JPH04131283A - 感熱転写記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 二の発明は、感熱転写記録媒体に関する。さらに詳しく
は、この発明は、色重ね転写におけるカラーバランスを
向上させた感熱転写記録媒体に関する。

〔従来の技術〕

近年、ワープロやビデオプリンターなどの画像記録方法
として、サーマルヘッドあるいはレーザ光等で感熱転写
記録媒体を加熱し、染料を被転写体に移行させて印画す
る感熱転写記録法が普及している。

従来より、感熱転写記録媒体としては種々のものが開発
されているが、一般には第２図に示すように、ポリエス
テルなどからなる基体シート（１）の片面に昇華性染料
または熱溶融移行性染料を含むインキを塗工した感熱転
写層（２）を設け、さらに基体シート（１）の他の面に
は耐熱潤滑層（３）を設けたものが使用されている。そ
して、２色画像やカラー画像等を得る感熱転写記録媒体
においては、色重ね転写ができるように、その感熱転写
層（２）は、色相の異るインキからなる感熱転写層の区
域が配列されたものとなっている。

例えば、カラー画像を得る感熱転写記録媒体としては、
一般には第３図（１）に示すように、イエロー（Ｙ）、
マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）の各色相のインキからな
る感熱転写層の区域が、感熱転写記録媒体の走行方向（
図中、矢印）に応じてイエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）
、シアン（Ｃ）の転写順になるように繰返し配列された
ものとなっている。

また、イエロー系の画像を得るものとしては、第３図（
ｂ）に示すように、感熱転写層にブラック（Ｂ）　とイ
エロー（Ｙｌｌの区域を長尺の帯状に設けたものが使用
されている。

このような感熱転写記録媒体に使用する昇華性染料ある
いは熱溶融移行性染料としては、分子量が２００〜２０
００程度のものが使用されており、これらはビニルアセ
タール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、アク
リル樹脂、ポリアミド樹脂等の結合剤中に分散されて感
熱転写層を形成している。

そして、感熱転写層に、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、塩化ビニル樹脂あるいはウレタン樹脂等の可染層を
有する被転写体を重ね合わせてサーマルヘッドあるいは
レーザ光等で加熱すると、容易に被転写体に移行し、染
着するようになっている。染料のこのような移行、染着
性により階調性の豊かなフルカラープリントをすること
が可能となっている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、感熱転写記録媒体における染料は、加熱
により一旦は感熱転写層から被転写体に移行しても、色
重ね転写をする際に再度加熱すると再び感熱転写層に移
行しやすいという性質を有している。

すなわち、色重ね転写においては、先に被転写体に転写
された染料の上に別の色相の感熱転写層が重ね合わさり
再度加熱転写されるが、この場合、感熱転写層の結合剤
は被転写体の可染層と同様に染料を良好に分散する性質
を有するので、被転写体に先に転写された染料は、再度
加熱されることによりその上に重ね合わされた感熱転写
層の結合剤に移行しやすいものとなる。

このため、色重ね転写において、１色目、２色目、３色
目と転写を繰り返すにしたがって、先に転写された染料
が感熱転写層に再移行することとなり、被転写体におけ
る色濃度が低下し、カラーバランスが偏り、画像再現性
が低下することが問題となっていた。このような色濃度
の低下は、２色目、３色目の転写エネルギーが高い場合
には反射濃度で０．３〜０．５に及ぶこともあり、転写
画像のカラーバランスが著しく損なわれることがあった
。

これに対して、カラーバランスの偏りをプリンター内の
色再現補正機構によって補正することが試みられている
が、プリンターへの負担が大きく、滑らかな画質の画像
を得ることは容易でない。

この発明は以上のような従来技術における問題点を解決
しようとするものであり、色重ね転写におけるカラーバ
ランスの偏りを容易に解消でき、優れた画像再現性を得
られる感熱転写記録媒体を提供することを目的としてい
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、この発明は、昇華性染料
または熱溶融移行性染料を含むインキからなる感熱転写
層を基体シート上に設けた感熱転写記録媒体において、
その感熱転写層が少なくとも２つの異る色相の区域を有
し、各色相の転写濃度が各色相の転写順に低くなってい
ることを特徴とする感熱転写記録媒体を提供する。

また、この発明は、昇華性染料または熱溶融移行性染料
を含むインキからなる感熱転写層を基体シート上に設け
た感熱転写記録媒体において、その感熱転写層が任意の
色相およびブラックから選ばれる少なくとも２つの区域
を有し、それらの転写濃度がそれらの転写順に低くなっ
ていることを特徴とする感熱転写記録媒体を提供する。

