JPH04134196U - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

交流電動機の制御装置

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JPH04134196U
JPH04134196U JP4172291U JP4172291U JPH04134196U JP H04134196 U JPH04134196 U JP H04134196U JP 4172291 U JP4172291 U JP 4172291U JP 4172291 U JP4172291 U JP 4172291U JP H04134196 U JPH04134196 U JP H04134196U
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良介 上月
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案はホール電流検出器の直流オフセット値
を検出し、直流オフセットの変化に対して自動的に補正
を行い、適切でしかも安定な電流制御ができる交流電動
機の制御装置を提供することにある。 【構成】本考案は交流電動機に流れる交流電流を検出す
る電流検出器と、電流検出器の出力信号を用いて交流電
動機に流れる交流電流を制御する電流制御手段とからな
る交流電動機の制御装置において、電流制御アンプの出
力である変調波信号と搬送波信号を比較するコンパレー
タと、このコンパレータの出力信号に含まれる交流成分
を遮断し直流成分を検出するローパスフィルタと、この
ローパスフィルタ出力の直流成分を積分する積分回路と
を設け、この積分回路の出力信号を前記電流制御アンプ
に入力して前記電流検出器の直流オフセットを自動的に
補正するように構成しているので、ホール電流検出器に
直流オフセットが生じても自動的に補正を行い、その結
果、交流電動機に流れる交流電流に重畳された直流電流
を自動的に零にすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】 [考案の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】
本考案は交流電動機の制御装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来の交流電動機の制御装置、例えば交流電動機の速度制御を図2の回路図を 参照して説明する。同図において、1は交流電源、2は整流回路、3はPWM( パルス幅変調)インバータ、4は交流電動機、5は速度センサー、6は電流検出 器、7は速度制御部、8は電流制御アンプ(ACR)、9は三角波発振器、10 はコンパレータ、11はベース駆動回路、30は反転アンプである。
【0004】 次に、上記制御装置の動作について説明する。本制御装置においては、速度指 令ωr * に対し速度センサー5よりの速度信号ωr を速度制御部7に入力する。 速度制御部7では速度要素、電流要素が演算され、その結果、交流電動機4の一 次電流指令I1 * (交流信号)が出力される。この一次電流指令I1 * は、イン バータ3と交流電動機4との間に設けた電流検出器6で検出し、反転アンプ30 で反転された交流の検出信号は電流制御アンプ(ACR)8にて比較増幅される 。電流制御アンプ8の出力である変調波信号は、三角波発振器9より出力される 搬送波とコンパレータ10にてPWM変調(パルス幅変調)され、ベース駆動回 路11を介してインバータ3にベース信号として入力する電流制御系を構成して おり、これにより交流電動機4の速度制御を行うものである。なお、速度制御部 7の具体的構成は本考案と直接関係ないのでその詳細な説明は省略する。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
このような電流制御系では、電流検出器としてホール素子を用いたホール電流 検出器が広く使用されている。ホール電流検出器の特徴としては、絶縁状態にて 電流検出が可能である、直流,交流または直流+交流の電流検出が可能である、 電圧信号として検出可能である、安価である等があげられる。
