、射出プランジャ５３の往復動作により加圧され、射出
シリンダ５２底部からポンプ本体５１の側面上部に至る
グースネック５５を通して送出される。グースネック５
５の先端開口にはノズル５６が連結され、このノズル５
６の先端は鋳造用金型５７の溶湯注入口５８に連結され
ており、グースネック５５に圧送された溶湯はノズル５
６を介して鋳造用金型５７内へと射出されるようになっ
ている。

ここで、ノズル５６とグースネック５５および金型５７
との連結にあたっては、ノズル５６の端部を凸型の球面
状とし、対応する開口部分を凹型の球面状とし、これら
を相互に圧接させることでシール性を維持している。

このようなダイカスト機５０において、通常の溶湯では
問題がないものの、反応性の高いアルミ溶湯を用いる場
合には溶湯と接する金属部分が侵食されるという問題が
ある。このため、グースネック５５やノズル５６等の管
路部分には、耐蝕性が高いセラミックス製の管状部品５
５Ａ、　５６Ａ等を嵌め込むことがなされており、第６
図のように、ノズル５６と鋳造用金型５７の溶湯注入口
５８との連結部分にもセラミックス製の部品５６Ｂ、　
５８Ａ、　５８Ｂ等が用いられている。

ところが、溶湯の通路部分にセラミックス部品を用いる
場合、前述したノズル５６の連結部分でセラミックス部
品どうしが圧接されることになる。

ここで、セラミックス部品は金属部品に比べて硬いため
に相互に当接させた際のなじみか悪いうえ、集中応力に
よりクラック等を生じやすく、ノズル５６の連結にあた
って十分なシール製が得られなくなって溶湯か漏れ出す
恐れがある。

このため、セラミックス部品を用いるダイカスト機５０
においては、ノズル５６の連結にあたって耐蝕性のパツ
キン６０を介装することがなされている。

このようなノズル用パツキン６０としては、石綿や黒鉛
あるいはセラミックス等の耐蝕性材料の成形品が用いら
れており、材料を圧縮成形した薄いシート６１を用い、
第７図のようにブランク６２を打ち抜き、第８図のよう
にノズル５６の端部形状に対応した凹凸の型６３．６４
でブランク６２をさらに賦形し、これによりカップ状の
パツキン６０を形成している。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、前述のような従来のパツキン６０においては
、平面的なシー）６１から立体的なカップ状に成形する
が、材料のシート６１は予めパツキン６０に必要な密度
１．０〜１．５のものとされ、可塑性が低いため、第９
図のように成形されたパツキン６０の表面にしわ６５や
重なり等が避けられず、厚みの不均一さが避けられなか
った。

このようなパツキン６０をノズル５６の連結部分に介装
した場合、第１０図のように圧接連結されるノズル５６
の端面等の間に隙間６６ができやすく、十分なシール性
が得られないという問題がある。

一方、パツキン６０の成形性を高めるために、材料とし
て比較的可塑性の高い黒鉛を用い、さらに材料中の黒鉛
比率を下げて柔らかくする等の対策が試みられている。

しかし、パツキン６０の材料中に金属が含まれていると
アルミ溶湯により侵食されやすくなるとともに、灰分が
含まれていると燃えて強度が低下し、やはりシール性が
損なわれるという問題があった。

本発明の目的は、耐蝕性や強度が高くシール性が優れた
パツキンおよびその製造方法を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明のパツキンは、溶湯射出ノズルの連結部分に対応
したカップ状に形成されるとともに、純度９５％以上で
密度０．１〜０．７の黒鉛材の圧縮成形による均一な厚
みの材質で形成されていることを特徴とする。

また、本発明のパツキンの製造方法は、純度９５％以上
の黒鉛材を用いて密度０．１〜０．７のブランクを形成
し、このブランクを溶湯射出ノズルの連結部分に対応し
かつ均一な厚みのカップ状に圧縮成形することを特徴と
する。

〔作　用〕

このような本発明においては、黒鉛の密度０．１〜０，
７と低いブランクを用いることで可塑性を高め、パツキ
ンに成形する際の成形性を高めることが可能となる。そ
して、可塑性の高いブランクからの圧縮成形を行うこと
で成形に伴うしわ等を防止することが可能となり、パツ
キンの厚みを全体に均一としてシール性が高められる。

また、前述したブランクの圧縮成形の採用により黒鉛純
度が高くても良好な成形が可能であり、黒鉛の純度を９
５％以上とすることで成形されたパツキンの耐蝕性およ
び強度を高めることが可能となり、これらにより前記目
的が達成される。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図および第２図には本発明に基づく溶湯射出ノズル
用パツキン１０が示されている。パツキン１０は、前述
した第５図の溶湯射出用ノズル５６の連結部分に対応し
た略球面状の表面１０Ａを有する円形のカップ状に形成
されたものであり、純度９５％以上で密度０．１〜０．
７の黒鉛材の圧縮成形による均一な厚みの材質で形成さ
れている。

