JPH04136206A - 溶融紡糸用パック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ポリエステル、ポリアミド等の溶融紡糸可能
な合成重合体の溶融紡糸用パックに関する。さらに詳し
くは、極細糸の溶融紡糸の際に発生する細糸、詰り、糸
切れ等の原因となる異物の落下のないフィルター構成と
した溶融紡糸用パックに関する。

［従来の技術］ 近年、極細糸は織編物表面タッチのソフト性が市場に好
評であり、その生産が拡大されてきており、極細糸の製
糸安定性を向上させるための提案も多数なされてきてい
る。溶融紡糸において、パックの構造や構成は製糸安定
性を左右する重要な要因である。特に極細糸の溶融紡糸
においては、均一な糸条を得るために、各吐出孔へのポ
リマーの分配性を高めること、細糸や糸切れを防止する
ために、ポリマー中の異物を２過し、かつパック構成部
品に付着している異物を効果的に濾過することが重要で
ある。

このような溶融紡糸用パックとして、特開昭５０−５６
１６号公報には、紡糸口金背面に溝を設け、数構により
ポリマー導入孔を連結し、紡糸口金直前に金網フィルタ
ーを設置したパックが開示されている。該公報によれば
口金直前で異物を捕捉するため、紡糸開始時の吐出孔詰
りに起因する細糸発生を軽減すること、及び吐出量分布
のばらつきを軽減することが可能となる。

また、紡糸口金直前のｒ過効果をさらに高めることを目
的として特公昭５８−８８１１号公報や特開昭５５−１
２８００８号公報には、紡糸口金直前に、金網を多段に
積層した多層フィルターを設置することも提案されてい
る。

しかしながら、前記３つの各公報において開示されたフ
ィルターは、いずれも金網の周縁をリムにて包被した構
成であるため、パックを組み立て、締付ける際に、金網
自体が変形するとともに、リムが削れて金属粉が発生す
るという欠点を有している。

この点について図面を用いて詳述する。

第５．６図は従来の溶融紡糸用パックのリム付きの金網
からなるフィルターの例を示す断面図である。第５図は
パック内に装着する前の状態を示すもので、金網２．３
の周縁を包被するような形で、膨みを持たせた軟質なア
ルミ等で作られているリムｌからなる。

第６図はパック内に装着した後の状態を示すものである
。パック組立時に締付圧力が加わると膨みを持たせたリ
ム１は金網２．３面に沿って変形するため、リム１の内
面と金網２．３との擦過、またはリム１の外面と上下の
パック構成部材との擦過によって、リム１が削れ、アル
ミ金属粉が発生することになる。

また、金網２．３は制限された領域内で締付圧力を受け
ることによって、リム１の上下の膨みが金網の中心方向
へせり出す際に、リムの内縁端が金網の１部を金網の中
心方向へ押出し、第６図のごとく金網がたるんで凹凸状
を呈するようになる。凹凸状となった金網は、溶融重合
体の圧力によって、紡糸口金背面に押付けられる際に金
網の目開きが変化し、−過に斑が発生してしまう。従っ
て、従来のリム付きの金網からなるフィルターを用いて
溶融紡糸を実施すると、金属粉が脱落して、吐出孔に詰
ったり、吐出糸条中に混入することによって製糸安定性
が悪化する他、−過の斑によって溶融重合体が各吐出孔
へ均一に分配され難くなる。

本発明者らは、極細糸の製糸安定性、特に孔径の小さい
吐出孔を有する紡糸口金を用いた場合の紡糸安定性を高
めることを目的として詳細に検討した結果、前記した金
網の変形が各吐出孔への溶融重合体の分配性を悪化させ
る１つの要因であり、また、前記金属粉が溶融紡糸時に
脱落して吐出孔に詰ることが、細糸や糸切れを発生させ
る大きな要因であることをつきとめた。

また、他のフィルタ一部材として、実開昭５３−１４４
９１３号公報には焼結金属繊維と金網とを組み合せた一
層が開示されている。該−層は空隙率が高く、立体的な
ｒ過が可能であるため、高い異物捕捉能力を示すものの
、該２層もまた、フィルタ一端面がリムで囲まれた構成
であり、前記した金属粉の発生を防止することは困難で
ある。

