JP3284602B2 - 交流電動機の定数測定方法及び制御装置 - Google Patents

交流電動機の定数測定方法及び制御装置

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JP3284602B2
JP3284602B2 JP24614792A JP24614792A JP3284602B2 JP 3284602 B2 JP3284602 B2 JP 3284602B2 JP 24614792 A JP24614792 A JP 24614792A JP 24614792 A JP24614792 A JP 24614792A JP 3284602 B2 JP3284602 B2 JP 3284602B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、速度センサレスベクト
ル制御等で制御定数として使用される交流電動機の1次
+2次の合成もれインダクタンス(l1+l2)及び合成
抵抗(r1 +r2 )の測定方法に関し、交流電動機を可
変速制御するインバータ装置を用いて、交流電動機の合
成もれインダクタンス(l1+l2)及び合成抵抗(r1
+r2)を測定する方法及び交流電動機の制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機を可変速制御する汎用インバ
ータ等は低速時の高始動トルクや、速度制御特性向上が
要求されている。これに対応するため、速度センサ及び
電動機端子電圧センサを用いないで、誘導電動機の誘起
電圧Em を一定に制御し、トルク電流に比例したすべり
周波数を与えて速度制御するセンサレスベクトル制御が
普及しつつある。このような制御においては、誘起電圧
m 一定制御を行なうため、1次側インピーダンスの電
圧降下を補償して1次電圧を決める必要があり、1次抵
抗r1 、もれインダクタンス(l1+l2)の電動機定数
を設定する必要がある。また、滑り周波数指令を演算す
るのに2次抵抗r2 を設定する必要があり、(r1
2)測定値からr1測定値を減じてr2を求める。また
汎用インバータにおいては、負荷として国内,国外等電
動機定数が未知な電動機を運転することも要求されてい
る。この場合、通常の運転前にインバータを用いて電動
機定数を測定し、この値を制御定数として設定し、セン
サレスベクトル制御として運転する。このような1次+
2次の合成もれインダクタンス(l1+l2)及び1次+
2次の合成抵抗(r1+r2)の測定法として例えば特開
昭60−183953号に記載されている。これは三相インバー
タを用いて交流電動機を、電動機停止状態(1次周波数
=滑り周波数)で三相励磁し、インバータ出力電圧検出
器の出力と、電動機電流検出値から(l1+l2),(r
1+r2)を演算測定している。この方式はインバータ出
力電圧センサが必要であり、電圧センサなしの汎用イン
バータでは測定困難である。また、三相励磁なので、軽
負荷時においてインバータ出力電圧を大きくすると電動
機が回転するため、測定できないと言う問題もある。そ
こで電動機が回転しないように単相励磁を行ないインバ
ータ出力電圧検出値と、電動機電流検出値から演算測定
する方法が文献(速度センサレスベクトル制御用電動機
定数の自動測定:平成4年電気学会全国大会No.61
9)に述べられている。これは、インバータ出力電圧が
パルス幅変調電圧の交流電圧なので、まず一般的なフー
リエ変換により基本波電圧成分Va,Vbを求めてい
る。同様に電動機電流の方もフーリエ変換により基本波
電流成分Ia,Ibを求めている。この場合、インバー
タ出力電圧はPWM電圧なので、入力電圧のサンプリン
グ周波数により、Va,Vbの検出誤差が生じると考え
られる。そこで256回Va,Vb,Ia,Ibを検出
し、それぞれの平均値から(l1+l2),(r1+r2)を
演算測定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この方式は、実際電動
機に印加されるPWM電圧の基本波電圧を検出してお
