JPH04138198U - ドレン排出プラグ - Google Patents
ドレン排出プラグInfo
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- JPH04138198U JPH04138198U JP5371691U JP5371691U JPH04138198U JP H04138198 U JPH04138198 U JP H04138198U JP 5371691 U JP5371691 U JP 5371691U JP 5371691 U JP5371691 U JP 5371691U JP H04138198 U JPH04138198 U JP H04138198U
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Landscapes
- Compressor (AREA)
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 単純な構造でドレンを自動的かつ連続的に排
出させることができ、かつ排出時のドレンの飛散や騒音
の発生がなく、しかも小型、低コスト化を可能としたプ
ラグを提供する。 【構成】 エアドライヤ等のドレンの排出口Hを閉塞す
るプラグ1であって、閉塞時における圧縮ガス側と大気
側との間の部位が、バブルポイント圧がその圧縮ガスの
圧力より大きく設定された多孔質体で構成する。ドレン
Dは多孔質体の細孔内に毛細管現象により浸透してい
き、圧縮ガス側と大気側との圧力差により、細孔内を通
過し大気側に排出される。多孔質体のバブルポイント圧
はガスの圧力より大きくしたため、ガス漏れはなく、ド
レンのみが排出される。
出させることができ、かつ排出時のドレンの飛散や騒音
の発生がなく、しかも小型、低コスト化を可能としたプ
ラグを提供する。 【構成】 エアドライヤ等のドレンの排出口Hを閉塞す
るプラグ1であって、閉塞時における圧縮ガス側と大気
側との間の部位が、バブルポイント圧がその圧縮ガスの
圧力より大きく設定された多孔質体で構成する。ドレン
Dは多孔質体の細孔内に毛細管現象により浸透してい
き、圧縮ガス側と大気側との圧力差により、細孔内を通
過し大気側に排出される。多孔質体のバブルポイント圧
はガスの圧力より大きくしたため、ガス漏れはなく、ド
レンのみが排出される。
Description
【0001】
本考案は、ドレン排出プラグに関し、詳しくは、例えば空気圧縮機(コンプレ
ッサー)から所定の配管を経てエアツールや端末機器に圧縮空気を供給する過程
において、その空気中に含まれる水分や油分(ドレン)などを除去するために用
いられるエアドライヤで、凝縮、分離されて発生するドレンを外部に排出するた
めの排出口に取付けられるプラグ(栓)に関する。
【0002】
従来、エアドライヤなどで発生するドレンを排出(排水)する手段としては次
のようなものが知られている。まず、基本的なものとしては、エアドライヤの底
部に排出弁(ドレンコック)を設けておき、適宜、溜まったドレンを手動で排出
するというものである。また、適所に金属製プラグをねじ込んでおき、適宜、そ
れを緩めたり取外したりして排出することも行われている。
【0003】
さらに、オートドレンの代表例としてフロート式の装置がある。これは内部に
溜ったドレンによる浮力でフロートを上下動させ、その動きを利用して排出弁(
口)を開閉し、自動的にドレンを排出するよう構成したものである。
【0004】
しかし、こうした従来の手段には次のような解決すべき課題がある。まず、手
動式の排出弁は、構造が単純で取扱いも簡便というメリットがある反面、排出弁
の開閉作業が面倒である。また、ねじ込み式プラグでは、排水の都度、いちいち
それを緩めたり締付ける必要があるから、日常的ないし連続的にドレンが発生す
る箇所には不向きである。
【0005】
さらに、フロート式のものは、自動的に排出できるものの、弁の開閉機構など
に機械的な可動部分があるので構造の複雑化を招やすい。したがって、ドレンに
混在する鉄さびやゴミ等の異物が詰り、排出機能の低下や故障を起こし易いなど
、信頼性や耐久性の点で問題があった。しかもその弁は製作に精密加工を要する
上、構成部品も多いのでコスト高となっている。また、装置自体かなり大きいの
で、これをエアドライヤ等のドレンの排出口に接続すると、スペースの効率的活
用を阻害するとの指摘がある。
【0006】
さらに、これらの手動または自動の排出手段では、通常、ドレンがある量溜ま
ったとき、加圧状態のもと一度に排出されるため、飛散して周囲を汚染したり、
