JPH04129734A - 疎水性材料およびその製造方法 - Google Patents

疎水性材料およびその製造方法

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JPH04129734A
JPH04129734A JP2253505A JP25350590A JPH04129734A JP H04129734 A JPH04129734 A JP H04129734A JP 2253505 A JP2253505 A JP 2253505A JP 25350590 A JP25350590 A JP 25350590A JP H04129734 A JPH04129734 A JP H04129734A
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JP
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hydrophobic
oxide
oxide layer
substrate
surface layer
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Takeshi Owaki
健史 大脇
Yasunori Taga
康訓 多賀
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、基板表面に疎水性および該疎水性の耐久性に
優れた表面層を有する疎水性材料およびその製造方法に
関するものである。
〔従来技術およびその問題点〕
従来より、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物等
の有機シリコーン(特開昭58−122978号公報)
やフッソ系化合物(特開昭60−13065号公報)等
の疎水性を示す有機物質を被覆して疎水性材料を製造す
る方法、または疎水性を示す有機物質を被覆した疎水性
材料が各種開発され、実用に供されている。
しかしながら、これら従来技術の疎水性を示す有機物質
を基材表面にコーティングして得られた疎水性材料は、
疎水性の初期性能は非常に優れているか、耐環境性や耐
摩耗性等の耐久性か劣るため、経時的に疎水性能の低下
が著しいという問題点を有している。
従って、これらの疎水性材料は、室内等の好環境条件下
では実用に供することができるか、屋外におけるごとく
使用環境の厳しい場所では実用的ではなかった。
一方、昨今の情報化時代に対応して電気信号により光学
的性質を制御する多種多様な光学機能表示素子か開発さ
れ実用に供されている。また、従来の蛍光表示管等の真
空管を利用するものから、軽くて小型でかつ電力消費の
少ないフラットパネルデイスプレィ(FPD)への移行
か進められている。二〇FPDの代表的なものとして、
液晶表示素子(LCD) 、エレクトロルミネッセンス
表示素子(ELD) 、エレクトロクロミック表示素子
(ECD)等かある。ξころが、これらFPDもその普
及につれて従来の屋内での使用から屋外での使用要求が
強まりつつある。具体的には、車の窓ガラス、ミラー、
ムーンルーフ、スカイルーフ、さらには住宅用窓ガラス
、サンルーフ等への適用である。
ところで、上記光学機能素子を屋外で使用する場合、基
板となるガラスまたは透明樹脂表面に水滴か付着し、視
界を妨げたり表示を見にくくすることがあった。特に、
透過型ECDまたはLCDを調光膜として利用したり、
反射型ECDまたはLCDを防眩ミラーとして用いる場
合、基板表面への水滴の付着か問題化しつつある。
従来、前記光学機能素子の基板表面への水滴付着に対す
る問題点を解決する方法として、基板表面のぬれ性を改
善する方法か試みられており、疎水性を有する有機膜を
基板表面へコーティングする方法や、酸化チタンあるい
は酸化セリウム等を基板表面へコーティングする方法(
特開昭63−104028号公報)等が提案されている
しかしながら、屋外での使用環境は厳しく、前者の有機
膜コーティングでは長期の使用に耐えず、また後者の酸
化チタンまたは酸化セリウム等のコーティングでは疎水
性能が水の接触角にして約80°と低く視認性か劣ると
いう問題があった。
そこで、本発明者らは、上述の如き従来技術の問題点を
解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験を重ねた結果
、本発明を成すに至ったものである。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、疎水性に優れるとともに耐候性および
耐摩耗性などの耐久性に優れた疎水性材料およびその製
造方法を提供するにある。
本発明者らは、上述の従来技術の問題に関し、以下のこ