り、精度良い検出ができると考えられる。しかし、前者
の公知例と同様にインバータ出力電圧センサが必要とな
り、コストアップとなる。また、フーリエ変換により基
本波電圧,電流を検出しており検出のサンプリング周波
数により検出精度が変わると考えられる。このため検出
精度を上げるにはサンプリング周期を短くする必要があ
り、この周期毎に交流励磁処理、Va,Vb,Ia,I
b演算処理を行なうには比較的高速で演算可能なマイコ
ンが要求されると考えられる。またVa,Vb,Ia,
Ib、は256回の平均値から求めており例えば、1次
周波数f1=50Hzで交流励磁した場合、0.02秒・
256で約5秒かかり、測定時間が多少長くなると言う
問題もある。
【0004】そこで、本発明の目的はインバータ出力電
圧検出器なしで、精度良く1次+2次の合成もれインダ
クタンス(l1+l2)及び1次+2次の合成抵抗(r1
2)を演算測定する方法を提供することにある。更に、
演算時間が遅い低価格な1チップマイコンでも測定可能
で、短時間に測定できる方法及びこの測定値を用いた交
流電動機の制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、インバータにより誘導電動機を単相交流
励磁し、インバータ出力電圧センサを用いず、交流電圧
指令の大きさVc1 と、有効パワー分電流Iqと、無効
パワー分電流Idから(r1+r2),(l1+l2)を演算測
定するようにした。
【0006】単相交流励磁法としてはV相,W相に通流
率1/2の同一パルス信号を与え、U相のみ正弦波変調
PWM信号とすることで、単相交流励磁を行なうように
した。また、インバータ出力電圧センサレスなので、測
定精度を上げるにはインバータ出力電圧指令の大きさ通
りに実際のインバータ出力電圧を出力する必要がある。
そこでまず、パワー素子の正負アームが短絡しないよう
に設けたデッドタイムによる誤差電圧を補正するように
した。また、(r1+r2),(l1+l2)は誘導機のすべ
りが1(回転停止)の状態で測定するため誘導機の2次
側回路のインピーダンスが小さく、定格電流を流しても
交流励磁電圧自身が比較的小さい。このため、パワー素
子のオン電圧降下を無視できないことがわかった。そこ
で、デッドタイムによる出力電圧誤差分とパワー素子の
オン電圧降下による出力電圧誤差分を加えて、この分を
U相の電動機電流極性に応じてパルス幅補正するように
したものである。
【0007】次に、有効パワー分電流Iqと無効パワー
分電流Idの算出方法として、交流励磁電圧ベクトルの
固定座標からの回転位相をθとし、正弦波変調を行なう
相の瞬時電流検出値をiuとすると、sinθ・iu を1
次周波数の1サイクル区間で積分した平均値から有効パ
ワー分電流Iqを求め、−cosθ・iu を1次周波数の
1サイクル区間で積分した平均値から無効パワー分電流
Idを求めるようにしたものである。
【0008】
【作用】まず、V相,W相に通流率1/2の同一パルス
信号を与えるとインバータ入力電圧Vdcの正側端子電圧
(+Vdc/2電圧)と負側端子電圧(−Vdc/2電圧)
が通流率1/2で印加されるので、V相,W相は零電圧
となる。一方U相に正弦波変調を行なうことで電動機の
U−VW端子間に、ほぼ正弦波の単相電圧が加わり電動
機は停止状態(すべり=1)で電動機電流が流れる。こ
の場合、誘導機の等価回路からすべり=1の状態では2
次側回路のインピーダンスが小さいため、相互インダク
タンスに流れる電流は非常に小さくオープン状態で近似
できる。また、V相,W相は並列接続となるため1.5
(r1+r2 )の抵抗と、1.5(l1+l2)のもれイン
ダクタンスの直列回路となり、これに交流電圧が加わる
ことになる。また、すべり=1では電動機巻線のインピ
ーダンスが小さいため交流励磁電圧が比較的小さい状態
で定格の電動機電流が流れる。
【0009】次に、U相の電動機電流が正の場合U相は
デッドタイム及びパワー素子のオン電圧降下により負の
電圧誤差が生じる。一方V相とW相はこの時、負の電動
