JPH0413363B2 - - Google Patents

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JPH0413363B2
JPH0413363B2 JP10243182A JP10243182A JPH0413363B2 JP H0413363 B2 JPH0413363 B2 JP H0413363B2 JP 10243182 A JP10243182 A JP 10243182A JP 10243182 A JP10243182 A JP 10243182A JP H0413363 B2 JPH0413363 B2 JP H0413363B2
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JP
Japan
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titanium
group
solid catalyst
carboxylic acid
benzoate
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JP10243182A
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JPS58219203A (ja
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Masayoshi Hasuo
Sadanori Suga
Yoshiteru Kobayashi
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、オレフイン重合体の製造法に関する
ものである。詳しくは、高重合活性を有する新規
の担体付触媒成分と有機アルミニウム化合物と更
に必要に応じて電子供与性化合物とを組み合せて
なる触媒の存在下、エチレン、プロピレン、ブテ
ン−1などのオレフインを重合させて、オレフイ
ン重合体を製造する方法に関するものである。 従来、高重合活性で、かつ高立体規則性重合体
を与える担体付オレフイン重合用触媒が種々提案
されている。例えば、特開昭51−57789、同53−
108088、同53−109587、同54−39484および同55
−29591には、マグネシウムジハロゲン化物、ハ
ロゲン化チタンおよび電子供与性化合物を接触さ
せて得られる固体触媒をα−オレフインの重合に
使用することが提案されている。 また本発明者らも、さきに、グリニヤール化合
物と、水、アルコール、シラノールまたはポリシ
ラノール等とを反応させて得られるマグネシウム
化合物等にハロゲン化チタンおよび電子供与性化
合物を接触させて得られる固体触媒成分をα−オ
レフインの重合に使用することを提案した(特開
昭53−24378、同53−117083等)。 これらの触媒は高活性でかつ高立体規則性の重
合体を与える触媒ではあるが、副生する非晶性重
合体の量は充分少いとは言えず、このことは原料
モノマーから結晶性重合体への転化率の低下、あ
るいは非晶性重合体によるスラリー状態の悪化
等、好ましくない結果をもたらし、かつ、この非
晶性重合体を除去しない場合には、重合体の射出
成形品、押出成形品、フイルム等の機械的物性が
不足するなど、その立体規則性はいまだ充分なも
のではなかつた。このような低い立体規則性の重
合体は、重合の際に分子量調節剤として使用する
水素の量に比例して増大する。即ち、より低分子
量の重合体を製造しようとすれば得られる重合体
の結晶性は低下し非晶性成分が増大する傾向にあ
つた。このような欠点を克服しない限り、従来の
触媒で実用的な重合体を得ることはできず、従つ
て改良が望まれていた。 本発明者らは上記実情に鑑み鋭意研究を重ねた
結果、マグネシウム化合物、チタン化合物、ケイ
素含有カルボン酸エステルおよび特定の有機酸エ
ステルを接触させて得られるチタン含有固体触媒
成分ならびに有機アルミニウム化合物よりなる触
媒あるいはこれらに電子供与性化合物を共存させ
た触媒の存在下にオレフインの重合を行なうこと
により、高い重合活性を保つたまま高立体規則性
のオレフイン重合体が得られ、かつこのような高
い重合活性および立体規則性に与える効果は、驚
くべきことに水素等の分子量調節剤の共存下にお
いても全く、あるいは殆ど低下しないことを見い
出し、本発明を完成したものである。 以下に本発明を詳細に説明する。 本発明において触媒の第1成分として用いられ
るチタン含有固体触媒成分は、マグネシウム化合
物、チタン化合物、ケイ素含有カルボン酸エステ
ルおよび有機カルボン酸エステルを接触させて得
られるものである。 チタン含有固体触媒成分を製造するに用いられ
るマグネシウム化合物としてはハロゲン化物、酸
化物、水酸化物等の無機マグネシウム化合物もし
くはそれらの錯化合物、アルコキシマグネシウム
化合物あるいはグリニヤール化合物等の有機マグ
ネシウム化合物とアルコール、シラノール、ポリ
シロキサンまたはポリシラノールとの反応生成物
が挙げられ、これらの混合物または複合体も使用
することができる。これらのマグネシウム化合物
は従来公知のものが用いられるが具体的には、無
機マグネシウム化合物としてはMgCl2、MgBr2
MgI2、MgO、Mg(OH)2、Mg(OH)Cl、Mg
(OH)Br、Mg(OH)I等の無水物または含水
物が挙げられ、アルコキシマグネシウム化合物と
しては、一般式Mg(OR12(式中R1は炭素原子数
1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基またはアラルキル基を表わす。)で示される
ジアルコキシドまたは一般式Mg(OR1)X(式中
