JPH041293Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は複数のシリンダから排出される排気ガ
スをアウトレツトパイプへ導くための、自動車等
のマニホルドに関するものである。

〈従来の技術〉 従来、マニホルドはエンジンの複数の排気口
（エキゾーストポート）から排出される排気ガス
をアウトレツトパイプ方向へ導く形状に形成され
た鋳物製のものとか、複数のパイプによつて構成
され複数の排気ガスのガイド機能を持たせた同様
な構造のパイプ製のものなどが用いられていた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 従来の鋳物製マニホルドは、重量が大であるた
めエンジン性能に悪影響を及ぼしたり、熱吸収が
大きいため、排気ガスの温度が奪われ、キヤタリ
ツクコンバータ等公害規制装置の初期機能が低下
する難点があつた。

また、パイプ製マニホルドは、複雑なパイプの
曲げ、カツト、困難な溶接等が要求され、コンパ
クト設計が出来ないし、排気系が有しているエン
ジン透過音が大きい難点があつた。

〈問題点を解決するための手段〉 そこで、従来の難点を本考案ではプレス成形さ
れた板金部品からなる構造、すなわち、複数のエ
キゾーストポートをカバーする形状のマニホルド
ケースを板金製のインナーシエル１とその外部に
所定空間７を形成する大きさのアウターシエル２
とからなるものとし、インナーシエル１及びアウ
ターシエル２には周辺に取付穴３を有するフラン
ジ部４を設けた構造としたのである。

〈作用〉 このような構造の自動車エンジン等のマニホル
ドは、板金部品からなるものであるから軽量化さ
れ、溶接によらないねじ止めであるから、組立
て、組付けが容易であり、インナーシエルとアウ
ターシエルの２重構造であるからエンジン透過音
を防止し、排気ガス温度の低下を防ぐ作用が得ら
れる。

〈実施例〉 以下図面によつて本考案の実施例を詳細に説明
する。

第１図は本考案実施例の分解斜視図であり、第
２図は本装置をエンジン排気部ヘツドへ装着した
場合の縦断面図である。

ここに図示した構造は、複数の部材からなる。
本考案はこれら総てを含むことを意味するもので
はなく、一部の部材は省略しても本考案の目的を
達成することが出来る。エンジンの複数のエキゾ
ーストポート１０をカバーする形状の本マニホル
ドケースは板金製のインナーシエル１とその外部
に所定空間７を形成する大きさのアウターシエル
２とからなる。インナーシエル１及びアウターシ
エル２は前述したように、共に周辺に取付穴３を
有するフランジ部４を有しており、更にインナー
シエル１は排気パイプ５へのポート穴６が設けら
れている。

インナーシエル１は通常用いられているガスケ
ツト１１を介してエンジン排気部ヘツドへ装着さ
れるか、又は直接装着してシーリング材によりガ
ス漏れの無い状態とされる。インナーシエル１の
形状はプレス成形による超深絞り等により前記フ
ランジ部４を残して突出させ、更に中央部はアウ
トレツトパイプ５又は排気パイプへのポート穴６
を設ける為にパイプ状に突出させている。ガスケ
ツト１１の代りに又はガスケツト１１と重ねてエ
キゾーストポート１０に合う位置にバーリング穴
９を有する排気ガスガイドプレート８を設ける
と、排気干渉を極力避けながら排気ガスを後方へ
整流状態で導くことができる。

アウターシエル２はこれもプレス成形による超
深絞り等により前記フランジ部４を残して突出さ
せ、更に中央部にはインナーシエル１のアウトレ
ツトパイプ５と接続する突出部を挿通する穴１２
が設けられている。

インナーシエル１とアウターシエル２との間に
は所定幅の空間７が形成されているが、その空間
には第２図にみられるように、必要に応じて空間
を埋めるに充分な形状に成形されたグラスウール
製等の保温材１３を装填することも出来る。この
ことにより、排気ガスの保温と透過音の減少が更
に顕著となる。

ガスケツト１１、インナーシエル１、保温材１
３及びアウターシエル２等は次々に重ね合わせ
て、締付ねじによりエンジン排気部ヘツドへ直に
螺着させるのである。この時、アウターシエル２
のフランジ部４と同様な形状で厚肉の締付フラン
ジ１４を必要に応じて使用すると、無溶接で全部
材が集成される。アウトレツトパイプ５にフラン
ジ１５を設けてインナーシエル１の突出部と連結
するような構造とした場合には、そのフランジの
溶接を唯一のものとして一体に組付けることがで
きる。

〈考案の効果〉 本考案の自動車エンジン等のマニホルドは以上
のような構造であるから、透過音の低減を可能と
し、その上で排気ガス温の低下を少なくしてい
る。そこで、キヤタリツクコンバータ等の公害規
制装置も正常に働く効果が得られる。

プレス成形された板金部品が主体となつて構成
されている為、鋳物製に比べて軽量（約40％減）
かつ、コンパクトに設計可能で、エンジン外装の
小さなスペースにも容易に取付けることが出来
る。

また、主体の板金部品はプレス成形により得ら
れるので、精度が確保出来、製造、組立てが容易
となり、従つて、品質の安定が計れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の分解斜視図であり、第
２図は本装置をエンジン排気部ヘツドへ装着した
場合の縦断面図である。 １……インナーシエル、２……アウターシエ
ル、３……取付穴、４……フランジ部、５……ア
ウトレツトパイプ、６……ポート穴、７……所定
空間、１０……エキゾーストポート、１１……ガ
スケツト、１２……穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のエキゾーストポートをカバーする形状の
   マニホルドケースが板金製のインナーシエル１と
   その外部に所定空間７を形成する大きさのアウタ
   ーシエル２とからなり、インナーシエル１及びア
   ウターシエル２には周辺に取付穴３を有するフラ
   ンジ部４を設けてなることを特徴とする自動車エ
   ンジン等のマニホルド。