JPH04133136U - 穀粒排出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 穀粒排出口を適宜な排出位置に向けることが
できるものでありながら、軽量かつ構造簡単な穀粒排出
装置を提供する。 【構成】 回転駆動されて穀粒搬送するコイルスクリュ
ー５を内装した可撓管８を、グレンタンク４下部に連設
するとともに、前記可撓管８に形成された穀粒排出口８
ａが前記グレンタンク４に対して前後左右上下に相対位
置変更できるよう、前記可撓管８を姿勢変更する姿勢変
更機構９を設けてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えばコンバイン等のグレンタンクに備えられる穀粒排出装置に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の穀粒排出装置としては、例えば実開平２−１２７１４２号公報 に開示されたもののように、スクリューを内装した金属製搬送管をグレンタンク の一端部に連設し、穀粒を揚送する縦搬送スクリュー部と、この縦搬送スクリュ ー部に対して縦軸芯周りに回動自在かつ起伏自在に連係した横搬送スクリュー部 とに分割構成していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来構造のものにあっては、横搬送スクリュー部の端部の 穀粒排出口を適宜な排出位置に向けることができるように、横搬送スクリュー部 を上記のように縦搬送スクリュー部に対して縦軸芯周りに回動自在かつ起伏自在 に連係しているのであるが、横搬送スクリューは、金属製搬送管で構成されるた め、重量的に大であるとともに、縦搬送スクリューに片持ち支持されていること でその支持強度を高く構成しかつ前記回動及び起伏作動の動力源として駆動動力 の大きなアクチュエータを用いる必要があり、また、縦搬送スクリュー部と横搬 送スクリュー部との連設部分を通して縦搬送スクリュー部から搬送スクリュー部 への動力伝達を行っているので横搬送スクリュー部の姿勢変更にかかわらずその 伝動を行える複雑な構造となるため、コスト的に割高となっていた。

【０００４】 本考案は、上記実情に鑑みてなされたものであって、穀粒排出口を適宜な排出 位置に向けることができるものでありながら、軽量かつ構造簡単な穀粒排出装置 の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案にかかる穀粒排出装置は、上記目的を達成するために、回転駆動されて 穀粒搬送するコイルスクリューを内装した可撓管を、グレンタンク下部に連設す るとともに、前記可撓管に形成された穀粒排出口が前記グレンタンクに対して前 後左右上下に相対位置変更できるよう、前記可撓管を姿勢変更する姿勢変更機構 を設けてあることを特徴構成とする。 尚、前記姿勢変更機構は、基端側を縦軸心周りに回動自在でかつ横軸心周りに 起伏自在に機体側に枢着するとともに遊端側を前記可撓管に取付けたアームと、 このアームを姿勢変更駆動するアクチュエータとで構成してあるものでもよい。 かかる特徴構成による作用・効果は次の通りである。

【０００６】

【作用】

すなわち、可撓管及びコイルスクリューは捩じれ及び屈曲自在なものであるか ら自在に姿勢変更可能なものであり、姿勢変更機構によって、穀粒排出口をグレ ンタンクに対して前後左右上下で適宜に位置させるように可撓管を姿勢変更する ことで、例えば運搬車の荷台等の所望位置に穀粒を排出できる。 また、可撓管及びコイルスクリューはグレンタンクとの連結箇所から穀粒排出 口まで一連の部材で構成されるとともに、可撓管として合成樹脂製管を利用する ことで軽量に構成できる。

【０００７】

【考案の効果】

したがって、本考案にかかる穀粒搬送装置は、剛体の金属製搬送管を用いた従 来のものに比べて分割構成しないことで構造簡単になるとともに、軽量に構成で きて、かつ可撓管を姿勢変更するためのアクチュエータも小出力のもので済むの で、安価に構成できるに至った。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図３に、本考案にかかる穀粒搬出装置を備えたコンバインを示している。この コンバインは、脱穀装置２と、この脱穀装置２で脱穀処理後揚穀装置３を介して 供給される穀粒を貯留するグレンタンク４とを機体１に搭載して構成してある。

【０００９】 グレンタンク４内の底部には、図１及び図２に示すように、穀粒を後方に搬送 するコイルスクリュー５を前後方向に沿って配設している。このコイルスクリュ ー５は、位相を１８０度ずらした２重のコイル（図では１重のものに簡略してい る）から成り、その前端部に伝達される動力で前後軸心周りに回転駆動される。 そして、グレンタンク４の後部壁面の下部には、前方がわに入り込んだ凹入部６ を形成してあり、その前端に形成の穀粒出口４ａに、穀粒搬出装置７を連設して いる。