R1は前記定義に同じであり、XはCl、Br、I等
のハロゲン原子を表わす。)で示されるモノアル
コキシドが挙げられ、特にR1がメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシ
ル基等のアルキル基、フエニル基等のアリール
基、ベンジル基等のアラルキル基であるものが好
ましい。 有機マグネシウム化合物とアルコール、シラノ
ール、ポリシロキサンまたはポリシラノールとの
反応生成物としては、一般式MgR1R2(式中R1
前記定義に同じであり、R2は炭素原子数1〜20
のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基ま
たはアラルキル基を表わす。)で示されるマグネ
シウム化合物、R1MgX(式中R1およびXは前記
定義に同じ。)で示されるグリニヤール化合物、
一般式R1MgOR2(式中、R1およびR2は前記定義
に同じ。)で示されるアルコキシ誘導体等と下記
に述べるアルコール、シラノール、ポリシロキサ
ンまたはポリシラノールとの反応生成物が挙げら
れる。これらの有機マグネシウム化合物は通常、
エーテル、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳
香族炭化水素等の溶媒中で合成され、それらの溶
液として使用される。 上記有機マグネシウム化合物と反応させるアル
コールとしては、多価アルコールまたは一般式、
R3OH(式中、R3は炭化水素基を表わす。)で示さ
れる一価のアルコールが用いられる。具体的に
R3としては炭素原子数20までの炭化水素基、例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エ
チルヘキシル基、ノニル基、デシル基等のアルキ
ル基、フエニル基等のアリール基、ベンジル基等
のアラルキル基などが挙げられる。 シラノールは、一般式、R4nSi(OH)4-o(式
中、R4は炭化水素基を表わし、nは1、2また
は3である。)で示される。R4としては特に、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミ
ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デ
シル基等のアルキル基、フエニル基等のアリール
基、ベンジル基等のアラルキル基が好ましい。 ポリシラノールとしては、シラノール、R4 2Si
(OH)2またはR4Si(OH)3(式中、R4は前記定義に
同じ。)が縮合した、シロキサン結合を有する化
合物であり、その構造については、鎖状、環状、
三次元網目構造などいずれであつてもよいが、ヒ
ドロキシル基含有量については、少くとも1分子
当り1個以上のヒドロキシル基を有するものが用
いられる。 ポリシロキサンとしては、ジアルキルポリシロ
キサン、ジアリールポリシロキサン、アルキルア
リールポリシロキサン、アルキルヒドロポリシロ
キサン、アリールヒドロポリシロキサン等が挙げ
られる。 有機マグネシウム化合物と、アルコール、シラ
ノール、ポリシロキサンおよびポリシラノールの
うちから選ばれた少くとも1種の化合物との反応
は、−50〜100℃で両成分を接触させ、次いで50〜
200℃で数時間反応させることによつて行なわれ
る。両成分の使用割合は、アルコールの場合に
は、アルコール/有機マグネシウム化合物中の
Mg−C結合の比(モル比)で0.01〜2、好まし
くは0.5〜1.5であり、シラノールまたはポリシラ
ノールの場合には、シラノールまたはポリシラノ
ール中のヒドロキシル基/有機マグネシウム化合
物中のMg−C結合の比(モル比)で0.1〜10好ま
しくは1〜2である。ポリシロキサンの場合には
ケイ素/有機マグネシウム化合物中のMg−C結
合の比(モル比)で0.1〜10、好ましくは0.5〜2
である。接触反応は、溶媒中で行なうことが好ま
しく、芳香族炭化水素、飽和脂肪族炭化水素、脂
環式炭化水素、エーテルに溶解して反応させる。
接触反応後得られた反応混合物は、そのまま用い
られてもよいが、反応混合物から過または傾瀉
により固体を分離してあるいは気化により未反応
物または溶媒を除去してのち、用いられてもよ
い。 チタン含有固体触媒成分を製造するために用い
られるチタン化合物としては、四価のチタン化合
物が好ましく、四塩化チタン、四臭化チタン、四
沃化チタンあるいはアルコキシ基を1個含むハロ
ゲン化チタンおよびそれらの混合物等が用いられ
るが、三塩化チタン、二塩化チタンの如き3価、
2価のチタン化合物も用いられる。 チタン含有固体触媒成分を製造するためのケイ
素含有カルボン酸エステルとしては、
【式】(式中、R5、R6およびR7は炭素原 子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、シクロ
アルキル基、シクロアルコキシ基、アリール基ま
たはアリーロキシ基を表わすか、ポリシロキシ
基、ヒドロキシル基またはハロゲンを表わす。)
で示されるケイ素置換基を少なくとも1個有する
芳香族または脂肪族のカルボン酸エステルが挙げ
られ、特に芳香族カルボン酸エステル誘導体が好
ましい。上記ケイ素置換基はカルボン酸エステル
の炭素原子と直接結合していることが望ましい
が、酸素、窒素、アルミニウム等の炭素以外の原
子あるいはこれらを含む連結基を介してカルボン
酸エステルと結合していてもよい。 上記ケイ素含有カルボン酸エステルは、例えば
安息香酸ビニル、アクリル酸メチル等のエステル
のアルコール成分およびカルボン酸成分の少くと
も一方にオレフイン性二重結合を有するカルボン
酸エステルあるいはp−ヒドロキシ安息香酸エス
テル等のヒドロキシル基を有するカルボン酸エス
テルを、白金、ロジウム、コバルト等の遷移金属
