JPH04135429U - 長尺材用のパレツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォークリフトによる多数の長尺木材の積み
込み及び積み下しを、各長尺木材の順序を変えないでか
つ損傷を与えないで行うことのできるパレットを、簡単
な構造により提供すること。 【構成】 フォークリフトの爪部３０が挿入される挿入
部２１ａを有し、かつ上面にプレカットされた長尺木材
１０の載置面２１ｂを有した支持台２１の複数を、長尺
木材１０を支持できる程度の長さを有した底板２２上
に、爪部３０を挿入し得る空間２３を挿入部２１ａと平
行に介在させて一体的に形成したこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、フォークリフトによって物上げ等を行う場合に使用されるパレット に関し、特にアルミサッシ、鋼材、木材等の長尺材の積み下し等を行なうのに適 したパレットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

フォークリフトを使用して物上げ等を行う場合に使用されているパレットとし ては、図７の（イ）〜（ハ）に示すように種々なものが既に採用されてきている 。図７の（イ）に示したパレットは最も多く使用されているもので、両面使用二 方差形と呼ばれるものであり、図７の（ロ）に示したパレットは両面使用四方差 形で、さらに、図７の（ハ）に示したパレットは片面使用四方差形である。これ らの図７に示した各パレットは、これはこれで十分な機能を有しているものであ るが、アルミサッシ、鋼材、木材等工場にて製造、加工される長尺の材料加工物 の運搬に対して使用するものとしては適当ではないものである。

【０００３】 例えば、木材のプレカット工場においては、プレスカットする長尺木材あるい はプレカットされた加工品の長尺木材等の長尺材を運搬する必要がある。すなわ ち、入荷した長尺木材をその加工目的順序により荷造べルトされた入荷木材、あ るいは一本毎に入荷された木材を加工工程まで運搬する。また、プレカットされ た長尺木材は、出願人が特開平３−６３３５５号公報等において既に提案してい る建方工法等のようにして使用されるものであるから、パレットに対する積み込 みや積み下しを乱雑に行う訳にはいかないものである。つまり、木造家屋等を構 築するための柱や梁等となる長尺木材１０は、例えば図２に示すような形状とな るものであり、その木口１２等の柄や柄穴等の各種の加工部分１１を工場におい て予め加工する、すなわちプレカットされるものであるが、このような多数の長 尺木材１０を建方に合わせて、例えば図３に示すようにまとめておかなければな らない。その理由は、多種類の長尺木材１０は、その建方の順序に合わせて図３ に示したような順を建築施工現場まで維持しておかなければならないからであり 、プレカットする工場での保管、工場から施工現場までの運搬等において、各長 尺木材１０の積み込みの順序が変化すると、現場での建方が非常に困難となるか らである。

【０００４】 特に、図２及び図３に示したように、加工部分１１の近傍に建方の順序等を示 す番付１３が付された長尺木材１０においては、プレカット完了時にこれら番付 １３が示す順にパレット上等に積み込むのであるが、この順序は建築施工現場ま で維持しなければならないだけでなく、各番付１３が見易くなるように積み込ん でその状態をも維持しなければならないものである。このように、加工工程に搬 入または加工工程より搬出する場合、コロコンベアーあるいはチェーンコンベア ー等のコンベアー上に前記長尺木材１０を直接載せると長尺木材自身に傷をつけ ることとなる。

【０００５】 このことから、以上のような長尺木材１０を集積運搬する場合にパレットを使 用するのであるが、図７に示したような従来のパレットにおいては、次のような ことができない。 多数の長尺木材１０等の長尺材を、そのまとめ状態をくずさないで、しかも 各長尺材１０に傷をつけないで、フォークリフトの爪部３０によって、パレット 上に載置すること。 パレット上に順序立てて載置した多数の長尺材１０を、その順序をくずさな いで、しかも各爪部３０によって傷をつけないでフォークリフトにより取り出す こと。

【０００６】 そこで、本考案者等は、以上のような長尺材１０に適したパレットを構成する にはどうしたらよいかについて種々検討を重ねてきた結果、本考案を完成したの である。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】 本考案は、以上の実状に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は 、フォークリフトによる多数の長尺材１０の積み込み及び積み下しを行なう際に 、各長尺材１０の順序を維持すること及び損傷を与えないようにすることである 。

【０００８】 そして、本考案の目的とするところは、フォークリフトによる多数の長尺材１ ０の積み込み及び積み下しを、各長尺材１０の順序を変えないでかつ損傷を与え ないでパレットごとあるいはパレット上への積載、パレット上からの取り出しを 行うことのできるパレットを、簡単な構造により提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

以上の課題を解決するために、本考案の採った手段は、実施例において使用す る符号を付して説明すると、 「フォークリフトの爪部３０が挿入される挿入部２１ａを有し、かつ上面にプ レカットされた長尺材１０の載置面２１ｂを有した支持台２１の複数を、長尺材 １０を支持できる程度の長さを有した底板２２上に、爪部３０を挿入し得る空間 ２３を挿入部２１ａと平行に介在させて一体的に形成したことを特徴とするパレ ット２０」 である。

【００１０】

【考案の作用】

以上のように構成した本考案に係るパレット２０の作用を、その使用の態様と 併せて説明する。

【００１１】 まず、このパレット２０においては、長尺材１０を支持できる程度の長さを有 した底板２２上に、爪部３０を挿入できる挿入部２１ａを有した複数の支持台２ １を、各間に爪部３０を挿入できる程度の空間２３を介在させて一体化したもの であるから、その全体構造は非常に簡単なものとなっている。なお、以下に示す 実施例においては、各空間２３の幅を支持台２１の幅より大きくなるようにして あるので、図６に示すように、複数のパレット２０を効率良く積み重ね得るもの である。

