JP2732129B2 - 超疎水性複合材料とその製造方法、および光学機能材料 - Google Patents

超疎水性複合材料とその製造方法、および光学機能材料

Info

Publication number
JP2732129B2
JP2732129B2 JP1199804A JP19980489A JP2732129B2 JP 2732129 B2 JP2732129 B2 JP 2732129B2 JP 1199804 A JP1199804 A JP 1199804A JP 19980489 A JP19980489 A JP 19980489A JP 2732129 B2 JP2732129 B2 JP 2732129B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superhydrophobic
substrate
surface layer
oxide
inorganic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1199804A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02258250A (ja
Inventor
健史 大脇
康訓 多賀
謙吾 石山
康仁 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Publication of JPH02258250A publication Critical patent/JPH02258250A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2732129B2 publication Critical patent/JP2732129B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、基板表面に超疎水性を示す無機質材料から
なる表面層を有する超疎水性複合材料、その製造方法お
よびその用途に関するものである。
〔従来技術およびその問題点〕
従来より、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物
等の有機シリコーン(特開昭58−122978号公報)、また
フッソ系化合物(特開昭60−13065号公報)等の疎水性
を示す有機物質を被覆して疎水性材料を製造する方法、
または疎水性を示す有機物質を被覆した疎水性材料が各
種開発され、実用に供されている。
しかしながら、これら従来技術の疎水性を示す有機物
質を基材表面にコーティングして得られた疎水性材料
は、疎水性の初期性能は非常に優れているが、耐環境性
や耐摩耗性等の耐久性が劣るため、経時的に疎水性能の
低下が著しいという問題点を有している。
従ってこれらの疎水性材料は、室内等の好環境条件下
では実用に供することができるが、屋外におけるごとく
使用環境の厳しい場所では実用的ではなかった。
一方、昨今の情報化時代に対応して電気信号により光
学的性質を制御する多種多様な光学機能表示素子が開発
され実用に供されている。また従来の蛍光表示管等の真
空管を利用するものから軽くて小型でかつ電力消費の少
ないフラットパネルディスプレイ(FPD)への移行が進
められている。このFPDの代表的なものとして液晶表示
素子(L4CD)、エレクトロルミネッセンス表示素子(EL
D)、エレクトロクロミック表示素子(ECD)等がある。
ところが、これらFPDもその普及につれて従来の屋内で
の使用から屋外での利用要求が強まりつつある。具体的
には、車の窓ガラス、ミラー、ムーンルーフ、スカイル
ーフ、さらには住宅用窓ガラス、サンルーフ等への適用
である。
ところで、上記光学機能素子の屋外での使用時に基板
となるガラスまたは透明樹脂表面を水滴が付着し、視界
を妨げたり表示を見にくくすることがあった。とくに透
過型ECDまたはLCDを調光膜として利用したり反射型ECD
またはLCDを防眩ミラーとして用いる場合、基板表面へ
の水滴の付着が問題化しつつある。
従来、前記光学機能素子の基板表面への水滴付着に対
する問題点を解決する方法として、基板表面のぬれ性を
改善する方法が試みられており、疎水性を有する有機膜
を基板表面へコーティングする方法や、酸化チタンある
いは酸化セリウム等を基板表面へコーティングする方法
(特開昭63−104028号公報)等が提案されている。
しかしながら屋外での使用環境は厳しく、前者の有機
膜コーティングでは長期の使用に耐えず、また後者の酸
化チタンまたは酸化セリウム等のコーティングでは疎水
性能が水の接触角にして約80゜と低く視認性が劣るとい
う問題があった。
そこで、本発明者らは、上述の如き従来技術の問題点
を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験を重ねた結
果、本発明を成すに至ったものである。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、疎水性に優れるとともに耐久性に優
れた超疎水性複合材料、その製造方法、およびその用途
を提供するにある。
本発明者らは、上述の従来技術の問題に関し、以下の
ことに着眼した。すなわち、先ず、耐環境性や耐摩耗性
の優れた材料に着目した。従来より疎水性材料として知
られている有機シリコーンやフッソ系樹脂などの高分子
材料は、一般にセラミックス材料に比べ硬度において柔
らかく、また紫外線に弱いため、耐環境性や耐摩耗性に
劣る。そこで、硬度がセラミックス材料に比べて高分子
材料ほど柔らかくなく、しかも耐摩耗性、耐紫外線、耐
湿性などの耐久性に優れた無機酸化物に着目し、これら
無機化合物について検討した結果、特定の無機酸化物に
化学吸着という現象を付加することによって接触角にし