触媒または有機過酸化物触媒の存在下に、無溶媒
下またはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の
脂肪族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等のエーテルなどの溶媒中で、一般式
【式】(式中、R5、R6およびR7は前記 定義に同じ。)で示されるヒドロシランと0〜300
℃、好ましくは30〜200℃で0.5時間以上、好まし
くは1〜24時間、場合によつては5時間以上反応
させることにより得ることができる。 また、上記R5、R6およびR7のうち少くとも1
個がポリシロキシ基であるケイ素置換基を有する
カルボン酸エステル(以下、ポリシロキシエステ
ルという。)は上述した製造法のほか、ケイ素置
換基を有するカルボン酸エステルまたはケイ素置
換基を有さないカルボン酸エステルのうち、アル
コキシ置換基、アリーロキシ置換基、ヒドロキシ
ル置換基またはハロゲン置換基を有する化合物と
先に述べたポリシラノールとの縮合反応あるいは
アルコキシ基、アリーロキシ基、ヒドロキシル基
またはハロゲン置換基を有するポリシロキサンと
活性水素を有するカルボン酸エステルとの縮合反
応によつても製造することができる。これらの縮
合反応は無溶媒下または適当な溶媒中で、50〜
500℃、好ましくは100〜200℃の温度条件下、0.1
時間以上、好ましくは1〜10時間行なわれる。溶
媒の使用の有無あるいはその種類については出発
物質の種類により異なるので一概に規定できない
が、例えば、脱水縮合反応の場合にはベンゼン、
トルエン等の芳香族炭化水素溶媒中還流下に行な
うのが好ましい。 上述した種々の製造法により得られるケイ素含
有カルボン酸エステルは、不純物を分離すること
なく成分の製造に供してもよく、また、蒸溜分
離、溶媒洗浄などの操作を行なつたのち成分の
製造に供してもよい。 ケイ素含有カルボ酸エステルの具体例として
は、安息香酸−β−トリメトキシシリルエチル、
安息香酸−β−トリエトキシシリルエチル、安息
香酸−β−ジフエニルメトキシシリルエチル、安
息香酸−β−トリクロロシリルエチル、p−トル
イル酸−β−トリメトキシシリルエチル、p−ト
ルイル酸−β−トリエトキシシリルエチル、p−
トリクロロシリルメチル安息香酸メチル、p−ト
リクロロシリルメチル安息香酸エチル、p−トリ
エトキシシリルメチル安息香酸メチル、p−トリ
エトキシシリルメチル安息香酸エチル、p−メト
キシ安息香酸−β−トリエトキシシリルエチル、
p−クロロ安息香酸−β−トリエトキシシリルエ
チル、フエニル酢酸−β−トリエトキシシリルエ
チル、β−トリエトキシシリルエチル−α−ナフ
トエート、安息香酸−β−ジメチルヒドロキシシ
リルエチル、安息香酸−3−トリエトキシシリル
プロピル、安息香酸−3−トリクロロシリルプロ
ピル、p−トリメトキシシロキサン安息香酸メチ
ル、p−トリエトキシシロキシ安息香酸エチル、
p−トリメトキシシロキシ安息香酸フエニル、p
−トリエトキシシロキシ安息香酸フエニル、p−
トリエトキシシロキシ安息香酸−β−トリエトキ
シシリルエチル等のシリル基を含有する芳香族カ
ルボン酸エステル、酢酸−β−トリメトキシシリ
ルエチル、酢酸−β−トリエトキシシリルエチ
ル、酢酸−β−ジメチルクロロシリルエチル、酢
酸−β−ジフエニルクロロシリルエチル、酢酸−
β−ジフエニルヒドロキシシリルエチル、3−ト
ミメトキシシリルプロピオン酸メチル、3−トリ
クロロシリルプロピオン酸メチル、3−ジフエニ
ルヒドロキシシリルプロピオン酸メチル、2−メ
チル−3−トリエトキシシリルプロピオン酸メチ
ル、2−メチル−3−トリエトキシシリルプロピ
オン酸エチル等のシリル基を含有する脂肪族カル
ボン酸エステルおよび下記に述べるポリシロキシ
エステルが挙げられる。ポリシロキシエステルの
ポリシロキシ基の構造は、鎖状、分岐鎖状、環状
あるいは三次元網目状のいずれであつてもよく、
シロキサン構造中のケイ素の置換基としては先に
述べたR5〜R7と同種の置換基を有することがで
きる。また、ポリシロキシエステルのエステル結
合は、ポリシロキシエステル中のケイ素原子1個
あたり0.01〜2個、特に0.05〜0.8個であることが
好ましい。 チタン含有固体触媒成分を製造するために用い
られる有機カルボン酸エステルは、併用されるケ
イ素含有カルボン酸エステルによつて規定された
特定の構造を有する必要がある。即ち、用いられ
るケイ素含有カルボン酸エステルのシリル基もし
くはシロキシ基を水素もしくは炭化水素基で置換
した構造または用いられるケイ素含有カルボン酸
エステルのシリル基もしくはシロキシ基を水素も
しくは炭化水素で置換後、該置換により新たに生
じた炭化水素基の部分の炭素数を減らした構造を
有する有機カルボン酸エステルを使用することが
必要である。例えば用いられるケイ素含有カルボ
ン酸エステルとして3−トリメトキシシリルプロ
ピオン酸メチルを例にとつて説明するとシリル基
を水素で置換した有機カルボン酸エステルはプロ
ピオン酸メチルであり、シリル基を水素で置換
後、該置換により新たに生じた炭化水素基(エチ
ル基)の部分の炭素数を減らした(メチル基とし
た)有機カルボン酸エステルは酢酸メチルであ
る。具体的には、下記表−1に示すように第欄
に記載したケイ素含有カルボン酸エステルを使用
する場合には、第欄に記載した有機カルボン酸
エステルが併用し得る。
【表】 この際ケイ素含有カルボン酸エステルおよび有
機カルボン酸エステルが2種以上存在しても、本
発明の規定を満足しているならば、それぞれを混
合物として用いてもよい。例えば、安息香酸−β
−トリクロロシリルエチル、安息香酸−3−トリ
クロロシリルプロピル、安息香酸エチル、安息香
酸プロピルの4種の混合物を併用しても本発明の
効果を損なうものではない。但し、本発明の規定
外での併用、例えば安息香酸−3−トリクロロシ
リルプロピルとp−トルイル酸メチルでは充分な
効果が得られない。一方、ケイ素含有カルボン酸
エステルがポリシロキシエステルの場合に併用さ
れる有機カルボン酸エステルも上記と同様の化合
物が挙げられる。ポリシロキシエステルのエステ
ル成分が安息香酸エチルの誘導体であれば、安息
香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル
および安息香酸ブチル等が挙げられ、またp−メ
トキシカルボニルベンジンル基を含有していれ
ば、p−トルイル酸メチル、p−エチル安息香酸
メチル、p−ベンジル安息香酸メチル等が挙げら
れ、またこれらの混合物も使用できることは上記
と同様である。なおチタン含有固体触媒を製造す
る際の両者の使用する割合は、有機カルボン酸エ
ステル1モルに対して、ケイ素含有カルボン酸エ
ステル中のエステル結合が0.01当量以上、好まし
くは0.1当量以上である。 チタン含有固体触媒成分を製造するには上述し
たマグネシウム化合物、チタン化合物、ケイ素含
有カルボン酸エステルおよび有機カルボン酸エス
テルをマグネシウム原子1モルに対して、チタン
化合物0.1〜100モル、好ましくは1〜50モルなら
びにケイ素含有カルボン酸エステル中のエステル
結合および有機カルボン酸エステル総量で0.01〜
10モル、好ましくは0.05〜1.0モルの割合で、無
溶媒下またはベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、流動パラフイン等の飽和脂肪族炭化
水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等
の脂環式炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチル
エーテル等のエーテルなどの溶媒の存在下に接触
させればよい。このとき得られるチタン含有固体
触媒成分のチタン含有量は0.1〜20重量%、とく
に0.1〜10重量%とすることが好ましい。得られ
たチタン含有固体触媒成分は、不活性炭化水素溶
媒で洗浄したのち、オレフインの重合触媒の成分
として使用される。 上記の四成分の接触によりチタン含有固体触媒
成分を製造する方法には接触させる順序あるいは
態様に種々の方法があるが、好ましい方法を具体
的に述べると、 (1) マグネシウムジハロゲン化物をケイ素含有カ
ルボン酸エステルおよび有機カルボン酸エステ
ルとともに機械的に粉砕するか、またはマグネ
シウムジハロゲン化物をエタノール、酢酸エチ
ル等の溶媒に溶解させたのちケイ素含有カルボ
ン酸エステルを添加して混合し、これらの混合
物に四ハロゲン化チタンを添加して反応させ、
得られるチタン含有固体触媒成分を分離する方
法、 (2) 有機マグネシウム化合物をアルコール、シラ
ノール、ポリシロキサンまたはポリシラノール
と反応させて得られるマグネシウム化合物(以
下の説明においては、これを単にマグネシウム
成分という。)に、−50〜100℃の温度条件下に
ケイ素含有カルボン酸エステルおよび有機カル
ボン酸エステル、またはその溶液を添加し、60
〜200℃に昇温後、0.1〜10時間、好ましくは
0.5〜3時間反応させ、そのままあるいは生成
する固体成分を分離取得したのち、チタン化合
物を加えて60〜150℃、好ましくは80〜130℃で
0.1〜10時間反応させて、生成するチタン含有
固体触媒成分を分離する方法、 (3) マグネシウム成分と有機カルボン酸エステル
の存在下に先に述べた方法に従つてケイ素含有
カルボン酸エステルを合成し、次いでこの混合
物にチタン化合物を添加して上記(2)と同様に処
理し、生成するチタン含有固体触媒成分を分離
する方法、 (4) マグネシウム成分にチタン化合物、ケイ素含
有カルボン酸エステルおよび有機カルボン酸エ
ステルを同時に添加するか、またはマグネシウ
ム成分にチタン化合物を添加して上記(2)と同様
に処理したのちケイ素含有カルボン酸エステル
および有機カルボン酸エステルを同時に添加
し、上記(2)に準じて処理を行ない、生成するチ
タン含有固体触媒成分を分離する方法、 (5) ケイ素含有カルボン酸エステルおよび有機カ
ルボン酸エステルの存在下に、−30℃〜常温で
有機マグネシウム化合物をアルコール、シラノ
ール、ポリシロキサンまたはポリシラノールと
反応させてマグネシウム成分を得、次いで60〜
200℃に昇温して生成したマグネシウム成分を、
そのまま、あるいは固体成分を分離取得後、上
記(2)と同様にチタン化合物で処理し、生成する
チタン含有固体触媒成分を分離する方法。 (6) 上記(1)〜(5)で得られたチタン含有固体触媒成
分を、上記(2)と同様に、ケイ素含有カルボン酸
エステルおよび/または有機カルボン酸エステ
ルの存在下または不存在下に少なくとも1度は
チタン化合物で処理し、生成するチタン含有固
体触媒成分を分離する方法。 (7) 上記(1)〜(5)の方法において、ケイ素含有カル
ボン酸エステルまたは有機カルボン酸エステル
をチタン化合物と同時に処理する方法、 などの方法が挙げられる。 触媒の第2成分として用いられる有機アルミニ
ウム化合物としては、例えば、一般式 AlR3mX3-n(式中、R3は炭素原子数1〜8のア
ルキル基を表わし、R3が2個以上あるときは、
それぞれ異なつていてもよい。mは1〜3の数、
Xはハロゲン原子を表わす。)で示されるものが
使用される。特に、トリエチルアルミニウム、ト
リプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチ
ルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムが
好ましい。また、ジエチルアルミニウムモノクロ
リド、ジブチルアルミニウムモノクロリド等のジ
アルキルアルミニウムモノクロリドをトリアルキ
ルアルミニウムと併用することも好ましい実施態
様である。これらの有機アルミニウム化合物は、
チタン含有固体触媒成分中のチタン1モルに対し
て1〜500モル、好ましくは10〜100モル使用され
る。 本発明方法においてはチタン含有固体触媒成分
と有機アルミニウム化合物の2成分を触媒として
オレフインの重合を行なうこともできるが、更に
第3成分として電子供与性化合物の共存下にもオ
レフインの重合を行なうことができる。このよう
な電子供与性化合物としてはアミンおよびカルボ
ン酸アミドから選ばれた窒素含有化合物、ホスフ
イン、ホスフインオキサイド、リン酸エステル、
亜リン酸エステルおよびリン酸アミドから選ばれ
たリン含有化合物、ならびにケトンおよび先に述
べた有機カルボン酸エステルを含むカルボン酸エ
ステルから選ばれた酸素含有化合物あるいは先に
述べたケイ素含有カルボン酸エステルなどが挙げ
られる。なお、ここでいうカルボン酸エステルに
おいては、カルボン酸残基の炭化水素基はアミノ
基、アルコキシ基のような置換基を有していても
よく、そのような例としては、アミノ酸エステル
が挙げられる。電子供与性化合物の具体例として
は、上記以外にテトラメチルエチレンジアミン、
テトラエチルエチレンジアミン、アセトアミド等
の窒素含有化合物、トリエチルリン酸エステル、
トリブチル酸エステル、トリフエニルホスフイ
ン、トリフエニルホスフアイト、トリエチルホス
フインオキサイド、トリフエニルホスフインオキ
サイド、トリス(ノニルフエニル)ホスフアイ
ト、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のリン含有
化合物が挙げられるが、特に、カルボン酸エステ
ルおよびケイ素含有カルボン酸エステルが好まし
い。これらの電子供与性化合物の使用量は、有機
アルミニウム化合物1モルあたり0〜10モル、好
ましくは0.05〜1モル、特に好ましくは0.1〜0.5
モルの範囲内で選択される。 本発明方法を実施するにあたつて使用されるオ
レフインとしては、エチレン、プロピレン、ブテ
ン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフ
インが挙げられ、本発明になる触媒を使用し、そ
れらの単独重合、2種以上のランダム共重合また
は同ブロツク共重合などを行なつて、有利にそれ
らのオレフイン重合体を得ることができる。 本発明において、重合または共重合反応は、不
活性炭化水素または液化プロピレン溶媒存在下で
の溶液重合、あるいはスラリー重合、そして無溶
媒下での気相重合など種々の重合方法をとりう
る。重合時の温度は、50〜100℃、好ましくは、
50〜85℃の範囲から選ばれ、圧力は1〜100気圧
の範囲から選ばれる。また、重合帯域に水素を存
在させることによつて、生成する重合体の分子量
を容易に調節することができる。 以上詳述したように、本発明方法に従えば、立
体規則性の良好なオレフイン重合体を容易に得る
ことができる。そして得られたオレフイン重合体
の立体規則性が高いので、重合体からの非結晶性
重合体の除去を省略することができる。また、こ
のような高い立体規則性は、水素等の分子量調節
剤を用いて実用的な分子量を有する重合体を製造
する際にも殆んど低下することがないので、工業
化における有利さは非常に大きい。更に、本発明
で使用するチタン含有固体触媒は極めて重合活性
が高いので、得られたオレフイン重合体からの触
媒残留物除去工程も省略できる利点がある。ま
た、本発明方法によつて得られる重合体中のハロ
ゲン含有量は極めて少なく製品物性上のメリツト
は極めて大きい。 次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り以
下の実施例に限定されるものではない。 また、図−1は本発明に含まれる技術内容の理
解を助けるためのフローチヤート図であり、本発
明は図−1のフローチヤート図に限定されるもの
ではない。 なお、実施例および比較例において、アイソタ
クチツクインデツクス(以下「II」と略称する。)
は、改良型ソツクスレー抽出器で沸騰n−ヘプタ
ンで6時間抽出後の固体残留を乾燥し重量%で表
わした。また、メルトフローインデツクス(以
下、「MFI」と略称する。)は、ASTM−D1238
に準じて測定した値を示した。 実施例 1 〔〕 ケイ素含有カルボン酸エステルの合成 (a) 安息香酸−β−トリエトキシシリルエチル
の合成 乾燥窒素置換した200ml3ツ口フラスコに
トリエトキシシラン32.3gおよび安息香酸ビ
ニル28gを仕込み、室温下に撹拌しながら塩
化白金酸のイソプロピルアルコール溶液(濃
度0.5モル/)2mlを添加したのち、30分
かけて120℃に昇温し、2時間撹拌を継続し
た。この反応混合物を窒素雰囲気の常圧で単
蒸溜したところ、沸点131℃のトリエトキシ
シラン16gが回収された。次いで1.5mmHgの
減圧下で蒸留を行なつたところ沸点70〜75℃
で安息香酸ビニルが14g回収され、更に蒸溜
を続けて沸点125〜135℃の留分(無色の液
体)17gと9.2gの黒色の粘稠な蒸溜残渣を
得た。上記125〜135℃の留分を1.5mmHgの減
圧下で更に単蒸留することにより沸点131〜
135℃の留分(無色の液体)15gを得た。こ
のものはガスクロマトグラフイーによる分析
と核磁気共鳴スペクトルから安息香酸−β−
トリエトキシシリルエチル81%を含む混合物
であることが判つた。なお該混合物中には原
料の安息香酸ビニルおよびトリエトキシシラ
ンは含まれていなかつた。安息香酸−β−ト
リエチルシリルエチルの化学シフトおよび帰
属を以下に示す。
【表】 (b) 安息香酸−3−トリクロロシリルプロピル
の合成 安息香酸ビニルおよびトリエトキシシラン
のかわりに、それぞれ安息香酸−2−プロペ
ニル21gおよびトリクロロシラン25gを使用
して、上記(a)に準じて反応を行ない、1.5mm
Hgの減圧蒸留を行なつて沸点154℃の下記核
磁気共鳴スペクトルで特徴づけられる安息香
酸−3−トリクロロシリルプロピル28gを得
た。
【表】 (c) p−トリクロロシリルメチル安息香酸メチ
ルの合成 乾燥窒素置換した200ml3ツ口フラスコに
アセトニトリル50mlおよびテレフタル酸モノ
メチルエスエル8.4gを仕込み、室温下に撹
拌しながらトリクロロシラン25gを滴下した
後に昇温して、トリクロロシランが還流する
温度で4時間反応を行なつた。次いで反応混
合物を氷冷後にトリ−n−プロピルアミン27
mlを添加し、次いで加熱して還流下に20時間
反応を行なつた。この反応混合物を1.5mmHg
の減圧下で蒸留を行なつたところ沸点151℃
の下記核磁気共鳴スペクトルで特徴づけられ
るp−トリクロロシリルエチル安息香酸メチ
ル7.5gを得た。
【表】 〔〕 チタン含有固体触媒成分の調製 乾燥窒素置換した500mlの四ツ口フラスコに、
トリフエニルシラノール40mmolとトルエン
100mlを仕込み、これに3.2mol/塩化−n−
ブチルマグネシウムのジ−n−ブチルエーテル
溶液12.5mlを25℃にて充分撹拌下に徐々に添加
した。添加終了後、25℃、1時間撹拌し、次い
で70℃に昇温して更に1時間撹拌を継続した。
反応終了後、トルンエンおよびジ−n−ブチル
エーテルを減圧留去、乾燥して白色粉末を得
た。 得られた白色粉末に安息香酸エチルおよび
〔〕の(b)で合成した安息香酸−3−トリクロ
ロシリルプロピルの1.0mol/のトルエン溶
液をそれぞれ4mlずつ添加し、撹拌下に110℃
に昇温して2時間接触反応を行なつた。次い
で、得られた反応混合物に四塩化チタン
0.8molを加え、130℃に昇温した。昇温途中よ
り黒褐色の粘稠な半溶解状態となつた。130℃
で2時間撹拌処理を行ない、次いでn−ヘプタ
ン200mlを加えたところ、多量の沈澱が生成し
た。上澄液を分離し、沈澱をn−ヘプタン200
mlで5回洗浄して暗褐色の固体を得た。得られ
た固体のチタン含有量は2.5重量%であつた。 〔〕 オレフインの重合 乾燥窒素置換した2の誘導撹拌式オートク
レーブにトリメチルアルミニウム2mmolとp
−トルイル酸メチル0.7mmolを仕込み、更に
水素をゲージ圧で1.5Kg/cm2になるように仕込
んだ後に、液化プロピレン750Kgを圧入して室
温下に撹拌した。次いで前記〔〕で調製した
チタン含有固体触媒成分40mgを圧入したのち、
70℃に昇温して1時間重合を行ない、少量のメ
タノールを添加して重合を停止した。未反応プ
ロピレンをパージ後、乾燥して白色粉末状ポリ
プロピレン352gを得た。重合活性Kcat(ポリマ
ー(g)/チタン含有固体触媒成分(g)・時
間(hr)・プロピレン圧(Kg/cm2)以下、同意
義を有する。)は293、KTi(ポリマー(g)/チ
タン(g)・時間(hr)・プロピレン圧(Kg/
cm2)以下、同意義を有する。)は11700であり、
触媒効率CE(ポリマー(g)/チタン(g)以
下、同意義を有する。)は351100であり、IIは
96.5%、MFIは10.3であつた。 実施例 2 安息香酸−3−トリクロロシリルプロピルのか
わりに実施例1の〔〕の(a)で合成した安息香酸
−β−トリエトキシシリルエチルを用いて実施例
1と同様の方法で、チタン含有量2.6重量%のチ
タン含有固体触媒成分を得た。 得られた固体触媒成分40mgを使用して、実施例
1の〔〕と同様にしてプロピレンの重合を行な
つたところ、II96.2%、MFI9.5の白色粉末状ポリ
プロピレン347gが得られた。またKcatは289、
KTiは11110、CEは333400であつた。 実施例 3 実地例1の〔〕において、安息香酸エチルお
よび安息香酸−3−トリクロロシリルプロピルの
かわりに、それぞれp−トルイル酸メチルおよび
実施例1の〔〕の(c)で合成したp−トリクロロ
シリルメチル安息香酸メチルを用いること以外は
全く同様にしてチタン含有固体触媒成分を調製し
たところ、チタン含有量2.5重量%の暗褐色の固
体触媒成分を得た。 得られた固体触媒成分37.5mgを使用して、実施
例1の〔〕と同様にプロピレンの重合を行なつ
たところ、II95.2%、MFI8.9の白色粉末状ポリプ
ロピレンが284g得られた。Kcatは251、KTi
10040、CEは301300であつた。 比較例 1 安息香酸−3−トリクロロシリルプロピルを使
用せずに、安息香酸エチルを2mmol使用するこ
と以外は実施例1の〔〕と同様にチタン含有固
体触媒成分の調製を行ない、チタン含有量2.8重
量%の固体触媒成分を得た。 得られた固体触媒成分43mgを使用して実施例1
の〔〕と同様にしてプロピレンの重合を行なつ
たところ、MFI9.1、II92.1%の白色粉末状ポリプ
ロピレン306gが得られた。またKcatは237、KTi
は8470、CEは254200であつた。 本比較例のII92.1%は実施例1および2の96.5
%および96.2%と比較して約4%低いものであ
り、ケイ素含有カルボン酸エステルの効果は明白
である。 比較例 2 安息香酸エチルのかわりにp−トルイル酸メチ
ルを使用して実施例1の〔〕と同様の方法で、
チタン含有量2.9重量%の暗褐色のチタン含有固
体触媒成分を得た。 得られた固体触媒成分37.5mgを使用して、実施
例1の〔〕と同様にしてプロピレンの重合を行
なつたところ、II93.5%、MFI6.3白色粉末状ポリ
プロピレン347gが得られた。またKcatは308、
KTiは10610、CEは318200であつた。 実施例1と比較すれば明らかなように、本発明
の規定外の有機カルボン酸エステルとケイ素含有
カルボン酸エステルの組合せでは、ケイ素含有カ
ルボン酸エステルの充分な効果が得られず、特に
IIが低下している。 比較例 3 安息香酸−3−トリクロロシリルプロピルのか
わりに安息香酸−β−トリエトキシシリルエチル
を使用して比較例2と同様の方法でチタン含有量
2.8重量%の暗褐色のチタン含有固体触媒成分を
得た。 得られた固体触媒成分35.5mgを使用して、実施
例1の〔〕と同様にしてプロピレンの重合を行
なつたところ、II93.7%、MFI7.8の白色粉末状ポ
リプロピレン317gが得られた。またKcatは297、
KTiは10600、CEは318000であつた。 本比較例においても、上記比較例2と同様に、
本発明の規定外のエステルの組合せではIIが低下
するものであつた。 実施例 4 〔〕 ポリフエニルシラノールの合成 500mlの4ツ口フラスコに純水3.2gおよびト
ルエン170mlを入れ、撹拌しながら−20℃に保
冷した。このトルエン懸濁液にフエニルトリク
ロロシラン25g(0.118mol)の70mlトルエン
溶液を滴下漏斗を用いて1時間で滴下した。滴
下終了後、反応混合物を0℃まで昇温し、更に
30分撹拌を継続した。次いで、氷水で洗液が中
性になるまで洗浄した。得られたトルエン溶液
を無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥後、過し、
その液を担体調製用の原料として使用した。
このトルエン溶液の水酸基濃度を後述する方法
によつて定量したところ8.1mmol/gであつ
た。 上記ポリシラノールの水酸基の定量は次のよ
うに行なつた。水酸基に対して過剰になるよう
に適当量のグリニヤール化合物を入れ100℃、
1時間加熱、撹拌して反応を完了させた。次に
使用したグリニヤール化合物のモル数だけベン
ジルブロミドを添加して100℃、1時間加熱撹
拌を継続した。次いで、反応容器を室温に戻し
てから純水を加えて加水分解し、得られたアル
カリ成分を指示薬(フエノールフタレンのアル
コール溶液)の共存下で0.1N塩酸水溶液で滴
定した。 〔〕 チタン含有固体触媒成分の調製 乾燥窒素置換した300mlの四ツ口フラスコに、
〔〕で合成したポリフエニルシラノールの水
酸基当り0.34mol/のトルエン溶液29mlを仕
込み、これに3.4mol/の塩化−n−ブチル
マグネシウムのジ−n−ブチルエーテル溶液
2.9mlを25℃にて撹拌下、徐々に滴下した。滴
下終了後、110℃にて1時間撹拌し熟成した。
25℃に冷却後、実施例1の〔〕の(a)で合成し
た安息香酸−β−トリエトキシシリルエチルを
含む混合物および安息香酸エチルの0.5mol/
トルエン溶液をそれぞれ2mlを同時に撹拌下
に滴下した。滴下終了後、110℃に加温して2
時間撹拌を継続した。次いでトルエンおよびジ
−n−ブチルエーテルを減圧留去、乾燥して白
色粉末を得た。得られた白色粉末に四塩化チタ
ン200mmolを加え、撹拌下135℃に昇温した。
昇温途中より黒褐色の粘稠な半溶解状態になつ
た。135℃で2時間加熱、撹拌処理し次いでn
−ヘプタン150mlを加えたところ沈澱物が生成
した。上澄液を分離し沈澱物をn−ヘプタン
100mlで6回洗浄を繰返し暗緑色のチタン含有
固体触媒成分(チタン含有量2.2重量%)を得
た。 〔〕 オレフインの重合 上記〔〕で得られたチタン含有固体触媒成
分42mgを使用して、実施例1の〔〕と同様に
してプロピレンの重合を行なつたところ、
II95.9%、MFI9.8の白色粉末上ポリプロピレン
320gが得られた。またKcatは254、KTi
11540、CEは346300であつた。 実施例 5 安息香酸−β−トリエトキシシリルエチルのか
わりに、実施例1の〔〕の(b)で合成した安息香
酸−3−トリクロロシリルプロピルを用いて実施
例4と同様の方法で、チタン含有量2.3重量%の
チタン含有固体触媒成分を得た。 該固体触媒成分を使用して実施例1の〔〕と
同様にしてプロピレンの重合を行なつた。結果は
表−2に示した。 実施例 6 安息香酸エチルおよび安息香酸−β−トリエト
キシシリルエチルのかわりにそれぞれp−トルイ
ル酸メチルおよび実施例1の〔〕の(c)で合成し
たp−トリクロロシリルメチル安息香酸メチルを
用いて、実施例4と同様の方法でチタン含有量
2.0重量%のチタン含有固体触媒成分を得た。 該固体触媒成分を使用して実施例1の〔〕と
同様にしてプロピレンの重合を行なつた。結果は
表−2に示した。 比較例 4 p−トリクロロシリルメチル安息香酸メチルの
かわりに安息香酸−3−トリクロロシリルプロピ
ルを用いる以外は実施例6と同様にして、チタン
含有量2.7重量%のチタン含有固体触媒成分を得
た。 該固体触媒成分を使用して実施例1の〔〕と
同様にしてプロピレンの重合を行なつた。結果は
表−2に示した。 比較例 5 安息香酸−3−トリクロロシリルプロピルのか
わりにp−トリクロロシリルメチル安息香酸メチ
ルを用いる以外は実施例5と同様にして、チタン
含有量2.6重量%のチタン含有固体触媒成分を得
た。 該固体触媒成分を用いて実施例1の〔〕と同
様にしてプロピレンの重合を行なつた。結果は表
−2に示した。 実施例 7 〔〕 チタン含有固体触媒成分の調製 乾燥窒素置換した容量500mlの4ツ口フラス
コに、トルエン150mlおよび2.5mol/の塩化
−n−ブチルマグネシウムのジ−n−ブチルエ
ーテル溶液40mlを仕込み、これにエタノール
5.8mlを25℃に保持しながら強撹拌下に滴下し
た。滴下終了後、25℃で1時間撹拌し、次いで
80℃に昇温し、同温度で1時間撹拌を継続し
た。この反応生成物をヘプタン150mlで5回洗
浄を行なつた後、減圧下でヘプタンを留去し乾
燥を行ない、白色の粉末を得た。この固体を分
析したところ(C2H5O)0.98MgCl0.93の組成を有
していた。 次いで上記粉末にトルエン30ml、安息香酸エ
チル10mmolおよび実施例1の〔〕の(b)で合
成した安息香酸−3−トリクロロシリルプロピ
ル10mmolを25℃で添加した。添加終了後、
110℃に昇温し同温度で2時間撹拌を続けた。
反応生成物から減圧下でトルエンを留去した
後、四塩化チタン220mmolを撹拌下25℃で添
加し、次いで130℃に昇温し、同温度で2時間
撹拌を継続した。しかる後反応懸濁液を熱時傾
瀉し、残存固体をヘプタンで、洗浄液中に塩素
の存在が認められなくなる迄洗浄を繰返し、淡
黄緑色のチタン含有固体触媒成分を得た。得ら
れた固体のチタン含有量は2.4重量%であつた。 〔〕 オレフインの重合 上記〔〕で得られたチタン含有固体触媒
38.5mgを使用して、実施例1の〔〕と全く同
様にしてプロピレンの重合を行なつた。結果は
表−2に示した。 実施例 8 乾燥窒素置換した300mlの4ツ口フラスコに、
無水のジエトキシマグネシウム3g、安息香酸エ
チルおよび実施例1の〔〕の(b)で合成した安息
香酸−3−トリクロロシリルプロピルの
0.5mol/のトルエン溶液をそれぞれ10mlを撹
拌下に滴下した。滴下終了後、110℃に昇温して
2時間撹拌を継続したのち、トルエンを減圧留去
し、乾燥して白色粉末を得た。得られた白色粉末
に四塩化チタン58mlを加え、撹拌下130℃に昇温
して2時間保持した。次いで固体を過により分
離後、再び四塩化チタン58mlを加えて、撹拌下に
130℃で1時間処理した。上澄液を分離後、固体
をn−ヘプタン200mlで5回洗浄を繰返して淡黄
緑色のチタン含有固体触媒成分を得た。得られた
固体のチタン含有量は2.3重量%であつた。 該チタン含有固体触媒成分を使用して実施例1
の〔〕と同様にしてプロピレンの重合を行なつ
た。結果は表−2に示す。 実施例 9 〔〕 ポリシロキシエステルの合成 乾燥窒素置換した200−mlフラスコにシリコ
ーンオイル(信越化学社製KF99)10gおよび
安息香酸ビニル5gを仕込み、室温下で撹拌し
ながら塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶
液(濃度0.05mol/)を2ml添加したところ
発泡して反応が進行し始めた。30分間撹拌した
のち、90℃に昇温して加熱、撹拌を継続し、4
時間後、ガスクロマトグラフで未反応の安息香
酸ビニルを定量したところ15.8%であつた。50
℃に降温後、乾燥エタノール20mlを添加し、2
時間撹拌してシリコーンオイル中に残存する活
性水素の除去を行なつた。次いで未反応の安息
香酸ビニル、エタノールおよびその他の揮発性
成分を除去するために150℃で3時間減圧下で
処理を行ない、黒色の粘稠液体を得た。得られ
た液体のKBrデイスク中での赤外線吸収スペク
トルを測定したところ、1703cm-1にエステルの
特性吸収が存在し、2100cm-1付近のSi−Hによ
る特性吸収は存在していないことがわかつた。
またシリコーンオイル中のSi−CH3に基づく
1258cm-1のピーク強度とエステル吸収のピーク
強度の対比からエステル濃度を1.3mmol/g
と算出した。 〔〕 チタン含有固体触媒成分の調製とオレフイ
ンの重合 実施例1の〔〕と同様にして、ポリフエニ
ルシラノールとグリニヤール化合物からマグネ
シウム化合物を合成したのち、上記〔〕で合
成したポリシロキシエステルのトルエンスラリ
ー13.8ml(0.9mmolのエステル成分を含む)を
撹拌下に滴下した。滴下終了後、110℃に昇温
して2時間撹拌を継続したのち、トルエンおよ
びジ−n−ブチルエーテルを減圧留去、乾燥し
て白色粉末を得た。得られた白色粉末に安息香
酸エチルの0.5mol/のトルエン溶液を2ml
添加し、撹拌下に110℃で2時間接触反応を行
ない、次いで実施例1の〔〕と同様にして四
塩化チタンで処理し、分離、洗浄して暗褐色の
チタン含有固体触媒成分を得た。この固体のチ
タン含有量は1.9重量%であつた。 該チタン含有固体触媒成分を使用して実施例1
の〔〕と同様にプロピレンの重合を行なつた。
結果は表−2に示す。
【表】 【図面の簡単な説明】
図−1は本発明の一態様を表わすフローチヤー
ト図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) マグネシウム化合物、 (b) チタン化合物、 (c) ケイ素含有カルボン酸エステルおよび (d) 次の2つのグループより選ばれた有機カルボ
    ン酸エステル d−:前記エステル(c)のシリル基もしくはシ
    ロキシ基を水素もしくは炭化水素基で置換し
    た構造のもの d−:前記エステル(c)のシリル基もしくはシ
    ロキシ基を水素で置換した後、該置換により
    新たに生じた炭化水素基の部分の炭素数を減
    らした構造のもの の(a)〜(d)を接触させて得られるチタン含有固体触
    媒成分ならびに有機アルミニウム化合物よりなる
    触媒の存在板にオレフインを重合させることを特
    徴とするオレフイン重合体の製造法。 2 電子供与性化合物の共存下にオレフインを重
    合させることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の方法。
JP10243182A 1982-06-15 1982-06-15 オレフイン重合体の製造法 Granted JPS58219203A (ja)

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