機電流なのでV相,W相共正の電圧誤差が生じる。そこ
でU相は基本のPWM信号のパルス幅を負の電圧誤差分
だけ広く(出力電圧を増加)し、V相,W相は1/2通
流率のパルス幅を正の電圧誤差分だけ狭く(出力電圧を
減少)した状態でインバータは駆動される。なお、U相
の電動機電流が負の場合は逆に動作するので、U相のパ
ルス幅は狭くなり、V相,W相のパルス幅は広くなるよ
うに補正される。この結果、交流励磁電圧指令の大きさ
Vc1 と実際のインバータ出力電圧の大きさ(電動機の
U−VW端子間電圧)は、ほぼ等しくなる。
【0010】次に、電動機の有効パワーは瞬時の交流励
磁電圧v1 と瞬時のU相電流iuの積を1次周波数の1
周期で積分した平均値となる。この場合、iuは単相励
磁のため、ひずんだ波形となるがv1 はデッドタイム補
正を行なうことで、ほぼ正弦波電圧となり基本波成分の
みなので、瞬時パワーv1・iu は基本波成分のみとな
る。そこで、有効パワーを励磁電圧の大きさV1 で除算
すると有効パワー分電流Iqが求まる。具体的には、励
磁電圧ベクトルの固定座標からの回転位相指令をθとす
ると、sinθ・iu を1次周波数の1周期区間で任意の
サンプル周期毎に積算し、積算回数で除算してIqは求
まる。一方、無効パワーをV1 で除算すると無効パワー
分電流Idが求まる。具体的には、−cosθ・iu を1
周期区間で積算し、積算回数で除算してIdは求まる。
【0011】次に、(r1+r2)はVc1・Iqと、
(Id2+Iq2)との比から演算され、(l1+l2)は
Vc1・Idと、ω1(Id2+Iq2)との比から、演算さ
れる。このように、励磁電圧指令の大きさVc1と実際
のインバータ出力電圧の大きさV1(電動機のU−VW
端子間電圧)は、ほぼ等しくなり、Id,Iqは電動機
電流の基本波成分となるので、インバータ出力電圧セン
サレスで(r1+r2)及び(l1+l2)を正確に測定で
きる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1において、交流電源1は整流回路2と平滑
コンデンサ3を介して直流電源に変換される。また、通
常の運転時はインバータ入力電圧Vdcをインバータ4に
よりPWM制御することで交流電圧を作り、これにより
誘導電動機5は可変速制御される。また1チップマイコ
ンを用いた制御回路6により、通常運転時は速度指令ω
r に追従するよう速度センサレスベクトル制御処理7を
行ない、ゲート回路8にPWM信号を発生する。この場
合、1次抵抗設定値又は測定値r1 や、合成抵抗測定値
(r1+r2)合成もれインダクタンス測定値(l1
2)や、他のモータ定数設定値及びモータ電流検出器
9の出力を基に速度及びトルク制御を行なう。また、速
度センサレスベクトル制御処理7では基本的に、誘導電
動機の誘起電圧Em が一定になるように1次側インピー
ダンスによる電圧降下分を補償してモータの1次電圧指
令を出力する。さらにトルクに寄与する電流に比例して
すべり周波数を与えて速度制御するもので、1次電圧ベ
クトルの大きさと周波数指令に基づいてPWM信号を出
力する。次に本発明の主要部である誘導電動機の1次+
2次の合成抵抗及び合成もれインダクタンス測定方法及
び装置について述べる。これは通常の運転前にインバー
タ4を用いて(r1+r2),(l1+l2)を測定し、速度
センサレスベクトル制御のモータ定数として使用する。
まず単相交流励磁処理10で正弦波変調信号を作り、こ
れによりゲート回路8を介してインバータ4を動作さ
せ、交流励磁電圧により電動機5に交流電流を流す。次
に、有効パワー分電流Iq、及び無効パワー分電流Id
演算処理11では、1次周波数指令ω1 を積分した交流
励磁電圧ベクトルの回転位相をθとすると、sinθ,−c
osθとU相の電動機電流iuを基に、Iq,Idを演算
する。次に、1次+2次の合成抵抗及び合成もれインダ
クタンス演算処理12で、Iq,Id演算値と励磁電圧
指令の大きさVc1 から(r1+r2),(l1+l2)を
演算し、速度センサレスベクトル制御処理7の制御定数