とに着眼した。すなわち、先ず、疎水性の性能に優れて
いる物質として有機物質に着目した。しかしながら、単
に疎水性を示す有機物質を基材表面にコーティングして
得られた疎水性材料は、疎水性の初期性能は非常に優れ
ているが、耐環境性や耐摩耗性等の耐久性か劣り基材が
はかれやすく、経時的に疎水性能の低下か著しい。そこ
で、この耐久性の劣化の原因を検討した結果、基材表面
の有機物質層が基材と弱い結合しかしていないことが分
かった。また、有機物質の種類および有機物質と基材と
の組合せにより、成る程度の結合力で前記有機物質か基
材の表面に結合している場合もあるか、この場合は前記
表面層か何れも薄い場合であり、また結合力も不十分で
、耐久性も乏しい。なお、有機物質は、−船釣に硬度が
小さく、耐摩耗性の耐久性に劣る。
そこで、この耐久性劣化を防止する手段として、基材と
有機物層とを強固に結合し、かつ屋外におけるごとく使
用環境の厳しい場所でも実用に供することができる耐摩
耗性、耐紫外線、耐湿性などの耐久性に優れた材料を両
者間に介在させることに着目した。そして、この中間膜
としてこれら条件を満足する材料として無機酸化物に着
目し、これら無機酸化物について検討を重ねた結果、特
定の無機酸化物と特定の有機物質の組み合わせた時に優
れた結合力が得られ、かつ耐候性および耐摩耗性などの
耐久性および疎水性に優れた複合材料が得られることに
到達し、本発明を完成するに至った。
〔第1発明の説明〕 発明の構成 本第1発明の疎水性材料は、基板と、該基板上に形成し
たアルミニウム、スカンジウム、チタン、クロム、マン
ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イツトリウ
ム、ジルコニウム、インジウム、スズ、及びランタン系
列元素の一種の金属酸化物または二種以上の複合酸化物
からなる酸化物層と、該酸化物層の表面に形成した一般
式R,C○○HまたはR2(C○0H)2など(R+、
 R2はC≧IOであるアルキル基またはフルオロアル
キル基〕で表されるカルボン酸を含む有機酸からなる疎
水性表面層とからなり、該疎水性表面層と酸化物層とは
イオン性の結合をしてなり疎水性および耐久性に優れた
ことを特徴とする。
発明の作用 本発明の疎水性材料は、基板の上にアルミニウム、スカ
ンジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、
ニッケル、銅、亜鉛、イツトリウム、ジルコニウム、イ
ンジウム、スズ、及びランタン系列元素の一種の金属酸
化物または二種以上の複合酸化物からなる金属酸化物層
を形成してなる。二の金属酸化物層中の金属の電気陰性
度と酸素の電気陰性度の差が大きいため、金属と酸素と
のイオン性結合の割合か高くなっている。その結果、金
属は酸化物中で正イオンとして存在する確率が高く、カ
ルボン酸に含まれるカルボキシル基C○0−と上記金属
酸化物中の金属イオンと強くイオン性の結合をし、また
、カルボン酸のアルカリ塩に対しても該アルカリ土類金
属イオンとの間の方か強く結合し安定化する。従って、
この状態では、カルボン酸のR,、R2成分が疎水基で
あるので、疎水性を発現する。また、上記のように金属
酸化物層と疎水性表面層との間において強固なイオン結
合が形成されているので、耐久性に優れた表面層か得ら
れているものと思われる。
なお、疎水性表面層のカルボン酸は、R,、R2中の炭
素数か9以下であると疎水基の長さか短いので疎水性の
性質か弱くなり、同時に水に溶けやすくなり、耐久性か
悪化する。従って、該炭素数は10以上のものを用いる
発明の効果 本発明の疎水性材料は、疎水性に優れるとともに耐候性
および耐摩耗性などの耐久性に優れた材料である。
〔第2発明の説明〕 以下に、前記第1発明をさらに具体的にした第2発明に
ついて説明する。
本発明の疎水性材料において、基板は、ガラス、陶磁器
なとの無機材料、および樹脂などの有機材料である。
また、酸化物層は、基板と疎水性表面層との間に形成さ
れ、両者を強固に結合するとともに、耐摩耗性、耐紫外
線、耐湿性などの耐久性に優れた材料であり、それ自身
でも優れた耐水性を有する無機物質層である。該酸化物
層は、前記基板上に形成したアルミニウム、スカンジウ
ム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、イツトリウム、ジルコニウム、インジウ
ム、スズ、及びランタン系列元素の一種の金属酸化物ま
たは二種以上の複合酸化物からなる。
この酸化物層は、厚さが200〜50000人である二
とか好ましい。これは、該層厚が200人未満の場合、
該表面層が不連続となり疎水性表面層の形成後に疎水性
を発現することがてきない虞れがあるからである。また
、数層厚か50000Aを超えた場合、層内部の応力等