て90度以上の疎水性酸化物を見つけるに至った。
そして、90度以上の接触角の疎水性を有し、その疎水
性が耐久性のある、つまり例え酸化物表面層が削れたと
しても、化学吸着の特性上疎水性が自己修復される表面
を有する超疎水性材料、そしてこの疎水性を早期に発現
させて超疎水性材料を得る方法、およびその用途に関す
る発明を成すに至った。
〔第1発明の説明〕 第1発明の構成 本第1発明の超疎水性複合材料は、基板と、該基板上
に形成したアルミニウム、スカンジウム、クロム、マン
ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、イット
リウム、インジウム、スズ、及びセリウムを除くランタ
ン系列元素の一種の金属酸化物または二種以上の複合酸
化物からなる超疎水性無機質表面層とからなり、該超疎
水性無機質表面層はその表面に水酸基を化学吸着させて
得てなり、しかも該超疎水性無機質表面層が90度以上の
接触角を有してなり、超疎水性および耐久性に優れてな
ることを特徴とする。
第1発明の作用 この超疎水性複合材料が優れた効果を発揮するメカニ
ズムについては、未だ必ずしも十分に明らかではない
が、次のように考えられる。
本来、無機酸化物はその表面エネルギーが500erg/cm2
以上であり、親水性を示す。そのうち、アルミニウム、
スカンジウム、クロム、マングン、鉄、コバルト、ニッ
ケル、銅、ガリウム、イットリウム、インジウム、ス
ズ、及びセリウムを除くランタン系列元素の一種の金属
酸化物または二種以上の複合酸化物は、その表面に水酸
基を化学吸着することによって表面エネルギーが極めて
低下し、接触角にして90度以上の疎水性を付与すること
ができる。さらに、Wentzelの法則によって接触角が90
度であると疎水性能が格段に向上することが知られ、上
記酸化物はこれを満足する物質となっている。
また、上記酸化物は本来高分子に比べ耐環境性、耐摩
耗性等の耐久性に優れる。例えば、大変厳しい環境にお
いて酸化物表面が削られた場合でも、自然に化学吸着層
が形成され疎水性が再生される。
第1発明の効果 本発明の超疎水性複合材料は、基板表面に90度以上の
接触角を持つ超疎水性無機質材料からなる表面層を有す
るので、疎水性に優れるとともに耐久性に優れた材料で
ある。
また、本発明の超疎水性材料は、アルミニウム、スカ
ンジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、ガリウム、イットリウム、インジウム、スズ、
及びセリウムを除くランタン系列元素の一種の金属酸化
物または二種以上の複合酸化物をガラス、樹脂等の基板
にコーティングし、その表面に水酸基を化学吸着させる
という簡単な方法によって作製することができる。
また、本発明の超疎水性複合材料は、表面が摩耗して
もその後吸着層が形成されて再び疎水性を発揮するの
で、疎水性や耐久性などの持続性に優れている。
〔第1発明のその他の発明の説明〕 以下に、前記第1発明のその他の発明について説明す
る。
本発明の超疎水性複合材料において、基板は、ガラ
ス、陶磁器などの無機材料、および樹脂などの有機材料
である。
また、超疎水性無機質表面層は、前記基板上に形成し
たアルミニウム、スカンジウム、クロム、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、イットリウ
ム、インジウム、スズ、及びセリウムを除くランタン系
列元素の一種の金属酸化物または二種以上の複合酸化物
からなる。
この超疎水性無機質表面層は、厚さが200〜50000Åで
あることが好ましい。これは、該層熱が200Å未満の場
合、該表面層が不連続となり疎水性を発現することがで
きない虞れがあるからである。また、該層厚が50000Å
を超えた場合、層内部の応力等によって層が剥離し易く
なるので好ましくない。
また、超疎水性無機質表面層が上記元素の二種類以上
の複合酸化物の場合、その混合比率はどのようであって
も同様に前記本発明の効果を奏することができる。
なお、前記超疎水性無機質表面層のうち、酸化イット
リウムは前記元素の酸化物の中でも特に疎水性能に優れ
ており、95度以上の接触角を有するので好ましい。ま
た、酸化イットリウム層からなる表面層とすることによ
り、該表面層は硬度固くしかも紫外線に対して劣化しな
いので耐環境性や耐摩耗性などの耐久性に優れた複合材
料とすることができ、さらに該表面層が厳しい環境下で
摩耗しても空気中の水によって化学吸着層が自然再生さ
れて疎水性を回復するので前記効果の持続性に優れた複
合材料とすることができる。これは、酸化イットリウム
の生成熱は酸化物の中でも特に大きく、酸化物として大
変安定しており、またイットリウムの電気陰性度は金属
の中で比較的小さく、従ってイットリウムと酸素はイオ
ン結合により結合している割合が高く、イットリウム
(Y)イオンは酸素(O)イオンによってスクリーンさ
れ、さらに酸素(O)イオンが表面に存在するため水酸
基が非常に化学吸着し易い。その結果、酸化イットリウ
ム表面は化学吸着によって表面エネルギーが大変低下し
ている。
さらに、前記酸化物が、酸化イットリウムと、イット
リウムよりイオン半径が小さい金属または該金属の酸化
物を混合した複合酸化物である場合は、疎水性能および
該性能の持続性が前記酸化イットリウムと同程度の性能
を有する上に、水酸基の化学吸着が早期に進行するので
好ましい。この金属としては、アルミニウム、スカンジ
ウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッ
ケル、銅、亜鉛およびガリウムの一種または二種以上の
複合物である。このとき、酸化物中における酸化イット
リウムの配合比率が、98at%〜50at%であることが好ま
しい。これは、該比率が50at%未満である場合は酸化イ
ットリウム単独である場合程の疎水性能が得られず、ま