【0006】 ところで、ホール素子の素材はゲルマニウム、ガリウム砒素といった半導体材 料であるため、温度によりホール電流検出器の出力電圧は変化し易いという問題 がある。当然、交流電動機に流れる交流電流が零に相当する時に発生するホール 電流検出器の直流オフセット電圧も温度により変化する。従って、交流電動機の 制御を、正弦波の一次電流指令I1 * に対し、ホール電流検出器を使用して電流 フィードバック制御を行う場合、温度によりホール電流検出器の直流オフセット 電圧が生じると、交流電動機に流れる電流は交流電流のみではなく交流電流に直 流電流が重畳された電流が流れる。
【0007】 この点について図3及び図4に基づいて詳細に説明する。 まず、図3(a)はホール電流検出器の電流オフセット電圧が零であり、交流 電動機には直流成分を含まない交流の電流が流れている状態の電流制御アンプ8 の入出力波形を示す。前述したように、電流制御アンプ8は正弦波の一次電流指 令I1 * とホール電流検出器の出力電圧とを比較増幅するため、ホール電流検出 器からの電流制御アンプ8への入力信号I1 は正弦波の一次電流指令I1 * に対 して 180゜反転し、PWM変調された正弦波となっている。また、ホール電流検 出器の信号を反転アンプ30にて反転し検出しているので、実際の交流電動機に 流れている電流位相は一次電流指令I1 * と同一である。また、電流制御アンプ 8の出力波形E1 * は交流電動機に与える電圧指令であり、交流電動機はリアク タンス負荷なので、交流電動機に流れる電流より位相が進んだ正弦波となる。次 に、電流制御アンプ8の出力である変調波信号E1 * が、三角波発振器9より出 力される搬送波E2 とコンパレータ10にて比較され、コンパレータ10より出 力されPWM変調された波形E3 を図3(b)に示す。ホール電流検出器の直流 オフセット電圧が零であるので、変調波信号E1 * は直流成分を含まない交流信 号であり、搬送波E2 と比較したコンパレータ10の出力波形E3 も直流成分を 含まないPWM変調波である。
【0008】 次に、図4(a)にホール電流検出器の直流オフセット電圧がプラス側に生じ た場合の電流制御アンプ8の入出力波形を示す。前述したように電流制御アンプ 8は正弦波の一次電流指令I1 * とホール電流検出器の出力電圧をとを比較増幅 するため、ホール電流検出器からの電流制御アンプ8への入力信号I1 は正弦波 の一次電流指令I1 * に対して 180゜反転し、PWM変調された正弦波となって いる。従って、ホール電流検出器がプラス側にオフセット電圧が生じると、電流 制御アンプの出力である変調波信号E11 * はマイナス側に直流分が重畳された正 弦波波形となる。次に、電流制御アンプ8の出力である変調波信号E11 * が、三 角波発振器9より出力される搬送波E2 とコンパレータ10にて比較され、コン パレータ10より出力されるPWM変調された波形E31を図4(b)に示す。電 流制御アンプ8の出力である変調波信号E11 * は、マイナス側に直流分が重畳さ れた正弦波波形であるので、搬送波と比較したコンパレータ10の出力波形もマ イナス側に直流分が重畳されたPWM変調波E31となる。従って、交流電動機に 流れる電流は、マイナス側に直流分が重畳された交流電流が流れる。 このように交流電動機に直流電流が重畳された交流電流が流れると安定な電流 制御ができなくなり、交流電動機の出力負荷にトルクリップルによる振動が生じ たり、交流電動機が異常発熱したりする等の問題が生じる。
【0009】 本考案は上記問題を解決するためになされたもので、その目的は、ホール電流 検出器の直流オフセット値を検出し、直流オフセットの変化に対して自動的に補 正を行い、適切でしかも安定な電流制御ができる交流電動機の制御装置を提供す ることにある。 [考案の構成]
【0010】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記目的を達成するために、交流電動機に流れる交流電流を検出する 電流検出器と、前記電流検出器の出力信号を用いて交流電動機に流れる交流電流 を制御する電流制御手段とを備えた交流電動機の制御装置において、前記電流検 出器で検出された電流検出信号を電流制御アンプに入力し、この電流制御アンプ の出力である変調波信号と搬送波信号を比較するコンパレータと、前記コンパレ ータの出力信号に含まれる交流成分を遮断し直流成分を検出するローパスフィル タと、前記ローパスフィルタ出力の直流成分を積分する積分回路とを設け、前記 積分回路の出力信号を前記電流制御アンプに入力して前記電流検出器の直流オフ セットを自動的に補正するように構成としたことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】