【００１０】 穀粒搬出装置７は、合成樹脂製の可撓性を有する可撓管８と、この可撓管８内 に前記穀粒出口４ａを通して導入延出される前記コイルスクリュー５とで構成し ているとともに、可撓管８の先端に設けた穀粒排出口８ａ近くまでコイルスクリ ュー５を延出させて構成している。そして、穀粒搬出装置７は、可撓管８を姿勢 変更できる姿勢変更機構９によって姿勢保持されている。

【００１１】 姿勢変更機構９は、グレンタンク４の天板部４Ａに縦軸心Ｐ周りで回動可能に 支持された回動支持部１０と、この回動支持部１０に一端を横軸心Ｒ周りで揺動 可能に枢着されかつ他端を可撓管８の先端に取り付けたアーム１１と、このアー ム１１を起伏揺動駆動するためアーム１１と前記回動支持部１０とにわたって設 けた電動シリンダ１２と、前記回動支持部１０を回動駆動するためギア機構１３ を介して回動支持部１０に連動連結した電動モータ１４とで構成している。ここ で、電動シリンダ１２及び電動モータ１４は、アクチュエータを構成するもので ある。すなわち、アーム１１は、電動モータ１４の回動駆動並びに電動シリンダ １２の伸縮駆動によって、縦軸心Ｐ周りに回動自在並びに横軸心Ｒ周りに揺動自 在に操作され、このアーム１１の操作に伴って可撓管８もその穀粒排出口８ａが 前記グレンタンク４に対して前後左右上下に相対位置変更できるよう姿勢変更す る。尚、可撓管８は、グレンタンク４との連結部から屈曲した状態で立ち上がり 姿勢となり、アーム１１の基端近くでまた屈曲した状態となってアーム１１の先 端部に支持されており、穀粒排出しないときはアーム１１がグレンタンク４の天 板部４Ａに沿うよう格納される。

【００１２】 また、穀粒排出作業に際しては、図１に示すように、穀粒排出口８ａに適当な 長さのビニールホース１５を取り付けることで、コンバインから離れたところへ の穀粒排出を行ったり、穀粒袋１６に穀粒を供給したりすることができる。 尚、前記揚穀装置３も、可撓性のある穀粒搬送管にコイルスクリューを内装し て構成している。

【００１３】 〔別実施例〕 （イ） 穀粒搬出装置において、グレンタンクとの連結部からアームの基端近く までの屈曲性の必要な部分のみ可撓管で構成し、先端部分を剛性管で構成するこ と。 （ロ） 可撓管を姿勢変更するためのアクチュエータとして、油圧アクチュエー タを用いること。 （ハ） 可撓管に内装されるコイルスクリューを、一重のもので構成すること。 （ニ） グレンタンク底部の穀粒搬送用スクリューを、羽根式のスクリューコン ベアで構成し、その終端と穀粒搬出装置のコイルスクリューの始端とを連設する こと。

【００１４】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】グレンタンク及び穀粒排出装置を示す一部破断
側面図

【図２】グレンタンク及び揚穀装置等を示す一部破断正
面図

【図３】コンバインを示す全体側面図

【符号の説明】

４ グレンタンク ５ コイルスクリュー ８ 可撓管 ８ａ 穀粒排出口 ９ 姿勢変更機構 １１ アーム １２，１４ アクチュエータ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転駆動されて穀粒搬送するコイルスク
   リュー（５）を内装した可撓管（８）を、グレンタンク
   （４）下部に連設するとともに、前記可撓管（８）に形
   成された穀粒排出口（８ａ）が前記グレンタンク（４）
   に対して前後左右上下に相対位置変更できるよう、前記
   可撓管（８）を姿勢変更する姿勢変更機構（９）を設け
   てある穀粒排出装置。
2. 【請求項２】 前記姿勢変更機構（９）は、基端側を縦
   軸心周りに回動自在でかつ横軸心周りに起伏自在に機体
   側に枢着するとともに遊端側を前記可撓管（８）に取付
   けたアーム（１１）と、このアーム（１１）を姿勢変更
   駆動するアクチュエータ（１２），（１４）とで構成し
   てある請求項１に記載の穀粒排出装置。