た該比率が98at%を越えた場合は疎水性能の早期進行が
みられない。このような複合酸化物とした場合、酸化イ
ットリウムにイットリウムイオンよりイオン半径が小さ
い金属の酸化物を混入させることにより、水酸基が化学
吸着しやすい状態の表面となり、疎水性が早期に発現す
ることができる。
本発明の超疎水性複合材料は、基板の表面に超疎水性
無機質を被覆することにより得られる。
この本発明の超疎水性複合材料の製造方法について、
その具体的一例を簡単に説明すると以下のようである。
先ず、基板としてガラスなどの無機材料や樹脂などの
有機材料を用意する。次に、該基板の上に、スパッタリ
ング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの物
理的蒸着法により、アルミニウム、スカンジウム、クロ
ム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウ
ム、イットリウム、インジウム、スズ、及びセリウムを
除くランタン系列元素の一種の金属酸化物または二種以
上の複合酸化物からなる超疎水性無機質表面層を形成す
る。
このうち、超疎水性無機質表面層をスパッタリング法
により形成する場合は、最初に前記基板を洗浄した後、
該基板を真空処理装置内に配設し、10-6Torr程度まで真
空排気する。次いで、アルゴンガスなどの希ガスを3〜
5×10-3Torr程度まで導入し、基板表面にRFイオンエッ
チングを行う。このエッチング条件としては、30〜100W
で5分程度行えば十分である。なお、基板が有機材料の
場合は、耐熱性が低いため、2分以下であることが好ま
しい。イオンエッチング後、アルゴンガスまたはアルゴ
ンガスと酸素ガスとの混合ガスを3〜5×10-3Torr程度
まで導入し、本発明の金属酸化物ターゲットをRFスパッ
タによって所望の膜厚の酸化物を被覆する。
また、真空蒸着法やイオンプレーティング法では、本
発明の前記超疎水性無機質表面層の原料となる金属ペレ
ットを用い、基板に前記金属酸化物を被覆する。
なお、これら物理的蒸着法のほか、化学蒸着法やゾル
−ゲル法によっても前記酸化物の被覆が可能である。
次に、基板に前記酸化物を被覆して得られた処理材料
の表面に水酸基を化学吸着させることにより、超疎水性
を発現し、本発明にかかる超疎水性複合材料が得られ
る。
なお、前記超疎水性無機質表面層として酸化イットリ
ウム、とイットリウムよりイオン半径が小さいアルミニ
ウム、スカンジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、
コバルト、ニッケル、銅、亜鉛およびガリウムまたは該
金属の酸化物を混合した複合酸化物を前記方法により形
成する場合は、前記方法により基板表面に酸化イットリ
ウム層を形成したときには該層の接触角が90度に達する
のに10日程度要するのに対し、超疎水性能を3〜8日と
早期に発現させることができるので好ましい。従って、
該方法の場合、超疎水性複合材料を迅速かつ簡単に製造
することができるという特有の効果を奏することができ
る。かかる効果が得られるのは、イットリウムよりイオ
ン半径の小さい元素の酸化物を混合することによって酸
素のスクリーニング効果を高め、水酸基の化学吸着過程
を促進するからと考えられる。
なお、本発明の複合材料は、水をはじくための部材に
特に有用であるが、窓ガラス、半導体パッシベーション
の最表層、テーブルマットなど、各種の用途、材料に利
用できる。
〔第2発明の説明〕 本第2発明は、前記第1発明の超疎水性複合材料を製
造する方法であり、その中でも特に超疎水性を早期に発
現させる方法に関するものである。
発明の目的 前記発明の目的に加えて、以下のような目的を有す
る。
本第2発明の他の目的は、超疎水性を早期に発現させ
る超疎水性複合材料の製造方法を提供するにある。
発明の構成 本第2発明の超疎水性複合材料の製造方法は、ガラス
または樹脂材料などの材料を主体とする基板の表面にア
ルミニウム、スカンジウム、クロム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、銅、ガリウム、イットリウム、イン
ジウム、スズ、及びセリウムを除くランタン系列元素の
一種の金属酸化物または二種以上の複合酸化物からなる
無機質層を形成する無機質材料被覆工程と、該表面に水
酸基を化学吸着させる超疎水性早期発現工程とからなる
ことを特徴とする。
発明の作用および効果 本発明の超疎水性複合材料の製造方法により、基板に
形成した超疎水性無機質材料の超疎水性能を数分〜1日
と早期に発現させることができる。従って、超疎水性複
合材料を迅速かつ簡単に製造することができる。
本第2発明の製造方法によりかかる効果が得られるメ
カニズムについては、未だ必ずしも十分に明らかではな
いが、次のように考えられる。
すなわち、先ず、無機質材料被覆工程において基板の
表面に被覆されたアルミニウム、スカンジウム、クロ
ム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウ
ム、イットリウム、インジウム、スズ、及びセリウムを
除くランタン系列元素の一種の金属酸化物または二種以
上の複合酸化物からなる無機質層は、被覆直後に50erg/
cm2以上の表面エネルギーを有する。次いで、超疎水性
早期発現工程において、積極的に水分を該表面層に補給
し、熱摩擦等のエネルギーによってこの表面層に強制的
に水酸基を化学吸着させて、表面層の表面エネルギーを
20〜30erg/cm2に低下させることにより、数分〜1日で
安定な化学吸着層を形成することができる。
〔第2発明のその他の発明の説明〕 以下に、前記第2発明のその他の発明について説明す
る。
本発明の超疎水性複合材料の製造方法は、先ずガラス
または樹脂材料などの材料を主体とする基板の表面にア