によって層か剥離し易くなるので好ましくない。
また、酸化物層か上記元素の二種類以上の複合酸化物の
場合、その混合比率はどのようであっても同様に前記本
発明の効果を奏することかできる。
また、疎水性表面層は、一般式R1COOHまたはR2
(C○0H)2なと(R,、R2はC≧10であるアル
キル基またはフルオワアルキル基〕で表されるカルボン
酸を含む有機酸からなる。
この疎水性表面層の好適な有機酸としては、ラウリン酸
、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸、またはステ
アリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の脂肪酸
のアルカリ塩等が挙げられる。
該疎水性表面層の含まれるカルボン酸のカルボキシル基
−CO2−と金属酸化物中の金属イオンはイオン性の結
合をし、その結果カルボン酸のアルキル基またはフルオ
ロアルキル基か金属酸化物表面から毛のはえた様な状態
となっている。
本発明の疎水性材料は、前述の基板と、該基板上に形成
した前述の金属酸化物または複合酸化物からなる酸化物
層と、該酸化物層の表面に形成した前述のカルボン酸を
含む有機酸からなる疎水性表面層とからなる。
ユニで、該疎水性表面層は、前記酸化物層表面の全部を
覆うように形成しても、該酸化物層の一部に形成しても
よい。目的にりして、適宜の箇所に形成すれはよい。
また、該疎水性表面層の形成形態は、第1図に示すよう
に前記酸化物層3の表面に疎水性表面層4が被覆形成さ
れた形態でも、第2図に示すように該疎水性表面層14
の一部か酸化物層13内部に侵・大して形成された形態
でもよい。なお、後者のほうか両層間の結合力か向上す
る。
本発明の疎水性材料は、上述の構成を採ることにより、
水の接触角で95°以上の疎水性を有する。しかも、特
殊な酸化物層を介することにより、耐摩耗性が格段に向
上し、耐久性に優れた材料である。
本発明の疎水性材料の製造方法について、その具体的−
例を簡単に説明すると以下のよってある。
まず、基材としてガラスなどの無機材料や樹脂などの有
機材料を用意する。次いて、該基材を洗浄したのち、該
基材上にスパッタリング法、真空蒸着法、イオンブレー
ティング法などの物理蒸着法により、アルミニウム、ス
カンジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト
、ニッケル、銅、亜鉛、イツトリウム、ジルコニウム、
インジウム、スズ、及びランタン系列元素の一種の金属
酸化物または二種以上の複合酸化物層を形成する。次い
て、炭素数10以上のカルボン酸をアルコール等の溶媒
に溶かし、上記酸化物層上に塗布したり、該一部を酸化
物層中に含浸させたりした後、乾燥させ、基材の残渣物
を柔らかい布等により拭き取り、疎水性表面層を形成す
る。
なお、本発明の疎水性材料は、疎水性および耐久性に優
れているので、水をはじく必要のある部材への適用に大
変有用であり、窓ガラス、壁、電子部品等の各種の用途
・材料に適用できる。
〔第3発明の説明〕 本第3発明は、前記第1発明の疎水性材料を製造する方
法である。
発明の目的 前記発明の目的に加えて、以下のような目的を有する。
本第3発明の目的は、耐久性を有する疎水性材料を簡便
に得る方法を提供するにある。
発明の構成 本第3発明の疎水性材料の製造方法は、基板表面に、ア
ルミニウム、スカンジウム、チタン、クロム、マンガン
、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イツトリウム、
ジルコニウム、インジウム、スズ、及びランタン系列元
素の一種の金属酸化物または二種以上の複合酸化物から
なる酸化物層を物理的蒸着法または化学的蒸着法により
形成する工程と、該酸化物層表面に一般式R1COOH
またはR2(COOH) 2など(R+、R2はC≧1
0であるアルキル基またはフルオロアルキル基〕で表さ
れるカルボン酸を含む有機酸からなる疎水性物質を含む
物質に接触させ疎水性表面層を形成する工程と、からな
ることを特徴とする。
発明の作用 本発明の疎水性材料の製造方法は、先ず、酸化物層形成
工程において、ガラス等の無機材料または樹脂などの有
機材料からなる基板表面に、物理的蒸着法または化学的
蒸着法により、アルミニウム、スカンジウム、チタン、
クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛
、イツトリウム、ジルコニウム、インジウム、スズ、及
びランタン系列元素の一種の金属酸化物または二種以上
の複合酸化物からなる酸化物層を形成する。このように
して形成された酸化物層は、イオン性結合の割合か高い
状態となっている。
次いて、疎水性表面層形成工程において、該酸化物層の
