JP3144075B2 - 交流電動機の定数測定方法 - Google Patents

交流電動機の定数測定方法

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JP3144075B2
JP3144075B2 JP20877692A JP20877692A JP3144075B2 JP 3144075 B2 JP3144075 B2 JP 3144075B2 JP 20877692 A JP20877692 A JP 20877692A JP 20877692 A JP20877692 A JP 20877692A JP 3144075 B2 JP3144075 B2 JP 3144075B2
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semiconductor element
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慶次郎 酒井
常博 遠藤
俊昭 奥山
洋 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流電動機の1次抵抗
の測定方法に関し、交流電動機を可変速制御するインバ
ータ装置を用いて交流電動機の1次抵抗を測定する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機を可変速制御する汎用インバ
ータ等は低速時の高始動トルクや、速度制御特性向上が
要求されている。これに対応するため、速度センサ及び
電動機端子電圧センサを用いないで、誘導電動機の誘起
電圧Emを一定に制御し、トルク電流に比例したすべり
周波数を与えて速度制御するセンサレスベクトル制御が
普及しつつある。このような制御においては、一般的に
1次抵抗r1 、もれインダクタンス、2次時定数等、電
動機定数を設定する必要がある。このうち誘起電圧Em
一定制御を行なうため、1次側インピーダンスの電圧降
下を補償して1次電圧を決める必要があり、特に1次抵
抗r1 を精度良く検出することが重要となる。また汎用
インバータにおいては、負荷として国内,国外等電動機
定数が未知な電動機を運転することも要求されている。
この場合、通常の運転前にインバータを用いて電動機定
数を測定し、この値を制御定数として設定し、センサレ
スベクトル制御として運転する。このような1次抵抗測
定法として例えば特開昭61−231891号に記載されてい
る。これはインバータ出力電圧センサを用いずインバー
タ出力電圧指令値と電動機電流のみから1次抵抗を測定
するもので、インバータ装置を用いて、あらかじめ抵抗
値が既知な負荷を接続し所定の直流電流を流したときの
インバータ出力電圧指令値をメモリ素子へ記憶してお
き、次に交流電動機の運転に先立ち同一の直流電流を流
し、そのときのインバータ出力電圧指令値の変化量と直
流電流値から1次抵抗を測定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この方式はインバータ
出力電圧センサが不要であると言う利点はある。しか
し、あらかじめ抵抗値が既知な負荷を接続してインバー
タ運転する必要があり設定に多少の時間を費やす。また
インバータ装置を変えた場合、ゲート回路の動作遅れの
バラツキやインバータを構成するパワー半導体素子のオ
ン電圧降下のバラツキにより多少測定誤差が生じると考
えられる。
【0004】本発明の目的はインバータ外部に負荷を接
続して測定に必要な基本定数を得るなど、前処理に多少
時間がかかると言う問題点を解決することであり、非常
に簡単に、前処理なしに、しかもインバータ出力電圧セ
ンサレスで精度良く交流電動機の1次抵抗を測定する方
法を提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、インバータ装置のゲ
ート回路及びパワー半導体素子の動作遅れのバラツキ
や、パワー半導体素子のオン電圧降下のバラツキ等に影
響されないで、精度良く交流電動機の1次抵抗を測定す
る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として第1に、まえもって直流電流に対応したパ