ルミニウム、スカンジウム、クロム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、銅、ガリウム、イットリウム、イン
ジウム、スズ、及びセリウムを除くランタン系列元素の
一種の金属酸化物または二種以上の複合酸化物からなる
無機質層を形成する(超疎水性無機質材料被覆工程)。
前記基板への超疎水性無機質層の形成方法としては、
スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング
法などの物理的蒸着法、化学蒸着法、ゾル−ゲル法など
がある。該表面層の具体的な形成方法については、第1
発明のその他の説明の項で説明した具体的一例が挙げら
れる。
次に、前記無機質材料被覆工程により基板の表面形成
された無機質層に水酸基を化学吸着させる(超疎水性早
期発現工程)。これにより、該無機質層の表面エネルギ
ーを低下させて該表面エネルギーを20〜30erg/cm2とす
ることができる。
この表面層に水酸基を化学吸着させるとともに該表面
層の表面エネルギーを低下させる方法としては、具体的
には低温熱処理方法、水乾拭き処理法、加湿処理
法などが挙げられる。
低温熱処理方法は、前記基板に表面層を形成した材料
を50℃〜90℃の温度で適度な湿度雰囲気下において1時
間程度熱処理することにより行う。
水乾拭き処理法は、先ず前記基板に表面層を形成した
材料の表面を水をしみこませた柔らかい布などで軽く拭
き、その後乾いた布で前記表面層の表面に付着した水滴
を取り除くと同時に表面を擦ることにより行う。
加湿処理法は、前記基板に表面層を形成した材料を常
温で90%以上の加湿雰囲気に3時間程度以上放置するこ
とにより行う。
〔第3発明の説明〕 本第3発明は、前記第1発明の超疎水性複合材料をフ
ラットパネルディスプレイ等の光学機能素子に応用した
用途発明に関するものである。
発明の目的 本第3発明の目的は、上述の本発明の目的のほかに、
以下のような目的を有する。
すなわち、本第3発明の他の目的は、高い疎水性と視
認性とを確保して、耐環境性に優れた光学機能材料を提
供するにある。
発明の構成 (第3発明−1) 本発明の光学機能材料は、ガラスまたは樹脂などの材
料を主体とする基板と,該基板上に形成した光学機能部
とを有してなる光学機能材料であって、前記光学機能部
は、一方または両方が透明電極で構成される一対の電極
と、該電極間に充填した電気信号により光学的性質が変
化する電気光学物質層とからなり、前記基板は、光学機
能部が設けられていない側の表面に酸化イットリウムか
らなる超疎水性無機質表面層を有してなることを特徴と
するものである。
(第3発明−2) 本発明の光学機能材料は、ガラスまたは樹脂などの材
料を主体とする一対の基板と,該基板間に形成した光学
機能部とを有してなる光学機能材料であって、前記光学
機能部は、一方または両方が透明電極で構成される一対
の電極と,該電極間に充填した電気信号により光学的性
質が変化する電気光学物質層とからなり、前記基板は、
少なくとも一方の基板の光学機能部が設けられていない
側の表面に、酸化イットリウムからなる超疎水性無機質
表面層を有してなることを特徴とするものである。
発明の作用および効果 本第3発明の光学機能材料は、高い疎水性と視認性と
を有しており、耐環境性に優れたものである。
この光学機能材料が上述のごとき効果を発揮するメカ
ニズムについては、未だ必ずしも十分に明らかでない
が、次のように考えられる。
疎水性能は、物質固有の表面張力と関係が深く表面張
力の大きな材料は接触角が小さくぬれ易く、逆に表面張
力の小さな材料は接触角が大きく疎水性に優れる。本第
3発明における酸化イットリウムは後者の材料である。
この酸化イットリウム(Y2O3)の酸化物生成熱は酸化物
の中で特に大きく、YイオンはOイオンにスクリーンさ
れ、さらにOイオンが表面に存在するためガス吸着しや
すい状態であり、その結果、表面張力が非常に小さくな
る。接触角であらわすと、従来の酸化物が80゜以下であ
るのに対し、Y2O3では95゜以上の接触角をもつ。また、
Wenzelの法則から接触角が90゜以上であると疎水性能が
格段に向上することが知られ、Y2O3はそれを満足する。
また、Y2O3は耐候性、耐摩性がよく、保護膜としても有
効に働く。
なお、本発明において、基板を透明電極ガラスなどの
電極と兼用した構成とすることができる。
〔第3発明のその他の発明の説明〕 以下に、前記第3発明のその他の発明について説明す
る。
本発明の光学機能材料は、表示素子および光学機能素
子の表面を疎水化し、視認性を永続的に確保するために
ガラスまたは透明樹脂等からなる基板表面に下記3条件
を満たす機能膜を形成することを着想してなされたもの
である。第1は可視域(380mm〜780mm)で透明であるこ
と、第2は水に対して疎水性であること(接触角θ≧90
゜)、第3は屋外での使用を考え耐摩性に優れているこ
とである。本発明では、上記条件を満たす機能膜として
酸化イットリウム膜を用いたものである。
本発明において、光学機能材料としては、液晶表示素
子、エレクトロクロミック表示素子、エレクトロルミネ
ッセンス素子のいずれかであることが好ましい。
本発明にかかる光学機能材料の構造例を第1図により
説明する。基板11、15は通常透明なガラスまたは樹脂で
あり、その形状は平面板または曲面板であってもよく、
電気信号によりその光学特性の変化する電気光学物質層
13を保持すると共に第1図の場合は透過型、また第2図
の場合は反射型の光学機能素子の表示面としての役割を
有する。透明導電膜(電極)12、14を形成する材料とし
てはITO(Indium TinOxide)、ATO(Antimony Tin Oxid
e)等を使用することができる。なお、第2図に示す反
射型光学機能素子においては、透明導電膜24をITO、ATO
等で形成し、反射膜を兼ねる電極膜22を通常光学反射率