【００１２】 以上のように構成したパレット２０上に、荷造りベルト１４等によって一まと めにした複数の長尺材１０を積み込むには、例えばフォークリフトの爪部３０上 に順序立ててまとめておいてから、図４に示すように、各支持台２１の載置面２ １ｂ上に下ろせばよいのである。そして、各爪部３０が各空間２３内にて宙に浮 くように位置調整をしてフォークリフトを後退させれば、各爪部３０は、各長尺 材１０の順序を変えることなく、しかも各長尺材１０に損傷を与えることなく引 き出され、前述したが行えるのである。

【００１３】 これとは逆に、パレット２０上に載置してあった複数の長尺材１０を取り出す には、各支持台２１及び長尺材１０によって形成されている空間２３内に、フォ ークリフトの爪部３０を挿入して位置決めし、この爪部３０を上動させればよい のである。これにより、各爪部３０は、各長尺材１０の順序を変えることなく、 しかも各長尺材１０に損傷を与えることなく複数の長尺材１０を持ち上げること 、すなわち前述したが行えるのである。

【００１４】 勿論、図５に示すように、各支持台２１の挿入部２１ａ内にフォークリフトの 爪部３０を挿入することにより、このパレット２０はパレットのみ、あるいは、 一まとめにした複数の長尺材１０をその順序を変えることなく、かつ当該パレッ ト２０毎運搬し得るものである。

【００１５】

【実施例】

次に、本考案を図面に示した実施例に従って詳細に説明すると、図１には本考 案に係るパレット２０の斜視図が示してあり、このパレット２０は長尺材１０を 支持できる程度の長さを有した底板２２上に、複数の支持台２１を一体的に設け ることにより構成してある。なお、本実施例における底板２２や各支持台２１は 、剛性と各長尺材１０に対する緩衝作用とを確保するために、木を材料として形 成してある。尚、図１の（イ）は、実施例に使用したパレットであるが図１の（ ロ）または（ハ）の形態をとっても差支えない。図１の（ロ）は比較的短い長尺 材、即ち、載置する木材がフォークリフトの爪部３０の巾と同巾であれば充分で ある。また、空間２３が形成可能であれば図１の（ハ）の如く、複数の支持台２ １をフォークリフトの爪部３０のスパン毎に形成して載置材のバランスを考慮し てもよい。

【００１６】 本実施例における各支持台２１は、底板２２の図１に示した奥行程度の長さを 有し、かつフォークリフトの爪部３０の厚さよりも十分太い一対角材を互いに平 行にして底板２２上に固定し、これら各角材上に多数の上板をすのこ状に固定す ることにより構成してある。これにより、各支持台２１には、一対の角材及び多 数の上板とによって、フォークリフトの爪部３０を挿入できる挿入部２１ａが構 成されるのであり、また各上板上が長尺材１０のための載置面２１ｂとなるので ある。

【００１７】 これら各支持台２１は、図４及び図５にも示すように、互いに平行でかつ互の 間に空間２３を形成する状態で、底板２２上に一体化したものである。本実施例 においては、各支持台２１の幅は略同じであり、この幅を１とした場合に、各空 間２３は、図１の図示左側から１及び２の幅となるように設定してある。これに より、フォークリフトの一対の爪部３０が、図４または図５に示したように、一 対の挿入部２１ａまたは一対の空間２３内に同時に挿入し得るものであり、また 図６に示したように、一対のパレット２０を互いに対向させた状態で積み重ねる ことができるものである。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明した通り、本考案においては、上記実施例にて例示した如く、 「フォークリフトの爪部３０が挿入される挿入部２１ａを有し、かつ上面にプ レカットされた長尺材１０の載置面２１ｂを有した支持台２１の複数を、長尺材 １０を支持できる程度の長さを有した底板２２上に、爪部３０を挿入し得る空間 ２３を挿入部２１ａと平行に介在させて一体的に形成した」 ことにその構成上の特徴があり、これにより、フォークリフトによる多数の長尺 材１０の積み込み及び積み下しを、各長尺材１０の順序を変えないでかつ損傷を 与えないで行うことのできるパレットを、簡単な構造により提供することができ るのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るパレットの斜視図である。

【図２】本考案に係るパレットに載置されるべき長尺材
の一例を示す斜視図である。

【図３】図２に示したような長尺材を一まとめにした部
分斜視図である。

【図４】本考案に係るパレットに対して一まとめにした
多数の長尺材をフォークリフトの爪部によって積み込み
または積み下しをしている状態を示す正面図である。

【図５】多数の長尺材を積み込んだパレットをフォーク
リフトの爪部によって上下させている状態を示す正面図
である。

【図６】本考案に係るパレットの二つを積み重ねた状態
の正面図である。

【図７】従来のパレットの例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１０ 長尺材 ２０ パレット ２１ 支持台 ２１ａ 挿入部 ２２ｂ 載置面 ２２ 底板 ２３ 空間 ３０ 爪部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フォークリフトの爪部が挿入される挿入
   部を有し、かつ上面に長尺材の載置面を有した支持台の
   複数を、前記長尺材を支持できる程度の長さを有した底
   板上に、前記爪部を挿入し得る空間を前記挿入部と平行
   に介在させて一体的に形成したことを特徴とするパレッ
   ト。