JPH0413254Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はウエビングが車体前後方向へ移動され
てウエビングの自動装着がなされるオートマチツ
クシートベルト装置に関する。

〔従来の技術〕

ウエビングが乗車後の乗員へ自動装着される所
謂オートマチツクシートベルト装置が提案されて
いる。

この種のシートベルト装置では、巻取装置から
引き出されたウエビングの先端部には、アンカー
プレートが連結されている。このアンカープレー
トはドアオープニングに沿つて車体に取り付けら
れたガイドレールに案内されて車体前後方向へ移
動可能とされている。アンカープレートは乗員が
シートへ着座した後、ドアを閉じると、車両後方
へ移動され、これによつてウエビングが乗員へ自
動装着されるようになつている。また、降車時に
ドアが開かれると、アンカープレートが車両前方
へ移動され、これによつてウエビングが乗員から
装着解除されるようになつている。

ところで、アンカープレートは電気的な制御で
駆動されるようになつているので、電気的なトラ
ブルが生じた場合の対策としてウエビングの先端
部とアンカープレートとを連結板を介してボルト
で離脱可能に連結していた。このため手動でウエ
ビングの装着を解除できるが、ウエビング非装着
状態でアンカープレートが停止した場合の対策は
ない。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は上記事実を考慮し、故障等により移動
部材の移動ができなくなつた場合であつても、ウ
エビングの自動装着機能を確保することができ、
必要に応じて手動装着することもできるオートマ
チツクシートベルト装置を得ることが目的であ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係るオートマチツクシートベルト装置
は、車体側に車体前後方向へ移動可能に支持され
た移動部材へウエビングの一端部が支持部材を介
して連結されるオートマチツクシートベルト装置
であつて、支持部材と移動部材とを離脱可能に支
持する支持手段と、移動部材が配置された側のド
アの後端部に回転可能に支持され、通常はドアに
取付けられたカバー内に収納されると共に、回転
移動されて前記カバーから露出した状態では移動
部材から離脱された支持部材を離脱可能に連結す
るアンカ部材と、を備えたことを特徴としてい
る。

〔作用〕

上記構成のオートマチツクシートベルト装置で
は、移動部材の移動ができなくなつた場合であつ
ても、支持手段で移動部材に支持された支持部材
を乗員の操作により移動部材から離脱した後に、
支持部材をアンカ部材に連結、解離することによ
つてウエビングを装着、解除することができる。

またこの支持部材とアンカ部材の連結状態で
は、アンカ部材はドアの後端部に回転可能に支持
されているため、ドアの開閉に連動して自動的に
ウエビングが移動され、移動部材の移動ができな
い状態にも拘わらず、ウエビングを自動的に装
着、解除することができる。

さらに、アンカ部材はカバー内に収納される構
成であるため、未使用時には外部に露出すること
がなく、見栄えも良くなる。

〔実施例〕

第１図乃至第４図には、本考案に係るオートマ
チツクシートベルト装置の実施例が示されてい
る。

第１図に示されるように、車体天井壁の一部を
構成するルーフサイドメンバ１０には、ガイドレ
ール１２の中間部が略水平状態で配置されてい
る。このガイドレール１２の前方端部はフロント
ピラー１４に沿つて傾斜状態で配置されている。
また、ガイドレール１２の後方端部は下方に向け
て略直角に屈曲されてセンターピラー１６に沿つ
て配置されている。

このガイドレール１２には、長手方向に沿つて
図示しないテープ収容溝が形成されており、図示
しない可撓性テープを緊密に収容してガイドレー
ル１２の長手方向に沿つてスライド可能に案内し
ている。この可撓性テープは一端部が移動部材で
あるアンカープレート２０に係止され、他端部が
センターピラー１６の下端部に取り付けられてい
る駆動装置２２を通つてテープ案内レール２３に
スライド可能に収容されている。

駆動装置２２は、図示しないモータの駆動力を
受けて可撓性テープに圧縮力又は引張力を与えて
可撓性テープを長手方向に移動し、アンカープレ
ート２０を車両前後方向へ移動するようになつて
いる。この駆動装置２２はドアの開閉動作等によ
つて乗員の乗降を検出し、アンカープレート２０
を移動させ、アンカープレート２０がガイドレー
ル１２の車両前方側端部又は車両後方側端部に達
した時点で駆動を停止する。なお、駆動装置２２
はドアの開放動作時と閉止動作時とでは逆に駆動
される。

このように車体前後方向へ移動可能とされたア
ンカープレート２０には、第２図に示されるよう
に支持部材である連結板２４を介してウエビング
２６の一端部が連結されている。

すなわちウエビング２６の一端部は連結板２４
に形成された長孔２４Ａを通した後に反転されて
中間部に逢着されている。このウエビング２６の
他端部は第１図に示されるように車両略中央に取
り付けられている巻取装置３２へ付勢力で巻き取
られている。巻取装置３２には、車両緊急時にウ
エビング２６の引き出しを瞬時に停止させるイナ
ーシャーロツク機構が内蔵されている。