の高いAl、Ag、In、Sn、Cu等の金属または合金膜で形成
することができる。また基板25は反射型光学機能素子の
表示面としての役割を有することは前述の通りである。
電気光学物質層13は透明導電膜(電極)12、14から印
加される電気信号により自ら発光するもの(自発光型)
および入射または反射する光の特定の波長の光を吸収
し、着・消色するもの(光制御型)で構成される。自発
光型電気光学素子であるELDにおいては発光物質層13と
して通常ZnS系の蛍光体が用いられる。電極12、14間に
は交流または直流の電界が印加され蛍光体への電子の注
入により発光する。一方、光制御型電気光学素子にはEC
D、LCD等がある。これらのうちECDにおいてはエレクト
ロクロミック層13として通常WO3、MoO3、IrO2等が用い
られ、電極12、14に印加される電界により素子中に含ま
れる水の電気分解によって生じたH+またはOH-と上記エ
レクトロクロミック物質層13との間で酸化または還元反
応が生じ、エレクトロクロミック層13の吸光特性が変化
することにより着色・消色等の光制御を行うものであ
る。また、LCDでは配向制御された有機化合物からなる
液晶が電気光学物質層13として電極12、14間に充填封止
されており電極12、14間への電界の印加により入射また
は反射する光の透過率を変化させ光制御を行うものであ
る。
本発明にかかる光学機能材料は基板11、15上に酸化イ
ットリウム(Y2O3)層10、16を被覆して成るものであ
る。なお、第2図においては、基板25上に酸化イットリ
ウム層26を被覆してなる。
成膜手法は重要で通常スパッタリング、イオンプレー
ティング、真空蒸着等のPVD(Physical Vapour Deposit
ion)の適用も可能である。可視域で透明なことが必要
であり膜厚は200〜50000Åが適当である。該膜厚が200
Åより薄くなると膜が不連続的になり、また50000Åを
越えると膜の内部応力が増大し、膜が剥離しやすい状態
となる。
本発明を構成する重要な項目に基板11、15、25表面の
疎水化の問題がある。光学機能素子として表示情報の視
認性を確保するためには疎水化する必要があり、通常使
用されているガラスまたは透明樹脂の水に対する接触角
は20゜から40゜の範囲内にあり、もし親水化し20゜以下
のぬれ性になると水は一面に広がり光は透過しやすいが
像に歪みを生じ視認性は望ましくない。一方、疎水化処
理すると水は水滴として風、振動または重力によって流
れてしまい、視認性は確保される。特に、本発明である
Y2O3膜をコーティングすると接触角95゜〜100゜が得ら
れ、疎水効果は著しい。
なお、Y2O3膜は耐摩性等の機械的性質が優れているこ
とが確認された。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例を説明する。
第1実施例 基板としてガラスなどの無機質材料および樹脂等の有
機質材料を用い、該基板表面に無機質表面層を被覆して
超疎水性複合材料を製造し、該材料の性能評価試験を実
施した。
先ず、基板として、第1表に示した厚さ2〜5mmのソ
ーダ石灰ガラス、アルミナ(Al2O3)磁器、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)、およびポリカーボネート(PC)を用意
し、該基板を十分に乾燥させた。なお、基板として有機
質材料を用いた場合には、該基板を脱脂後乾燥させた。
次に、用意した基板の表面に、第1表に示したターゲ
ットを用いて、基板のRFイオンエッチング条件を50W,5
分とし、成膜条件をスパッタ電力200〜500W、成膜時間
5〜20分、スパッタガスをアルゴン3×10-3Torrとし、
第1表に示す物質からなる表面層を形成し、10〜11日放
置して本実施例の複合材料を得た(試料番号1〜9)。
得られた超疎水性複合材料の性能評価試験を、疎水性
評価試験、耐摩耗性試験により行った。先ず、疎水性評
価試験は、得られた材料表面における水の接触角を測定
して該表面の水に対するぬれ性を評価することにより行
った。その結果を、第1表に示す。
また、耐摩耗性試験は、得られた複合材料を、研磨剤
をしみこませた布で100g/cm2の荷重で1000回拭き擦り、
3日間放置後に疎水性評価試験を実施することにより行
った。その結果を、第1表に示す。
なお、比較のために、本発明にかかる表面層とは異な
る種類の金属酸化物からなる表面層(試料番号C1、C2)
および有機シリコーンからなる表面層(C3)を上記と同
様の基板に被覆して比較用複合材料を作製し(試料番号
C1〜C3)、同様の性能評価試験を実施した。その結果
を、第1表に併せて示す。
第1表より明らかのごとく、本実施例の場合は、初期
疎水性が接触角にして90度以上有しており、疎水性に優
れていることが分る。特に酸化イットリウム層の場合
は、接触角にして95度以上と大変優れた疎水性を示して
いる。これに対して比較例の場合は、本発明と異なる金
属酸化物を用いた場合は接触角が80度以下と、疎水性に
劣ることが分る。
また、耐摩耗性試験の結果、本実施例の場合は初期と
同様の疎水性を発揮している。これに対して有機シリコ
ーンを被覆した場合は、接触角が60度〜90度と低下し、
しかもむらを生じていた。
第2実施例 基板としてホウケイ酸ガラスおよびソーダ石灰ガラス
を用い、該基板表面に酸化イットリウムとイットリウム
イオンよりイオン半径が小さい金属の酸化物との複合酸
化物の無機質表面層を被覆して超疎水性複合材料を製造
し、該材料の性能評価試験を実施した。以下、第1実施
例との相違点を中心に説明する。
先ず、基板として、第2表に示した厚さ1〜3mmのホ
ウケイ酸ガラスおよびソーダ石灰ガラスを用意し、該基
板を十分に乾燥させた。
次に、用意した樹脂基板の表面に、第2表に示した出