一方、上記欠点の１部を改善せんとして特開昭６２−１
５３１４号公報に、紡糸口金直前に、リムを有さない金
網を設置することが提案されている。

該公報によれば、リムを有しない金網を用いるため、パ
ック締付は時に金属粉が発生しにくいものの、金網周囲
がシールされていないために、溶融重合体が洩れたり、
異常滞留を起してしまい、安定した製糸性が得られない
という欠点を有している。特に前記した実開昭５１１４
４９１３号公報で用いられている焼結金属繊維フィルタ
ーを端面周囲をシールすることなく紡糸口金直前に設置
した場合、空隙率が大きいため、締付は力を高めた場合
でも、溶融重合体が洩れたり、異常滞留を起してしまう
という欠点を有している。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の目的は、前述した従来技術の課題を解決するこ
と、すなわち極細糸の溶融紡糸の際に発生する細糸、詰
り、糸切れの原因となる異物落下を防止すること、およ
び各吐出孔への分配性を高めることのできる溶融紡糸用
パックを提供せんとするものである。

［課題を解決するための手段］ 前記目的を達成するために、本発明は次の構成を有する
。

すなわち、吐出孔１孔当りの断面積が２．０×１０−２
ｍ、、２以下である紡糸口金を設けた溶融紡糸用パック
であって、平パツキンで挟まれかっ、端面周囲が平パツ
キンで囲まれた金属繊維不織布で構成したフィルターを
、少なくとも前記紡糸口金直前に設置することを特徴と
する溶融紡糸用パックである。

以下、本発明について詳述する。

本発明においては、特に単糸繊度０．５デニル以下の極
細糸を安定して得るために、吐出孔１孔当りの断面積を
２．Ｏｘ１０−２ｍｍ２以下にすることが必要である。

吐出孔１孔当りの断面積が２、ＯＸＬＯ−２ｍｍ２を越
える場合、吐出重合体流が太細変化しながら落下する、
いわゆる脈動現象が発生し易くなるため、本発明の目的
とする極細糸が安定して得難くなる。さらに、より細い
単糸繊度、例えば０．３デニール以下の極細糸を安定し
て得るためには、吐出孔１孔当りの断面積を１．５Ｘｌ
Ｏ−２ｍｍ２以下とすることがより好ましい。

もちろん、本発明で用いる紡糸口金の吐出孔は円形孔に
限定されるものではなく、異形孔であっても良い。

以下本発明を図を用いて具体的に説明する。

第１図は本発明の溶融紡糸用パックの１例を示す断面図
である。第１図において、４はパック本体であり、該パ
ック本体中に紡糸口金５が平パツキン６を介して設置さ
れており、紡糸口金５の直前に、平パツキン７．８で挟
まれ、かつ、端面周囲が平パツキン９で囲まれた金属繊
維不織布ＩＯから構成されたフィルター１１が設置され
る。該フィルター１１上に静止型混線器１２を備えた耐
圧板１３、平パツキン１４、分散板１５、リム付きの金
網１６、スペーサー１７、ｒ適用サンド１８、平パツキ
ン１９が設置され、蓋２０が螺着されている。Ａは溶融
重合体の導入孔である本発明で最も重要な点は、紡糸口
金直前に、第２〜４図に例示するような特別に構成した
フィルターを設置することである。

第２図は、第１図における金属繊維不織布１０から構成
されたフィルター１１を拡大した断面図であり、第３．
４図は、第２図の他の例を示す断面図である。

第２図において、７．８．９はアルミ等の軟質の平パツ
キンであり、１０が金属繊維不織布である。金属繊維不
織布ＩＯは平パツキン７と８によって挟まれており、平
パツキン９によって端面周囲が囲まれている。

フィルター１１をこのような構成とすることによって、
パックを締付けても、平パツキンが大きく変形すること
がなく、金属粉が発生しない。

また金属繊維不織布１０の端面が平パツキン９で囲まれ
ているために、溶融重合体の洩れを効率よく防止できる
。平パツキン９を用いない場合、金網よりも空隙率の大
きな金属繊維不織布１０の端面からは多量の溶融重合体
が洩れたり、異常滞留を起し、安定した紡糸ができなく
なってしまう。

平パツキン７．８．９は軟質の金属でシール性が確保で
きる材質のものであれば良いが、アルミからなることが
好ましい。特に金属繊維不織布■０の端面を囲む平パツ
キン９は、平パツキン７．８に比べて軟質のアルミを用
いることが、シール性を向上せしめる上で好ましい。