連結板２４の円孔２４Ｂへは支持手段を構成す
るボルト２８が貫通しアンカープレート２０の雌
ねじ２０Ａへ螺合することにより、連結板２４が
アンカープレート２０に取り付けられている。ま
たボルト２８を雌ねじ２０Ａから離脱すれば連結
板２４をウエビング２６とともにアンカープレー
ト２０から離脱することができる。

また、この連結板２４は、第３図及び第４図に
示す如く、ドア３８に取り付けられているアンカ
部材としてのアンカープレート４０にボルト２８
を介して取り付け可能とされている。アンカープ
レート４０は第４図に示されるように上端部が段
付ボルト４２を介してドア３８の窓枠後端部に回
転可能に取り付けられている。このアンカープレ
ート４０は通常時は第３図に一点鎖線で示される
ようにドア３８の窓枠後端部に取り付けられてい
るカバー４４内に格納されていて、使用時には第
３図に実線で示されるように手動操作により引き
出されるようになつている。

次に本実施例の作用を説明する。

アンカープレート２０は乗員の乗降時にはドア
の開放動作で、連結板２４及びウエビング２６と
ともに車両前方側の移動限に位置される。これに
よつて乗員の乗降を容易にし、乗員の着座後はア
ンカープレート２０がドアの閉止動作で第１図に
一点鎖線で示されるように車両後方側の移動限に
移動されて、ウエビング２６を乗員へ自動装着さ
せる。これにより、連結板２４と巻取装置３２と
の間のウエビング中間部が乗員の胸部に位置され
てシヨルダウエビングとして作用し、乗員は車両
緊急時にウエビング２６で確実に拘束される。

また、電気的なトラブル等で、アンカープレー
ト２０が移動されず、ウエビング２６を自動装着
できない場合には、連結板２４をウエビング２６
とともにアンカープレート２０から離脱して第３
図に示されるようにボルト２８を介してアンカー
プレート４０に連結すれば、ウエビング２６を乗
員が手動装着することができる。この場合にも連
結板２４と巻取装置３２との間のウエビング中間
部が乗員の胸部に位置されてシヨルダウエビング
として作用し、乗員は車両緊急時にウエビング２
６で確実に拘束される。

またこの連結板２４をアンカープレート４０へ
連結した状態では、アンカープレート４０はドア
３８の窓枠後端部に回転可能に支持されているた
め、ドア３８の開閉に連動して自動的にウエビン
グ２６が移動され、アンカープレート２０の移動
ができない状態にも拘わらず、ウエビング２６を
自動的に装着、解除することができる。

さらに、アンカープレート４０はカバー４４内
に収納される構成であるため、未使用時には外部
に露出することがなく、見栄えも良くなる。

なお、この場合のウエビング装着状態は連結板
２４をウエビング２６とともにアンカープレート
４０から離脱させることで装着解除される。

このように本実施例では、ウエビング２６の手
動装着が可能とされて、ウエビング非装着状態で
アンカープレート２０が電気的なトラブル等で停
止した場合でもウエビング２６を装着することが
できるのみならず、このような状態においても連
結板２４をドア３８に連動させることによりウエ
ビング２６の自動装着機能を確保することができ
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係るオートマチツ
クシートベルト装置は、車体側に車体前後方向へ
移動可能に支持された移動部材へウエビングの一
端部が支持部材を介して連結されるオートマチツ
クシートベルト装置であつて、支持部材と移動部
材とを離脱可能に支持する支持手段と、移動部材
が配置された側のドアの後端部に回転可能に支持
され、通常はドアに取付けられたカバー内に収納
されると共に、回転移動されて前記カバーから露
出した状態では移動部材から離脱された支持部材
を離脱可能に連結するアンカ部材と、を備えたこ
とを特徴としているので、故障等により移動部材
が移動できない場合であつても、ウエビングの自
動装着機能を確保することができ、必要に応じて
手動装着することもできる優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るオートマチツク
シートベルト装置のウエビング装着状態を示す概
略図、第２図は第１図のアンカープレートと連結
板との取付状態を示す分解斜視図、第３図はオー
トマチツクシートベルト装置の要部概略図、第４
図は第３図の要部取付状態を示す分解斜視図であ
る。 ２０……アンカープレート（移動部材）、２４
……連結板（支持部材）、２６……ウエビング、
２８……ボルト（支持手段）、３８……ドア、４
０……アンカープレート（アンカ部材）、４４…
…カバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体側に車体前後方向へ移動可能に支持された
   移動部材へウエビングの一端部が支持部材を介し
   て連結されるオートマチツクシートベルト装置で
   あつて、 支持部材と移動部材とを離脱可能に支持する支
   持手段と、 移動部材が配置された側のドアの後端部に回転
   可能に支持され、通常はドアに取付けられたカバ
   ー内に収納されると共に、回転移動されて前記カ
   バーから露出した状態では移動部材から離脱され
   た支持部材を離脱可能に連結するアンカ部材と、 を備えたことを特徴とするオートマチツクシート
   ベルト装置。