この発明の感熱転写記録媒体は、色重ね転写における染
料の再移行によるカラーバランスの偏りを最少限に抑え
るために、被転写体における各色相のインキの転写濃度
が、１色目、２色目、３色目という転写順に低くなるよ
うに調整したものである。また、必要によりブラックの
インキの転写濃度も調整したものである。

この発明の感熱転写記録媒体において、感熱転写層に使
用するインキ自体としては、従来例と同様に種々の色相
の昇華性染料または熱溶融移行性染料を含むインキを使
用することができる。すなわち、このようなインキの染
料としては、ジアリールメタン系、トリアリールメタン
系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンチ
ン系、アクリジン系、チアジン系、アジン系、アクリジ
ン系、アゾ系、スビロジビラン系、イソドリノスピロピ
ラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アント
ラキノン系など一般に使用されている染料を広く使用す
ることができる。

また、染料は、印画する画像の種類に応じて感熱転写層
の区域がイエロー、マゼンタまたはシアンの２種以上の
色相からなる区域を有するように、あるいはまた、この
ような色相の少なくとも１種以上とブラックとからなる
区域を有するように適宜選択することができる。例えば
、イエロー系の画像を得る場合には、感熱転写層にはブ
ラックとイエローの区域が形成されるようにするのが好
ましい。また、カラー画像を得る場合には、イエロー、
マゼンタおよびシアンの区域が形成されるようにするか
、あるいはこれらに加えてさらにブラックの区域が形成
されるようにしてもよい。

染料を分散させるインキの結合剤としては、ビニルアセ
タール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、アク
リル樹脂、ポリアミド樹脂等を使用することができる。

また、インキには、顔料、界面活性剤、柔軟剤、添加剤
等を適宜含めることができる。

この発明で使用する基体シートとしては、ポリエステル
フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリサルフオンフィ
ルム、ポリイミドフィルム、ポリビニルアルコールフィ
ルム、芳香族ポリアミドフィルム、アラミドフィルムな
どのプラスチックフィルム、あるいは、セロファン、コ
ンデンサーペーパーなどの薄紙などを使用することがで
きる。

基体シート上に各色相の区域を有する感熱転写層を形成
する方法も常法によることができる。たとえば、感熱転
写層は、基体シートの表面にバーコーターなどを用いて
各色相ごとにインキを塗工すればよい。

なお、基体シートの感熱転写層を形成しない方の面には
、基体シートがサーマルヘッド等と融着することを防止
する耐熱潤滑層を設けてもよい。

また、感熱転写層上には低印加電圧でのハイライト部の
再現性を向上させる転写促進層を設けてもよい。

以上のように、この発明の感熱転写記録媒体は、層構成
としては第２図に示した従来例等と同様にすることがで
き、感熱転写層に形成する各色相の区域の配列も第３図
（ａ）および（ｂ）に示した従来例等と同様にすること
ができる。さらに、感熱転写層のインキ素材や基体シー
トの素材、および製造に使用する装置も従来例と同様の
ものを使用することができる。

この発明においては、各色相のインキの転写濃度が転写
層に低くなるように調整されていることを特徴としてい
る。これにより、色重ね転写において、先に転写され、
その上に重ね合わされた感熱転写層に再移行するために
色濃度の低下が大きくなりやすい染料はど、重ねて転写
をしない場合の単独の転写濃度は高くなるので、色重ね
転写をした場合の全体としてのカラーバランスは著しく
改善される。このような転写濃度の調整は、感熱転写層
にイエローとブラックの区域を設けたものなどのように
有彩色である色相の種類を単一としたものについても有
効であるが、特に複数の種類の色相の区域を設けたもの
について顕著な効果を発揮する。

インキの転写濃度を転写層に低くする調整法としては、
インキの塗布量を調整するか、あるいはインキ中の染料
の濃度を調整するのが簡便な方法として好ましいが、こ
の他、染料の融点が転写層に高くなるように各色相の染
料を選択する等の方法を使用することができ、またこれ
らの方法を組み合わせてもよい。

転写濃度を転写層に低くする程度は、感熱転写記録媒体
を使用するプリンターを用いて色重ね転写を行い、先に
転写した色濃度の低下幅を測定し、その測定値を基礎に
、プリンターの特性に応じて定めればよい。

たとえば、イエロー、マゼンタ、シアンの順に転写する
感熱転写記録媒体において、インキ中の染料の濃度を調
整することにより、第１図（ａ）に示したように、転写
エネルギーと転写濃度の特性曲線におけるγ特性（特性
曲線の直線部の傾き）を、イエロー（Ｙ）が１、マゼン
タＣＭ）が０，９、シアン（Ｃ）が０８５というように
インキの色相ごとに変え、転写濃度がイエロー、マゼン
タ、シアンの順に低くなるようにする。この場合、各色
相間での転写濃度の差は、カラーバランスを崩さないよ
うに、一般には、中濃度域では転写濃度の差（ａ）が０
．１以下とし、高濃度域では転写濃度の差（ｂ）が０．
２以下となるように設定するのが好ましい。