ワー半導体素子のオン電圧降下量(チョッパオフ時に電
動機電流が還流する経路におけるパワー半導体素子のオ
ン電圧降下量で、パワートランジスタ電圧降下量+パワ
ートランジスタと並列に接続された還流ダイオードの電
圧降下量)を例えばカタログや特性データ資料を参考に
記憶しておく。そこでインバータをチョッパ動作させて
電動機に直流電流を流し、チョッパのオン区間における
平均電圧指令値(ゲート回路及びパワー半導体素子の動
作遅れを考慮したモータ端子間のチョッパ,オン区間に
おける平均電圧指令値)から、直流電流に対応したパワ
ー半導体素子のオン電圧降下量をまえもって記憶してあ
るメモリから引き出し、これを減じた値と、直流電流検
出値との比から交流電動機の1次抵抗を演算測定するよ
うにしたものである。
【0007】次に第2の手段として、インバータを任意
のチョッパ通流率指令δc1 で運転し、このときの直流
電流検出値I1 を求める。次に異なるチョッパ通流率指
令δc2で運転し、このときの直流電流検出値I2を求め
る。次に、I1,I2におけるパワー半導体素子のオン電
圧降下量Vp1,Vp2を、まえもって記憶した直流電流
に対応したパワー半導体素子のオン電圧降下量記憶手段
から求めインバータ入力電圧をVdcとすると、次式
[Vdc(δc2−δc1)−(Vp2−Vp1)]と、次式
(I2−I1)との比から交流電動機の1次抵抗r1 を演
算測定するようにしたものである。
【0008】次に第3の手段として、まえもって直流電
流の変化量ΔIに対するパワー半導体素子のオン電圧降
下の変化量ΔVpの傾きKx=ΔVp/ΔIの代表値
を、測定する直流電流の範囲等からカタログや特性デー
タ資料を参考に記憶しておく。そこでインバータを任意
のチョッパ通流率指令δc1 で運転し、このときの直流
電流検出値I1を求める。次に異なるチョッパ通流率指
令δc2で運転し、このときの直流電流検出値I2 を求
め、インバータ入力電圧をVdcとすると、次式[Vd
c(δc2−δc1)−Kx(I2−I1)]と、次式(I
2−I1)との比から交流電動機の1次抵抗を演算測定す
るようにしたものである。
【0009】
【作用】三相インバータでU相正側トランジスタを数k
Hz以上でチョッパ動作させ、V相負側アームと、W相
負側アームをオン状態にすると、誘導電動機の抵抗分
(1次抵抗r1+2次抵抗r2)に比べてインダクタンス
分(1次もれインダクタンスl1+2次インダクタンス
2)が一般的に大きいため、ほぼ直流電流Iが流れ、
この値を検出する。この場合ほぼ、モータ巻線間のチョ
ッパ通流率δに比例して直流電流は流れる。またインバ
ータ入力電圧Vdcは、例えばAC200Vを全波整流
すると約280Vとなり大きい。一方、誘導電動機の抵
抗分(r1+r2)は一般的に小さく、モータに流せる電流
に制限があるのでチョッパ通流率δmが非常に小さい状
態で測定することになる。次にチョッパオン時はインバ
ータ入力電圧Vdcがモータ巻線間に加わる。一方、オ
フ時はモータ巻線からV相負側トランジスタ及びW相負
側トランジスタを介し、更にU相負側還流ダイオードを
介して直流電流が還流する。このためモータ巻線間に
は、パワートランジスタ電圧降下量と還流ダイオードの
電圧降下量を加えたパワー半導体素子のオン電圧降下量
Vpが負の符号で加わる。そこで、モータ間に印加され
る平均電圧を(Vdc・δm−Vp)として、次式r1
2(Vdc・δm−Vp)/(3・I)から演算測定す
る。この場合、まえもって直流電流Iに対応してVp
は、カタログや特性データ資料を参考に記憶しており簡
単に求まる。また、最近の汎用インバータはインバータ
入力電圧検出器がついておりVdcは簡単に検出でき
る。更にδmはモータ巻線間のチョッパ通流率指令であ
るが、制御回路からの通流率指令は、既知であるゲート
回路及びパワー半導体素子の平均的な動作遅れ(バラツ
キの平均値)を考慮して指令する。
【0010】次に第2の手段においては、制御回路から
U相正側トランジスタのチョッパ信号が任意のチョッパ
通流率指令δc1 で与えられ、チョッパ動作を行なう。
これにより電動機巻線には、ほぼ直流電流が流れる。こ
のときの直流電流検出値I1を検出する。次に、異なる
チョッパ通流率指令δc2 を与え、同様にチョッパ動作
