JP3978694B2 - 電動機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、出力電圧センサなし電力変換器(インバータ)におけるパワー素子のオン電圧降下量と電動機の抵抗を測定し、電力変換器のパワー素子でのオン電圧降下量を補償する補償回路により指令値通りの出力電圧を電動機に供給し高精度に電動機を制御する電動機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導電動機を可変速制御する電力変換器は、低速時の高始動トルクや速度制御特性向上が要求されているが、このような制御においては、電力変換器の出力が高精度で指令値と一致する必要がある。ところが、指令値通りの電圧を出力するために電力変換器の出力電圧を出力電圧センサを用いて測定し補正しようとすると、コストアップになるばかりか、制御精度が出力電圧センサの速度精度に依存するので、出力電圧センサを用いないで制御を行うことが従来より提案されている。
このような従来技術の一つとして、特開平6−59000号公報記載の交流電動機の定数測定方法がある。具体的には、通常の運転前に、直流電圧Vdcを入力とするインバータをチョッパ動作させて誘導電動機に直流電流を流し、電動機巻線端子間のチョッパオン区間(チョッパ通流率δm)における平均電圧指令値(Vdc・δm)から、前もって記憶した直流電流に対応したパワー半導体素子のオン電圧降下量Vpを減じ、式(Vdc・δm−Vp)と、直流電流検出値Iとの比から交流電動機の1次抵抗を演算測定するものである。
しかしながら、この従来方式では、前もってパワー素子のオン電圧降下量をカタログや特性表等の資料をもとに記憶しておかねばならない。また、ゲート回路での遅れ時間やパワー素子の動作遅れ時間やパワー素子の特性のばらつきがある場合には測定した抵抗値に誤差を含むことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の出力電圧センサなし電力変換器において、電動機を高精度に制御するためには、電動機の定数を正確に設定することと、指令値通りの電圧を出力できる電力変換器が必要となる。
電力変換器において、指令値と実際値とに誤差が生じる原因として、パワー素子を駆動するゲート回路での遅れ時間やパワー素子の動作遅れ時間やパワー素子のオン電圧降下がある。このゲート回路での遅れ時間とパワー素子の動作遅れ時間は、見かけ上出力電圧の低下につながり、パワー素子のオン電圧降下量と同じ成分と考えられるので、ここではこれらを含めて、パワー素子のオン電圧降下量とする。
そこで本発明の目的は、パワー素子を駆動するゲート回路での遅れ時間やパワー素子の動作遅れ時間やパワー素子のオン電圧降下に起因する指令値と実際値との誤差を補償して高精度な制御を行うことのできる電動機の制御装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の電動機の制御装置は、直流電圧を任意の周波数と電圧の交流あるいは任意の大きさの直流電圧に変換して電動機に供給する出力電圧センサなし電力変換器と、前記電動機に供給される電流を検出する電流検出器と、電流指令値Iref と前記電流検出器からの電流検出値I fb とが一致するように出力電圧指令V ref を制御する電流制御回路と、電圧降下量補償回路からの出力である電圧指令V 1ref が入力され、前記電動機が直流電動機の場合には、直流の出力電圧指令に変換し、交流電動機の場合には電動機の速度に依存する位相角から各相の出力電圧指令に変換する座標変換回路と、前記座標変換回路から出力された出力電圧指令よりPWM信号を生成し、前記電力変換器を駆動するPWM発生回路とを備えた電動機の制御装置において、前記電圧降下量補償回路が、出力電圧指令値V ref と電流検出値I fb に対してV ref =r・I fb +V 0 より電動機の抵抗rとパワー素子のオン電圧降下量V 0 を演算し、電流制御回路の出力電圧指令値V ref が入力されてパワー素子のオン電圧降下V 0 と電動機に流れる電流の電流検出値I fb に対する電動機の抵抗rによる電圧降下量r・I fb を加えた補償電圧V cmp を出力電圧指令値V ref に加えた電圧指令V 1ref を出力する電圧降下量補償回路であることを特徴とする。本発明では電動機に設定した直流電流が流れるように電力変換器の出力量を変化させ、出力電圧指令値と電流検出値の関係を求め、パワー素子のオン電圧降下量と電動機の抵抗を測定し、測定したパワー素子のオン電圧降下量を補償する補償回路を有する電動機の制御装置を提供する。本発明により、出力電圧センサなし電力変換器において、電動機を高精度に制御することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明における電動機の制御装置の実施形態の構成を示すブロック図である。