金属繊維不織布１０を構成する金属繊維は特に限定しな
いが、耐酸化性面、強度面からステンレススチール繊維
からなることが好ましい。また、溶融重合体中に含まれ
る触媒等の金属の析出、堆積による異物発生を防止する
ためには、クロム含有量２５重量％以上からなる金属繊
維を用いることがより好ましい。クロム含有量２５重量
％以上からなる金属繊維とは金属繊維表面にクロムメツ
キ加工やイオン注入等を施してクロム含有量を高めるこ
とによって得られる。

また、金属繊維不織布■０を構成する金属繊維の線径を
下層になる程細くすることが、−過効果向上、およびパ
ック内圧上昇をおさえる面から好ましい。

また、本発明では１孔当りの断面積Ａ　（ｍｍ２）と金
属繊維不織布■０の絶対−過径Ｄ（μ）との関係がＤ≦
２８００　Ａ−７００００Ａ２を満足することが一過効
果を向上せしめる上で好ましい。すなわち、吐出孔断面
積の小さな紡糸口金を用いて、紡糸口金直前で効果的な
一過を達成させるためには、吐出孔断面積を小さくする
に従って金属繊維不織布の絶対濾過径を小さくしていく
ことが好ましく、本発明者が詳細に検討した結果、前記
式を満足する範囲とすることが、異物捕捉能力を高める
上で好ましいことがわかった。

また、吐出孔断面積が小さくなるに従い、重合体流を各
吐出孔へ均一に分配することが困難となる傾向があり、
分配性を高めるためにも、前記式に従い、吐出孔の細孔
化とともに金属繊維不織布の絶対；濾過径を小さくして
いくことが好ましい。

また本発明では、金属繊維不織布で構成するフィルター
１１は第３図に示すごとく、金属繊維不織布１０の下側
に金網２】を設置することができる。金網２１を金属繊
維１０の下側に設置することによって、仮に金属繊維の
一部が脱落し、紡糸口金の導入孔にくい込もうとしても
、金網２１で支持、捕捉することができる。金網を使用
する場合は１００＃以下の金網を使用するのが好ましい
。金網２１は必ずしも金属繊維不織布１０と同じ外径で
ある必要はなく、平パツキン７．８．９と同じ外径でも
、パックを締付ける時、平パツキン８と９間に金網がく
い込むため、うまくシールできる。

上記第３図では、金属繊維不織布で構成するフィルター
１１について、金属繊維不織布１０の下側に金網を設置
する例を示したが、平パツキン７．８．９のシール効果
が及ぶ範囲で、金属繊維不織布１０の上下に金網を設置
することもできる。

第１図の場合は、耐圧板１３の溶融重合体の通路が１個
所で、紡糸口金５の吐出孔が紡糸口金の全面に配置され
た例であるが、耐圧板の溶融重合体通路も紡糸口金の吐
出孔もドーナツ状に設置されている場合、中心近辺は溶
融重合体を通過させる必要がないので、第４図に示すよ
うなドーナツ状のフィルターを使用するとよい。

第４図に示すフィルターにおいては、平パツキン７．８
．９で金属繊維不織布２２の外縁をシールし、平パツキ
ン２３．２４．２５で金属繊維不織布２２の内縁をシー
ルする。

本発明では第１図に示したように、特にｒ適用サンド１
８およびフィルターであるリム付きの金網１６より下流
側に、分散板１５や耐圧板■３、静止型混線器１２等の
部品類が多く存在する場合に、本発明の効果をより発揮
することができる。

また、リム付きの金網１６からなるフィルターは、金属
繊維不織布１０からなるフィルターと同様な平パツキン
構成のフィルターとすることが好ましいが、リムの擦過
によって生じた金属粉は、口金直前の金属繊維不織布１
０からなるフィルター１１で捕捉できるため、必ずしも
平パツキンで構成したフィルターとしなくても良い。

また、本発明ではフィルターを構成する部品の各々を超
音波洗浄することが好ましく、平パツキン以外をアルカ
リ浴中で超音波洗浄することがより好ましい。本発明で
はフィルターの構成部品を分割できるため、超音波洗浄
によって各部品自体に含有されている異物を効率的に除
去できる。