を行ない、このときの直流電流I2 を検出する。次に、
1,I2におけるパワー半導体素子のオン電圧降下量V
1,Vp2を、まえもって記憶した直流電流に対応した
パワー半導体素子のオン電圧降下量記憶手段から求め、
インバータ入力電圧をVdcとすると、次式[Vdc
(δc2−δc1)−(Vp2−Vp1)]と、次式(I2
1)との比から交流電動機の1次抵抗r1を演算測定す
る。
【0011】この場合、制御回路からδc2,δc1のチ
ョッパ通流率指令でチョッパ信号を与えた場合、実際の
モータ巻線間にはゲート回路及びパワー半導体素子の平
均的な動作遅れによる通流率誤差Δδの影響を受け、そ
れぞれδm2=δc2+Δδ,δm1=δc1+Δδの通流
率でインバータ入力電圧Vdcが加わる。そこでI1,I
2 の2点間で測定し、その差分から演算しておりΔδを
キャンセルして測定することになる。このためゲート回
路及び、パワー半導体素子の動作遅れの影響を受けない
で測定することになる。
【0012】次に第3の手段においては、第2の手段と
同様に2点間で測定するが、パワー半導体素子のオン電
圧降下の変化量(Vp2−Vp1)を、まえもって設定し
た直流電流の変化量ΔIに対するパワー半導体素子のオ
ン電圧降下の変化量ΔVpの傾きKxを用いてKx(I
2−I1)から求めることになる。このため、まえもって
設定する定数がKxのみなので非常に簡単に測定でき
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1において、交流電源1は整流回路2と平滑
コンデンサ3を介して直流電源に変換される。また、通
常の運転時はインバータ入力電圧Vdcをインバータ4
によりPWM制御することで交流電圧を作り、これによ
り誘導電動機5は可変速制御される。また1チップマイ
コンを用いた制御回路6により、通常運転時は速度指令
ωrに追従するよう速度センサレスベクトル制御処理7
を行ない、ゲート回路8にPWM信号を発生する。この
場合、1次抵抗測定値r1 や他のモータ定数設定値及び
モータ電流検出器9の出力を基に速度及びトルク制御を
行なう。また、速度センサレスベクトル制御処理7では
基本的に、誘導電動機の誘起電圧Emが一定になるよう
に1次側インピーダンスによる電圧降下分を補償してモ
ータの1次電圧指令を出力する。さらにトルクに寄与す
る電流に比例してすべり周波数を与えて速度制御するも
ので、1次電圧ベクトルの大きさと周波数指令に基づい
てPWM信号を出力する。次に本発明の主要部である誘
導電動機の1次抵抗測定方法について述べる。これは通
常の運転前にインバータ4を用いてr1 を測定し、速度
センサレスベクトル制御のモータ定数として使用する。
まず直流励磁処理10でインバータ4をチョッパ動作さ
せて電動機5に直流電流を流し、直流電流に対応したパ
ワー半導体素子のオン電圧降下量記憶手段11の出力V
pと、直流電流検出値Iと、インバータ入力電圧Vdc
と、チョッパ通流率指令δmを基に1次抵抗演算手段1
2でr1 を演算する。
【0014】次に、インバータを用いた直流励磁法につ
いて説明する。三相インバータのゲート信号の与え方を
図2に示し、直流電流の流れ方を図3に示す。図2にお
いてU相正側トランジスタTupのゲート信号Supを
チョッパ信号として、制御回路6から出力し、チョッパ
動作させる。一方、U相負側トランジスタTunのゲー
ト信号Sunは、Supの反転信号に、正負トランジス
タが短絡しないように設けたデッドタイムTdを考慮し
た信号である。また、V相正側トランジスタTvp及び
W相正側トランジスタTwpのゲート信号Svp及びS
wpは常時オフ指令とし、V相負側トランジスタTvn
及びW相負側トランジスタTwnのゲート信号Svn及
びSwnは常時オン指令としている。これにより図3に
示すごとく、チョッパオン時はインバータ入力電圧Vd
cがモータ巻線間に加わり、直流電流iは実線のように
U相正側トランジスタTup,U相モータ巻線,V相及
びW相モータ巻線,V相及びW相負側トランジスタTv
n,Twnを介して流れる。一方、チョッパオフ時は破
線に示すごとく、モータ巻線からV相及びW相負側トラ
ンジスタTvn,Twnを介し、U相負側還流ダイオー
