JPH04135632U - 階段構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】化粧框が当接する側板に貼着された化粧シート
が、階段の上り下りに伴う化粧框の動きにともない引張
られ損傷、位置ズレ等を起こすことを防止する。 【構成】階段Ａは、段板２の下り縁２ａと、け込み板３
の上端部３Ａとを化粧する化粧框４を有する。化粧框４
は、段板２前方で垂下する主部１５と、この主部１５下
端で後方に折曲がる下片１６とを有する基枠１７を具
え、かつ前記基枠１７の側端部は、ささら桁に固着した
側板６の内向き面６Ａに当接するとともに、前記側板６
の内向き面６Ａかつ基枠１７の下片１６が位置する部分
に前後にのびる溝部Ｍを設け、しかも該側板６に、前記
溝部Ｍで非粘着部分１０を有して化粧シート９を貼着す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、階段の段板とけ込み板とを化粧する化粧框の側端部が当接する側板 に、前記化粧框の下片が位置する部分で溝部を設け、かつ該溝部で非粘着部分を 有して化粧シートを貼着することにより、荷重による化粧框の動きにともなう化 粧シートのなみ打ち、折れしわ等の発生を防止でき見映えを向上しうる階段構造 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば図６に示すように、階段ａの段板ｂ前縁である下り縁ｃと、該段板ｂの 下面から垂下するけ込み板ｄの上端部ｄ１とを、アルミ等を用いて成形される化 粧框ｅにより化粧することが多々ある。このような化粧框ｅは、従来、ささら桁 ｆの内向き面ｆ１に釘金具等を用いて固定することにより該ささら桁ｆ、ｆ間に 架け渡されていた。

【０００３】 又前記ささら桁ｆの内向き面ｆ１には、前記段板ｂの上面から下の段板ｂ１の 下面に至る例えば塩化ビニル樹脂を原料として成形されたシート材ｇが貼着され 、前記内向き面ｆ１を仕上げている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらこのような従来のものにあっては、階段ａを上り下りする際、前 記化粧框ｅが上下に動き、この動きにともないシート材ｇが引張られ、該シート 材ｇになみ打ち、折れしわ、あるいは裂傷等の破損、ささら桁ｆからの剥離等を 生ぜしめ、外観を損なうことが多々ある。

【０００５】 又前記シート材ｇは、出来うる限り外から見える範囲に亘って貼着することが 、外的美観にとって望ましく、従って前記化粧框ｅの下方でシート材を途切れさ せることなく前記問題点を解決しうる構造の出現が要望されていた。

【０００６】 本考案は、化粧框の基枠の側端部が当接する側板の内向き面かつ基枠の下片が 位置する部分に前後にのびる溝部を設けるとともに、前記側板に、前記溝部で非 粘着部分を有して化粧シートを貼着することを基本として、化粧框が上下に動い た場合であっても化粧シートのなみ打ち、折れしわ、裂傷、剥離等を防止でき、 見映えを向上しうる階段構造の提供を目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、階段の段板の下り縁と、前記段板下面かつ下り縁を後方に離れた位 置で垂下するけ込み板の上端部とを化粧しかつささら桁間に架設される化粧框を 有する階段の階段構造であって、前記化粧框は、前記段板の上面かつ下り縁近傍 に設けた条溝に嵌合する垂下片と、垂下片の前記条溝への嵌合によって前記段板 上面と整一する上片と、上片前端から垂下する主部と、この主部下端で後方に折 曲がり後端が前記け込み板に当接しうる下片とを有する基枠の前記主部の内面に 芯材を固着してなり、かつ前記基枠の側端部は、前記ささら桁に固着した縦長矩 形の側板の内向き面に当接するとともに、前記側板の内向き面かつ基枠の下片が 位置する部分に前後にのびる溝部を設け、しかも該側板に、前記溝部で非粘着部 分を有して化粧シートを貼着するとともに、前記け込み板を、前記側板の後縁に 位置させている。

【０００８】

【作用】

化粧框は、段板の上面かつ下り縁近傍に設けた条溝に嵌合する垂下片と、段板 上面と整一する上片と、上片前端から垂下する主部と、主部下端で折曲がり後端 がけ込み板に当接しうる下片とを有する基枠を具える。従って、前記化粧框を段 板の下り縁近傍に納まり良く配設でき、かつけ込み板上端部を遮蔽するため、階 段の外観を向上しうる。

【０００９】 又基枠の側端部は、ささら桁に固着した側板の内向き面に当接するとともに、 該内向き面かつ基枠の下片が位置する部分に前後にのびる溝部を設け、しかも前 記側板に、前記溝部で非粘着部分を有して化粧シートを貼着している。従って、 階段を上り下りする際に化粧框が上下に動くなど位置ズレを起こした場合であっ ても、前記下片の位置する部分に設けられた溝部における化粧シートの非粘着部 分が伸縮することにより、化粧框の動きを吸収でき、化粧シートが引張られるこ とにより発生するなみ打ち、折れしわ、裂傷等の破損、あるいは化粧シートの位 置ズレ等を防止でき、見映えを向上しうる。

