JPH0413014Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、野球の打撃練習などに利用される
投球機に関し、より詳しくは、投球機本体部が上
下方向に広範囲に位置変更可能とされる投球機に
関する。

（従来技術） 野球において例えば打者に対し投げられる球の
種類には、大別して、打撃位置に向つて比較的高
い位置から投げ降ろされるもの（オーバースロ
ー）、比較的低い位置から浮き上つてくるように
投げるもの（アンダースロー）、および上記両位
置の中間から投げられるもの（サイドスロー）が
ある。

そのため、打撃練習に使用される投球機には、
球を投げる投球機本体部が昇降装置の昇降部に取
り付けられてこの投球機本体部が上下方向所望位
置に位置変更可能とされたものがある。

上記の場合、上記昇降装置には油圧式など種々
提案されているが、構成簡素な二重管式のものが
採用される場合がある。即ち、この昇降装置は、
投球機の基台上に突設された固定管と、この固定
管に軸方向摺動自在に嵌め合わされた可動管と、
この可動管を昇降駆動させる駆動手段とで構成さ
れ、可動管の上部に投球機本体部が支持される。

ところで、上記のような構成の投球機では、高
位置からのオーバースローを得るために投球機本
体部の上昇位置をできるだけ高くさせようとする
と、その分固定管と可動管の両管が長くなり、こ
のため、投球機本体部の下降位置を十分に低く採
ることができないこととなつて、所望の低位置か
らのアンダースローが得られないという不都合が
生じてくる。また、この逆に所望のアンダースロ
ーを得ようとすると上記両管が短くなり所望のオ
ーバースローが得られないという不都合が生じて
くる。

（考案の目的） この考案は、上記のような事情に注目してなさ
れたもので、二重管式の昇降装置で所望のオーバ
ースローが得られるようにすると共に簡素な構成
で所望のアンダースローが得られるようにするこ
とを目的とする。

（考案の構成） 上記目的を達成するためのこの考案の特徴とす
るところは、昇降装置の昇降部の最下降位置より
も下方において基台上に投球機本体部を支持可能
とする支持部材が設けられ、同上投球機本体部が
昇降部と支持部材とに選択的に取り付け可能とさ
れた点にある。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

投球機１は、台車２と、この台車２上に設けら
れる昇降装置３と、この昇降装置３の昇降部に支
持され球４を投げる投球機本体部５と、この投球
機本体部５に球４の供給を行う球供給部６とを有
している。

上記台車２について説明すると、この台車２は
平面視で矩形に枠組みされた基台７を有してい
る。この基台７の前部には左右一対の前輪８，８
が設けられ、一方、同上基台７の後部には左右一
対の後輪９，９が設けられる。この各後輪９はキ
ヤスターとされる。

前記昇降装置３は二重管式とされる。即ち、上
記基台７の後部上面に円形断面の固定管１１が突
設され、この固定管１１に軸方向摺動自在に円形
断面の可動管１２が嵌め込まれる。そして、この
可動管１２を昇降駆動される駆動手段１３が設け
られる。

上記駆動手段１３はウオーム歯車装置１５を有
し、このウオーム歯車装置１５におけるフオーム
がハンドル１６に連結され、ウオームホイールに
はラツクピニオン１７が連結される。一方、可動
管１２にはラツクギア１８が形成され、このラツ
クギア１８とラツクピニオン１７とが噛み合わさ
れ、ハンドル１６の回動操作に連動して可動管１
２が昇降自在とされる。

前記投球機本体部５は、支持台２０に支持され
た左右一対の円板状回転体２１，２１と、これら
各回転体２１にフレキシブルカツプリング２２を
会して連結された直流電動機２３，２３とを有し
ている。これら一対の回転体２１，２１は相互に
逆方向に回転せしめられ球４はこれら回転体２
１，２１に挟まれて投球される。また、各回転体
２１，２１の回転数を相対的に相違させることが
図示しないコンバータを介して可能とされ、これ
による球４自体の回転で、球４は投げられる際シ
ユートやカーブに変化せしめられる。

上記投球機本体部５はボールジヨイント式の支
持手段２５を介して前記昇降装置３の可動管１２
上端に支持される。

上記支持手段２５について説明すると、上記可
動管１２の上端部には径の小さい支持部１２ａが
形成されており、この支持部１２ａに軸心回り回
動自在に筒体２６が嵌め込まれている。そして、
この筒体２６からほぼ水平方向前方に支持管２７
が突設され、この支持管２７の突出端にボール体
２８が支持される。上記筒体２６はストツプボル
ト２６ａのねじ込み操作で支持部１２ａに固定可
能とされる。