として使用する。この場合l1=l2=(l1+l2)/2
とし、2次抵抗r2は(r1+r2)測定値から、まえも
って測定又は設定された1次抵抗値r1を減じてr2を求
めている。
【0013】次に、インバータを用いた単相交流励磁法
について説明する。単相交流励磁処理10の詳細を図2
に示す。1次周波数指令ω1 を積分処理13で積分し、
この出力を交流励磁電圧ベクトルの回転位相θとしてい
る。また、sin 関数14aでsinθを出力し、−cos関数
14bで−cosθ を出力している。交流励磁電圧指令の
大きさ(実効値Vc1 )を除算処理15により、インバ
ータ入力電圧Vdcを除算して、変調波指令の大きさ(搬
送波ピーク値に対する変調波ピーク値の比率)Khを出
力し、sinθ と乗算後正弦波の変調信号vuとしてい
る。なお、正弦波変調なのでKh=2.83・Vc1/V
dcとなる。また、このvuと搬送波指令17の出力と比
較処理18aで比較し正弦波PWM信号としている。な
お、V相,W相は零の変調波と比較処理18bで比較
し、通流率1/2のパルス幅信号を出力している。
【0014】次に、電流極性判断処理19はU相の電動
機電流iuの極性を出力している。絶対値処理21と平
均化処理22によりiuの平均値Iaを出力し、オン電
圧演算処理23を介して、パワー素子のオン電圧降下量
Vonを求めている。これにゲイン24を介してパワー
素子のオン電圧降下に対応したパルス幅Tbを算出す
る。なお、Tbはインバータ入力電圧Vdcが大きく変動
する場合はVdcで除算して補正する。デッドタイム補正
量設定値20の出力Taは(数1)式から決めている。 Ta=Td−Ton−Toff …(数1) ここで、Tdはパワー素子の正負アームが短絡しないよ
うに設けたデッドタイム、Tonはゲート回路8+パワ
ー素子のターンオン時の動作遅れ時間、Toffはゲート
回路+パワー素子のターンオフ時の動作遅れ時間であ
る。次に、パルス幅補正処理26ではTaとTbを加算
したパルス幅補正量Tλだけ比較処理18aと18bの出
力をパルス幅補正する。この場合、iuが正の時U相は
デッドタイム及びパワー素子のオン電圧降下により負の
電圧誤差が生じ、V相とW相はこの時、負の電動機電流
なのでV相,W相共正の電圧誤差が生じる。そこでU相
は基本のPWM信号のパルス幅をパルス幅補正量Tλだ
け広く(出力電圧を増加)し、V相,W相は1/2通流
率のパルス幅をTλだけ狭く(出力電圧を減少)して出
力する。一方、U相の電動機電流が負の場合は逆に動作
するので、U相はパルス幅をTλだけ狭くし、V相,W
相のパルス幅をTλだけ広くして出力する。またパルス
幅補正処理26の出力は反転処理27a,27b及びデ
ッドタイム作成処理28を介して三相のゲート回路入力
信号を出力している。以上述べた処理は1チップマイコ
ン6のソフト処理でも実現可能である。例えば、sin 関
数等は内蔵ROMにテーブル化でき、PWM信号を作る
処理は内蔵タイマで作成できる。
【0015】次に、インバータ主回路の構成を図3に示
す。数1に示すTonはゲート回路入力信号Supがオ
フ信号からオン信号へ変化してからパワー素子を構成す
るトランジスタTupがオンするまでの動作遅れ時間で
ある。また、Toffはゲート回路入力信号Supがオ
ン信号からオフ信号へ変化してからパワー素子を構成す
るトランジスタTupがオフするまでの動作遅れ時間で
ある。
【0016】次に、パワー素子を構成するトランジスタ
Tupと還流ダイオードDupの順方向電流に対する順
方向電圧降下特性例を図4に示し、このオン電圧降下に
よるインバータ出力電圧誤差の説明図を図5に示す。イ
ンバータ入力電圧をVdcとすると、正アーム端子が+V
dc/2となり負アーム端子が−Vdc/2となる。そこ
で、V相とW相は同一信号なのでスイッチングモードの
組合せは図5に示すように4通りとなる。iuが正の場
合でゲート信号Gup=0の時ダイオードDunを介し
てiuが流れる。また、Gup=1の時トランジスタT
upを介してiuが流れる。そこで電圧指令の大きさに
対して、実際のU相電動機巻線端子電圧との誤差電圧は
