JPH04128949U - エンジンルーム用インシユレータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】軽量化および低コスト化を図るとともに、優れ
た防音性能を達成するエンジンルーム用インシュレータ
を提供することを目的とする。 【構成】ダッシュパネル１０の周縁コーナー部に沿っ
て、吸音材２１表面に遮音材２２を貼着してなる防音材
２０を設置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、エンジンルーム用インシュレータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、エンジンルーム用インシュレータは、エンジンルーム内に設置されて いる主機関および補機類からの騒音を吸収し、車室内あるいは外部に伝播される 騒音のレベルを可及的に低下させる目的で設定されている。

【０００３】 この種のエンジンルーム用インシュレータとしては、図６に示すように、エン ジンルームＥの上面開口を覆うフード１の内面に添設されるフードインシュレー タ２、およびエンジンルームＥと車室Ｒ内とを区画するダッシュパネル３の前面 側に設置されるフロントインシュレータ４が知られている。

【０００４】 そして、このフロントインシュレータ４は、図７に示すように、ダッシュパネ ル３の全面に、塩ビシート，ゴムシート等からなる遮音材を設置するか、あるい はフェルト，ポリウレタンフォーム等の吸音材を設置している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このように、従来のフロントインシュレータ４の構成は、ダッシュパネル３の 全面に遮音材または吸音材を設置するという構成であるため、例えば、遮音材を 使用した場合、遮音材の重量がかさむため、達成する防音性能以上に重量が増し 、製品の軽量化にそぐわないという欠点が指摘されている。

【０００６】 一方、フロントインシュレータ４として吸音材を使用した場合、ダッシュパネ ル３のように車室内に音が透過する傾向のある部分での使用としては不十分であ り、十分な防音性能を発揮することができないという欠点が指摘されている。

【０００７】 さらに、ダッシュパネル３にはパイプ類等の種々の貫通部品があり、ダッシュ パネル３の全面に設置する場合にはこれら貫通部材に対応する孔あけ加工等の面 倒な加工が必要となり、加工コストがかさむ等の不具合も同時に指摘されている 。

【０００８】 この考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、本考案の目的とすると ころは、十分な防音特性が得られるとともに、車両の軽量化ならびに製品の低コ スト化が達成できる実用価値の高いエンジンルーム用インシュレータを提供する ことにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係るエンジンルーム用インシュレータは 、エンジンルームの一部を構成するダッシュパネルのコーナー周縁部の全周ある いは一部に吸音材表面に遮音材を貼着した防音材を設置したことを特徴とする。

【００１０】

【作用】

以上の構成から明らかなように、特にエンジンルーム内の音圧上昇の著しい箇 所であるダッシュパネルのコーナー部のみに、吸音材と遮音材とからなる防音材 を設置するという構成であるため、軽量化および低コスト化が達成できるととも に、吸音材による吸音性能と遮音材による遮音性能との両者を併せた優れた防音 性能が得られる。

【００１１】 また、設置箇所がダッシュパネルのコーナー部のみであるため、貫通部材に対 応する孔あけ加工等が省け、加工も簡単なものとなる。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案によるエンジンルーム用インシュレータの実施例について、添付 図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１３】 図１はエンジンルーム内に本考案によるエンジンルーム用インシュレータを設 置した状態を示す全体斜視図、図２は本考案によるエンジンルーム用インシュレ ータをエンジンルーム内に設置した状態を示す断面図、図３ならびに図４は本考 案によるエンジンルーム用インシュレータの別実施例を示す斜視図ならびに断面 図、図５は本考案と従来例とを対比して示すグラフである。

【００１４】 図１において、エンジンルームＥは、ダッシュパネル１０と、その左右のフー ドレッジパネル１１，１１およびホイールハウス部１２，１２およびフロントパ ネル１３とから構成されている。

【００１５】 なお、本図においてはフードパネルを省略してある。

【００１６】 そして、本考案によるエンジンルーム用インシュレータは、エンジンルームＥ 内の音圧上昇の著しい箇所であるダッシュパネル１０の周縁コーナー部に沿って 防音材２０を設置した構成である。

【００１７】 上記防音材２０の構成は、フェルト，ポリウレタンフォーム等の吸音材２１表 面に無機充填剤を混入した塩ビシート，ゴムシート等の遮音材２２を貼着した積 層体からなり、固定用クリップ３０を介してダッシュパネル１０のコーナー部に 沿って取付けられている（図２参照）。