一方、上記支持台２０に相互に対面する左右一
対の保持板２９，２９が設けられる。これら保持
板２９，２９はその上端が支持台２０にねじ止め
される。また、下端は自由端とされ、この両下端
間に締結具３０が設けれれる。同上保持板２９，
２９にはそれぞれ円形の貫通孔３１，３１が形成
され、これら貫通孔３１，３１は同軸上に配置さ
れる。そして、上記ボール体２８の左右両側部が
上記貫通孔３１，３１に嵌め合わされる。この場
合、ボール体２８と各貫通孔３１との間にはウレ
タンなど環状の樹脂材３２が介在され、この樹脂
材３２は貫通孔３１の内面に貼り付けられてい
る。そして、上記締結具３０を緩めれば、ボール
体２８と保持板２９，２９が相対回動自在とさ
れ、これによつて、ボール体２８を中心として投
球機本体部５の投球方向はあらゆる方向にある程
度変更可能とされる。また、締結具３０を締め付
けると、投球機本体部５は可動管１２に固定され
る。

前記球供給部６について説明すると、前記支持
台２０上に角度変更板３４が回動自在に枢支さ
れ、この角度変更板３４上に傾斜姿勢の支持筒体
３５が固着される。そして、球４を両回転体２
１，２１に案内する案内部材３６が上記支持筒体
３５に軸心回り回動自在に嵌め込まれる。この案
内部材３６の軸心３６ａは支持筒体３５の軸心３
５ａに対し傾斜しており、この案内部材３６に支
持筒体３５の軸心３５ａ回りに回動させることで
水平面に対する案内部材３６の傾斜角度をある範
囲で任意に設定し得る。

上記基台７の前部上面には投球機本体部５を支
持可能とする筒状の支持部材３８が突設される。
この支持部材３８は可動管１２の支持部１２ａよ
りも下方に位置し、この支持部材３８の上端には
上記支持部１２ａと同形状の支持部３８ａが形成
される。そして、支持手段２５を上記可動管１２
の支持部１２ａと支持部材３８の支持部３８ａと
に選択的に取り付けることによつて、投球機本体
部５は可動管１２の支持部１２ａと支持部材３８
の支持部３８ａとに選択的に取り付け可能とされ
る。

次に上記構成による作用を説明すると、可動管
１２を上昇させて投球機本体部５を上方に位置さ
せればオーバースローが可能となる（図中実線図
示）。また、可動管１２を降下させて投球機本体
部５を下方に位置させれば、サイドスローが可能
となる（図中二点鎖線図示）。更に、投球機本体
部５を支持部材３８に取り付ければ、アンダース
ローが可能となる（図中二点鎖線図示）。

また、上記各位置で支持手段２５の操作により
投球方向の前後に延びる軸心回りに投球機本体部
５を回動させて回転体２１，２１を傾斜方向や、
上下に配置させることができる（図中一点鎖線図
示）。また、上記各位置で支持手段２５の操作に
より投球方向を上下、左右に変更させることもで
きる。

（考案の効果） この考案によれば、昇降装置の昇降部の最下降
位置よりも下方において基台上に投球機本体部を
支持可能とする支持部材が設けられ、同上投球機
本体部が昇降部と支持部材とに選択的に取り付け
可能とされたため、投球機本体部を支持部材に取
り付けることによつて、昇降装置による投球機本
体部の昇降範囲よりも下方からの投球が可能とな
る。よつて、二重管式の昇降装置で所望のオーバ
ースローが得られると共に、単に支持部材を設け
るという簡単な構成で所望のアンダースローも得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は投球機
の全体側面図、第２図は同上投球機の正面図、第
３図は同上投球機の平面図、第４図は第１図の部
分拡大断面図、第５図は第４図の−線矢視断
面図である。 １……投球機、３……昇降装置、５……投球機
本体部、７……基台、１２ａ……支持部（昇降
部）、３８……支持部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 伸縮自在とされる二重管式の昇降装置が基台上
   に設けられ、この昇降装置の昇降部に球を投げる
   投球機本体部が支持された投球機であつて、上記
   昇降部の最下降位置よりも下方において基台上に
   投球機本体部を支持可能とする支持部材が設けら
   れ、同上投球機本体部が昇降部と支持部材とに選
   択的に取り付け可能とされたことを特徴とする投
   球機。