【００１０】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。 図において本考案の階段構造は、階段Ａを形成する段板２とけ込み板３とを１ 対のささら桁５、５間に架設される化粧框４により化粧するとともに、前記ささ ら桁５には、化粧框４の側端部が当接する側板６が固着されている。

【００１１】 前記ささら桁５は、図４に示すように本例では階段傾斜を有して傾く傾斜部２ ０を具えるとともに、例えば合板の表裏に化粧シートを貼着することにより形成 される。なおささら桁５の上方には、手すり子２１…を介して手すり２２が設け られている。

【００１２】 又１対のささら桁５、５の間には、段板２…とけ込み板３…とが順次配設され る。この段板２、け込み板３は、ささら桁５の対向する内向き面５Ａに固着され る前記側板６、該側板６の後方、すなわち図１において右方に固定される後の側 板２３、およびささら桁５、５間に架け渡される受梁２５により支持される。

【００１３】 側板６は、階段Ａのけ上げ高さに略等しい高さ、本例では約１９０mmの高さＬ を有する縦長矩形かつ例えば合板からなる基体２９からなるとともに、その上端 面６ａを水平にして、階段状に前記ささら桁５の内向き面５Ａに釘着等により固 着される。又側板６の内向き面６Ａには、上端から高さＬの約１／５の位置に巾 １２mm〜１６mm、深さ０．４〜０．６mmの前後にのびかつ両端が側板６の両側面 で開口する溝部Ｍが刻設されている。

【００１４】 又側板６の内向き面６Ａには、本例では上縁が側板６の上端と溝部Ｍとの間に 位置しかつ下縁が側板６の下端に至る縦長矩形の例えば塩化ビニル樹脂を用いた 化粧シート９が垂直に貼着されている。従って該化粧シート９は、前記溝部Ｍで 側板６と固着しない非粘着部分１０を有するとともに、本例では、前記内向き面 ６Ａ上部に、化粧シート９が貼着されない非貼着部３０を有している。

【００１５】 又前記後の側板２３は、図１、図４に示すように、台形状の合板からなり、そ の上端面２３ａを、前記側板６の上端面６ａと水平に整一させかつ垂直な前側面 ２３ｂを側板６の後側面６ｂと、前記け込み板３の巾Ｎに略等しい長さだけ離れ てささら桁５の内向き面５Ａに釘着等により固着される。なお後の側板２３の垂 直な後側面２３ｃは、上の側板６Ｕの水平方向略中央の垂直面内に位置するとと もに、前記上端面２３ａと上の側板６Ｕの下端面６ｃとの間の距離は、前記段板 ２の厚さＨと略等しく設定される。

【００１６】 又前記受梁２５は、本例では断面矩形の木質材からなり、その上面２５ａを前 記後の側板２３の上端面２３ａと整一させて、ささら桁５、５間に直角かつ水平 に架設される。

【００１７】 このようにささら桁５に固定された側板６、後の側板２３、受梁２５に、前記 段板２、け込み板３が取付けられる。

【００１８】 け込み板３は、例えば合板の前面を化粧シートにより化粧した横長矩形の板体 からなり、その下端面３ｂを前記受梁２５の上面２５ａに載置しかつ前記側板６ の後側面６ｂと後の側板２３の前側面２３ｂとの間に側端部を立上げて垂直にさ さら桁５、５間に架け渡される。これにより、け込み板３は側板６の後縁に位置 するとともに、け込み板３の上端面３ａが、側板６、後の側板２３の各上端面６ ａ、２３ａと整一するごとく、け込み板３の高さが設定される。

【００１９】 前記段板２は、例えば合板の上面に化粧シートを貼着した横長矩形の板体であ って、階段Ａの下向き方向の垂直な下り縁２ａを、前記側板６の前側面６ｃ近傍 に位置させて、かつ該側板６、け込み板３、後の側板２３の各上端面６ａ、３ａ 、２３ａに下面側端部を載置し、しかも前記受梁２５の上面２５ａに至り上のけ 込み板３Ｕ前面に当接する後端部を該受梁２５に釘着することにより前記ささら 桁５、５間に水平に架設される。

【００２０】 又段板２の前記下り縁２ａ近傍には、その上面に該下り縁２ａと平行に化粧框 ４が嵌合する条溝１２が設けられるともに、該条溝１２から下り縁２ａに至る上 面２Ａは、条溝１２から後にのびる上面２Ｂよりも低所としている。なお条溝１ ２は、図２、図３に示すように、段板２のささら桁５に当接する側縁から前記側 板６の厚さＧだけ控えた位置で終端している。