排出騒音が大きいといった問題があった。また、排出終了時にはドレンとともに
空気(以下、ガスともいう)も排出されるため、ガスの無駄(圧力損失)を招い
ていた。
【0007】
本考案は、こうした従来のドレンの排出手段ないし装置のもつ解決すべき課題
に鑑み、構造の複雑化を招くことなくドレンを自動的かつ連続的に排出できると
ともに、排出時のドレンの飛散や騒音もなく、さらに小型、低コスト化を可能と
したドレン排出技術を提供することを目的とする。
【0008】
上記の目的を達成するため、本考案は、圧縮空気等の圧縮ガスに含まれるドレ
ンが排出される排出口を閉塞するプラグであって、閉塞時における圧縮ガス側と
大気側との間の部位が、バブルポイント圧がその圧縮ガスの圧力より大きく設定
された多孔質体で構成したものである。
【0009】
ここで、バブルポイント圧Pとは、液体と多孔質体とガス(空気)の界面張力
の関係及び多孔質体の細孔径により定まる圧力であり、次式により導かれる。
【0010】
P=K・4πσ cosθ・1/d
(K:孔形状の補正係数、σ:表面張力、θ:固液接触角、d:多孔質体の
細孔径)。
【0011】
なお、上記の多孔質体の内側(部)には、ドレンを保持する空間を形成してお
くとよい。また、多孔質体の大気側にドレンが接して保持されるドレン保持手段
を設けておいてもよい。
【0012】
上記の構成により、本ドレン排出プラグが例えばエアドライヤ(以下、装置と
もいう)の底部のドレンの排出口を閉塞するようにして取付けられ、それが運転
(稼動)されると、そこで凝縮、分離して発生するドレンは所定の空気圧を受け
つつその底部に溜まり、本ドレン排出プラグ(以下、単にプラグともいう)を濡
らす。そしてドレンは、多孔質体を濡らすと連続してその細孔内に毛細管現象に
より浸透していき、空気圧によって徐々に押し出されるようにして、多孔質体(
細孔内)を通過し、大気側に排出される。つまり、ドレンが発生してプラグの多
孔質体が濡れ細孔が塞がれている場合には、そのバブルポイント圧は空気圧(圧
縮ガス)より大きく設定されているため、圧縮空気はこの多孔質体を通過するこ
とができない一方、圧縮空気(ガス)側と大気側との圧力差によりドレンのみが
連続的に排出される。
【0013】
これは、多孔質体の細孔内に浸透(吸収)したドレン(水)を排出して空気を
通過させるためには、その空気圧は毛細管現象による水の吸収力を上回る圧力、
すなわちバブルポイント圧より大きくなければならないことによる。かくして、
多孔質体のバブルポイント圧より小さい圧力のガスは通過することなく、ドレン
のみがプラグ、すなわち多孔質体を通過し外部に排出される。
【0014】
そして、この多孔質体の内側(部)にドレンを保持しうる空間があると、ドレ
ンの排出過程において、その空間には常にドレンが保持されるから、たとえエア
ドライヤの運転が停止され、ドレンの発生がなくなっても、空間内に保持された
ドレンが多孔質体を濡らす作用をする。したがって、その後長期間、エアドライ
ヤの使用が中断されても、多孔質体が乾燥してしまうといったことが有効に防止
されるので、その稼動の再開時のガス漏れ(圧力損失)といったトラブルの発生
防止に有効である。また、多孔質体の大気側にドレンが接して保持されるドレン
保持手段を設けておいても同様の作用がある。
【0015】
−第1実施例−
次に本考案に係るプラグを具体化した第1実施例について、図1を参照して詳
細に説明する。ただし、Tは、エアドライヤのドレン溜め底部(パン)であって
、その排出口Hには管用テーパーねじが形成されている。
【0016】
本例におけるプラグ1は、プラグ本体のみから形成されたものであって、外周
に管用テーパーねじ2を備え、下部には、底面視したとき略正方形の締付け凸部
(スパナの顎掛部)3を一体的に備えている。したがって、外観は従来の金属製
プラグと同じであるが、プラグ本体全体がセラミックの多孔質体から形成され、
バブルポイント圧がエアドライヤ内部の設定空気(圧縮ガス)圧より大きく設定
されている。しかして、本例ではそのねじ部2にシールテープ等の適宜のシール
材が付され、エアドライヤの排出口(ねじ孔)Hに気密状に螺着されている。
【0017】
ここで、プラグ(多孔質体)1のバブルポイント圧の設定法を例示しておく。
ただし、その設定前の多孔質体は本例では気孔率40%、平均細孔径3.4μm
のものである。
【0018】
まず、次のA、B2種類のアルミナのスラリーを調製する。
A:アルミナ(純度99.9%、平均粒径1.2μm)150g、カルボキ
シメチルセルロース18g、ポリカルボン酸系界面活性剤1.5g、水830m