ドDunを介して直流電流iが還流する。この場合U相
モータ巻線とU相負側還流ダイオードDunには直流電流
iが流れ、この時のダイオードDunの順方向電圧降下
量がVreである。また、V相モータ巻線とW相モータ
巻線は並列接続となるので、V相負側トランジスタTv
nと、W相負側トランジスタTwnにはi/2の直流電
流が流れ、この時のトランジスタTvnの順方向電圧降
下量がVtrである。
【0015】次に、動作波形を図4に示す。Sup信号
は制御回路からのゲート信号であり、チョッパ周期をT
cとし、オン時間をTonとすると通流率指令δcは、
Ton/Tcとしている。次に、U相,V相モータ巻線間
の電圧vuvはチョッパオン時、ゲート回路とパワート
ランジスタの動作遅れのためTa時間遅れる。一方、オ
フ時はTb時間遅れる。また、チョッパオン時の振幅は
約(Vdc−2・Vtr)となり、オフ時の振幅は−(Vr
e+Vtr)となる。なお、モータ巻線間の通流率指令
δmは、(Ton−Ta+Tb)/Tcとしている。ま
た、インバータ入力電圧Vdcは、例えばAC200V
を全波整流すると約280Vとなり大きい。一方、誘導
電動機の抵抗分(r1+r2)は一般的に小さく、モータ
に流せる電流に制限があるのでチョッパ通流率δmは通
常、約5%以下となり非常に小さい状態で測定すること
になる。そこで、チョッパオフ期間の電圧(Vre+Vt
r)の影響が大となる。次に直流電流iはチョッパオン時
増加し、チョッパオフ時減少する。この場合、誘導電動
機の抵抗分(1次抵抗r1+2次抵抗r2)に比べてイン
ダクタンス分(1次もれインダクタンスl1+2次イン
ダクタンスl2)が一般的に大きいため、時定数がおよ
そ5ms位で、トランジスタを数kHz以上でチョッパ
動作させると、ほぼ直流電流Iが流れる。なお、正確な
平均電流を検出するためにチョッパオフ期間の中間点の
電流iを検出し、直流電流Iとしている。次に、モータ
巻線間の平均電圧Vuvは図4から次式となる。
【0016】 Vuv=(Vdc−2・Vtr)・δm−(1−δm)・(Vre+Vtr) ≒Vdc・δm−(Vre+Vtr) …(数1) ここで、δm=(Ton−Ta+Tb)/Tcで、Vp=
(Vre+Vtr)である。
【0017】また、図3からV相モータ巻線とW相モー
タ巻線は並列接続となるので、1相当たりの1次抵抗を
1 とすると、UV間では1.5r1となる。そこで、1
次抵抗r1 を次式から求める。なお、W相を開放して測
定する場合は、1.5r1が2.0r1となる。
【0018】 r1=2(Vdc・δm−Vp)/(3・I) …(数2) ここでチョッパオフ時のパワー半導体素子の電圧降下量
Vpは、まえもって直流電流Iに対応して図5に一例を
示すカタログや特性データ資料を参考に記憶手段11に
記憶しており簡単に求まる。この場合、記憶手段には、
例えばI=10Aでは還流ダイオードに10A流れ、電圧
効果が1.5V となる。一方、トランジスタにはI/2
=5A流れるので電圧効果が1.5V となり、合わせて
Vp=3Vを記憶してある。このようにして記憶手段1
1にはVpが、まえもって設定してある。また最近の汎
用インバータはインバータ入力電圧検出器がついており
Vdcも簡単に検出できる。更にδmはモータ巻線間の
チョッパ通流率指令であるが、制御回路からの通流率指
令δcは、既知であるゲート回路及びパワー半導体素子
の平均的な動作遅れ(バラツキの平均値)Ta,Tbを
考慮して、δc=Ton/Tcで指令する。次に、60
0V,50A定格のIGBTインバータを用いて2.2
kW 誘導電動機の1次抵抗を測定した時の直流平均電
圧特性を図6に示す。電動機巻線端子間のチョッパオン
区間(チョッパ通流率δm)における平均電圧指令値
(Vdc・δm)から、まえもって記憶した直流電流に対
応したパワー半導体素子のオン電圧降下量Vpを減じた
値が電動機巻線端子間電圧となっている。以上述べたよ
うに本実施例においては、チョッパのオン区間における
平均電圧指令値から、まえもって記憶した直流電流に対
応したパワー半導体素子のオン電圧降下量を補正して交
流電動機の1次抵抗を演算測定できるので、インバータ
外部に負荷を接続して測定に必要な基本定数を得るなど
の前処理が不要で、非常に簡単に、しかもインバータ出