また、第１図（ｂ）　に示したように、イエロー（Ｙ）
、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）の７特性は一定として
、中濃度域での転写濃度の差（ａ）を０．１以下とし、
高濃度域では各色相間の転写濃度の差（ｂ）を０，２以
下としてもよい。

なお、第１図（ａ）および第１図（ｂ）に示したいずれ
の方法においても、低濃度域では転写エネルギーが小さ
く、染料の再移行による濃度低下も少ないので、各色相
間の転写濃度差は中濃度域よりも小さくする。

このようにこの発明の感熱転写記録媒体においては各色
相の転写層に転写濃度が低くなるように調整するが、こ
の場合、各色相の転写層は、イエロー、マゼンタ、シア
ンの順となるようにするのが好ましい。

すなわち、全体としては色重ね転写により印画する画像
であっても、部分ごとにみれば、その部分の色相によっ
て色重ね転写される部分と色重ね転写されない部分とが
生じる。このため、染料が再移行することにより生じる
濃度低下の度合いも部分ごとの色相によって異なる結果
となる。したがって、−律に各色相の転写層に転写濃度
を低くしても、なお部分ごとの色むらが残存し、良好な
画像再現性を得られないおそれもある。

そこで、人間の視角の特性を利用して、色むらの知覚さ
れる度合いが最小限に抑えられるように、濃度変化に対
する知覚の鈍い色相はど先に転写されるように転写層を
設定するのが好ましい。

たとえば、感熱転写層にイエロー、マゼンタおよびシア
ンの色相の区域を設けて色重ね転写する場合には、濃度
変化に対する知覚の最も鈍いイエローを転写の１色目と
し、最も敏感に知覚するシアンを３色目とし、中間のマ
ゼンタを２色目とする。これによれば、染料の再移行に
よる濃度変化を最も受ける１色目がイエローであるため
に、画像の各部分ごとの染料の再移行の有無により濃度
むらが生じても、人間の視角には比較的均一化して知覚
されるので、優れた画像再現性を有するものとして認識
されるようになる。

なお、イエロー、マゼンタおよびシアンに加えて無彩色
であるブラックも転写されるようにする場合、ブラック
はイエローの前に転写されるようにしてもよく、あるい
はシアンの後に転写されるようにしてもよい。また、ブ
ラックは無彩色であるためにカラーバランスに直接的に
は影響しないので、イエロー、マゼンタおよびシアンに
対して特別な転写濃度の差異を設けなくてもよい。

〔作用〕

この発明の感熱転写記録媒体によれば、各色相のインキ
の転写濃度が転写層に低くなっているので、色重ね転写
した場合に、染料の再移行による濃度低下の度合いが大
きい色相はど色濃く転写されることとなる。このため、
転写画像のカラーバランスの偏りを解消し、優れた画像
を得ることが可能となる。

特に、各色相の転写層をイエロー、マゼンタ、シアンの
順に設定した場合には、人間の濃度変化に対する知覚の
特性により、濃度むらの低減した、−層優れた画像を得
ることが可能となる。

〔実施例〕

以下、この発明を実施例により具体的に説明する。

実施例１ 下記の処方にて、各色相のインキを調製した。

１．イエロー Ｈ３Ｙ−６２、三菱化成製　　　　　　　　　３部ＢＸ
−１、積木化学工業製　　　　　　　　４部トルエン／
メチルエチルケトン＝Ｉ／＋　　９３部２、マゼンタ Ｈ３Ｐ−３１、三菱化成製　　　　　　　　　４部ＢＸ
−１、積木化学工業製　　　　　　　　４部トルエン／
メチルエチルケトン＝１／＋　　９２部３、シアン １１３Ｂ−４２、三菱化成製　　　　　　　　　　５部
ＢＸ−１、積木化学工業製　　　　　　　　５部トルエ
ン／メチルエチルケトン＝ｌ／１　９０部得られた各色
相のインキを、厚さ５７μｍのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム（ＴＯＲＡＹルミラー６ＣＦ５３　、東し
製）にイｚｏ−０，８ｇ／ｍ２マゼンタ１．　Ｉ　　ｇ
　／　ｍ　２、シアン１．（Ｉｇ／ｍ２の塗布量にてバ
ーコード塗工し、さらに、ポリエチレンテレフタレート
フィルムのインキ塗工面の反対側の面に耐熱樹脂層とし
て、ＢＲ８５三菱レーヨン製５部、ＫＰ３６０信越化学
製１部、トルエン９４部からなる樹脂組成物を０．６ｇ
／ｍ２の塗布量で塗工し、この発明の感熱転写記録媒体
を製造した。