lを、アルミナポット、アルミナ球石を用いて混合粉砕したもの。
B:アルミナ(純度99.9%、平均粒径0.4μm)150g、カルボキ
シメチルセルロース10.5g、ポリカルボン酸系界面活性剤1.5g、水84
0mlを、アルミナポット、アルミナ球石を用い混合粉砕したもの。
【0019】
次に、スラリーAをプラグ(アルミナ多孔質体)の全体に塗布し、乾燥後14
00°Cにて2時間焼成し薄膜を成形する。しかる後、さらにスラリーBを塗布
し、乾燥後1300°Cにて2時間焼成し薄膜を成形する。そして、この膜を補
修する意味で、もう一度、同様にしてスラリーBを塗布し、乾燥後1300°C
にて2時間焼成し薄膜をもう一層焼付ける。
【0020】
こうして製造された本例のプラグ(多孔質体)1のバブルポイント圧は、実測
値で水に対して約12kg/cm2 、コンプレッサーオイル(商品名:日立ベビ
コン用オイル)に対して約5.5kg/cm2 であった。
【0021】
さて、次に本例のプラグ1の作用ないし効果について説明する。ただし、プラ
グ1は、予め水に浸漬されることである程度湿潤ないし浸潤状態に保持され、細
孔内は水で塞がれた状態にある。図示しない冷凍式エアドライヤ(空気圧は5k
g/cm2 以下とする)が作動し、そこで発生するドレンDが底部Tに溜まると
、連続してその細孔内に毛細管現象により浸透していき、その空気圧によって徐
々に押し出されるようにして、プラグ(細孔内)1を通過し、大気側に滲み出る
ようにして排出される。このとき、プラグ(多孔質体)が濡れている場合には、
そのバブルポイント圧は空気圧より大きく設定されているため、圧縮空気はこの
多孔質体を通過することができない一方、圧縮ガス側と大気側との圧力差により
ドレンDのみが排出される。
【0022】
したがって、本例のプラグ1によれば、外観上は通常のプラグと同じであるが
、ドレン排出口Hにねじ込んでおくだけで、何等労することなくドレンDを自動
的に排出することができる。
【0023】
−第2実施例−
さて次に本考案に係るプラグを具体化した第2実施例について、図2を参照し
て詳細に説明するが、本例のプラグは多孔質体22を必要部位にのみ設けたもの
で、上記第1実施例の改良とでもいうべきものである。
【0024】
すなわち、前例ではプラグ全体を多孔質体としたが、本例では、上部外周に管
用テーパーねじ23を有し円筒状に形成された金属製のプラグ本体(単に本体と
もいう)21と、多孔質体22とを次記するようにしてセットしたものである。
すなわち、本体21の内周上部を拡径して環状の段部24を形成し、その段部2
4周囲に、エポキシ樹脂等よりなる適宜の接着剤を塗布し、その上部内径よりや
や小さい外径を有する円板状の多孔質体22が接着により水密を保持して嵌着さ
れている。
【0025】
なお、本例では、下部の締付け凸部25の内周には平行(管用)ねじが形成さ
れており、この平行ねじ部に、上部外周にねじ26を備えた補助栓27が螺装さ
れている。ただし、この補助栓27の螺装時における、両ねじの間の隙間(がた
つき)が、片側約0.5mm確保されるように補助栓27側のねじ径(有効径)
が設定されている。なお、補助栓27の下部外周には、詳しくは図示しないが多
角形で環状のフランジ28が突出形成されており、そのフランジ28の上面に、
合成ゴム製のリングパッキン29が装着され、その締付け時に本体21の下端面
に当たり、その間における水密が保持されるよう構成されている。
【0026】
本例のプラグも、エアドライヤ等の底部Tのドレンの排出口Hに要すればシー
ル材を介してねじ込まれることで水密を保持して取付けられるが、補助栓27は
、ドレン排出時には本体21から取外しておいてもよいし、螺退させ本体21と
の水密を解除した状態にしておいてもよい。
【0027】
しかして、ドレンDは底部Tに溜まると、前例の場合と同様にして多孔質体2
2の細孔内に毛細管現象により浸透していき、空気圧によって徐々に押し出され
るようにして細孔内を通過し、大気側に滲み出るようにして排出される。ただし
、図示するように補助栓27が弛緩状態で本体21に螺装されているときには、
多孔質体22を通過したドレンDは、図中矢印で示すように補助栓27外周の平
行ねじ26の隙間を通って、いわばリークするようにして排出される。エアドラ
イヤなどの使用が長時(期)間停止されるようなときは、この補助栓27を締付
けておくのが好ましい。こうしておけば、多孔質体22が乾燥してもガス漏れが
有効に防止されるからである。
【0028】
−第3実施例−
さて次に本考案に係るプラグを具体化した第3実施例について、図3を参照し
