JP4761094B2 - 溶融紡糸口金パック及び熱可塑性樹脂繊維の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂を原料とする合成繊維の製造に使用する、金属線不織布フィルターを備えた溶融紡糸口金パック並びに該溶融紡糸口金パックを使用した熱可塑性樹脂繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂を溶融紡糸するために使用される溶融紡糸口金パックは、一般にパックケース内に濾材や分配板、口金と共に、熱可塑性樹脂中の異物等を取り除くために金属線フィルターと金属線不織布とからなる平板状のフィルターが使用されている(例えば特開平8−269810号公報)。
【0003】
紡糸においては、フィルターの交換は、通常は、フィルターを収容した溶融防止口金パック全体を交換することにより行われる(単に、フィルターの交換と呼ばれる)が、かかる交換は製造工程の停止の必要があること、交換のための工数が必要であること、交換時には材料ロスが発生すること等の理由により、フィルターの交換周期(時間)を長くすることが要求される。
【0004】
平板のフィルターを使って紡糸口金パックの交換時間を伸ばす技術としては、溶融紡糸口金パック自体を大きくしてフィルターの大きさを大きくするか、溶融紡糸口金パックより上流に大表面積を有する平板フィルターを設置し、溶融した熱可塑性樹脂が紡糸口金パックに入る前に詰まりの要因となる異物等を濾過する方法がとられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方法では、以下の問題が存在した。
(1)溶融紡糸口金パックの大型化、大表面積を有する平板フィルターの設置のいずれの方法によっても、設備費用が高額になる。また、溶融紡糸口金パックの大型化の方法によれば、フィルター交換時の材料ロスも多く、繊維のコスト低減の目的に反する。
【0006】
(2)ゲル化物、異物、含有金属、顔料、染料等の多い熱可塑性樹脂を紡糸する場合においては、やはり短時間で詰まりが発生して溶融した熱可塑性樹脂の異常流動を引き起こし、操業性の悪化の原因となり、短周期でフィルターの交換をせざるを得ない。
【0007】
(3)溶融した熱可塑性樹脂の滞留時間が長くなる上に、溶融樹脂の異常滞留を引き起こす可能性のある部分が多くなる。
【0008】
(4)ポリアミド66、ポリアミド46のようにゲル化しやすいポリマーの紡糸においては、上流のフィルターからノズルの間の距離が長くなるためにその間でのゲル化が生じる。特に、ポリアミド66等にて高強力糸を製造する場合に、ゲル化によるフィルターの詰まりがポリマーの流れを変えて偏流を起こし、織度斑等の原因となり、またケバの発生率が紡糸口金パック交換直後から経時的に高くなる。
【0009】
(5)高粘度の熱可塑性樹脂の紡糸においては、糸切れ、ケバを防止するためにフイルターの濾過精度を高くしようとすると、金属線不織布自体の圧損が大きくなり、結果的にフィルターの濾過精度を高くすることができず、糸切れ、ケバを防止効果が十分とはいえない。
【0010】
本発明の目的は、フィルターの詰りによる圧損が限界になるまでの時間を伸ばし、交換周期を長くした金属線不織布を使用の溶融紡糸口金パック、並びに該溶融紡糸口金パックを使用した、ケバ、糸切れの発生が少なく、特に異物の多いポリマーやゲル化しやすい熱可塑性樹脂を使用した紡糸に好適な熱可塑性樹脂繊維の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の溶融紡糸口金パックは、パックケースに、出口側から少なくとも口金、整流板、フィルター、及び濾材とが収容されており、前記フィルターは、金属線フィルターと金属線不織布とからなる濾過部と前記濾過部の外周端を挟持する金属リムとで構成されており、前記濾過部は立体的な形状を有しており、前記濾過部の表面積が濾過面平面積の2倍以上であり、前記金属リムが、構成材料の厚みが0.5〜2.0mm、巾が2.5mm以上であり、前記濾過部の外周端が前記金属リムで少なくとも1.5mm以上把持されており、かつ前記フィルターの断面高さの20〜80%に圧着されていることを特徴とする。
【0012】
かかる構成により、フィルターの詰りによる圧損が限界になるまでの時間が長くなり、フィルターの交換周期を長くすることが可能となる。またかかる構成の溶融口金パックを使用して熱可塑性樹脂の紡糸を行うと、ケバ、糸切れの発生が少なく、異物が多い熱可塑性樹脂やゲル化しやすい熱可塑性樹脂を紡糸する場合にも効率的、低コストにて紡糸が行える。