力電圧センサレスで精度良く交流電動機の1次抵抗を測
定できると言う効果がある。
【0019】次に他の実施例を説明する。これは、まず
インバータを任意のチョッパ通流率指令δc1で運転
し、このときの直流電流検出値I1を求める。次に異な
るチョッパ通流率指令δc2で運転し、このときの直流
電流検出値I2を求め、I1,I2におけるパワー半導体
素子のオン電圧降下量Vp1,Vp2を、まえもって記憶
したパワー半導体素子のオン電圧降下量記憶手段から求
め、次式[Vdc(δc2−δc1)−(Vp2−Vp1)]
と、次式(I2−I1)との比から交流電動機の1次抵抗r
1を演算測定する。数2は直流電流I2,I1において次
式がなり立つ。
【0020】1.5r1・I2=Vdc(Ton2−Ta+
Tb)/Tc−Vp2 …(数3) 1.5r1・I1=Vdc(Ton1−Ta+Tb)/Tc−
Vp1 …(数4) 制御回路からのチョッパ通流率指令δc2=Ton2/T
c,δc1=Ton1/Tcなので、数3から数4を減じ
ると次式が成り立つ。
【0021】 1.5r1(I2−I1)=Vdc(δc2−δc1)−(Vp2−Vp1) …(数5) そこで、r1を次式から演算測定する。
【0022】 r1=[Vdc(δc2−δc1)−(Vp2−Vp1)]/1.5(I2−I1)…(数6) この結果、数6にはゲート回路及びパワー半導体素子の
動作遅れTa,Tbの影響が含まれる。また、(Vp2
Vp1)はパワー半導体素子のオン電圧降下の変化量であ
り、直流分は含まない。そこで、ゲート回路及びパワー
半導体素子の動作遅れのバラツキや、パワー半導体素子
のオン電圧降下のバラツキ等にほとんど影響されない
で、精度良く交流電動機の1次抵抗を測定でき、多数台
生産される汎用インバータに適した測定法である。
【0023】また他の実施例を図7に示す。これは図6
に示すVpの傾きKx=ΔVp/ΔIの代表値を、測定
する直流電流の範囲等から設定しておき次式で演算測定
する。
【0024】r1=[Vdc(δc2−δc1)−Kx(I2
−I1)]/1.5(I2−I1)…(数7) この場合、先に述べた他の実施例と同様な効果がある
が、更にパワー半導体素子のオン電圧降下記憶手段11
が不要で、設定がKxのみなので簡単に設定できる。
【0025】
【発明の効果】本発明は、以下に記載されるような効果
を奏する。
【0026】チョッパのオン区間における平均電圧指令
値から、まえもって記憶した直流電流に対応したパワー
半導体素子のオン電圧降下量を補正して交流電動機の1
次抵抗を演算測定できるので、インバータ外部に負荷を
接続して測定に必要な基本定数を得るなどの前処理が不
要で、非常に簡単に、しかもインバータ出力電圧センサ
レスで精度良く交流電動機の1次抵抗を測定できると言
う効果がある。
【0027】更に2点間のチョッパ通流率指令で運転
し、チョッパ電圧指令及び直流電流及びパワー半導体素
子の変化量から1次抵抗を演算測定することで、ゲート
回路及び、パワー半導体素子の動作遅れの影響を受けな
い。更にパワー半導体素子のオン電圧降下の直流分の影
響を受けない。このため、インバータ装置が変わっても
ゲート回路及びパワー半導体素子の動作遅れのバラツキ
や、パワー半導体素子のオン電圧降下のバラツキにほと
んど影響されないで、精度良く交流電動機の1次抵抗を
測定できると言う効果がある。
【0028】また、パワー半導体素子のオン電圧降下の
変化量を、まえもって設定した直流電流に対するパワー
半導体素子のオン電圧降下の傾きから求め、1次抵抗を
演算測定することで、非常に簡単に、しかも精度良く測
定できると言う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す制御ブロック図であ
る。
【図2】図1に示すインバータのゲート信号の与え方を
示す説明図である。
【図3】図2に示すインバータのチョッパオン,オフ時
の動作説明図である。
【図4】図3に示すチョッパオン,オフ動作時の各部動
作波形図である。
【図5】図1に示すパワー半導体素子のオン電圧降下説
明図である。
【図6】本発明の一実施例における直流平均電圧特性図
である。
【図7】本発明の他の実施例を示す制御ブロック図であ
る。
【符号の説明】