表面に炭素数が10以上のカルボン酸を含む有機酸から
なる疎水性物質に接触させ疎水性表面層が形成されると
、カルボン酸に含まれるカルボキシル基C○0−と上記
金属酸化物中の金属イオンと強くイオン性の結合をし、
また、カルボン酸のアルカリ塩に対しても該アルカリ土
類金属イオンとの間の方か強く結合し安定化する。これ
より、該状態において、カルボン酸のR,、R2成分か
疎水基であるので、疎水性を発現する。また、上記のよ
うに金属酸化物層と疎水性表面層との間において強固な
イオン結合か形成されているので、耐久性に優れた表面
層か得られているものと思われる。
発明の効果 本発明の製造方法により、疎水性に優れるとともに耐候
性および耐摩耗性などの耐久性に優れた疎水性材料を得
ることができる。
また、本発明の製造方法により、耐久性を有する疎水性
材料を簡便に得ることかできる。
〔第4発明の説明〕 以下に、前記第3発明をさらに具体的にした第4発明に
ついて説明する。
先ず、基板としてガラスなどの無機材料や樹脂などの有
機材料を用意する(基板準備工程)。
次に、該基板の上に、スパッタリング法、真空蒸着法、
イオンブレーティング法などの物理的蒸着法により、ア
ルミニウム、スカンジウム、チタン、クロム、マンガン
、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イツトリウム、
ジルコニウム、インジウム、スズ、及びランタン系列元
素の一種の金属酸化物または二種以上の複合酸化物から
なる酸化物層を形成する(酸化物層形成工程)。
この酸化物層をスパッタリング法により形成する場合は
、最初に前記基板を洗浄した後、該基板を真空処理装置
内に配設し、10−6Torr程度まで真空排気する。
次いで、アルゴンガスなどの希ガスを3〜5 X 10
−3Torr程度まで導入し、基板表面にRFイオンエ
ツチングを行う。このエツチング条件としては、30〜
100Wで5分程度行えば十分である。なお、基板か有
機材料の場合は、耐熱性か低いため、2分以下であるこ
とか好ましい。イオンエツチング後、アルゴンガスまた
はアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスを3〜5×10
−’Torr程度まで導入し、本発明の金属酸化物ター
ゲットをRFスパッタによって所望の膜厚の酸化物を被
覆する。
また、真空蒸着法やイオンブレーティング法では、本発
明の前記酸化物層の原料となる金属ペレットを用いて反
応性蒸着法により、または金属酸化物ペレットを用い電
子ビーム蒸着法等により基板に前記金属酸化物を被覆す
る。
なお、これら物理的蒸着法のほか、化学的蒸着法やゾル
−ゲル法によっても前記酸化物の被覆が可能である。
次に、炭素数か10以上のカルボン酸またはアルカリ塩
をアルコール等の溶媒に溶かし、該溶液を前記酸化物層
上に塗布し、該酸化物層の表面に、または一部か酸化物
層中に含浸させることによって疎水性表面層を形成する
。溶液が乾燥した後、カルボン酸等の残渣成分を柔らか
い布等で拭き取る(疎水性表面層形成工程)。
このように疎水性表面層形成工程に、溶液塗布法を採用
することにより、核層を簡単に形成することができ、し
かも室温ての処理を可能にすることかできるので、簡便
である。
また、この他、反応容器内において、本発明にかかるカ
ルボン酸を気相とし酸化物層に反応させることにより疎
水性表面層を形成することができる。
なお、本発明により得られた疎水性材料は、疎水性およ
び耐久性に優れているので、水をはじく必要のある部材
への適用に大変有用てあり、窓ガラス、壁、電子部品等
の撥水処理に利用することかできる。
〔実施例〕
以下に、本発明の詳細な説明する。
第1実施例 基板としてガラス等の無機材料および樹脂などの有機材
料を用い、該基材表面に酸化物層を形成し、次いて疎水
性表面層を形成して疎水性材料を作製し、該材料の性能
評価試験を行った。
先ず、基板として第1表に示す厚さ2〜5 mmのソー
ダ石灰ガラス、石英ガラス、アルミナ(AI!203)
磁器、ポリ塩化ビニル(PVC)を用意し、該基板を十
分に乾燥させた。その後、基板かソーダ石灰ガラス、石
英ガラス、アルミナの場合には、アセトン中で、PVC
の場合にはエタノール中で超音波洗浄を施した。
次に、用意した基板を成膜装置内にセットし、真空排気
した。その後、基板のRFイオンエツチングを電力50
W、時間2〜5分の条件で行い、次いてRFスパッタリ
ングを電力200〜500W、成膜時間5〜60分、ス
パッタガスAr3〜5 X l 0−3Torrの条件
で実施し、前記基板上に第1表に示す酸化物層を形成し
た。
次に、酸化物層を形成した基板を成膜装置から取り出し
た。次いて、予め第1表に示すカルホン酸をエタノール