【0013】
濾過部の表面積が濾過面平面積の2倍未満の場合には、フィルターの交換周期があまり長くならない。また、金属リムが、構成材料の厚みが0.5〜2.0mm、巾が2.5mm以上であり、濾過部の外周端が金属リムで少なくとも1.5mm以上把持されており、かつフィルターの断面高さの20〜80%に圧着されていることによって、濾過部が金属リムにしっかり把持される。
【0014】
前記濾過部の立体的な形状が波形形状であることが、容易かつ低コストにて濾過面の2倍以上の表面積を有する濾過部を製造することができ、好ましい。
【0015】
本発明の溶融口金紡糸パックにおいては、さらに前記濾過部と前記整流板との間に5〜20メッシュの補強金網が設けられていることが好ましい。
【0016】
また、前記整流板に前記濾過部に対応した深さ0.5〜3.0mmの座ぐり凹部が形成されていることも好ましい。
【0017】
上記いずれかの構成により、溶融した熱可塑性樹脂の通過に伴う圧力による濾過部の変形による圧損上昇を防止することができる。
【0018】
本発明は、溶融した熱可塑性樹脂を溶融紡糸口金パックから押し出して紡糸する熱可塑性樹脂繊維の製造方法であって、前記溶融紡糸口金パックは、パックケースに、出口側から少なくとも口金、整流板、フィルター、及び濾材とが収容されており、前記フィルターは、金属線フィルターと金属線不織布とからなる濾過部と前記濾過部の外周端部を挟持する金属リムとで構成されており、前記濾過部は立体的な形状を有しており、前記濾過部の表面積が濾過面平面積の2倍以上であり、前記金属リムが、構成材料の厚みが0.5〜2.0mm、巾が2.5mm以上であり、前記濾過部の外周端が前記金属リムで少なくとも1.5mm以上把持されており、かつ前記フィルターの断面高さの20〜80%に圧着されていることを特徴とする。
【0019】
かかる構成の製造方法は、フィルターの交換周期が長く、またケバ、糸切れ等の工程上問題の発生が少なく、特に異物の多いポリマーやゲル化しやすい熱可塑性樹脂を使用した紡糸に好適である。また、濾過部の表面積が濾過面平面積の2倍未満の場合には、フィルターの交換周期があまり長くならない。さらに、金属リムが、構成材料の厚みが0.5〜2.0mm、巾が2.5mm以上であり、濾過部の外周端が金属リムで少なくとも1.5mm以上把持されており、かつフィルターの断面高さの20〜80%に圧着されていることによって、濾過部が金属リムにしっかり把持される。
【0020】
前記濾過部の立体的な形状は、波形形状であることが好ましい。
【0021】
本発明の熱可塑性樹脂繊維の製造方法は、前記金属線不織布の濾過精度が15〜40μmであり、前記熱可塑性樹脂がリサイクルPET、リサイクルPE、リサイクルPPから選択されるものであることが好ましい。
【0022】
金属線不織布の濾過精度を15〜40μmとすることにより、異物の多いリサイクル熱可塑性樹脂を使用した紡糸が効果的に行える。リサイクル熱可塑性樹脂を紡糸する場合、濾過精度が15μm未満の場合には、フィルターの交換周期が短くなり、濾過精度が40μmを超えると異物等によるケバ、糸切れ等が増加する。
【0023】
本発明の熱可塑性樹脂繊維の製造方法は、前記金属線不織布の濾過精度が10〜30μmであり、前記熱可塑性樹脂がポリアミド66であり、得られる繊維の強度が7cN/dtex以上であることが好ましい。
【0024】
濾過精度を10〜30μmとすることにより、ゲル化しやすいポリアミド66にて高強力糸を製造する場合においても、ゲル化によるフィルターの詰まりが効果的に防止でき、ポリマーの流れの偏流により織度斑が発生するという問題や、並びにケバの発生率がフィルター交換直後から経時的に増大するという問題を抑制することができる。
【0025】
本発明の熱可塑性樹脂繊維の製造方法は、前記金属線不織布の濾過精度が30〜40μmであり、前記熱可塑性樹脂が顔料、染料の少なくとも1種を含むものであることが好ましい。
【0026】
顔料、染料は、いずれも溶解ないし分散不良による異物を生じやすいものであり、金属線不織布の濾過精度を30〜40μmとすることにより、顔料、染料を含む熱可塑性樹脂を使用した紡糸が効果的に行える。濾過精度が30μm未満の場合には、フィルターの交換周期が短くなり、濾過精度が40μmを超えるとケバ、糸切れ等が増加する。