図4に示すダイオードの電圧降下ΔVdとトランジスタ
の電圧降下ΔVtが、ほぼ等しいと近似すると約−(Δ
Vd+ΔVt)/2となる。逆にiuが負の場合は電圧
指令の大きさに対して、実際のU相電動機巻線端子電圧
との誤差電圧は約+(ΔVd+ΔVt)/2となる。そこ
で、図2に示すオン電圧演算処理23では図4に示す特
性からiuの大きさに応じてVon=(ΔVd+ΔV
t)/2を関数テーブル又は近似式から求めている。次
にVonに対応したパルス幅補正量Tbは(数2)式か
ら求めている。
【0017】 Tb=Tc・Von/Vdc …(数2) ここでTcは搬送波指令17の搬送波周期である。
【0018】次に、図1に示す有効パワー分電流Iq、
及び無効パワー分電流Id演算処理11と、1次+2次
の合成抵抗及び合成もれインダクタンス演算処理12の
詳細を図6,図7,図8を用いて説明する。図6は誘導
電動機の1相分の等価回路であり、すべりs=1では2
次抵抗r2及び2次もれインダクタンスl2によるインピ
ーダンスが小さいため、相互インダクタンスMをオープ
ン状態で近似できる。また、V相とW相は同一パルス信
号なので電動機巻線が並列接続されU−VW間は図7の
回路となる。これにインバータ出力電圧V1(交流励磁電
圧)が加えられる。そこで、(r1+r2)は有効パワー
PqをU相電動機電流実効値の二乗(Iu2)で除算し
たもので(数3)式となる。
【0019】 (r1+r2)=V1・Iu・cosφ/(1.5・Iu2…(数3) ここで、φは図8に示す力率角である。次に、合成もれ
インダクタンス(l1+l2)は無効パワーPdをU相電
動機電流実効値の二乗(Iu2)で除算したもので(数
4)式となる。
【0020】 (l1+l2)=V1・Iu・sinφ/(1.5・Iu2…(数4) また、有効パワーPq=V1・Iu・cosφは瞬時の交流
励磁電圧v1 と瞬時のU相電流iuの積を1次周波数の
1周期で積分した平均値となる。この場合iuは単相励
磁のため、ひずんだ波形となるがv1 はデッドタイム補
正を行なうことで、ほぼ正弦波電圧となり基本波成分の
みなので、瞬時パワーv1・iu は基本波成分のみとな
る。そこで、図8からv1=1.414・V1・sinθなの
で有効パワー分電流Iq=Iu・cosφは1.414・si
nθ・iu を1次周波数の1周期で積分した平均値とな
る。具体的には、励磁電圧ベクトルの固定座標からの回
転位相指令をθとすると、1.414・sinθ・iuを1
次周波数の1周期区間で、任意のサンプル周期毎に積算
し、積算回数で除算してIqを求めている。
【0021】一方、無効パワーPd=V1・Iu・sinφ
は,瞬時の交流励磁電圧v1を90゜遅らせた瞬時の交
流電圧−1.414・V1・cosθ と瞬時のU相電流iuの
積を1次周波数の1周期で積分した平均値となる。そこ
で、無効パワー分電流Idは−1.414・cosθ・iu
を1次周波数の1周期で積分した平均値となる。具体的
には、−1.414・cosθ・iuを1次周波数の1周期
区間で任意のサンプル周期毎に積算し、積算回数で除算
してIdを求めている。
【0022】また、図8からIuのd軸成分がIdでq
軸成分がIqなのでIu2=(Id2+Iq2)となり、
記(数3),(数4)式は次の(数5),(数6)式と
なる。
【0023】 (r1+r2)=Vc1・Iq/1.5(Id2+Iq2…(数5) (l1+l2)=Vc1・Id/1.5ω1(Id2+Iq2…(数6) 以上述べた本発明の測定方法を用いて実験した特性結果
を図9に示す。50A定格のIGBTインバータを用い
て2.2kW 誘導機で測定した特性である。デッドタイ
ムによるインバータ出力電圧誤差分と、パワー半導体素
子のオン電圧降下によるインバータ出力電圧誤差分を電
動機電流極性に応じてパルス幅補正することで交流励磁
電圧指令の大きさVc1 と実際のインバータ出力電圧の
大きさV1(電動機のU−VW端子間電圧)は、ほぼ等し
くなる。この結果、インバータ出力電圧検出器なしで、
商用電源励磁における測定値とほぼ同程度に、精度良く