このようなパツキン１０の製造にあたっては、次のよう
な製造方法が採用される。

まず、第３図のように、純度９５％以上の黒鉛材を用い
て所定厚みのシート１１を形成する。この際、シートｌ
ｌは密度０．１〜０．７となるように調整しておく。そ
して、シート１１からパツキン１０に略対応した大きさ
の円形のブランク１２を切り出す。

次に、第４図のように、ブランク１２を成形筒２１内に
入れ、凹型２２と凸型２３とで挾むように配置する。こ
こで、凹型２２および凸型２３はノズル５６の連結部分
の形状に対応した形状とされ、成形筒２１の内径はパツ
キン１０の外径に合わせて設定されている。

そして、凹型２２および凸型２３をプレス装置により約
５００ｋｇ／ｃｍ’で加圧し、挟まれたブランク１２を
圧縮成形する。

これらにより、ブランク１２は全体に厚みが均一となる
ように圧縮され、表面１０Ａが滑らかでノズル５６に対
応したカップ状のパツキン１０となる。

このような本実施例によれば、次のような効果がある。

すなわち、黒鉛の密度が低いブランク１２を用いること
で可塑性を高めたため、パツキンｌＯとする際の成形性
を高めることかできる。ここで、黒鉛の密度は０．１〜
０．７としたため、密度０．１未満の場合のようにシー
ト１１等に成形することが困難となる等の不都合を回避
できる。そして、密度０．８以上とした場合のようにし
わや重なり等の成形不良の発生を未然に回避できる。

さらに、このようなブランク１２を圧縮成形することで
パツキン１０として十分な密度のものとすることができ
るとともに、成形されたパツキンｌＯを厚みが全体に均
一なうえ、表面１０Ａをしわ等のない滑らかなものとす
ることができる。

そして、本実施例のパツキンｌＯは、表面１０Ａが滑ら
かでしわ等がなく、均一な厚みであるため、ノズル５６
の連結部分に使用した際には隙間等を生じることがなく
、高いシール性を確保することができる。

また、純度９５％以上の黒鉛材を用いるため、金属や灰
分等の不純物を低減でき、パツキン１０に要求される耐
蝕性および強度を高めることができる。

実験例として、本実施例によるパツキン１０と従来のパ
ツキンとをそれぞれアルミ用ホットチャンバ機のノズル
シール面に使用して使用実績（破壊までの繰返し射出回
数）を調べた。その結果を第１表に示す。

第１表 この表からも解かるように、従来のパツキンでは約１ｏ
ｏｏｏ回の使用で破れているが、本実施例のものでは約
５００００回の使用か可能となり、五倍の耐久性が得ら
れることになる。

なお、本発明は前記実施例に限定されるものではな（、
パツキン１０の形状や寸法等は適用するノズル５６等に
応じて適宜設定すればよい。

また、材料となる黒鉛の比率や他の成分等も適宜選択す
ればよく、シート１１からブランク］２を切り出すので
はなく、材料を直接固めてブランク１２を形成するとし
てもよい。

さらに、ブランク１２からパツキン１０を圧縮成形する
際に使用する凹型２２や凸型２３、成形筒２１およびプ
レス装置等についても実施にあたって適宜選択すればよ
い。

〔発明の効果〕

以上に述べたように、本発明によれば、黒鉛比率を高め
ることでパツキンとしての耐蝕性や強度を高めることが
できるとともに、密度の低いブランクを圧縮成形してパ
ツキンとすることにより厚みを均一にしかつしわ等のな
い滑らかな表面を実現でき、シール性を優れたものとす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のパツキンを示す斜視図、第
２図は同実施例のパツキンを示す断面図、第３図は同実
施例のブランクを示す斜視図、第４図は同実施例の圧縮
成形を示す断面図、第５図は本発明の背景技術を示す断
面図、第６図は前記第５図の要部を示す拡大図、第７図
は従来のブランクを示す斜視図、第８図は従来の成形を
示す断面図、第９図は従来のパツキンを示す斜視図、第
１Ｏ図は従来のパツキンの断面図である。 ｌＯ・−・パツキン、１２・・・ブランク、２１．２２
．２３・・・圧縮成形用の成形筒、凹型、凸型。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）溶湯射出ノズルの連結部分に対応したカップ状に
   形成されるとともに、純度９５％以上で密度０．１〜０
   ．７の黒鉛材の圧縮成形による均一な厚みの材質で形成
   されていることを特徴とする溶湯射出ノズル用パッキン
   。
2. （２）純度９５％以上の黒鉛材を用いて密度０．１〜０
   ．７のブランクを形成し、このブランクを溶湯射出ノズ
   ルの連結部分に対応しかつ均一な厚みのカップ状に圧縮
   成形することを特徴とする溶湯射出ノズル用パッキンの
   製造方法。