JPH04133360U - 表面実装型電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半田付け作業性が改善された高密度表面実装
用の電気コネクタを提供すること。 【構成】 略直角に折り曲げられたリード部を有する多
数のコンタクトを保持する絶縁ハウジングの後部に、リ
ード部と係合するリード保持溝が形成された垂直方向に
摺動可能な板状部材を用いる。半田付け作業後、この板
状部材を抜き取り、半田付け作業の適否検査を容易にす
る。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

【０００１】 本考案は電気コネクタ、特に高密度の表面実装型に好適な電気コネクタに関す る。

【０００２】

【従来の技術及びその問題点】

電気／電子機器の小型高密度化及び製造原価の低減を図る為に表面実装（ＳＭ Ｔ）技術が採用され、各種電気／電子部品をＳＭＴ構造とし、加熱又は赤外線、 レーザ光線等の放射線を照射してクリーム半田を溶融して半田付けするリフロー 半田技法が普及している。斯る小型電気／電子機器に使用する電気コネクタも同 様に低背構造且つＳＭＴ構造とするものが提案されている。

【０００３】 例えば特開平1-279581号公報には、端子テール部を相互に一定間隔に保持する 多数の案内溝及び開口が下面及び板厚方向を貫通して形成された規制部材を有す るＳＭＴ型電気コネクタを開示している。しかし、斯る従来の電気コネクタはコ ンタト数が増加し、ハーフピッチ（1.27mm) 以下の高密度となると実用化が困難 である。しかも、回路板に半田付けする迄はこの規制部材はコンタクト又は端子 を保持する為に有効であるが、一度半田付け作業が完了すると、半田付け状態を 目視又は画像処理等により自動的に検査する工程の作業性を低下させるという欠 点がある。

【０００4 】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上述の事情に鑑みて、半田接続作業迄は各コンタクトの保護の為に使 用され、放射線照射等の半田付け作業を妨害することなく、半田付け後必要に応 じて取除いて半田付け作業の便に供することのできる新しいＳＭＴ型電気コネク タを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案のＳＭＴ型電気コネクタによると、取付回路板に平行な接触部、垂直な リード部及び半田付け部を有するコンタクトの垂直リード部に沿ってコンタクト のリード保持溝が形成された垂直摺動可能な板状部材（又はタインプレート）を 有する。この板状部材は電気コネクタが回路板に取付けられ半田付け部が半田接 続されるまでコンタクトの垂直リード部を係合保護し、半田付け作業後は抜き取 り、半田接続部の目視検査を容易にする。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案のＳＭＴ型電気コネクタの好適実施例Ｗを添付図を参照して詳細 に説明する。

【０００７】 図１は本考案のＳＭＴ型電気コネクタの好適実施例のコンタクトに沿う断面 図であり、図２はその正面図である。これらの図から明らかな如く、本考案のＳ ＭＴ型電気コネクタ10はリセプタクル型コネクタであり、絶縁ハウジング12を有 する。絶縁ハウジング12は水平取付面14、この取付け面14から突出する略円柱状 取付けポスト16、垂直嵌合面20を有する。嵌合面20には後方へ延びる水平凹部22 を有し、ここに嵌合相手のプラグコネクタ( 図示せず) の嵌合部が挿入される。 凹部22の上下面に沿って２列のコンタクト受容開口24a 、24b が形成され、その 中にコンタクト25、26が挿入保持されている。コンタクト25、26は凹部22内に突 出する接触部25a 、26a 、これら接触部から後方へ延びた後取付け面14に対して 略垂直に曲げられた垂直リード部25b 、26b 及び取付け面14と略同一面に折曲げ られた半田接続部25c 、26c を有する。取付けポスト16はその中心部に軸方向に すり割り（スリット）17が形成され、その内部に突刺( バーブ）を有する金属製 保持具18が挿入され、回路板の開口内への係合保持力を補強している。嵌合部15 は図2 から明らかなごとく略Ｄ字状に形成され、例えば1.27mmピッチの高密度で 上下2 列に多数のコンタクト25、26が配置されている。２列のコンタクト25、26 の半田接続部25c 、26c は取付け面14に略一致して一列に配置されるので、ピッ チは例えば0.635mm の高密度となる。