【００１８】 このように本考案によるエンジンルーム用インシュレータは、吸音材２１と遮 音材２２とからなる積層体である防音材２０をダッシュパネル１０のコーナー周 縁部に沿って設置するという構成であるため、特にエンジンルームＥ内の音圧上 昇の特に著しい箇所であるコーナー部に設定されている関係で、防音性能に大き く貢献できるとともに、ダッシュパネル１０全面に設置する従来例に比べ、軽量 化，低コスト化も期待できる。

【００１９】 さらに、ダッシュパネル１０の全面に設置する従来例に比べ、孔あけ加工等も 廃止でき加工も簡素化される。

【００２０】 また、仕様により、ダッシュパネル１０のコーナー周縁部に部分的に防音材２ ０を設置しても良く、固定手段として接着テープ等の使用も可能である。

【００２１】 次いで、図３は本考案によるエンジンルーム用インシュレータの別実施例を示 すもので、この実施例によれば、ダッシュパネル１０の全面に沿って吸音材２１ を設置し、かつこの吸音材２１の表面側に貼着される遮音材２２をコーナー部の みに設置するというものであり、上述実施例にダッシュパネル１０全面にわたる 吸音材２１を付加するという構成であり、若干重量化するものの、エンジンルー ム内の音圧低減に対して、より効果的であり、防音性能がさらに向上する。

【００２２】 次いで、図４に示す実施例は、ダッシュパネル１０のコーナー周縁部に設置さ れる防音材２０の構成として、ダッシュパネル１０側から吸音材２１，遮音材２ ２，吸音材２３の３層構造としたものである。

【００２３】 本実施例においては、ダッシュパネル１０の周縁コーナー部がエンジンルーム Ｅ内の音圧上昇の特に著しい箇所であることを考慮すれば、より高い防音性能を 達成することができる。

【００２４】 次いで、図５のグラフは、図１に示す実施例と従来例（ダッシュパネル全面に 吸音材のみを設置したもの）の遮音性能を対比して示すグラフであり、このグラ フから明らかなように、騒音周波数の低域および高域における遮音性能が向上し ていることが容易に理解できる。

【００２５】

【考案の効果】

以上説明した通り、本考案によるエンジンルーム用インシュレータは、ダッシ ュパネルのコーナー周縁部に、吸音材と遮音材とからなる防音材を設置するとい う構成であるため、軽量化および低コスト化が図れるとともに、特にエンジンル ーム内の音圧上昇の激しいコーナー部に吸音材と遮音材とからなる防音材を設置 する関係で、吸音性能および遮音性能の両者を有効に機能させ、優れた防音性能 が得られる。

【００２６】 さらに、ダッシュパネル全面に設置する従来構成のものに比べ、貫通部材に対 応する孔あけ加工等が省け、加工コストも引き下げることが可能となる。

【００２７】 したがって、製品の軽量化およびコストダウンを招来するとともに、エンジン ルーム内の優れた防音性能に伴う車室内の静粛化に大きく貢献できるという効果 を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるエンジンルーム用インシュレータ
をダッシュパネルに設置した状態を示す全体斜視図。

【図２】図１に示すエンジンルーム用インシュレータの
縦断面図。

【図３】本考案によるエンジンルーム用インシュレータ
の別実施例を示す全体斜視図。

【図４】本考案によるエンジンルーム用インシュレータ
のさらに別実施例を示す断面図。

【図５】本考案と従来例との遮音性能を対比して示すグ
ラフ。

【図６】従来のエンジンルーム用インシュレータの設置
箇所を示す断面図。

【図７】従来のエンジンルーム用インシュレータの一例
であるフロントインシュレータを示す斜視図。

【符号の説明】

１０ ダッシュパネル ２０ 防音材 ２１，２３ 吸音材 ２２ 遮音材 ３０ 固定用クリップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】エンジンルーム（Ｅ）の一部を構成するダ
   ッシュパネル（１０）のコーナー周縁部の全周あるいは
   一部に吸音材（２１）表面に遮音材（２２）を貼着した
   防音材（２０）を設置したことを特徴とするエンジンル
   ーム用インシュレータ。