発原料を用いて、第1実施例と同様の成膜条件により第
2表に示す物質からなる表面層を形成し、適当な期間空
気中に放置して本実施例の複合材料を得た(試料番号11
〜17)。
このとき、該複合材料の表面層が90度の接触角を示す
までに要した日数と、10日放置後の接触角(最終接触
角)について測定した。なお、疎水性の評価方法は、第
1実施例と同様にして行った。その結果を、第2表に示
す。
第2表より明らかのごとく、複合酸化物中の酸化イッ
トリウムの配合割合が5%〜50%の場合には、酸化イッ
トリウム単独の表面層の場合に比べて、疎水性が早期に
発現することが分る。なお、本実施例の複合材料は、何
れも第1実施例と同様の耐久性を有していることが確認
された。
第3実施例 基板としてソーダ石灰ガラスを用い、該基板表面にス
パッタリング法により第3表に示す表面層を被覆し、第
3表に示す疎水性早期発現方法を実施して本実施例の複
合材料を得た(試料番号21〜31)。
このとき、該複合材料の表面層が90度の接触角を示す
までに要した日数と、10日放置後の接触角(最終接触
角)について測定した。なお、疎水性の評価方法は、第
1実施例と同様にして行った。その結果を、第3表に示
す。
第2表より明らかのごとく、本発明の第2発明にかか
る超疎水性複合材料の製造方法により、基板に表面層を
被覆して3時間以内に90゜以上の疎水性を得ることがで
き、疎水性早期発現工程により処理工程の大幅な時間短
縮が図れることが分る。
第4実施例 光学機能素子としてELD、ECDおよびLCDを用い、それ
ら基板の表面をY2O3膜で被覆し表面層を形成して本第3
発明にかかる第3実施例の光学機能材料を製造し、該光
学機能材料の性能評価試験を反射型の光学機能素子とし
て動作させることにより行った。このELD、ECD、および
LCDの概略構成図を、それぞれ第3図ないし第5図に示
す。
第3図はECD素子の断面を示すもので透明ガラス基板3
1上に透明導電膜32としてITOを2000Åの厚さに真空蒸着
し、続いて絶縁膜33としてSi3N4を3000Å、電界発光層3
4として5%Mnを含むZnSを3000Å、さらに絶縁膜35とし
てSi3N4を3000Åおよび電極兼反射膜36としてAlを2000
Åいずれもスパッタリング法により形成した。そして最
後にY2O3膜37を1000Åの厚さにスパッタリング法により
形成した(試料番号41)。
第4図はECD素子の断面を示すものである。電極膜42
としてAlを真空蒸着により2000Å形成したガラス基板41
と、ITO45を2000Å、EC層としてWO3膜64を4000Åいずれ
も真空蒸着したガラス基板46とを対向させ、その間に電
解質43(1M/l LiClO4を加えたプロピレンカーボネート
液)を充填して成る。ECDセルとして封止後、Y2O3膜47
を1000Åの厚さに形成した(試料番号42)。
第5図はLCD素子の断面を示すもので電極兼反射膜と
してAl52を2000Å真空蒸着し、その上にSiOからなる配
向膜53を真空蒸着により形成したガラス基板51と、ITO
膜56およびSiOからなる配向膜55を形成したガラス基板5
7とを対向させ、その間に液晶54を充填し封止すること
によりLCDセルとした。ガラス基板57上にY2O3膜58を200
0Åの厚さに形成した(試料番号43)。
比較のために、前述のY2O3膜に代えて第4表に示すよ
うにTiO2膜、CeO2膜、TiO2膜をそれぞれ形成した以外
は、前記試料番号41〜43と同様にしてELD、ECD、LCDを
それぞれ製造した(試料番号C41〜C43)。
得られた本実施例材料および比較用材料ついて、疎水
性の性能評価試験を実施した。該試験は、素子表面にお
ける水の接触角に測定してその表面の水に対するぬれ性
を評価した。その評価結果を第4表に示す。
第4表より明らかなように、比較例では接触角が80゜
と低いのに対して、本実施例では接触角が95゜であり高
い疎水性を有することがわかる。
上記実施例では反射型表示素子としての応用を中心に
記載したが、透過型ECDまたはLCDを調光ガラスとして使
用する場合、ガラス基板上の視認性を確保したい部分に
のみY2O3膜を形成することが可能である。その具体的な
応用例として、自動車用窓ガラスに適用した例を第6図
に示す。この応用例は、自動車用窓ガラス(フロントガ
ラス)60の一部分にECDまたはLCDからなるサンバイザー
部62を設け、該サンバイザー部62を含む全面に膜厚が50
00ÅのY2O3膜61を被覆し、視認性の確保を図ったもので
ある。
また、他の応用例として、自動車用ドアミラー70に適
用した例を第7図に示す。この応用例は、ECDまたはLCD
71を反射率調整用電気光学素子として使用し、ガラス最
表面にY2O3膜71を2000Åの厚さで被覆したものである。
これより雨天時において優れた視認性を確保することが
でき、安全性の面においても改善することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の透過型光学機能材料断面図、第2図は
本発明の反射型光学機能材料断面図、第3図ないし第5
図は本発明の第3実施例の光学機能材料を示し、第3図
はそのELD素子の断面図、第4図はそのECD素子の断面
図、第5図はそのLCD素子の断面図、第6図は自動車用
フロントガラスへ応用した例を示す概略構成図、第7図
は自動車用ドアミラーへ応用した例を示す概略構成図で
ある。 A……入射光(太陽光)、 B……透過光、 C……反射光、D……眼、 11、15、21、25……基板、 12、14、24……透明電極膜、 22……反射膜兼電極膜、 13、23……発光物質層または調光物質層、 10、16、26……Y2O3膜、 31、41、46、51、57……ガラス基板、 32……ITO透明導電膜、 33、35……絶縁膜Si3N4、 34……EL層 ZnS−5%Mn、 36、42、52……Al電極、 37、47、58……Y2O3膜、 43……電解質、1M/ LiClO4を加えたプロピレンカーボ