溶媒中に溶かして得た溶液(2〜10mo1%)を、前
記基板に形成した酸化物層上に塗布して、該酸化物層表
面または該一部を酸化物層中に含浸させ、疎水性表面層
を形成した。次いで、該溶液か乾燥したものを柔らかい
布て残渣成分をふきとり、本実施例にかかる疎水性材料
を得た。
得られた疎水性材料の性能評価試験を、疎水性試験およ
び耐摩耗性試験により実施した。疎水性評価試験は、得
られた材料における水の接触角を測定して該表面の水に
対するぬれ性を評価することにより行った。その結果を
、第1表に示す。
また、耐摩耗性試験は、得られた疎水性材料を、研摩剤
を染み込ませた布で100 g/carの荷重で100
0回拭き取り、その復水で洗浄したのち、疎水性評価試
験を行うことにより行った。その結果を、第1表に示す
なお、比較のために、本発明にかかる酸化物層または疎
水性表面層と異なる種類の金属酸化物または有機酸から
なる材料を上記と同様の基板に形成して比較用材料を作
製し、同様の評価試験を行った。その結果を、第2表に
示す。
第1表より明らかのごとく、本実施例の場合は何れも初
期疎水性能か接触角にして95度以上有しており、疎水
性に優れていることか分かる。また耐摩耗性試験の結果
、本実施例の場合は、何れも約85度程度の疎水性を有
していることか分かる。
これに対し、比較例の場合は、初期疎水性において80
度以下であるか、または/および耐摩耗性試験後の疎水
性能が接触角にして70度以下となり、疎水性または/
および耐久性に劣っていることが分かる。
第2実施例 基板としてソーダ石灰ガラスを用い、該基板表面に真空
蒸着法、イオンブレーティング法によって酸化物層を形
成し、該酸化物層の上に疎水性表面層を形成することに
より、本実施例にかかる疎水性材料を作製し、前記第1
実施例と同様に性能評価試験を行った。
先ず、基板を乾燥・洗浄し、第3表に示すごと<Al2
O2またはY 20 s 十A l 203からなる酸
化物層を形成した後、該酸化物層上にステアリン酸を溶
かし込んだエタノール溶液を塗布し、疎水性表面層を形
成した。なお、疎水性の評価方法は、第1実施例と同様
にして行った。その結果を、第3表に示す。
第3表より明らかのごとく、本実施例にかかる疎水性材
料は、初期疎水性能か接触角にして90度以上有してお
り、さらに耐摩耗性試験後においても約90度有してお
り、疎水性および耐久性に優れていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の疎水性材料の一例を示す概念模式図、
第2図は本発明の疎水性材料の他の例を示す概念模式図
である。 1、11. 2、12. 3、13. 4、14、 疎水性材料 基  板 酸化物層 疎水性表面層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)基板と、該基板上に形成したアルミニウム、スカ
    ンジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、
    ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、イ
    ンジウム、スズ、及びランタン系列元素の一種の金属酸
    化物または二種以上の複合酸化物からなる酸化物層と、
    該酸化物層の表面に形成した一般式R_1COOHまた
    はR_2(COOH)_2など〔R_1、R_2はC≧
    10であるアルキル基またはフルオロアルキル基〕で表
    されるカルボン酸を含む有機酸からなる疎水性表面層と
    からなり、該疎水性表面層と酸化物層とはイオン性の結
    合をしてなり疎水性および耐久性に優れたことを特徴と
    する疎水性材料。
  2. (2)基板表面に、アルミニウム、スカンジウム、チタ
    ン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、
    亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、インジウム、スズ
    、及びランタン系列元素の一種の金属酸化物または二種
    以上の複合酸化物からなる酸化物層を物理的蒸着法また
    は化学的蒸着法により形成する工程と、 該酸化物層表面に一般式R_1COOHまたはR_2(
    COOH)_2など〔R_1、R_2はC≧10である
    アルキル基またはフルオロアルキル基〕で表されるカル
    ボン酸を含む有機酸からなる疎水性物質を含む物質に接
    触させ疎水性表面層を形成する工程と、 からなることを特徴とする疎水性材料の製造方法。
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