比較例１ インキの塗工量をイエロー０．６ｇ／ｍ２、マゼンタ　
１．Ｏｇ／ｍ２、シアン１．］ｇ／ｍ２とする以外は実
施例１と同様にして感熱転写記録媒体を製造した。

実施例２ 各色相のインキを、染料の含有量が、イエローマゼンタ
、シアンの順で低くなるように、下記の処方にて調整し
た。

１、イエロー ＭＳ−ＹＥＬＬＯＷ　、三井東圧製（染、料）　　　　
６部ＢＸ−１、積木化学工業製　　　　　　　　５部ト
ルエン／メチルエチルケトン＝１／１　８９部２、マゼ
ンタ ＭＳ−ＭＡＧＥＮＴ人、三井東圧製（染料）　　　　５
部ＢＸ−１、積木化学工業製　　　　　　　　５部トル
エン／メチルエチルケトン＝１／１　９０部３、シアン ＭＳ−ＣＹＡＮ　、三井東圧製（染料）　　　　４５部
Ｂ！−１、積木化学工業製　　　　　　　　５部トルエ
ン／メチルエチルケトン＝１／１９０．５部得られた各
色相のインキを、厚さ７μｍのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムに塗布量を０．９ｇ　／　ｍ　２で塗工す
る以外は実施例１と同様にしてこの発明の感熱転写記録
媒体を製造した。

比較例２ 各色相のインキ中の染料の含有量をすべて５部とする以
外は実施例２と同様にして感熱転写記録媒体を製造した
。

評価 実施例１．２および比較例１．２で得た感熱転写記録媒
体をそれぞれ使用して、シャープビデオプリンターＧ２
−Ｐ２１によりポリエステル樹脂の可染層を有する被転
写体に転写しく印画エネルギー１、　Ｑｍｊ／ｄｏｔ　
）　、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色相の単独
の転写濃度を反射濃度計（マクベスＲＤ−０９１８’）
で測定した。結果を表１に示す。

表１ また、イエロー、マゼンタおよびシアンの順で転写して
人物画と風景画を印画した。

その結果、表１のように各色相の転写濃度が転写順に低
くなっている実施例１．２を使用した場合には良好な画
像再現性が得られた。これに対して、各色相の転写濃度
が等しい比較例１の場合には赤紫側にカラーバランスが
崩れ、特に、人物画の肌色再現性が劣っていた。また、
比較例２の場合も前側にカラーバランスが崩れ、人物画
の肌色再現性が劣っていた。

〔発明の効果〕

この発明の感熱転写記録媒体によれば、各色相のインキ
の転写濃度が転写順に低くなっているので、色重ね転写
におけるカラーバランスの偏りを解消し、優れた画像を
得ることが可能となる。

特に、各色相の転写層をイエロー、マゼンタ、シアンの
順に設定した場合には、転写画像の濃度むらの低減した
、−層優れた画像を得ることが可能となる。

また、この発明の感熱転写記録媒体は、従来の感熱転写
記録媒体の製造法や製造装置に大幅な変更を加えること
なく製造することができるので、容易に得ることが可能
である。

さらに、プリンターの色再現補正機構による補正の程度
を軽減することができるので、プリンターの負担をハー
ドおよびソフトの両面から減じることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）および（ｂ）は、この発明の感熱転写記録
媒体の特性曲線を表す図である。 第２図は、感熱転写記録媒体の断面図であり、第３図（
ａ）および（ｂ）は、感熱転写層の異なる色相の区域の
配列を表す概念図である。 （１）基体シート、 （２）感熱転写層、 （３）耐熱潤滑

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、昇華性染料または熱溶融移行性染料を含むインキか
   らなる感熱転写層を基体シート上に設けた感熱転写記録
   媒体において、その感熱転写層が少なくとも２つの異る
   色相の区域を有し、各色相の転写濃度が各色相の転写順
   に低くなっていることを特徴とする感熱転写記録媒体。 ２、昇華性染料または熱溶融移行性染料を含むインキか
   らなる感熱転写層を基体シート上に設けた感熱転写記録
   媒体において、その感熱転写層が任意の色相およびブラ
   ックから選ばれる少なくとも２つの区域を有し、それら
   の転写濃度がそれらの転写順に低くなっていることを特
   徴とする感熱転写記録媒体。