【0027】
本発明の熱可塑性樹脂繊維の製造方法は、前記金属線不織布の濾過精度が10〜30μmであり、前記熱可塑性樹脂がポリフェニレンサルファイド(PPS)であり、得られる繊維の強度が4cN/dtex以上の長繊維であることが好ましい。
【0028】
本発明の熱可塑性樹脂繊維の製造方法は、前記金属線不織布の濾過精度が20〜40μmであり、前記熱可塑性樹脂が固有粘度が0.8以上の高粘度ポリエステル系ポリマーであり、得られる繊維の強度が7cN/dtex以上の高強力糸であることが好ましい。
【0029】
いずれの場合においても、濾過精度が下限値未満の場合にはフィルターの交換周期が短くなり、濾過精度が上限値を超えるとケバ、糸切れ等が増加する。
【0030】
上述の発明において使用する溶融紡糸口金パックは、一般に濾過面平面積は10〜200cm2 であり、大きすぎると交換時の材料ロスが多くなり、小さすぎると紡糸の生産効率が低くなる。かかる溶融紡糸口金パックにおいては、前記金属リムは、構成材料の厚みが0.5〜2.0mm、巾が2.5mm以上、フィルター部の外周部がその外周の金属リムで少なくとも1.5mm以上把持されており、濾過部を固定した金属リムの厚みが、フィルターの立体構造部の高さ(フィルターの厚み)の20〜80%に圧縮されていることが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の溶融紡糸口金パックの好適な態様の縦断側面図を示したものである。
溶融紡糸口金パック1は、パックケース30に、出口側から少なくとも口金11、整流板9、フィルター7、及び濾材5とが収容されている。
【0032】
パックケース30は、口金11を嵌合保持する第3ブロック34、整流板9を嵌合する第2ブロック33、濾材と濾過部とを収容する第1ブロック32、及び上部蓋31とから構成されており、複数のボルト12により固定されてケース状となる。
【0033】
上部蓋31には、溶融した熱可塑性樹脂を送り込む導入孔3が設けられており、口金11と整流板9との間にはスペーサー4が設けられている。また図1に示した例においては、整流板9のフィルター配設側に座ぐり凹部8が形成されている。
【0034】
パックケース1は、第3ブロック34、第2ブロック33、第1ブロック32とが一体に形成されて口金11、整流板9、フィルター7、濾材5とを重ねて収容する筒状ケースと上部蓋との2部材からなる構成であってもよい。
【0035】
図2は、本発明のフィルター7の好適な態様を示した。図2(A)は正面図、図2(B)は、図2(A)のX−X断面図、図2(C)は図2(B)のP部の拡大図である。
【0036】
フィルター7は、長方形であり、濾過部13とその周縁に設けられた金属リム15とから構成され、さらに濾過部13は、金属線不織布19とその両面に金属線フィルター17が設けられて、3層構造をなしている。また濾過部13は、図2(B)に示したように、長方形の長辺方向に波形形状に形成され、波形形状の波の高さは、濾過部13の表面積が濾過面平面積(図2(A)におけるa×b)の2倍以上となるように設定される。
【0037】
フィルターの形状は特に限定されるものではなく、円形であってもよい。金属線フィルター、金属線不織布を構成する材料は、公知の材料が使用可能であるが、ステンレス繊維の使用が特に好ましい。金属線フィルターは、一般に20〜300メッシュの金網が使用される。
【0038】
本発明の溶融紡糸口金パックに収容する濾材は、公知の濾材が限定なく使用可能である。具体的には、ガラスビーズ、金属粒子、ケイ石粒子等の無機粒子等が例示される。
【0039】
フィルター7の金属リム15は、濾過部13を所定形状に保持する作用と共に溶融した熱可塑性樹脂の洩れを防ぐシール材としての作用を有するものである。かかるシール材としての作用を十分に発揮するためには、金属リム15が、フィルター7の断面高さ(図2(C)の例におけるD、フィルターの厚み)の80%以下の厚み(図2(C)の例では、100d/D≦80(%))に圧着され、かつ金属リム15にて圧着されるフィルター7の外周部分の巾(図2(C)の例ではW)が1.5mm以上であり、しっかりと把持されていることが必要である。そのためには外周の金属リムの巾(図2(C)の例ではH)は2.5mm以上、金属リム15を構成する金属材の厚みは、0.5〜2.0mmであることが必要である。その理由は、以下のとおりである。
【0040】