ネート液、 44……EC層、WO3膜、 45、56……ITO透明電極膜、 53、55……SiO配向膜、 54……液晶、 60……自動車用フロントガラス、 61……Y2O3膜被覆領域、 62……ECD又はLCDによる調光可能領域、 70……自動車用ドアミラー、 71……ECDまたはLCDによる調光可能領域かつY2O3膜被覆
領域

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、該基板上に形成したアルミニウ
    ム、スカンジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、
    ニッケル、銅、ガリウム、イットリウム、インジウム、
    スズ、及びセリウムを除くランタン系列元素の一種の金
    属酸化物または二種以上の複合酸化物からなる超疎水性
    無機質表面層とからなり、該超疎水性無機質表面層はそ
    の表面に水酸基を化学吸着させて得てなり、しかも該超
    疎水性無機質表面層が90度以上の接触角を有してなり、
    超疎水性および耐久性に優れてなることを特徴とする超
    疎水性複合材料。
  2. 【請求項2】基板と、該基板上に形成した酸化イットリ
    ウムからなる超疎水性無機質表面層とからなり、該超疎
    水性無機質表面層が95度以上の接触角を有してなり、超
    疎水性および耐久性に優れてなることを特徴とする超疎
    水性複合材料。
  3. 【請求項3】基板と、該基板上に形成した酸化イットリ
    ウムとイットリウムイオンよりイオン半径の小さい金属
    または該金属の酸化物とからなる複合酸化物からなる超
    疎水性無機質表面層とからなり、該超疎水性無機質表面
    層が95度以上の接触角を有してなり、超疎水性および耐
    久性に優れてなることを特徴とする超疎水性複合材料。
  4. 【請求項4】ガラスまたは樹脂材料などの材料を主体と
    する基板の表面にアルミニウム、スカンジウム、クロ
    ム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウ
    ム、イットリウム、インジウム、スズ、及びセリウムを
    除くランタン系列元素の一種の金属酸化物または二種以
    上の複合酸化物からなる無機質層を形成する無機質材料
    被覆工程と、該表面に水酸基を化学吸着させる超疎水性
    早期発現工程とからなることを特徴とする超疎水性複合
    材料の製造方法。
  5. 【請求項5】無機質材料被覆工程において形成する無機
    質層が、酸化イットリウムを含んでなることを特徴とす
    る特許請求の範囲第(4)項に記載の超疎水性複合材料
    の製造方法。
  6. 【請求項6】超疎水性早期発現工程が、低温熱処理方
    法、水乾拭木処理法、加湿処理法の何れかの方法により
    行うことを特徴とする特許請求の範囲第(4)項に記載
    の超疎水性複合材料の製造方法。
  7. 【請求項7】ガラスまたは樹脂などの材料を主体とする
    基板と、該基板上に形成した光学機能部とを有してなる
    光学機能材料であって、 前記光学機能部は、一方または両方が透明電極で構成さ
    れる一対の電極と、該電極間に充填した電気信号により
    光学的性質が変化する電気光学物質層とからなり、 前記基板は、光学機能部が設けられていない側の表面に
    酸化イットリウムからなる超疎水性無機質表面層を有し
    てなることを特徴とする光学機能材料。
  8. 【請求項8】ガラスまたは樹脂などの材料を主体とする
    一対の基板と、該基板間に形成した光学機能部とを有し
    てなる光学機能材料であって、 前記光学機能部は、一方または両方が透明電極で構成さ
    れる一対の電極と、該電極間に充填した電気信号により
    光学的性質が変化する電気光学物質層とからなり、 前記基板は、少なくとも一方の基板の光学機能部が設け
    られていない側の表面に、酸化イットリウムからなる超
    疎水性無機質表面層を有してなることを特徴とする光学
    機能材料。
JP1199804A 1988-12-15 1989-07-31 超疎水性複合材料とその製造方法、および光学機能材料 Expired - Fee Related JP2732129B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-318177 1988-12-15
JP31817788 1988-12-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02258250A JPH02258250A (ja) 1990-10-19
JP2732129B2 true JP2732129B2 (ja) 1998-03-25

Family

ID=18096323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1199804A Expired - Fee Related JP2732129B2 (ja) 1988-12-15 1989-07-31 超疎水性複合材料とその製造方法、および光学機能材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2732129B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6689476B2 (en) * 2001-06-27 2004-02-10 Guardian Industries Corp. Hydrophobic coating including oxide of Ni and/or Cr