【００２１】 さらに段板２の下り縁２ａと、該段板２下面かつ下り縁２ａから後方に離れた 位置で垂下するけ込み板３の上端部３Ａとは、前記化粧框４により化粧される。

【００２２】 化粧框４は、前記段板２に設けた条溝１２に嵌合する垂下片１３と、該垂下片 １３の上端から前に折れ曲がり段板２の上面２Ｂと整一する上片１４と、上片１ ４前端から垂下する横長矩形の主部１５と、この主部１５下端で後方に折曲がり 後端が前記け込み板３前面に当接する下片１６とを有する基枠１７、および前記 主部１５の内面に固着する断面矩形の芯材１９からなる。

【００２３】 前記基枠１７の垂下片１３が、前記条溝１２に嵌合しかつ上片１４下面が該条 溝１２から下り縁２ａに至る段板２の上面２Ａに当接することにより、該上片１ ４は、段板２の条溝１２から後にのびる上面２Ｂと整一する。

【００２４】 又基枠１７の主部１５側端部を、前記側板６の内向き面６Ａに当接させ、かつ 前記芯材１９の側端を該内向き面６Ａの前記非貼着部３０に釘着することにより 、化粧框４は、段板２の下り縁２ａとけ込み板３の上端部３Ａとを覆ってささら 桁５、５間に架設される。

【００２５】 さらに基枠１７の主部１５は、前記下片１６が側板６に設けられた前記溝部Ｍ の位置で水平にのびるごとく、その高さを設定している。従って階段Ａの上り下 りに伴う化粧框４の下片１６の動きを、前記化粧シート９は溝部Ｍにおける非粘 着部分１０で伸縮することにより吸収でき、該化粧シート９のなみ打ち、折れし わ、位置ズレ等の発生を防止しうる。又本例では、前記芯材１９を化粧シート９ が貼着されていない側板６の非貼着部３０に固着しているため、芯材１９の動き に伴う化粧シート９の裂傷等の破損を排除でき、前記非粘着部分１０を設けたこ とと相まって、化粧シート９の位置ズレ等の発生をさらに確実に防止しうる。

【００２６】 なお前記芯材１９は、段板２の下面を受ける受梁としても機能し、段板２の取 付けをより強固なものとする。又化粧框４の基枠１７側端と側板６の上端面６ａ とがなす凹部３２には、モルタル等が充填され仕上げられる。

【００２７】 又前記化粧シート９を、側板６の内向き面６Ａに前記非貼着部３０を有しない で全面に貼着してもよい。さらに本考案の階段構造は、図５に示すような折曲が り階段Ｂにも採用されうる。

【００２８】

【考案の効果】

叙上の如く本考案の階段構造は、階段の段板の下り縁とけ込み板の上端部とを 化粧する化粧框の側端部を、ささら桁に固着した側板に当接し該ささら桁間に架 け渡すとともに、側板の内向き面かつ化粧框の下片が位置する部分に溝部を設け 、しかも該側板に、溝部で非粘着部分を有して化粧シートを貼着している。従っ て、化粧シートは、化粧框の動きに伴う前記下片の振動を、前記非粘着部分で伸 縮することにより吸収でき、該化粧シートの位置ズレ、破損等を効果的に防止し うる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】その正面図である。

【図３】その要部を示す斜視図である。

【図４】本考案の一実施例を示す分解斜視図である。

【図５】本考案が採用されうる折曲がり階段を示す斜視
図である。

【図６】従来の技術を示す斜視図である。

【符号の説明】

２ 段板 ２ａ 段板の下り縁 ３ け込み板 ３Ａ け込み板の上端部 ４ 化粧框 ５ ささら桁 ６ 側板 ６Ａ 側板の内向き面 ９ 化粧シート １０ 非粘着部分 １２ 条溝 １３ 垂下片 １４ 上片 １５ 主部 １６ 下片 １７ 基枠 １９ 芯材 Ａ 階段 Ｍ 側板の溝部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】階段の段板の下り縁と、前記段板下面かつ
   下り縁を後方に離れた位置で垂下するけ込み板の上端部
   とを化粧しかつささら桁間に架設される化粧框を有する
   階段の階段構造であって、前記化粧框は、前記段板の上
   面かつ下り縁近傍に設けた条溝に嵌合する垂下片と、垂
   下片の前記条溝への嵌合によって前記段板上面と整一す
   る上片と、上片前端から垂下する主部と、この主部下端
   で後方に折曲がり後端が前記け込み板に当接しうる下片
   とを有する基枠の前記主部の内面に芯材を固着してな
   り、かつ前記基枠の側端部は、前記ささら桁に固着した
   縦長矩形の側板の内向き面に当接するとともに、前記側
   板の内向き面かつ基枠の下片が位置する部分に前後にの
   びる溝部を設け、しかも該側板に、前記溝部で非粘着部
   分を有して化粧シートを貼着するとともに、前記け込み
   板を、前記側板の後縁に位置させてなる階段構造。