電動機の制御装置は、電力変換器1、電動機2、電流検出器3、電流制御回路4、電圧降下量補償回路5、座標変換回路6、PWM発生回路7を備えている。
電力変換器1は、与えられた直流電圧あるいはパワー素子により三相交流を変換した直流電圧をPWM制御方式により任意の周波数と電圧の交流あるいは任意の大きさの直流電圧に変換し、電動機2に供給する。
電流検出器3は、電動機2に供給される電流を検出する。
電流制御回路4は、電流指令値Irefと電流検出器3からの電流検出値Ifbとが一致するように出力電圧指令Vrefを制御する。図中Kは制御ゲインである。
【0006】
電圧降下量補償回路5は、電流検出値Ifbと出力電圧指令Vrefに基づいて電動機2の抵抗r及びパワー素子のオン電圧降下量V0を測定演算し、測定演算された電動機2の抵抗r及びパワー素子のオン電圧降下量V0を補償するための回路で、本回路の出力である補償電圧Vcmpを電流制御回路4の出力電圧指令Vrefに加えた電圧指令V1refを生成する。
座標変換回路6は、電圧降下量補償回路5からの出力である電圧指令V1refが入力され、電動機2が直流電動機の場合には、直流の出力電圧指令に変換し、交流電動機の場合には電動機2の速度に依存する位相角θから各相の出力電圧指令に変換する。
PWM発生回路7は、座標変換回路6から出力された出力電圧指令よりPWM信号を生成し、電力変換器1を駆動する。
次に、本発明の目的の1つである電動機2の抵抗r及びパワー素子のオン電圧降下量V0を測定演算する方法について述べる。まず、設定された直流電流が流れるように、電流制御回路4により出力電圧指令Vrefを演算し、位相角θを任意の角度に固定し、座標変換回路6に入力し、出力電圧指令に変換し、PWM発生回路7により電力変換器1を駆動し、電動機2に直流電流を流す。
電圧降下量補償回路5では2つもしくはそれ以上の設定された直流電流に対する電流検出値と出力電圧指令値の関係を求める。
【0007】
ここで、パワー素子のオン電圧降下量V0はパワー素子に流れる電流Ifbに対して、図2のような特性を示す。
この関係を破線のように近似すると、ある区間においては、パワー素子のオン電圧降下量V0は電流Ifbに依存しない固定量と電流に比例する比例量で表すことができる。ところで、パワー素子のオン電圧降下量V0のうち電流に比例する比例量は、電動機の抵抗rと同じ成分であるので、電動機の抵抗に含めることとし、本発明においてパワー素子のオン電圧降下量V0とは、電流に依存しない固定量を表すこととする。
図3は、本発明方法により測定された電流検出値と出力電圧指令値の関係の例を表す図である。
この出力電圧指令値Vrefは電流検出値Ifbに対して、(1)式のように一次近似できる。
Vref=r・Ifb+V0 ・・・・・・(1)
(1)式より、前述したように、出力電圧指令値Vrefと電流検出値Ifbに基づいて電動機の抵抗rとパワー素子の電圧降下量V0を演算することができる。
【0008】
次に、パワー素子でのオン電圧降下量V0を補償する電圧降下量補償回路5について述べる。
図4は、電圧降下量補償回路5の構成を表すブロック図の例である。
本実施例においては、試運転時または運転開始時に電動機2に直流電流を流すことにより、電圧降下量演算回路51において、出力電圧指令値Vrefと電流検出値Ifbに対して(1)式により電動機の抵抗rとパワー素子のオン電圧降下量V0を演算し、設定しておく。
続いて電動機2を駆動するために電流指令値Irefを電流制御回路4に入力すると出力電圧指令値Vrefが出力され、電圧降下量補償回路5に入力される。電圧降下量補償回路5では、パワー素子のオン電圧降下V0と電動機に流れる電流の電流検出値Ifbに対する電動機の抵抗rによる電圧降下量r・Ifbを加えた補償電圧Vcmpを出力電圧指令値Vrefに加えた電圧指令V1refを出力する。
このようにパワー素子のオン電圧降下量V0を補償することにより、指令値通りの電圧を電動機に供給できるため、出力センサなしの電力変換器でも高精度に電動機を制御することができる。