て詳細に説明するが、本例は前例のさらに改良とでもいうべきものである。すな
わち第2実施例のものもエアドライヤなどの使用が長期間中断され、ドレンの発
生が停止し、多孔質体が乾燥してしまったときに生じるガス漏れの防止手段を一
応は備えているが、本例では、多孔質体を積極的に濡らすことができるようにし
、その乾燥の防止を図ったものである。
【0029】
すなわち、本例におけるプラグ本体31は、上部外周に管用テーパーねじ32
を有し筒状に形成されるとともに、内周の中間部位を段付状に拡径し、さらにそ
の上部で拡径してそれぞれ環状の段部33,34が形成されている。そして、各
々の段部33,34に対し、適宜の接着剤を介し、円板状の多孔質体35,36
が水密を保持して嵌着されている。すなわち、本例においては多孔質体が上下2
枚に分割されている結果、その中間、つまり多孔質体35,36の内側(内方)
に円柱状の空間Kが形成されている。なお、37は締め付け凸部である。
【0030】
しかして、ドレンDが底部Tに溜まると、まず、上の多孔質体35の細孔内に
毛細管現象により浸透していき、空気圧によって徐々に押し出されるようにして
、細孔内を通過し内側の空間Kに入る。空間Kに入ったドレンDは、次に下の多
孔質体36の細孔内に毛細管現象により浸透していき、同様に押し出されるよう
にして通過し、大気側に排出される。
【0031】
このとき、例えばエアドライヤの作動が停止し、その内部側(圧縮ガス側)と
大気側との圧力差がなくなり、以後ドレンの排出が停止すると、空間Kにドレン
は保持されたままとなる。したがって、それがある分多孔質体、とりわけ下の多
孔質体36の乾燥を遅延させることができるから、比較的長期間の稼動停止があ
っても稼動再開時にガスが漏れるといったトラブルの発生が有効に防止される。
ドレン(水)中の油分が空間Kの内部に含まれている結果、多孔質体に浸透して
いる水分が蒸発によって減少しても、これが代わって多孔質体に浸透し細孔を塞
ぐこととなるため、その乾燥防止効果は著しい。
【0032】
本例では、二つの多孔質体35,36で挟まれる形で、その内側に空間Kを形
成したが、縦断面が凹形の2つの多孔質体を突合わせて接着することで中空一体
の多孔質体とすることもできる。また、形成する空間の大きさや数は使用箇所に
応じて適宜のものに選定される。
【0033】
−第4実施例−
次に本考案に係るプラグを具体化した第4実施例について、図4を参照して詳
細に説明するが、本例は前記第3実施例の変形とでもいうべきものである。
【0034】
本例は、本体41の外周に管用テーパーねじ42を備え、上面に対し、円筒状
に形成された後述する多孔質体43を配置し、円板状のフランジ44を介し、軸
の部位が中空のボルト45を多孔質体43の軸線部に上部から挿入し、本体41
下部にその下端部を突出させて、ナット46を締め付けることでセットされてい
る。なお、多孔質体43の上下端面部には、本体41およびフランジ44が備え
た環状凹部に嵌着されたシリコンゴム等からなるリングパッキン47,47がそ
れぞれ介在されている。こうして、本体41と多孔質体43、多孔質体43とフ
ランジ44との間の水密が保持されている。
【0035】
一方、ボルト45の上部の一側(図4左)には開口48が設けられ、その開口
48の下縁より下方であって、多孔質体43の内側とこのボルト45の外側とで
形成される空間がドレンDを保持するドレン保持空間(ドレン保持手段)Kaと
されている。この結果、ボルト45の開口48ないし中空部位Cを通じてドレン
保持空間Kaは大気に連通している。なお、本例のプラグは、排出口Hの下側か
ら、下部の締付け凸部49を把持し、挿入する形でねじ込まれる。
【0036】
ここで、本例に使用した筒状の多孔質体43の製法についても例示しておく。
なお多孔質素管としてのアルミナ多孔質管(外径10mm、肉厚1.5mm、長
さ50mm)は気孔率37%、平均細孔径3.1μmのものである。
【0037】
まず、次のA、B2種類のアルミナのスラリーを調製する。
A:アルミナ(純度99.9%、平均粒径0.8μm)200g、カルボキ
シメチルセルロース2g、水180mlを、径15mmのアルミナ磁器球石30
0gとともに、内容積1000ccのポリエチレン容器に入れ、24時間、ポッ
トミルにて混合粉砕したもの。
B:アルミナ(純度99.9%、平均粒径0.4μm)100g、カルボキ
シメチルセルロース1g、水100mlを、径15mmのアルミナ磁器球石20
0gとともに、内容積500ccのポリエチレン容器に入れ、24時間、ポット
ミルにて混合粉砕したもの。
【0038】