3…平滑コンデンサ、4…インバータ、5…誘導電動
機、6…制御回路、7…速度センサレスベクトル制御処
理、8…ゲート回路、9…電流検出器、10…直流励磁
処理、11…パワー半導体素子のオン電圧降下記憶手
段、12a,12b…1次抵抗演算処理。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 洋 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 習志野工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/34 G01R 27/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流電圧Vdcを交流又は直流に変換し、
    交流電動機へ供給するためのパワー半導体素子から構成
    されるインバータと、該インバータの出力電圧の大きさ
    と周波数を制御するための制御装置から成るインバータ
    装置において、前記インバータをチョッパ動作させて前
    記電動機に直流電流Iを流し、電動機巻線端子間のチョ
    ッパオン区間(チョッパ通流率δm)における平均電圧
    指令値(Vdc・δm)から、まえもって記憶した前記直
    流電流に対応した前記パワー半導体素子のオン電圧降下
    量Vpを減じて、次式(Vdc・δm−Vp)と、前記
    直流電流検出値Iとの比から交流電動機の1次抵抗を演
    算測定することを特徴とした交流電動機の定数測定方
    法。
  2. 【請求項2】直流電圧Vdcを交流又は直流に変換し、
    交流電動機へ供給するためのパワー半導体素子から構成
    されるインバータと、該インバータの出力電圧の大きさ
    と周波数を制御するための制御装置から成るインバータ
    装置において、前記インバータを任意のチョッパ通流率
    指令δc1で運転し、このときの直流電流検出値をI1
    し、次に異なるチョッパ通流率指令δc2 で運転し、こ
    のときの直流電流検出値をI2 とし、前記I1,I2にお
    ける前記パワー半導体素子のオン電圧降下量Vp1,V
    2を、まえもって記憶した前記直流電流に対応した前
    記パワー半導体素子のオン電圧降下量記憶手段から求
    め、次式[Vdc(δc2−δc1)−(Vp2−Vp1)]
    と、次式(I2−I1)との比から交流電動機の1次抵抗
    を演算測定することを特徴とした交流電動機の定数測定
    方法。
  3. 【請求項3】直流電圧Vdcを交流又は直流に変換し、
    交流電動機へ供給するためのパワー半導体素子から構成
    されるインバータと、該インバータの出力電圧の大きさ
    と周波数を制御するための制御装置から成るインバータ
    装置において、前記インバータを任意のチョッパ通流率
    指令δc1で運転し、このときの直流電流検出値をI1
    し、次に異なるチョッパ通流率指令δc2 で運転し、こ
    のときの直流電流検出値をI2 とし、前記直流電流の変
    化量ΔIに対する前記パワー半導体素子のオン電圧降下
    の変化量ΔVpの傾きKx=ΔVp/ΔIを、まえもっ
    て設定しておき、次式[Vdc(δc2−δc1)−Kx
    (I2−I1)]と、次式(I2−I1)との比から交流電動
    機の1次抵抗を演算測定することを特徴とした交流電動
    機の定数測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項において、
    電動機へ直流を供給するときに、三相のゲート信号の
    内、二相を同一のゲート信号とすることを特徴とする交
    流電動機の定数測定方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか1項において、
    電動機へ直流を供給するときに、三相の各相の電動機電
    流を、振幅を1対1/2対1の割合にして流すことを特
    徴とする交流電動機の定数測定方法。
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