JP4986444B2 (ja) * 2005-12-12 2012-07-25 株式会社トクヤマ 疎水性無機粉体及びその製造方法
US8334031B2 (en) 2008-12-08 2012-12-18 General Electric Company Wetting resistant material and articles made therewith
WO2022250115A1 (ja) * 2021-05-28 2022-12-01 京セラ株式会社 膜付部材

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5946103A (ja) * 1982-09-10 1984-03-15 Toshiba Corp 酸素ガス選択透過性複合膜
JPS5946104A (ja) * 1982-09-10 1984-03-15 Toshiba Corp 酸素ガス選択透過性複合膜
JPS62196140A (ja) * 1986-02-24 1987-08-29 東レ株式会社 透明導電フイルム
JPS63110420A (ja) * 1986-10-29 1988-05-14 Mitsubishi Kasei Corp 導電性基材

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5946103A (ja) * 1982-09-10 1984-03-15 Toshiba Corp 酸素ガス選択透過性複合膜
JPS5946104A (ja) * 1982-09-10 1984-03-15 Toshiba Corp 酸素ガス選択透過性複合膜
JPS62196140A (ja) * 1986-02-24 1987-08-29 東レ株式会社 透明導電フイルム
JPS63110420A (ja) * 1986-10-29 1988-05-14 Mitsubishi Kasei Corp 導電性基材

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02258250A (ja) 1990-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2396583C2 (ru) Прозрачный электрод для переключаемого электрохромного элемента (варианты)
JP4299818B2 (ja) 自動クリーニング親水性コーティングを持つ電気光学装置
JP6783806B2 (ja) 積層グレージング
US8274730B2 (en) Glass type electrochemical/electrically controllable device with variable optical and/or energetic characteristic
JP4782283B2 (ja) 電気的に制御可能な光学的/エネルギー的性質を有するグレイジング
CA1203726A (en) Transparent, heat-insulating coating for a transparent substrate
US7193763B2 (en) Electrochemical/electrocon trollable device electrode
CN203658697U (zh) 一种用于具有液晶中介的可变散射特性的上光单元的导电支撑物及此上光单元
US20110247859A1 (en) Method for manufacturing a submillimetric electrically conductive grid, and submillimetric electrically conductive grid
GB2122919A (en) Heat shielding lamination
KR102605053B1 (ko) 액정에 의한 가변 산란성을 갖는 전기적으로 제어가능한 디바이스
JP2008542804A (ja) 電気化学的/電気駆動式デバイスの電極
US20050286132A1 (en) Electrochromic device having a self-cleaning hydrophilic coating with a controlled surface morphology
GB2121075A (en) Heat-shielding lamination
JP2008542804A5 (ja)
JP2010508555A (ja) 最適化された電気化学抵抗を有する金属グリッドを伴う高導電性透明層
JP2732129B2 (ja) 超疎水性複合材料とその製造方法、および光学機能材料
JPH03232746A (ja) 電導性ガラスの製造方法
EP1678530B1 (en) Electrochromic device having a self-cleaning hydrophilic coating with an acid resistant under layer
JPH09227157A (ja) 防曇性被膜形成基材、これを用いた防曇膜及びその製造方法
JP2020082513A (ja) 透明導電体、調光体及び透明発熱体
EP3601186B1 (en) Infrared rays (ir) reflective laminated glass for a window
JPH04129734A (ja) 疎水性材料およびその製造方法
JPH06191894A (ja) 電導性ガラス及びその製造方法
WO2019167900A1 (ja) 透明導電体、調光体及び透明発熱体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees