JPH0413253Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両用吊り天井に取り付けられた袋体
内に挿通されたリステイングワイヤに関する。

一般に車両用吊り天井は第１図及び第２図に示
すように天井１の上面に天井１の幅方向に長い袋
体２が適宜間隔をもつて縫い付けられている。袋
体２内にはリステイングワイヤ３が挿通され、こ
のリステイングワイヤ３の両端はジヨイント４を
介してインナールーフ５に固定される。天井１の
端末６にはルーフ７、インナールーフ５とともに
オープニングトリム８が嵌合され、これによつて
天井１がルーフ７の下面に架設される。しかしな
がら従来の天井の取り付け構造では、窓をあけて
高速走行を行うと風圧でリステイングワイヤ３が
回転し天井１が脱落を起こすという危惧があつ
た。これに対処すべくルーフに係止片を設けてリ
ステイングワイヤの回り止めを行うことも検討さ
れたが回り止めが確実でなく、しかも構造が複雑
になる欠点がある。

従つて本考案の目的は従来の欠点を解消すべく
リステイングワイヤを堅固に固定するリステイン
グワイヤを提供することにある。

以下図面に示した実施例にしたがつて本考案を
詳細に説明する。

第３図及び第４図において、合成樹脂を主体と
して所定形状に成形された天井９の上面には袋体
１０が溶着あるいは縫製等の手段で間隔を置いて
取り付けられている。袋体１０内にはリステイン
グワイヤ１１が挿通されており、このリステイン
グワイヤ１１の両端は下方に折曲され、直接また
は図示しないジヨイントを介してルーフ１２の両
サイド側に設けられたインナールーフの孔に嵌入
して固定されている。リステイングワイヤ１１の
袋体１０から露出した部分１４は例えば糸やワイ
ヤ等の１本の連結線１３でしつかり巻きつけられ
る。リステイングワイヤ１１の各露出した部分１
４に巻きつけられる連結線１３の前後両端１５は
ルーフ１２を固定しているオープニングトリム１
６で天井９の端部とともに固定されている。第５
図は他の実施例を示し、第３図と同じ部材は同一
符号で示されている。連結線１３は第３図及び第
４図に示したと同様にリステイングワイヤ１１に
巻きつけられて各リステイングワイヤ１１を緊縛
状態に固定し、リステイングワイヤ１１を相互に
連結している。連結線１３の前後両端１３ａはイ
ンナールーフ１７に固定される。第６図はリステ
イングワイヤ１１を固定する別の実施例を示す。
袋体１０には袋状部１０ａを把持する握持部材１
８が固定される。握持部材１８は袋状部１０ａの
外側からリステイングワイヤ１１を握持する。握
持部材１８は図示しないルーフ側に突出する舌片
１９が設けられている。舌片１９には孔２０が形
成され、この孔２０に連結線１３が挿通される。
孔２０に挿通された連結線１３は舌片１９の上端
を一周りして再び孔２０に挿通される。このよう
にして各舌片１９の孔２０を介して握持部材１８
を緊縛状態に固定して巻きつけられていつた連結
線１３の両端は第３図あるいは第５図に示した同
様な方法で固定される。

このようにして設けられた連結線は、車両の前
方方向に向かう回転モーメントが加えられた時は
車両の後方側で固定された連結線１３の端部に緊
張が加えられてリステイングワイヤ１１の回転を
阻止し、逆に車両の後方に向かう回転モーメント
が加えられた場合には車両の前方側で固定された
連結線１３の端部に緊張が加えられてリステイン
グワイヤ１１の回転を阻止する。

以上説明したように、袋体１０に挿通された
個々のリステイングワイヤ１１、あるいは上記袋
体１０を介してリステイングワイヤ１１を握持す
る握持部材１８を緊縛状態に固定して連結する糸
やワイヤ等の連結線１３を設け、該連結線１３の
前後両端を、車両ルーフ１２を固定するオープニ
ングトリム１６またはインナールーフ１７に固定
したことにより、リステイングワイヤ１１を堅固
に固定できる。従つて従来のように窓をあけて高
速運転することにより風圧でリステイングワイヤ
１１が回転し、天井９が脱落するというおそれを
解消することができる。また連結線１３の取り付
けは簡単に行うことができる。

なお、第６図では連結線１３を舌片１９の孔２
０を介して巻き付けて説明したが、孔２０の両側
から別々の連結線を挿通し、舌片１９の上端側で
別々の連結線の先端を相互に堅く結ぶようにして
舌片１９に対して連結線を取り付けてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は車両の天井の取り付け構造
を示す斜視図及び断面図であり、第３図は本考案
を施した車両の天井取り付け構造を示す断面図で
あり、第４図はリステイングワイヤを固定した状
態を示す拡大断面図であり、第５図はリステイン
グワイヤを固定する連結線の他の取り付け構造を
示す断面図であり、第６図は袋体に握持部材を取
り付けてリステイングワイヤを固定する別の実施
例を示す斜視図である。 ９……天井、１０……袋体、１１……リステイ
ングワイヤ、１２……ルーフ、１４……固定部、
１８……握持部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車両の天井の上面に適宜間隔で車幅方向に延長
   する如く設けられた各袋体内に挿通され、かつ両
   端が車両ルーフの両サイド側に固定される複数本
   のリステイングワイヤにより上記天井を車両ルー
   フ側に吊架するリステイングワイヤにおいて、 該個々のリステイングワイヤ、あるいは上記袋
   体を介してリステイングワイヤを握持する握持部
   材を緊縛状態に固定して連結する糸やワイヤ等の
   連結線を設け、該連結線の前後両端を、車両ルー
   フを固定するオープニングトリムまたはインナー
   ルーフに固定したことを特徴とする車両用吊り天
   井のリステイングワイヤ。