次に、多孔質素管の外周にビニルテープを巻き付け、スラリーA中に30秒浸
漬し、内面に厚さ約50μmの塗膜を形成する。これを40°Cで15時間乾燥
させる。しかる後、スラリーB中に15秒浸漬し、さらに厚さ約10μmの添膜
を形成する。そして、これを40°Cで10時間乾燥させた後、1270°Cで
3時間焼成し、薄膜を焼付ける。なお、こうして得られた本例の多孔質体43の
薄膜の平均細孔径は0.21μmであり、水に対するバブルポイント圧は実測値
で約11.2kg/cm2 であった。
【0039】
しかして、底部Tに溜まったドレンDが、多孔質体43の下部外周を濡らし細
孔内に毛細管現象により浸透していくと、圧縮ガス(5kg/cm2 とする)側
と大気側との圧力差により徐々に押し出されるようにして細孔内を通過し、ドレ
ン保持空間Kaに入る。そして、その液面レベルを上昇させ、ボルト45の開口
48の下縁レベルとなると、オーバーフローし、その中空部位Cを通って大気側
に排出される。
【0040】
本例では、多孔質体43の内側にドレン保持空間Kaが設けられているため、
ドレンの排出過程において、その空間Kaには常にドレンDが保持される。つま
り、多孔質体43の大気側には、作動中は常時ドレンDが接しており、したがっ
て、たとえエアドライヤの運転が停止されドレンの発生がなくなっても、その空
間内に保持されたドレンが多孔質体を濡らす作用をする。これにより、長期間、
エアドライヤの使用が中断されても、多孔質体が乾燥してしまうといったことが
有効に防止される。
【0041】
本例では、多孔質体43を円筒状のものとしたが、筒体であれば天蓋部または
底部の有無を問わず、同様に適用できる。なお、筒体の全てを多孔質体で構成し
なくともよい。例えば筒体を、軸線を含む平面で分割したと仮定したとき、その
一側のみ多孔質体とし、他側を適宜の材質とし、両者を接合してなる複合化した
筒体とすることもできる。つまり、排出口の閉塞時における圧縮ガス側と大気側
との間の部位が多孔質体であればよく、したがって隔壁様のものとすることもで
きるのである。ただし、バブルポイント圧が圧縮ガスの圧力より大きいことが条
件とされる。
【0042】
またドレン保持空間は、多孔質体の大気側にドレンを接しさせ得さえすればよ
く、したがって、本例のように中空ボルト等を用いて構成される場合に限定され
るものではない。ただし、許容される限りなるべく深く大きい空間となるよう設
定するとよい。その分、乾燥の遅延を図れるからである。
【0043】
なお、本例においては、多孔質体の外側に図示はしないが、網ないし籠状の保
護カバー(キャップ)を装着しておくとよい。こうしておけば、各種の衝撃から
多孔質体が保護されるからである。また、フェルトなどの通水性のある材料から
なるフィルターで覆っておくとよい。ドレンに含まれる鉄粉などの異物による多
孔質体の細孔の目詰まり防止に有効だからである。
【0044】
上記した各実施例において使用した多孔質体は、セラミック製としたが、これ
に限定されるものではない。金属や樹脂製の多孔質体でもよい。プラグの用途な
いし取付け箇所等に応じ適宜選択して用いることとなるが、ドレンと親和性を有
し、かつそれを細孔内に浸透させ易いものであることが、その排出効率の向上の
上で好ましい。また、平均気孔径や気孔率は受けるガス圧やバブルポイント圧等
に応じ適宜のものを選択して使用すればよい。
【0045】
なお、上記の実施例では本プラグをエアドライヤーのドレン排出口に取付けた
場合を例示したが、例えばエアブレーキシステムなどのように圧縮空気を動力源
とする各種のエアツールないし装置、或いは空気圧配管等にも取付けて使用でき
ることはいうまでもない。当然のことながら、適用できる圧縮ガスは、空気のみ
に限定されるものでないし、排出し得るドレンは水や油にのみ限定されるもので
もない。
【0046】
また、排出口への取付けをテーパーねじ接続による場合で例示したが、格別そ
れに限定されるものではない。エアドライヤ等のドレンの排出口を有効に閉塞で
きるものであれば、例えば、単なるテーパー嵌めや、或いは接着手段により取付
けることも可能である。
【0047】
以上の説明から明らかなように、本考案に係るドレン排出プラグは多孔質体の
バブルポイント圧を利用したものであるから、単純な構造でオートドレンとして
機能する上、コンパクト(小型)化が可能であるしその取付けも簡易にできる。
したがって、耐久性や信頼性が極めて高く、また製造及び取付けコストの低減化
が期待され、さらに格別の取付けスペースも要しない。しかも、オートドレンと
して作動中はガスの排出が有効に防止されるので、ガスの無駄(圧力損失)がな
く、したがって騒音防止にも奏功する。また、排出時のドレンの飛散もほとんど
なく、したがって、周囲の汚染防止に効果的である。
【0048】
また、多孔質体の内側にドレンを保持する空間を備えているものや、多孔質体
の大気側にドレンが接して保持されるドレン保持手段を備えているものは、その
空間の内部やドレン保持手段に保持されたドレンが多孔質体を濡らすから、長期
間、エアドライヤの使用が中断されドレンの発生が止まっても、多孔質体の乾燥
防止に有効であり、したがって、稼動の再開時のガス漏れ(圧力損失)といった
思わぬトラブルの発生防止に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るドレン排出プラグの第1実施例を
示す中央縦断面図である。
示す中央縦断面図である。
【図2】本考案に係るドレン排出プラグの第2実施例を
示す中央破断面図である。
示す中央破断面図である。
【図3】本考案に係るドレン排出プラグの第3実施例を
示す中央破断面図である。
示す中央破断面図である。
【図4】本考案に係るドレン排出プラグの第4実施例を
示す中央縦断面図である。
示す中央縦断面図である。
1,21,31,41 ドレン排出プラグ本体
1,22,35,36,43 多孔質体
K ドレンを保持する空間
Ka ドレン保持室(ドレン保持室手段)
H エアドライヤ等のドレンの排出口
Claims (3)
- 【請求項1】 圧縮空気等の圧縮ガスに含まれるドレン
が排出される排出口を閉塞するプラグであって、閉塞時
における圧縮ガス側と大気側との間の部位が、バブルポ
イント圧がその圧縮ガスの圧力より大きく設定された多
孔質体で構成されていることを特徴とするドレン排出プ
ラグ。 - 【請求項2】 多孔質体の内側にドレンを保持する空間
を備えていることを特徴とする請求項1記載のドレン排
出プラグ。 - 【請求項3】 多孔質体の大気側にドレンが接して保持
されるドレン保持手段を備えていることを特徴とする請
求項1記載のドレン排出プラグ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP1991053716U JP2566024Y2 (ja) | 1991-06-14 | 1991-06-14 | ドレン排出プラグ |
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---|---|---|---|
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ID=31929385
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991053716U Expired - Fee Related JP2566024Y2 (ja) | 1991-06-14 | 1991-06-14 | ドレン排出プラグ |
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JP (1) | JP2566024Y2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007296420A (ja) * | 2006-04-27 | 2007-11-15 | Sharp Corp | 気液混合装置 |
WO2021241144A1 (ja) * | 2020-05-27 | 2021-12-02 | コベルコ・コンプレッサ株式会社 | ガスクーラ |
JP2022076662A (ja) * | 2020-11-10 | 2022-05-20 | 株式会社アイシン | 気液分離器 |
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Citations (1)
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JPS6271509A (ja) * | 1985-09-24 | 1987-04-02 | Zeotetsuku L R C Kk | 液体ろ過装置 |
-
1991
- 1991-06-14 JP JP1991053716U patent/JP2566024Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2566024Y2 (ja) | 1998-03-25 |
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