合成もれインダクタンス(l1+l2)及び合成抵抗(r
1+r2)を演算測定できる。また、有効パワー分電流I
qと無効パワー分電流Idは、交流励磁電圧ベクトルの
位相θと、電動機の瞬時電流検出値iuから1次周波数
の1周期区間の積算処理で演算でき、演算時間が遅い低
価格な1チップマイコンでも測定可能で、短時間に測定
できる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、デッドタイムとパワー
素子のオン電圧降下によるインバータ出力電圧誤差を補
正することで、インバータ出力電圧センサなしで、励磁
電圧指令の大きさと電動機の瞬時電流検出値のみから、
精度良く合成もれインダクタンス(l1+l2)及び合成
抵抗(r1+r2)を演算測定できると言う効果がある。
更に、励磁電圧ベクトルの位相指令θと、電動機の瞬時
電流検出値iuから1次周波数の1周期区間で、有効パ
ワー分電流と無効パワー分電流を演算できるので、演算
時間が遅い低価格な1チップマイコンでも測定でき、短
時間に測定できると言う効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す制御ブロック図であ
る。
【図2】図1に示す単相交流励磁処理の詳細ブロック図
である。
【図3】図1に示すインバータの構成図である。
【図4】図3に示すパワー半導体素子のオン電圧降下説
明図である。
【図5】図3に示すパワー素子のオン電圧降下による電
圧誤差発生の説明図である。
【図6】誘導電動機の1相分の等価回路図である。
【図7】本発明の単相交流励磁時の等価回路図である。
【図8】本発明の単相交流励磁時の電圧,電流ベクトル
図である。
【図9】本発明の測定方法を用いて実験した特性結果を
示す図である。
【符号の説明】
3…平滑コンデンサ、4…インバータ、5…誘導電動
機、6…制御回路、7…速度センサレスベクトル制御処
理、8…ゲート回路、9…電流検出器、10…単相交流
励磁処理、11…有効パワー分電流,無効パワー分電流
演算処理、12…合成抵抗、合成もれインダクタンス演
算処理、14a,14b…sin 関数,−cos 関数、19
…電流極性判断処理、20…デッドタイム補正量設定
値、23…オン電圧演算処理、26…パルス幅補正処
理、28…デッドタイム作成処理。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 洋 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 習志野工場内 (56)参考文献 特開 昭58−218891(JP,A) 特開 昭60−183953(JP,A) 特開 昭61−92185(JP,A) 特開 昭61−231889(JP,A) 特開 昭62−42075(JP,A) 特開 昭62−114487(JP,A) 特開 平1−308187(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00 G01R 31/327 - 31/36 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流電圧Vdcを交流に変換し、該交流を
    流電動機へ供給するためのパワー半導体素子から構成さ
    れるインバータと、該インバータの出力電圧の大きさと
    周波数を制御するための制御装置から成る交流電動機
    の制御装置における前記交流電動機の定数測定方法にお
    いて、 前記インバータの1次周波数指令値ω1及び1次電圧指
    令値Vc1を基に単相交流励磁信号を出力し、この信号
    によりインバータを動作させて交流電動機を単相交流励
    磁し、前記1次周波数指令を積分した位相と交流電動機
    の電流検出値から電動機の有効パワー分電流Iqと、無
    効パワー分電流Idを演算し、次式Vc1・Iqと、次
    式(Id2+Iq2)との比から交流電動機の1次及び2
    次の合成抵抗(r1+r2)を演算測定し、次式Vc1