図2に例示した波形形状のフィルターを使用する場合、図1に溶融紡糸口金パックに組み込みを行うと、フィルター7の金属リム部15の圧着する際、波形の方向(長方形の長辺方向)にバネのような作用が生じる結果、フィルター7の濾過部13が金属リム15の内側へ移動する作用が生じる。
【0041】
かかる移動により、濾過部13の端部が金属リム15から外れてしまうか、あるいは外れなくても、金属リム13に把持される部分が減少し、把持部分が減少した部位では金属リム13により圧着把持される厚みが減少してシール不良起こす場合がある。
【0042】
本発明においては、フィルター7を上記のような形状に構成することにより、フィルター7を溶融紡糸口金パック1に組み込んで圧着した場合でも、濾過部13の端部のずれを抑制することができ、シール不良による未濾過の溶融した熱可塑性樹脂の洩れを防止することができる。その結果、本発明の溶融紡糸口金パック1を使用することにより、未濾過の溶融した熱可塑性樹脂の洩れ等による操業性低下を防止することができるようになり、フィルター交換の周期の大幅な延長も可能となった。
【0043】
本発明の溶融紡糸口金パック、該紡糸口金パックを使用した熱可塑性樹脂繊維の製造方法は、特にポリエステル、ポリアミド等を使用したエアバッグ用基布を構成する繊維の製造への適用にも好適である。
【0044】
【実施例】
(実施例1)
繊維原料である熱可塑性樹脂として、PETボトルのリサイクルレジンを使用し、溶融紡糸実験を行った。使用したフィルターは、濾過部が波形形状の円形のフィルター(金属リム部を含む外径100mm)であり、濾過部の構成が金属線フィルター100メッシュと金属線フィルター50メッシュの間に濾過精度が40μmの金属線不織布から構成されており、実質濾過面積(表面積)が平面濾過面積の2倍のものを使用した。金属リムは材質の厚さが0.8mmのアルミニウム製リムを使用した。
【0045】
紡糸実験は、560dtex−96フィラメントの糸を紡糸温度290℃で溶融紡糸し、その紡糸された糸を直接紡糸延伸により、巻き取り速度3000m/minで巻取った。評価は、溶融紡糸口金パックの背圧が初期背圧より9.8MPa(100kgf/cm2 )上昇するまでの日数(背圧上昇限界日数)を測定することにより行った。
【0046】
実施例1では、背圧上昇限界日数は、通常の平面フィルター(濾過精度が40μmの金属線不織布を金属線フィルター100メッシュと金属線フィルター50メッシュにて挟持することにて構成したもの)の約2倍であった。
【0047】
(実施例2)
実施例1と同様の構成のフィルターであって、外周の巾、圧着状態を変えたフィルターを使用して溶融紡糸口金パックを組み立て、実施例1と同様の条件にて溶融紡糸を行い、背圧が初期背圧より9.8MPa上昇した後に溶融紡糸口金パックの洩れ及び操業性を評価した。評価結果を表1にまとめて示した。
【0048】
【表1】
(実施例3)
繊維原料である熱可塑性樹脂として、ポリアミド66を使用し、溶融紡糸実験を行った。使用したフィルターは、濾過部が波形形状の円形のフィルター(金属リム部を含む外径100mm)であり、濾過部の構成が金属線フィルター100メッシュと金属線フィルター50メッシュの間に濾過精度が15μmの金属線不織布から構成されており、実質濾過面積(表面積)が濾過面平面積の2.5倍のものを使用した。金属リムは、材質の厚さが1.0mmのアルミニウム製リムを使用した。
【0049】
紡糸実験は、350dtex−144フィラメントで強度が8.4cN/dtexの糸を紡糸温度290℃で溶融紡糸し、その紡糸された糸を直接紡糸延伸により、巻き取り速度2400m/minで巻取った。評価は、連続して1週間紡糸を行った後のケバの発生状況を観察することにより行った。
【0050】
実施例3においては、通常の平面フィルター(濾過精度が15μmの金属線不織布の上下を金属線フィルター100メッシュと金属線フィルター50メッシュにて挟持することにて構成したもの)と比較したところ、連続して1週間紡糸を行った後のケバの発生は、半減した。更にこの方法で金属線不織布の濾過精度のみを変更した結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【発明の効果】