本考案は、ホール電流検出器を用いて電流制御した場合、ホール電流検出器が 直流オフセットを生じると、電流制御アンプの出力である変調波信号と搬送波信 号を比較するコンパレータの出力PWM変調信号にも直流成分が重畳されること に着目したもので、コンパレータの出力信号よりローパスフィルタにて直流成分 だけを検出し、積分回路にて前記直流成分を積分し、積分回路の出力信号を前記 電流制御アンプに補正信号として入力するものである。電流制御は速い応答が必 要であるのに対し温度はゆっくりと変化するために遅い応答の積分回路にて前記 直流成分を積分し、積分回路の出力信号を電流制御アンプに補正信号として入力 することにより、ホール電流検出器に直流オフセットが生じても、自動的に補正 を行い、その結果交流電動機に流れる交流電流に重畳された直流電流を自動的に 零にすることができる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図1について説明する。 同図において、図2で示した従来の回路図と同等の機能を有する要素について は同一符号を付して説明する。
【0013】 図1において、1は交流電源、2は整流回路、3はPWM(パルス幅変調)イ ンバータ、4は交流電動機、5は速度センサー、7は速度制御部、9は三角波発 振器、11はベース駆動回路であり、従来の制御回路と同様である。6A,6B はU相、V相に取り付けられたホール電流検出器で、ゲイン1倍の反転アンプ3 0A(U相)、30B(V相)にて信号を反転させて、インバータ3より交流電 動機4に流れる電流に対し 180゜反転した波形を検出し、電流検出信号IUFB 、 IVFB として電流制御アンプ8A(U相),8B(V相)に入力する。電流制御 アンプ8A(U相),8B(V相)はそれぞれの一次電流指令I1U * 、I1V * と 電流検出信号IUFB 、IVFB 信号を入力し比較増幅する。8Cは、U相電流制御 アンプ8Aの出力である変調波信号EU とV相電流制御アンプ8Bの出力である 変調波信号EV を加算し反転させ、W相変調波信号EW を出力するW相電流制御 アンプである。それぞれの変調波信号EU 、EV 、EW は、三角波発振器9より 出力される搬送波とコンパレータ10A(U相)、10B(V相)、10C(W 相)にて比較され、各々PWM変調される。
【0014】 また、20AはU相コンパレータ10Aの出力信号より直流成分を検出するU 相ローパスフィルタであり、20BはV相コンパレータ10Bの出力信号より直 流成分を検出するV相ローパスフィルタである。21AはU相ローパスフィルタ 20Aの出力の直流成分を積分するU相積分回路であり、21BはV相ローパス フィルタ20Bの出力の直流成分を積分するV相積分回路である。U相積分回路 21Aの出力信号はU相反転アンプ30Aに入力され、V相積分回路21Bの出 力信号はV相反転アンプ30Bに入力される。
【0015】 次に、上記のように構成された制御回路において、例えばU相の電流制御につ いて説明する。 まず、U相ホール電流検出器6Aの直流オフセット電圧が零の場合、前述した ようにU相電流制御アンプ8Aの出力である変調波信号EU は、直流分が重畳さ れない正弦波であり、搬送波と比較したU相コンパレータ10Aの出力波形も直 流成分を含まないPWM変調波となる。従って、U相ローパスフィルタ20Aの 出力は零であり、U相積分回路21Aの出力も零である。U相電流制御アンプ8 Aの入出力波形は図3(a)に、U相コンパレータ10Aの入出力波形は図3( b)に示した関係になる。従って、交流電動機4に流れるU相電流は直流成分を 含まない正弦波の電流が流れる。
【0016】 次に、温度変化によりU相ホール電流検出器6Aの出力電圧がプラス側にオフ セットを生じた場合、前述したようにU相電流制御アンプ8Aは正弦波の一次電 流指令I1U * に対し、反転アンプ30Aの出力信号IUFB との偏差を常に零とな るように制御する。従ってU相電流制御アンプ8Aの出力である変調波信号EU はマイナス側に直流分が重畳された正弦波であり、搬送波と比較したU相コンパ レータ10Aの出力波形もマイナス側に直流成分が重畳されたPWM変調波とな る。しかし、U相コンパレータ10Aの出力信号に直流成分が重畳されると、U 相ローパスフィルタ20Aにて直流成分だけが検出される。直流成分はU相積分 回路21Aにてゆっくりと積分され、U相積分回路21Aの出力信号はU相反転 アンプ30Aに入力される。ここで、U相積分回路21Aの出力信号をマイナス 方向に出力するように構成すると、U相電流制御アンプ8Aの出力である変調波 信号EU に含まれる直流成分は徐々に減少し、搬送波と比較したU相コンパレー タ10Aの出力信号に含まれる直流成分も徐々に減少する。その結果、U相電流 制御アンプ8Aの出力である変調波信号EU は、直流分が重畳されない正弦波と なり、搬送波と比較したU相コンパレータ10Aの出力波形も直流成分を含まな いPWM変調波となる。従って、交流電動機4に流れるU相電流は直流成分を含 まない正弦波の電流が流れる。