    Idと、次式ω1(Id2+Iq2)との比から、交流電
    動機の1次及び2次の合成もれインダクタンス(l1
    2)を演算測定することを特徴とした交流電動機の定
    数測定方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の交流電動機の定数測定方法
    において、前記単相交流励磁信号の出力方法として、三
    相のうち一相のみ正弦波パルス幅変調信号を作成し、他
    の二相は通流率1/2のパルス幅信号とし、これらの原
    信号を入力として、インバータ正負アームが短絡しない
    ように設けたデッドタイムによるインバータ出力電圧誤
    差分と、インバータを構成するパワー半導体素子のオン
    電圧降下によるインバータ出力電圧誤差分に対応したパ
    ルス幅Tλだけ、電動機電流極性に応じて原信号をパル
    ス幅補正した出力を単相交流励磁信号とすることを特徴
    とした交流電動機の定数測定方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の交流電動機の定数測定方法
    において、前記交流電動機の有効パワー分電流Iqと無
    効パワー分電流Idを求める方法として、1次周波数指
    令ω1 を積分した交流励磁電圧ベクトルの回転位相をθ
    とし、正弦波変調を行なう相の瞬時電流検出値をiuと
    すると、次式sinθ・iu を1次周波数の半サイクル区
    間の整数倍区間で積分した平均値から有効パワー分電流
    Iqを求め、次式−cosθ・iu を1次周波数の半サイ
    クル区間の整数倍区間で積分した平均値から無効パワー
    分電流Idを求めることを特徴とした交流電動機の定数
    測定方法。
  4. 【請求項4】直流電圧Vdcを交流に変換し、交流電動機
    へ供給するためのパワー半導体素子から構成されるイン
    バータと、該インバータの出力電圧の大きさと周波数を
    制御する制御装置から成るインバータ装置を有する交
    流電動機の制御装置において、 前記インバータの1次周波数指令値ω1及び1次電圧指
    令値Vc1を基に単相交流励磁信号を出力する手段と、
    この交流励磁信号によりインバータを動作させて交流電
    動機を単相交流励磁する手段と、前記1次周波数指令を
    積分した位相と交流電動機の電流検出値から電動機の有
    効パワー分電流Iqと、無効パワー分電流Idを演算す
    る手段を具備し、次式Vc1・Iqと、次式(Id2+I
    2)との比から交流電動機の1次及び2次の合成抵抗
    (r1+r2)を演算測定し、次式Vc1・Idと、次式ω
    1(Id2+Iq2)との比から、交流電動機の1次及び2
    次の合成もれインダクタンス(l1+l2)を演算測定
    し、これらの測定値を基に、交流電動機を制御すること
    を特徴とした交流電動機の制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の交流電動機の制御装置にお
    いて、前記単相交流励磁信号を出力する手段として、三
    相のうち一相のみ正弦波パルス幅変調信号を出力し、他
    の二相は通流率1/2のパルス幅信号を出力する手段
    と、これらの原信号を入力として、インバータ正負アー
    ムが短絡しないように設けたデッドタイムによるインバ
    ータ出力電圧誤差分と、インバータを構成するパワー半
    導体素子のオン電圧降下によるインバータ出力電圧誤差
    分を加えた誤差電圧に対応したパルス幅Tλを出力する
    手段と、このパルス幅Tλだけ、電動機電流極性に応じ
    て前記原信号をパルス幅補正する手段を具備し、このパ
    ルス幅補正した出力を単相交流励磁信号とすることを特
    徴とした交流電動機の制御装置。
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