本発明により熱可塑性樹脂を原料とする合成繊維の紡糸において、金属線不織布をフィルター構成部材として使用する紡糸口金パックにおけるフィルター詰りによる圧損限界になるまでの時間を伸ばし、紡糸口金パック(フィルター)の交換周期を長くすることができるともに、異物の多い熱可塑性樹脂やゲル化しやすい熱可塑性樹脂を使用して紡糸する場合に、ケバ、糸切れを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融紡糸口金パックの1態様の縦断側面図
【図2】溶融紡糸口金パックに使用するフィルターの例を示した図
【符号の説明】
1 溶融紡糸口金パック
5 濾材
7 フィルター
9 整流板
11 口金
13 濾過部
15 金属リム
17 金属線フィルター
19 金属線不織布
Claims (11)
- パックケースに、出口側から少なくとも口金、整流板、フィルター、及び濾材とが収容されており、前記フィルターは、金属線フィルターと金属線不織布とからなる濾過部と前記濾過部の外周端を挟持する金属リムとで構成されており、前記濾過部は立体的な形状を有しており、前記濾過部の表面積が濾過面平面積の2倍以上であり、前記金属リムが、構成材料の厚みが0.5〜2.0mm、巾が2.5mm以上であり、前記濾過部の外周端が前記金属リムで少なくとも1.5mm以上把持されており、かつ前記フィルターの断面高さの20〜80%に圧着されていることを特徴とする溶融紡糸口金パック。
- 前記濾過部の立体的な形状が波形形状である請求項1に記載の溶融紡糸口金パック。
- さらに前記濾過部と前記整流板との間に5〜20メッシュの補強金網が設けられている請求項1又は2に記載の溶融紡糸口金パック。
- 前記整流板に前記濾過部に対応した深さ0.5〜3.0mmの座ぐり凹部が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の溶融紡糸口金パック。
- 溶融した熱可塑性樹脂を溶融紡糸口金パックから押し出して紡糸する熱可塑性樹脂繊維の製造方法であって、前記溶融紡糸口金パックは、パックケースに、出口側から少なくとも口金、整流板、フィルター、及び濾材とが収容されており、前記フィルターは、金属線フィルターと金属線不織布とからなる濾過部と前記濾過部の外周端部を挟持する金属リムとで構成されており、前記濾過部は立体的な形状を有しており、前記濾過部の表面積が濾過面平面積の2倍以上であり、前記金属リムが、構成材料の厚みが0.5〜2.0mm、巾が2.5mm以上であり、前記濾過部の外周端が前記金属リムで少なくとも1.5mm以上把持されており、かつ前記フィルターの断面高さの20〜80%に圧着されていることを特徴とする熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
- 前記濾過部の立体的な形状が波形形状である請求項5に記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
- 前記金属線不織布の濾過精度が15〜40μmであり、前記熱可塑性樹脂がリサイクルPET、リサイクルPE、リサイクルPPから選択されるものである請求項5又は6に記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
- 前記金属線不織布の濾過精度が10〜30μmであり、前記熱可塑性樹脂がポリアミド66であり、得られる繊維の強度が7cN/dtex以上である請求項5又は6に記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
- 前記金属線不織布の濾過精度が30〜40μmであり、前記熱可塑性樹脂が顔料、染料の少なくとも1種を含むものである請求項5又は6に記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
- 前記金属線不織布の濾過精度が10〜30μmであり、前記熱可塑性樹脂がPPSであり、得られる繊維の強度が4cN/dtex以上の長繊維である請求項5又は6に記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
- 前記金属線不織布の濾過精度が20〜40μmであり、前記熱可塑性樹脂が固有粘度が0.8以上の高粘度ポリエステル系ポリマーであり、得られる繊維の強度が7cN/dtex以上の高強力糸である請求項5又は6に記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
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