また本発明では、紡糸口金上にセットピンを設け、フィ
ルター構成部品を順次位置決めしていく方法が組立を容
易にてき好ましい。

［実施例］ 以下、本発明を実施例でより具体的に説明する。尚、本
発明でいう金属繊維不織布の絶対；濾過径Ｄ（μ）は次
のように定義される。

（絶対−過径Ｄ（μ）） 平均粒径７μの粒度分布を有する粒子を０．５ｇ／（ｌ
含むスラリー原液とし、金属繊維不織布を介して定圧吸
引させ、２液を採取する。一過の初期段階において、Ｄ
（μ）以上の粒子の補集効率が９０％である時、絶対−
過径Ｄ（μ）であると定義する。

実施例１ ［η］　０．６４のポリエチレンテレフタレートチップ
を、第１図に示すパックを用いて紡糸温度３００℃、吐
出量１２ｇ／分、巻取速度１５００　ｍ／ｓ１ｎの条件
下で溶融紡糸、巻取を実施した。紡糸口金として吐出孔
１孔当りの断面積が０．５ＸＬＯｍｍである円形吐出孔
を２５０孔配列した紡糸口金を用いた。また口金直前の
フィルターとして、第３図に示す構成のフィルターで、
がっ金属繊維不織布としてアルカリ浴中で５分間超音波
洗浄を実施した絶対濾過径１０μのステンレススチール
′ａ維不織布を用いた。紡糸中、孔詰りは全く発生せず
、孔詰まりに起因する細糸も発生しなかった。約５時間
の紡糸中異物混入に起因する糸切れは全く発生せず、安
定した製糸性が得られた。また、巻取った糸条の断面写
真を確認した結果、均一な直径を有する単糸繊度０．３
デニールの極細未延伸糸であった。該未延伸糸を２倍で
延伸し、単糸繊度０．１５デニールの均一な直径を有す
る極細糸を得た。

比較例１ ０金直前のフィルターとして、第５図に示すリム付き金
網を用いた他は実施例１と同条件で溶融紡糸、巻取を実
施した。

吐出開始直後に１孔が完全に詰りを生じ、３孔に孔詰ま
りに起因する細糸が発生した。巻取中、単糸糸切れが多
発した。巻取った少量の糸条の任意部分の各断面写真を
確認したところ、直径が不均一な糸条であった。またパ
ック分解後、口金直前のフィルターを観察した結果、リ
ム表面、端面に削れが存在しており、フィルター表面が
シワになって目開きに若干の差が認められた。

［発明の効果］ ■　平パツキンと金属繊維不織布とで構成したフィルタ
ーを用いるため、金属粉の脱落がなく、かつ効率的に異
物を一過し、溶融重合体の分配性を向上できるため、極
細糸が安定して紡糸できる。

■　金属繊維不織布の端面が平パツキンで囲まれている
ため、溶融重合体の洩れを防止できる。

■　パック組立時にフィルタ一部品を順次組立てていく
構成となっているため、各フィルターの構成部品は個別
となっており、よって各々をを別々に洗浄でき、異物の
除去が容易である。

■　フィルターの構成部品を任意に選択できるため、目
的に応じたフィルター構成およびフィルター形状とする
ことができる。

■　パックの一層下に多段の分散板や混練器等精密、複
雑で、洗浄の困難な部品を設けても口金直前でｉ濾過す
るため、安定した製糸性が得られる。

■　パック部品のソルト分解後にフィルタ一部品が個々
に分割できるため、再使用が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の溶融紡糸用パックの１例を示す断面図
である。第２図は、第１図における金属繊維不織布から
構成されたフィルターを拡大した断面図であり、第３．
４図は、第２図の他の例を示す断面図である。第５．６
図は従来の溶融紡糸用パックのリム付き金網からなるフ
ィルターの例を示す断面図である。 １：リム　　　　　２．３．２１：金網４：パック本体
　　５：紡糸口金 ６．７．８．９．１４．１９．２３．２４．２５：平パ
ツキン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）吐出孔１孔当りの断面積が２．０×１０＾−＾２
   ｍｍ＾２以下である紡糸口金を設けた溶融紡糸用パック
   であって、平パッキンで挟まれ、かつ端面周囲が平パッ
   キンで囲まれた金属繊維不織布で構成したフィルターを
   、少なくとも前記紡糸口金直前に設置することを特徴と
   する溶融紡糸用パック。
2. （２）吐出孔１孔当りの断面積（Ａ（ｍｍ＾２））と金
   属繊維不織布の絶対ろ過径（Ｄ（μ））が下記式を満足
   することを特徴とする請求項（１）記載の溶融紡糸用パ
   ック。 Ｄ≦２８００Ａ−７００００Ａ＾２