【０００８】 上述の如く、上下２列に配置したコンタクト25、26を取付け面14では一列に配 置する為に各コンタクト25、26のリード部、特に水平延長部は相互に偏位させて 垂直部25b 、26b が一定ピッチとなるようにしている。0.635mm の一定ピッチの リード部25b 、26b を相互に短絡することなく回路板に実装される迄保持する必 要がある。そこで、本考案のＳＭＴ型電気コネクタ10によると、板状部材( 又は タインプレート)30 を使用する。この板状部材30はコンタクト25、26のリード部 25b 、26b と同じピッチのリード保持溝32を有し、各リード部25b 、26b がリー ド保持溝32内に受容され、外力が加っても相互に一定間隔に保持する。

【０００９】 板状部材30の詳細は、本考案によるＳＭＴ型電気コネクタ10の斜視図を示す図 ３及びその一部破断図を示す図 4を参照する以下の説明から理解されよう。図 3 は嵌合面20を前面にした斜め上方から見た図であって、絶縁ハウジング12の突出 した嵌合部15の凹部22内に下側の多数のコンタクト26の弾性接触部26a が見える 。各コンタクト26の接触部26a は凹部22の下面の溝22a 内に上下移動可能に保持 されている。図示せずも上側コンタクト25についても同様に構成される。絶縁ハ ウジング12の後部両端には取付けポスト16が一体に形成されていると共にその軸 方向のスリット17に上方から先端に１対のバーブ付き弾性保持脚を有する補強金 具18が圧入固定されている( 図４参照) 。

【００１０】 絶縁ハウジング12の後部両端近傍には対向する垂直板13a 、13b が形成される 。この垂直板13a 、13b には上面から下方にスロットが形成され、このスロット 内にタインプレートとなる板状部材30が垂直方向に滑入されて摩擦保持される。 この板状部材30の下端部前方にはコンタクト25、26の垂直リード部25b 、26b を 受けるリード保持溝32が多数形成されている。このリード保持溝32は図４の如く 、板状部材30の表面のみに形成してもよいが、必要に応じて板厚方向に貫通する スリットであってもよいこと勿論である。この板状部材30の下端後方面は好まし くは図１に示す如くテーパ31を形成する。これにより、コネクタ10を回路板に取 付けた後、コネクタ10の後方から、赤外線等の放射( 熱) 線をコンタクト25、26 の半田接続部25c 、26c に照射して加熱して回路板表面に形成された対応する導 体パッド上のクリーム半田を溶融して半田付け作業を容易にする。

【００１１】 コンタクト25、26の半田付け作業が完了すると、各コンタクト25、26のリード 部は絶縁ハウジング12のコンタクト受容通路24a 、24b 及び半田付けされた半田 接続部25c 、26c で固定されるので最早板状部材30は不要である。むしろ、半田 付け作業が適切に行われたか否かを確認するには板状部材30は邪魔であるので、 この板状部材30を上方ヘ摺動させて取り除く。これにより、コンタクト25、26の リード部は露出するので作業者が目視により、又は撮像装置を使用した画像処理 により半田付け作業の適否を容易に確認することを可能にする。

【００１２】 以上、本考案のＳＭＴ型電気コネクタを好適実施例に基づいて詳細に説明した 。しかし、本考案は斯る実施例のみに限定するものではなく、その要旨を逸脱す ることなく用途に応じて種々の変形変更が可能であることが理解できよう。例え ば、絶縁ハウジングの取付けポスト又は取付け金具の一方は省略してもよい。ま た、コンタクトはリセプタクル型であることを要せず、ＳＭＴ用リード部を有す る任意形状のものでよい。

【００１３】

【考案の効果】

本考案のＳＭＴ型電気コネクタによると、回路板に取付け半田付けする迄は各 コンタクトのリード部を整列保護する板状部材を用い、半田付け作業後これを取 外して半田付け作業の適否確認を容易にする。従って、高密度のＳＭＴ型電気コ ネクタの作業性が著しく改善できるので実用上の効果が顕著である。また、板状 部材は必要に応じて反復使用することも可能である。

【提出日】平成４年６月１６日

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】考案の詳細な説明

【補正方法】変更

【補正内容】 【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電気コネクタ、特に高密度の表面実装型に好適な電気コネクタに関す る。

【０００２】

【従来の技術及びその問題点】

電気／電子機器の小型高密度化及び製造原価の低減を図る為に表面実装（ＳＭ Ｔ）技術が採用され、各種電気／電子部品をＳＭＴ構造とし、加熱又は赤外線、 レーザ光線等の放射線を照射してクリーム半田を溶融して半田付けするリフロー 半田技法が普及している。斯る小型電気／電子機器に使用する電気コネクタも同 様に低背構造且つＳＭＴ構造とするものが提案されている。

【０００３】 例えば特開平１−２７９５８１号公報には、端子テール部を相互に一定間隔に 保持する多数の案内溝及び開口が下面及び板厚方向を貫通して形成された規制部 材を有するＳＭＴ型電気コネクタを開示している。しかし、斯る従来の電気コネ クタはコンタクト数が増加し、ハーフピッチ（１．２７ｍｍ）以下の高密度とな ると実用化が困難である。しかも、回路板に半田付けする迄はこの規制部材はコ ンタクト又は端子を保持する為に有効であるが、一度半田付け作業が完了すると 、半田付け状態を目視又は画像処理等により自動的に検査する工程の作業性を低 下させるという欠点がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上述の事情に鑑みて、半田接続作業迄は各コンタクトの保護の為に使 用され、放射線照射等の半田付け作業を妨害することなく、半田付け後必要に応 じて取除いて半田付け作業の便に供することのできる新しいＳＭＴ型電気コネク タを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のＳＭＴ型電気コネクタによると、取付回路板に平行な接触部、垂直な リード部及び半田付け部を有するコンタクトの垂直リード部に沿ってコンタクト のリード保持溝が形成された垂直摺動可能な板状部材（又はタインプレート）を 有する。この板状部材は電気コネクタが回路板に取付けられ半田付け部が半田接 続されるまでコンタクトの垂直リード部を係合保護し、半田付け作業後は抜き取 り、半田接続部の目視検査を容易にする。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案のＳＭＴ型電気コネクタの好適実施例Ｗを添付図を参照して詳細 に説明する。

【０００７】 図１は本考案のＳＭＴ型電気コネクタの好適実施例のコンタクトに沿う断面図 であり、図２はその正面図である。これらの図から明らかな如く、本考案のＳＭ Ｔ型電気コネクタ１０はリセプタクル型コネクタであり、絶縁ハウジング１２を 有する。絶縁ハウジング１２は水平取付面１４、この取付け面１４から突出する 略円柱状取付けポスト１６、垂直嵌合面２０を有する。嵌合面２０には後方へ延 びる水平凹部２２を有し、ここに嵌合相手のプラグコネクタ（図示せず）の嵌合 部が挿入される。凹部２２の上下面に沿って２列のコンタクト受容開口２４ａ、 ２４ｂが形成され、その中にコンタクト２５、２６が挿入保持されている。コン タクト２５、２６は凹部２２内に突出する接触部２５ａ、２６ａ、これら接触部 から後方へ延びた後取付け面１４に対して略垂直に曲げられた垂直リード部２５ ｂ、２６ｂ及び取付け面１４と略同一面に折曲げられた半田接続部２５ｃ、２６ ｃを有する。取付けポスト１６はその中心部に軸方向にすり割り（スリット）１ ７が形成され、その内部に突刺（バーブ）を有する金属製保持具１８が挿入され 、回路板の開口内への係合保持力を補強している。嵌合部１５は図２から明らか なごとく略Ｄ字状に形成され、例えば１．２７ｍｍピッチの高密度で上下２列に 多数のコンタクト２５、２６が配置されている。２列のコンタクト２５、２６の 半田接続部２５ｃ、２６ｃは取付け面１４に略一致して一列に配置されるので、 ピッチは例えば０．６３５ｍｍの高密度となる。

【０００８】 上述の如く、上下２列に配置したコンタクト２５、２６を取付け面１４では一 列に配置する為に各コンタクト２５、２６のリード部、特に水平延長部は相互に 偏位させて垂直部２５ｂ、２６ｂが一定ピッチとなるようにしている。０．６３ ５ｍｍの一定ピッチのリード部２５ｂ、２６ｂを相互に短絡することなく回路板 に実装される迄保持する必要がある。そこで、本考案のＳＭＴ型電気コネクタ１ ０によると、板状部材（又はタインプレート）３０を使用する。この板状部材３ ０はコンタクト２５、２６のリード部２５ｂ、２６ｂと同じピッチのリード保持 溝３２を有し、各リード部２５ｂ、２６ｂがリード保持溝３２内に受容され、外 力が加っても相互に一定間隔に保持する。