【0017】 前述したように、電流制御アンプの制御は高速応答が必要であるのに対し、温 度はゆっくりと変化するので応答の遅い積分回路の出力信号にて電流制御アンプ を補正するので、電流制御アンプの制御は安定に動作する。
【0018】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によると、ホール電流検出器に温度変化により直 流オフセットが生じても、自動的に補正を行うので安定な電流制御ができ、その 結果、交流電動機には直流分を含まない正弦波の電流が流れるので、交流電動機 の出力負荷に安定なトルクを供給できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の回路図。
【図2】従来の交流電動機の制御装置の回路図。
【図3】(a)はホール電流検出器のオフセット電圧が
零の場合の電流制御アンプの入出力波形図、(b)はホ
ール電流検出器のオフセット電圧が零の場合のコンパレ
ータの入出力波形図。
【図4】(a)はホール電流検出器のオフセット電圧が
プラス側に生じた場合の電流制御アンプの入出力波形
図、(b)はホール電流検出器のオフセット電圧がプラ
ス側に生じた場合のコンパレータの入出力波形図。
【符号の説明】
1…交流電源、2…整流回路、3…PWMインバータ、
4…交流電動機、5…速度センサー、6A,6B…電流
検出器、7…速度制御部、8A,8B,8C…電流制御
アンプ、9…三角波発振器、10A,10B,10C…
コンパレータ、11…ベース駆動回路、20A,20B
…ローパスフィルタ、21A,21B…積分回路、30
A,30B…反転アンプ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電動機に流れる交流電流を検出する
    電流検出器と、前記電流検出器の出力信号を用いて交流
    電動機に流れる交流電流を制御する電流制御手段とを備
    えた交流電動機の制御装置において、前記電流検出器で
    検出された電流検出信号を入力する電流制御アンプと、
    前記電流制御アンプの出力である変調波信号と搬送波信
    号を比較するコンパレータと、前記コンパレータの出力
    信号に含まれる交流成分を遮断し直流成分を検出するロ
    ーパスフィルタと、前記ローパスフィルタ出力の直流成
    分を積分する積分回路とを設け、前記積分回路の出力信
    号を前記電流制御アンプに入力して前記電流検出器の直
    流オフセットを自動的に補正するように構成としたこと
    を特徴とする交流電動機の制御装置。
JP4172291U 1991-06-04 1991-06-04 交流電動機の制御装置 Expired - Lifetime JP2560962Y2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7772797B2 (en) 2000-04-18 2010-08-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Motor controller

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7772797B2 (en) 2000-04-18 2010-08-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Motor controller

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JP2560962Y2 (ja) 1998-01-26

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