また、本実施例では電動機の抵抗による電圧降下量を電圧降下量補償回路5中で補償したが、例えば誘導電動機のべクトル制御装置で用いられる制御定数に本発明により得られた抵抗値を用いてもよい。
【0009】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、出力電圧センサなし電力変換器において、電動機に設定した直流電流が流れるように電力変換器の出力量を変化させ、出力電圧指令値と電流検出値の関係を求め、パワー素子のオン電圧降下量と電動機の抵抗を測定し、測定したパワー素子のオン電圧降下量を補償することにより、電動機を高精度に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における電動機の制御装置の実施形態の構成を表すブロック図である。
【図2】 パワー素子のオン電圧降下量とパワー素子に流れる電流の関係の例である。
【図3】 本発明方法により測定された電流検出値と出力電圧指令値の関係の例である。
【図4】 本発明における電圧降下量補償回路の実施形態の構成を表すブロック図である。
【符号の説明】
1 電力変換器、2 電動機、3 電流検出器、4 電流制御回路、5 電圧降下量補償回路、51 電圧降下量演算回路、6 座標変換回路、7 PWM発生回路
Claims (1)
- 直流電圧を任意の周波数と電圧の交流あるいは任意の大きさの直流電圧に変換して電動機に供給する出力電圧センサなし電力変換器と、
前記電動機に供給される電流を検出する電流検出器と、
電流指令値I ref と前記電流検出器からの電流検出値I fb とが一致するように出力電圧指令V ref を制御する電流制御回路と、
電圧降下量補償回路からの出力である電圧指令V 1ref が入力され、前記電動機が直流電動機の場合には、直流の出力電圧指令に変換し、交流電動機の場合には電動機の速度に依存する位相角から各相の出力電圧指令に変換する座標変換回路と、
前記座標変換回路から出力された出力電圧指令よりPWM信号を生成し、前記電力変換器を駆動するPWM発生回路とを備えた電動機の制御装置において、
前記電圧降下量補償回路が、出力電圧指令値V ref と電流検出値I fb に対してV ref =r・I fb +V 0 より電動機の抵抗rとパワー素子のオン電圧降下量V 0 を演算し、電流制御回路の出力電圧指令値V ref が入力されてパワー素子のオン電圧降下V 0 と電動機に流れる電流の電流検出値I fb に対する電動機の抵抗rによる電圧降下量r・I fb を加えた補償電圧V cmp を出力電圧指令値V ref に加えた電圧指令V 1ref を出力する電圧降下量補償回路であることを特徴とする電動機の制御装置。
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JP03641698A JP3978694B2 (ja) | 1998-02-18 | 1998-02-18 | 電動機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP03641698A JP3978694B2 (ja) | 1998-02-18 | 1998-02-18 | 電動機の制御装置 |
Publications (2)
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JPH11235086A JPH11235086A (ja) | 1999-08-27 |
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Family Applications (1)
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JP4857747B2 (ja) * | 2005-12-07 | 2012-01-18 | 株式会社安川電機 | 交流電動機のインバータ装置 |
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1998
- 1998-02-18 JP JP03641698A patent/JP3978694B2/ja not_active Expired - Fee Related
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