【０００９】 板状部剤３０の詳細は、本考案によるＳＭＴ型出にコネクタ１０の斜視図を示 す図３及びその一部破断図を示す図４を参照する以下の説明から理解されよう。 図３は嵌合面２０を前面にした斜め上方から見た図であって、絶縁ハウジング１ ２の突出した嵌合部１５の凹部２２内に下側の多数のコンタクト２６の弾性接触 部２６ａが見える。各コンタクト２６の接触部２６ａは凹部２２の下面の溝２２ ａ内に上下移動可能に保持されている。図示せずも上側コンタクト２５について も同様に構成される。絶縁ハウジング１２の後部両端には取付けポスト１６が一 体に形成されていると共にその軸方向のスリット１７に上方から先端に１対のバ ーブ付き弾性保持脚を有する補強金具１８が圧入固定されている（図４参照）。

【００１０】 絶縁ハウジング１２の後部両端近傍には対向する垂直板１３ａ、１３ｂが形成 される。この垂直板１３ａ、１３ｂには上面から下方にスロットが形成され、こ のスロット内にタインプレートとなる板状部材３０が垂直方向に滑入されて摩擦 保持される。この板状部材３０の下端部前方にはコンタクト２５、２６の垂直リ ード部２５ｂ、２６ｂを受けるリード保持溝３２が多数形成されている。このリ ード保持溝３２は図４の如く、板状部材３０の表面のみに形成してもよいが、必 要に応じて板厚方向に貫通するスリットであってもよいこと勿論である。この板 状部材３０の下端後方面は好ましくは図１に示す如くテーパ３１を形成する。こ れにより、コネクタ１０を回路板に取付けた後、コネクタ１０の後方から、赤外 線等の放射（熱）線をコンタクト２５、２６の半田接続部２５ｃ、２６ｃに照射 して加熱して回路板表面に形成された対応する導体パッド上のクリーム半田を溶 融して半田付け作業を容易にする。

【００１１】 コンタクト２５、２６の半田付け作業が完了すると、各コンタクト２５、２６ のリード部は絶縁ハウジング１２のコンタクト受容通路２４ａ、２４ｂ及び半田 付けされた半田接続部２５ｃ、２６ｃで固定されるので最早板状部材３０は不要 である。むしろ、半田付け作業が適切に行われたか否かを確認するには板状部材 ３０は邪魔であるので、この板状部材３０を上方へ摺動させて取り除く。これに より、コンタクト２５、２６のリード部は露出するので作業者が目視により、又 は撮像装置を使用した画像処理により半田付け作業の適否を容易に確認すること を可能にする。

【００１２】 以上、本考案のＳＭＴ型電気コネクタを好適実施例に基づいて詳細に説明した 。しかし、本考案は斯る実施例のみに限定するものではなく、その要旨を逸脱す ることなく用途に応じて種々の変形変更が可能であることが理解できよう。例え ば、絶縁ハウジングの取付けポスト又は取付け金具の一方は省略してもよい。ま た、コンタクトはリセプタクル型であることを要せず、ＳＭＴ用リード部を有す る任意形状のものでよい。

【００１３】

【考案の効果】

本考案のＳＭＴ型電気コネクタによると、回路板に取付け半田付けする迄は各 コンタクトのリード部を整列保護する板状部材を用い、半田付け作業後これを取 外して半田付け作業の適否確認を容易にする。従って、高密度のＳＭＴ型電気コ ネクタの作業性が著しく改善できるので実用上の効果が顕著である。また、板状 部材は必要に応じて反復使用することも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるＳＭＴ型電気コネクタの好適実施
例のコンタトに沿う断面図。

【図２】図１のＳＭＴ型電気コネクタの正面図。

【図３】図１のＳＭＴ型電気コネクタの正面斜上方から
見た斜視図。

【図４】絶縁ハウジングを一部破断した図３と同様の斜
視図。

【符号の説明】

10 電気コネクタ 12 絶縁ハウジング 14 底面 25、26 コンタクト 25b 、26b リード部 25c 、26c 半田接続部 30 板状部材 32 リード保持溝

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【手続補正書】

【提出日】平成４年６月１６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】考案の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【考案の名称】 表面実装型電気コネクタ

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回路板への取付部を有する底面及び該底
   面に直交する嵌合面を有する絶縁ハウジングと、該絶縁
   ハウジング内に保持され、略直角に曲げられたリード部
   及び前記底面と略一致する半田接続部を有する複数のコ
   ンタクトとを有する表面実装型電気コネクタにおいて、
   前記コンタクトの垂直リード部に沿って形成された多数
   のリード保持溝が形成され垂直方向に移動可能な板状部
   材を有することを特徴とする表面実装型電気コネクタ。